麦わらの一味 占い師 マチカネフクキタル SSまとめwiki

SSまとめ(元スレ61~70)

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スレ内に投稿されたSSまとめ(61~70スレ目)

ここは麦わらの一味 占い師 マチカネフクキタルスレ内に投稿されたSSをまとめるページ(元スレ61~70)です。

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麦わらの一味 占い師 マチカネフクキタル 61スレ目

≫38 二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 19:49:29
過去スレ読んでたら以前ネタとして出てた
捕まったドフラに会いに来るマルゼンの記憶が湧いてきたので投下

「失礼するわよぉ~」

 間延びした、およそインペルダウンには似つかわしくない朗らかな女性の声。

「フッフフッフ…! マルゼンスキーか…」

 鎖で床に縛り付けられたドフラミンゴは姿こそ見えないが、声でその主は理解できた。

「随分と久しいじゃあねぇかよ、ええ?」
「本当にね☆」

 太陽のような笑顔を絶やさないマルゼンスキー。
 その姿はここが大監獄だと言うことを忘れてしまいそうなほど美しかった。

「少し前にライスシャワー…いえ、私の可愛い孫娘に会いにドレスローザに訪問したんだけどね。着いてみたらビックリ。何もかもなくなってるんだもん」
「………」

 ドフラミンゴは答えない。マルゼンスキーは気にせず続ける。

「―――麦わらのルーキーちゃんにしてやられたんだって? お似合いの末路ね♪」
「フッフ…相変わらず食えねぇ老婆だ…で、何の用だ」
「逃がしてあげようか? ここから」

 唐突な提案。
 世界貴族から危険な存在と疎まれ、海軍から見ても特級の凶悪犯である自分を逃がす? 

≫39 二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 19:49:58
「何が目的だ、いったい―――」
「うん、質問に答えて?」

 ドフラミンゴの問いをわざと遮るようにマルゼンスキーは言葉を続ける。

「断るぜ、当然だが」
 即答するドフラミンゴの言葉にマルゼンスキーは朗らかな笑顔から氷のような表情になる。

「あら、残念」
「ああ、残念だったな」
       ・・
「ええ、本当に残念」
「捕まっている囚人に手を出すのは違うからね…ま、気が変わったらいつでも言ってちょうだい♪」
    ・・・・・
「すぐに来てあげるから」

 それだけ言い残すとマルゼンスキーは風のように姿を消した。

「………フッフッフフ!」

 ドフラミンゴはいつものように高笑いをする。だが、その頬には一筋の冷や汗が流れていた。

「こわいこわい…母は強し、祖母は恐ろしってか? だからお断りだと言ったんだ」

「相手にしていられるかよ…あんな怪物はカイドウ一人で十分だぜ」

「せいぜい守ってくれよ、マゼラン…おれの命をよぉ…フッフッフッフ!」

以上です。
マルゼンさんならいくら強さを盛ってもいいという風潮、あると思います

≫76 二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 20:46:45
ローくん呼びが定着する日という記憶が湧いてきたので

ライス「ろ、ローくん、あのね…」
ロー「もうガキじゃねェんだから、その呼び方はやめろ」
ライス「で、でも…」
ロー「でもじゃねェ」
ライス「うぅ…」
ウソップ「あー! トラ男がライスを泣かせてるぞー!」
サンジ「なにぃ!? テメェ、トラ男この野郎! レディを泣かせるとは男の風上にもおけねェ野郎だ!!」
ロー「鼻屋、黒足屋…頼むから黙れ」
ライス「え、えっと…ローくん、トラ男って呼ばれてるの?」
ロー「許可した覚えはねェ」
ライス「じゃ、じゃあ、ライスも…」
ロー「やめろ!!」
ライス「はうぅ…(ジワッ」
ロー「……ローくんでいいから。泣くな」
ライス「! う…うん! えへへ、ありがとう。ローくん!」

声には出さねど、泣く子とライスシャワーには敵わねえ、と言った顔を浮かべるトラファルガー・ローなのであった。

≫106 二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 21:56:54
流れぶった切りますが
メイショウドトウ、WCI案思いついたので張ります

