概要
1953年(昭和28年)2月28日、第15回国会中の衆議院予算委員会で、吉田茂首相と社会党右派の西村栄一議員との質疑応答中、吉田が西村に対して「バカヤロー」と発言したことがきっかけとなって衆議院が解散されたため、こう呼ばれる。
なお、「バカヤロー」と書くと大声を出したような印象を与えるが、吉田は席に着きつつ非常に小さな声で「ばかやろう」と呟いたのみで、それを偶然マイクが拾い、気づいた西村が聞き咎めたために騒ぎが大きくなったというのが実態である。
「バカヤロー解散」の遠因は、吉田内閣の通産大臣池田勇人にあり、池田が「中小企業の一部倒産もやむを得ない」「所得の多い人は米を、所得の少ない方は麦を食うというような経済原則に沿ったほうへ持っていきたい」など、度重なる問題発言を行い、野党から通産大臣不信任決議案を提出され可決。窮地に追い込まれた吉田が、衆議院予算委員会における執拗な質問に該当発言を連発したものである。
この発言の真意は西村のことをよく思っていなかった吉田の緊張のための照れ笑いといい過ぎたとの思いが交錯したものだったとされ、本人も発言を認めた上で取り消しているが、議事録で当該発言は消された状態であり、拾ったというマイク音声も紛失し、確認できていない。
なお、「バカヤロー」と書くと大声を出したような印象を与えるが、吉田は席に着きつつ非常に小さな声で「ばかやろう」と呟いたのみで、それを偶然マイクが拾い、気づいた西村が聞き咎めたために騒ぎが大きくなったというのが実態である。
「バカヤロー解散」の遠因は、吉田内閣の通産大臣池田勇人にあり、池田が「中小企業の一部倒産もやむを得ない」「所得の多い人は米を、所得の少ない方は麦を食うというような経済原則に沿ったほうへ持っていきたい」など、度重なる問題発言を行い、野党から通産大臣不信任決議案を提出され可決。窮地に追い込まれた吉田が、衆議院予算委員会における執拗な質問に該当発言を連発したものである。
この発言の真意は西村のことをよく思っていなかった吉田の緊張のための照れ笑いといい過ぎたとの思いが交錯したものだったとされ、本人も発言を認めた上で取り消しているが、議事録で当該発言は消された状態であり、拾ったというマイク音声も紛失し、確認できていない。
議事録書き起こし
西村 「(前略) 総理大臣が過日の施政演説で述べられました国際情勢は楽観すべきであるという根拠は一体どこにお求めになりましたか。」
吉田 「私は国際情勢は楽観すべしと述べたのではなくして、戦争の危険が遠ざかりつつあるということをイギリスの総理大臣、あるいはアイゼンハウアー大統領自身も言われたと思いますが、英米の首脳者が言われておるから、私もそう信じたのであります。 (以下略)」
西村 「私は日本国総理大臣に国際情勢の見通しを承っておる。イギリス総理大臣の翻訳を承っておるのではない。 (中略) イギリスの総理大臣の楽観論あるいは外国の総理大臣の楽観論ではなしに、 (中略) 日本の総理大臣に日本国民は問わんとしておるのであります。 (中略) やはり日本の総理大臣としての国際情勢の見通しとその対策をお述べになることが当然ではないか、こう思うのであります。」
吉田 「ただいまの私の答弁は、日本の総理大臣として御答弁いたしたのであります。私は確信するのであります。」
西村 「総理大臣は興奮しない方がよろしい。別に興奮する必要はないじゃないか。」
吉田 (無礼なことを言うな)
西村 「何が無礼だ。」
吉田 (無礼じゃないか)
西村 「質問しているのに何が無礼だ。君の言うことが無礼だ。国際情勢の見通しについて、 (中略) 翻訳した言葉を述べずに、日本の総理大臣として答弁しなさいということが何が無礼だ。答弁できないのか、君は……。」
吉田 (ばかやろう)
西村 「何がばかやろうだ。ばかやろうとは何事だ。これを取消さない限りは、私はお聞きしない。議員をつかまえて、国民の代表をつかまえて、ばかやろうとは何事だ。取消しなさい。私はきょうは静かに言説を聞いている。何を私の言うことに興奮する必要がある。」
吉田 「……私の言葉は不穏当でありましたから、はっきり取消します。」
西村 「年七十過ぎて、一国の総理大臣たるものが取消された上からは、私は追究しません。しかしながら意見が対立したからというて、議員をばかやろうとか、無礼だとか議員の発言に対して無礼だとかばかやろうとかと言うことは、東條内閣以上のファッショ的思想があるからだ。静かに答弁しなさい。 (以下略)」
吉田 「私は国際情勢は楽観すべしと述べたのではなくして、戦争の危険が遠ざかりつつあるということをイギリスの総理大臣、あるいはアイゼンハウアー大統領自身も言われたと思いますが、英米の首脳者が言われておるから、私もそう信じたのであります。 (以下略)」
西村 「私は日本国総理大臣に国際情勢の見通しを承っておる。イギリス総理大臣の翻訳を承っておるのではない。 (中略) イギリスの総理大臣の楽観論あるいは外国の総理大臣の楽観論ではなしに、 (中略) 日本の総理大臣に日本国民は問わんとしておるのであります。 (中略) やはり日本の総理大臣としての国際情勢の見通しとその対策をお述べになることが当然ではないか、こう思うのであります。」
吉田 「ただいまの私の答弁は、日本の総理大臣として御答弁いたしたのであります。私は確信するのであります。」
西村 「総理大臣は興奮しない方がよろしい。別に興奮する必要はないじゃないか。」
吉田 (
西村 「何が
吉田 (
西村 「質問しているのに何が
吉田 (
西村 「何が
吉田 「……私の言葉は不穏当でありましたから、はっきり取消します。」
西村 「年七十過ぎて、一国の総理大臣たるものが取消された上からは、私は追究しません。しかしながら意見が対立したからというて、議員を
発見
1976年10月24日にTBSラジオで放送された「民放ラジオ25年 録音傑作大公開」に「何が無礼だ。」から「国民の代表をつかまえて」の部分が一切削除されてない状態で収録されていた事が発覚。更にYouTube上に同放送がアップロードされているため、現在でも確認することが出来る。尚、ばかやろうの音声自体はかなり小さいため聞き取るのは困難である。
メディアギャラリー
バカヤロー解散の部分のやり取りは12:28から