その日、ホールケーキアイランドの島の一つで不幸な事故が発生していた。
「スイーツゥゥゥ」
……この国における自然災害の一つ、ビッグマムの食いわずらいだ。
海賊団の兵隊たちが騒ぎ立てる。
「スイーツ?」
「スイーツって何もってけばいいんだ? 急がないと島が」
お菓子の家を薙ぎ払い、マムがひと際大きく叫び声をあげる。
「やる気UPスイ~~~ツゥゥゥ!」
「「「や、やる気UPスイーツだと!?」」」
やる気UPスイーツ、それはウマ娘が口にすればどんな不機嫌もたちどころに収まる珍味であり、
そして、人間にとってはただのパフェである。
「まずいぞ、そんなレア菓子の貯蓄なんてねぇ」
「今すぐ大臣に連絡して作ってもらうぞ」
「それまでマムをどうするんだ、この島は」
「どうしようもねえ、住民を逃がして俺たちも逃げるぞ」
もはやこの島は終わったのか、だれもが絶望したその時、救いの声が聞こえた。
「ス、ス、スイーツならここにありまーす!」
家の扉を開け、外に向かって叫んだのは?マークの癖毛をしたウマ娘である。
「あれは、"名将"ドトウ!」
「傘下ながら4将星クラスの賞金首ウマ娘!」
「偶然食べてたのか、なんという奇跡だ!」
家を飛び出しビッグマムに向かって走るドトウ、その両手にはしっかり握られたコーヒーカップ!
「「「て、ホットコーヒーじゃねぇか!!」」」
「あ、まちがえました~、飲もうとしたのじゃなくて、食べようとしたもので~。あっ!」
のんきな説明を始めたメイショウドトウは、盛大にこけた。
パシャリッ

≫107 二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 21:57:07
頭からホットコーヒーを被ったマムは、口元に垂れたものを舌でなめ、叫んだ。
「しょっぱ~~い!!」
「ごめんなさいぃ、砂糖と塩もまちがえましたぁ、すぐにスイーツとってきますぅ」
「待~~てぇ!」
全力で家に引き返すドトウを追うビッグマム、そしてドトウは、盛大にこけた。
「あうっ」
顔面から壁に向かって突っ込んだドトウに、マムの拳が追い打ちをかけ、
自分よりはるかに小柄な者を殴るため腰を落としていたマムの後頭部目掛け、家が倒壊した。
「うがっ」
「ひゃ~~」
文字通り雪崩打った菓子によりマムは動きを封じられ、
そこは嵐の前の静けさを思わせる静寂に包みこまれた。
マム復活まで数分あるかどうか。行くべきか、逃げるべきか。兵士たちは迷う。
迷いなく動けたのは修羅場を潜り抜けなれている男
「不幸、いやドジ中の幸いだな。埃一つ付いてねえし型崩れ一つ起こしてねぇ」
【ファイアタンク海賊団船長カポネ"ギャング"ペッジ】
「おい、メイショウドトウ! 俺がスイーツを食べさせる。ビッグマムを抑えろ、あとなんか歌いな!」
菓子の瓦礫を体中に纏いながらとっさにマムの腰に抱き着くドトウ。
「ええ! う、うたですかぁ!? こ、こ、ここで~今、かがやきた~い~」
その歌が聞こえたのか、ビッグマムは体をわずかに起こし腹の下に潜り込んだ邪魔者に狙いを定め
………なにもおこらない。
「こいつを食らいな! マム!」
その一瞬の隙をついてペッジがスイーツを器ごとマムの口の中に放り込んだ。
ごくりっ
マムの動きが、止まる。
「……あまくておいし~い」
――災害が過ぎ去った。

≫108 二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 21:57:27
崩壊した家屋の並ぶ島
正気を取り戻したマムとドトウ、ペッジはルークとしての権限で指示を出すそぶりで逃げる
「なんだいこの惨状は、お前の仕業かい?」
「ご、ごめんなさ~い。ころんでしまいましたぁ」
「まったく、覇王に次ぐ懸賞金だから目をつけてやったのにドジばかりだねお前は」
「はうぅ」
「今日は飯抜きだよ、周りから恵まれても口にするんじゃないよ! わかったね!」
「はいぃ、わかりましたぁ」
不機嫌そうに立ち去るビッグマムの後ろ姿に、メイショウドトウは頭を下げ続けた。
本気で家が壊れたのは自分のせいだと思っているのだ。
密かにメイショウドトウへの人望がまた増そうとしたのを防いだペッジは背を向け思案する。
(なんて奴だ、マムのパンチを受けてもすぐに動けるタフネス。魂が一切出ないほどマムに臆さぬメンタル。そして何よりも当の本人にすら予測できない被害をもたらすドジ)
ちらりと後ろを向きドトウを見る
(未来が見えるとかいうカタクリの次に厄介かもしれねえな、"名将"ドトウ)

以上で終わりです。
ssのテーマはシンデレラといじわるな母。ちょっとプリンと被ってますが。
オペラオー行方不明の後、離散した海賊団の仲間数名と航海しビッグマム海賊団に捕捉され、
部下の進言でオペラオーに見つけてもらうために四皇傘下になったルート

≫115 二次元好きの匿名さん21/09/28(火) 22:49:20
W7前、トレセン諸島編後。
「ふんふんふふ~ん♪」
「えっさほいさ、えっさほいさ」
 GM号、マストの周りをぐるぐるとフクキタルとトナカイの姿のチョッパーがジョギングしている。

「何してんだフクキタルとチョッパー。そんなぐるぐる回ってよ」
「何ってトレーニングですよぅトレーニング! 久方ぶりの帰郷、私は思い出したのです。ウマ娘にとって一番大事なこと……それは走ること! というわけでこうしてぐるぐるとトレーニングをしているわけです」
「おれはフクキタルの併走相手だ。たまにはこうして走るのも悪くないな、フクキタル!」
 ニッコニコのおひさまのような笑顔を浮かべながらフクキタルはぐるぐるとジョギングしながら答える。

「そうかぁ。よっし折角だ、おれもトレーニングに付き合うぜ!」
「本当ですか!? それじゃあ少し本気を──ぎゃあアア!!!?」
「フ、フクキタル~~~~!!!??」
 突然、フクキタルの踏み込んだ甲板が音を立てて壊れ、フクキタルが下へと一瞬で落ちる。

「おーい、大丈夫か? フクキタル~!」
「あいたたた……大凶ですぅ……あ、チョッパーさん私は大丈夫ですよ~!」
 抜けた甲板からチョッパーが覗き込み、フクキタルの無事を確認する。木材の破片を頭に乗っけながら自身の不幸を嘆きつつも無事を伝えるフクキタル。

「おいおい……GM号はおれたちの家なんだ。もっと大事に使ってくれよ……」
「ご、ごめんなさいウソップさん……」
「ま、まあ……フクキタルが無事で良かったよ。……修理、手伝ってくれるか?」
「それは勿論! マチカネネコキタルばりにがんばります!」
「猫の手は借りねぇよ……」
 ため息をつきながら、フクキタルに手を伸ばすウソップと困ったような笑顔を浮かべながらその手を掴むマチカネフクキタルであった。

こういう感じでフクキタルがGM号を壊すフクキタルが見たかっただけです。

≫166 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 09:36:10
チケットってアプリのメインシナリオとか読むと分かるんだけど、曇らせてからの奮起と成長が凄く似合う子なんだよ
2年の間の新生URA海賊団を立ち上げたテイオー追跡任務ではテイオーに敵わず、更に同期のハヤヒデタイシンの負傷によって撤退せざるを得なくなったという状況に置くことでまず「テイオーに届かなかった(己の弱さへの葛藤)」「ハヤヒデとタイシンが怪我をしてしまった(友人達はすぐ復帰できない怪我を負ったのに自身は軽傷だったことへの負い目)」から「自分自身の道を見失う」というアプリ版寄りの悩みを抱かせる
そこからG-5に異動して(これは下手したら任務失敗の影響による左遷でもいいかも?)、ヴェルゴという理解者を得たと思ったらパンクハザードで裏切られることになる
G-5で子供が誘拐されて悲しむ親を見てきたチケットは、かつて自身が住んでいたトレセン諸島でも同じような光景を見てきたことを思い出す。それこそが海軍を目指したきっかけで、悲しい思いをする親、寂しい思いをした子を少しでも救いたいと思っていたことを
テイオーが離反したって任務に失敗したってやることは変わらない。泣いてる子を一人でも多く助けてあげる為に。それが自分の"正義"で、海軍を目指すと決めたあの日、親友のハヤヒデタイシンと共に掲げた誓いだった
ヴェルゴとぶつかることになるけどやっぱり中将クラスには届かない。けれどチケットは最後の最後、領域を発動することで「届かなかったけど、一発ブチかましてやる」ことはできたのだった…という流れにしたい話

そしてその後、ガスが迫ってきてるのに走るどころか歩くことすらできなくなってサンジに助けられることになる流れ
海賊なのに海軍である自分を助けてくれるサンジに感涙し、「ありがとうグルマユさん!!きみの心意気に感動だあ゛あ゛ああああ!!」とおぶってもらった背中にぎゅーっと抱きつくチケット。――サンジは(超ギリギリで)耐えた

≫169 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 09:56:04
ウマ娘族について、魚人からの感情ってさ。

フィッシャー・タイガー
「──ああ、お前たちは自由に走る姿がよく似合う」

ジンベエ
「ある種、我ら魚人よりも賢い種族かもしれん。力でしか事を成せぬ我らより、海軍に所属し同族への偏見や差別を無くそうとするその働きは我ら魚人族も見習うべき点を多かろう」

アーロン
「……ムカつく種族、それだけだ」

はっちゃん
「ニュ~。おれはアイツら好きだぜ! なんつっても食いっぷりが良いんだ! たこ焼き職人としてこれほど嬉しいこたぁねぇよ!!」

ホーディ・ジョーンズ
「この世で一番下等な種族が人間なら……ウマムスメ族はこの世で最も淫売な種族とでも言おうか……!
考えるまでもねぇ、他種族の雄がいなけりゃ繁殖さえままならない種族、だから人間どもに腰振って媚びうるしか能がねぇんだ! ジャハハハハ!!!」

ホーディはウマ娘と出会ったことないと思う。

麦わらの一味 占い師 マチカネフクキタル 62スレ目

≫67 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 15:57:03
ライス「ローくん。ライスはヴァンパイアになったから…いつものライスより悪い子だよ…!」
ロー「最初から最後まで意味がわからん。どういうことだ?」
ライス「いつもより悪い子になったということは、ライスはいつもより悪いことをするの…!」
ロー「……具体的には?」
ライス「え、えっと……よ、夜遅くまで起きちゃう、よ?」
ロー「そうか。寝坊するなよ」
ライス「……よ、夜中にお菓子を食べちゃうよ?」
ロー「そうか。歯は磨いてから寝ろよ」
ライス「あうう……え、えっと……あ!ベポさんをいっぱいモフモフして、ボサボサにしちゃうよ!」
ロー「それはいつもやってるだろ」
ライス「……ふえぇ……」

≫91 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 16:53:32
「シンザンを知っているか?」
「神斬…?」
ミホークに頭を下げ、剣の教えを受けているゾロは彼から不意の問いに首を傾げた。
「神を斬るほうでは無い。シンザン…かつて存在した、ウマ娘。そして最強の戦士だ」
「シンザンってウマ娘がいたのか。で、その最強の戦士ってのは何なんだ?」
「彼女は剣士として最強であったが、ナタを武器にしていた。そこで彼女は本当に剣士として生きる者たちに申し訳がたたないと自らを剣士ではなく戦士と名乗るようになったのだ」
ゾロは思った。
目の前の男、ミホークは世界最強の剣士。そんな彼が認めるということは、間違いなく最強なのだろう。
しかし何故、自分にそのことを話したのかが気になって問うた。
「それでそのシンザンが何なんだ」
「世代が違いすぎる故に俺も詳しくは知らないが、彼女の居合は最速で、その威力から身を守るためシンザン鉄という特殊な蹄鉄をしていたそうだ。こう…足全体を覆うような…な」
それだけ言って、彼は城へと戻っていった。
何故ミホークは突然そんなことを言ったのか?
答えは決まっている。

≫95 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 17:11:18
>>91
神斬修練編

その日からゾロは、シンザンの技を自らのものとするために修練を開始した。しかし、ヒントとなるものはミホークの言っていた断片しかなく、試行錯誤しながらだ。
「シンザン鉄ってのが重要なのはわかるんだが…」
そこから先が進まない。
足を覆う形をしているようだが、それが何を意味しているのかが全くわからない。
考え、悩みながら刀を振っていると、だんだんと鈍っていくような気さえしてくる。
「そんなところで何してるんだ?」
食事ができたから呼びにきたのであろうペローナが見つめているのに気づいた。
「慣れないことをしてるから腕が鈍ったのかと思ったぞ。…しかしアレだな。私が刀を振ったら足を斬ってしまいそうだ。まぁ、持てないんだけどな!」
「お前今何てった?!」
フワフワと浮かんでいるペローナに、何かが引っかかったゾロが鬼のような剣幕で迫った。
触れられはしないが、その剣幕に彼女は思わず飛びのいた。
「な、何だよいきなり…」
「だから、今何てったって聞いてんだよ!」
「え…持てない…?」
「その前だ!」
「足を斬ってしまいそうだ…?」
「そうか!シンザン鉄ってそういうことか!」
ゾロは居合の構えを取り、普通ならば挿した方とは逆の足で踏み込むソレを逆足、つまり刀を挿した方の足で抜刀した。
速度はこれまでよりも段違いに速い。しかし、自分の足を切るかもしれないという恐怖から刃がブレてしまっている。
「これが…シンザンの…」
しかし、ようやく手にした光明に、ゾロは刀を強く握った。

ちなみに本家シンザンは癖でナタを振る方の足で踏み込んでしまうため、足を斬るリスクと引き換えに高速の斬撃を手にしてます。
あと、シンザンはどのような状況でもそれが出来ますが、ゾロは意識しないと駄目なので居合でしか使えないイメージです

≫181 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 21:58:36
フク「このウマ娘を書いた絵はなんですか?ここだけじゃなくてどこの神社にもいっぱい飾ってありますね?」
ワノ国ウマ娘「それは『絵馬』っていうのよ。昔はこの地域でウマムスメ族の子供が生まれると神様の使いってことで神社に奉納されてたんだけど、食べるものから着る物まで暮らしを厳しく制限されて神事やその練習以外で自由に走ることも許されなかったの(少し悲しそうな顔でうつむく)」
フク「えぇー!!?好きに走れないなんてそれはひどいじゃないですか!!」
ワノ国ウマ娘「そうでしょう、でもね、昔にそれを知ったおでん様が、怒ってこの風習を止めさせたの。そしてその代わりにウマ娘の形をしたこけしや人形、ウマ娘を描いた絵を奉納させることにしたの。それが今の『絵馬』になったのよ。(さっきと対照的に嬉しそうな顔で)」
フク「そんな歴史があったんですねぇ」ホエー

≫183 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:01:29
黒住家のリンチをスキヤキが全く知らない辺り、
「狭い常識を内々でやる」ってワノ国の傾向はあると思うから、
ウマ娘の一族がウマ娘を産んでも報告はせずに、神社に幽閉させていたって感じかな
「将軍様の耳に入れるわけにはいかない」みたいな理由で、村の因襲として残ってた

放浪中に訪れたおでんがその一件を聞き付け、神社に立ち寄るとウマ耳の母親が赤子を抱えている
将軍の血筋にバレたと焦った村長がウマ娘達を姥捨て山に捨てようとするも、気付いたおでんは神社で大暴れ
「ウマに生まれて走れもしないなんぞ、窮屈でござる!」と神社をぶっ壊し、
隠すべき神社がなくなって、ウマ娘の一族は自由の身となる
「これでは山の神に何を捧げればよいのか・・・」と困惑する村長に対し、
「どうせ空から見てるだけなのだから、絵でも描いて渡しておけ!」とおでんが一喝
実際、ウマ娘と結婚している夫やその家族は大喜びだし、村長も何処か肩の荷が降りたようにホッとする

赤子のウマ娘はすくすくと成長し、やがておでんに助けられたと母親から聞き、
おでんの死後、その意志を継ぐために武術を鍛え・・・的な感じで、ワノ国編に繋がるかな、と想像

麦わらの一味 占い師 マチカネフクキタル 63スレ目

≫17 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:45:43
第1幕
 船上カジノ国家、グラン・テゾーロ。麦わらの海賊団は、今まさにピンチに陥っていた。
 運気を吸い取られ、ギャンブルに敗北し、借金のカタに、ゾロが人質にとられた。借金は、総額3億2000万ベリー。ちょうど、ゾロの首にかけられた懸賞金と同額である。


 リミットは、明日の深夜12時。それまでに金を用意できなければ―――、ゾロが殺される。

 船長ルフィ以下、ナミ、ウソップ、サンジ、フクキタル、チョッパー、ロビン、フランキー、ブルックの9名は、惨めに敗北し、敗走した。しかし、一味にはまだ、逆転のラインが残っている。
 それは、グラン・テゾーロの王、ギルド・テゾーロの部下、『歌姫カリーナ』改め、『女狐カリーナ』。麦わら一味の航海士ナミが、海賊相手の泥棒として『泥棒猫ナミ』と呼ばれていたころに、何度もバッティングした同業者その人であった。

「いらっしゃいませー、<WILD COW>にようこそ~」

 煽情的なメイド服を纏ったウマ娘のウェイトレスが招き入れ、一味は一息ついていた。運気を奪われ敗北した船長は、巨大なステーキにかぶりついて回復中である。
 そんな船長を囲み、彼らは、逆転のシナリオを詰めていく。
 狙うは「テゾーロ・マネー」。五千億ベリーは下らない、ギルド・テゾーロが天竜人から特権を買うための天上金。
 それを盾に、ゾロを解放させる。
 小さな国なら買い取れるほどの金額に、一味が驚愕する中、黙々と肉を喰い続ける麦わらの一味のリーダーは、発起人(カリーナ)を見据えた。
「ゾロは救えるのか?」
「成功すればね」
 カリーナは即答した。
「よし、やるぞ!」
 ニッと笑って、ルフィは決断した。船長が決断すれば、一味はすぐにまとまる。天上金を盗み出し、ゾロを解放させる、命がけのギャンブル。
 しかし、ナミとカリーナが取り分でもめ始めた時だった。

≫19 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:46:49
 グラスが壊れる音と、少女の悲鳴、男の怒声が続く。客に粗相した少女と、それをかばう少女の兄と店主が、テゾーロの部下に虐げられる光景。それは、借金のカタに踏みにじられる弱者と、借金をカタに弱いものを踏みにじる強者。カネに支配された、グラン・テゾーロの日常風景であった。
「まぁまぁ、お客様。お気をお沈め下さい」
 ウマ娘のウェイトレスがその場に割って入る。
「なんだぁ、ねぇちゃん。なんか文句でもあんのか?」
 凄む手下を意にも介さず、
「いえいえ、うちの者がご迷惑をかけて申し訳ありません。もちろん、クリーニング代とご迷惑料はお支払いさせて頂きますが、それだけでは少し面白みにかけませんか?」
「面白味?」
「ええ。私とお客様でゲームをいたしましょう。お客様が勝てば、倍額の4万ベリーお支払いいたします。しかし、私が勝てばお客様から同じ額を戴きます」
「それだけか?」
「それだけ、とは?」
「それだけだと迷惑料としちゃあちょっと足らねぇなぁ?」
 手下は、際どい布地から覗く、透き通るような白い肌に、舐るような下品な視線を向ける。
「ああ。なるほど―――」
 ウェイトレスは薄く笑って、襟元を少しずらし
「お客様のお望みのままに?」
「乗った!」
「では、勝負の証人は、あちらの歌姫様とそのお連れ含む、この店のお客様方と言うことで」
 ニヤリと笑うと、彼女はカリーナと麦わらの一味に一瞥をくれる。
「ゲッ」
 その顔をみて、フクキタルはうめき声を上げ、
「まさか……」
 ロビンもまた、驚きを隠せなかった。
「どうしたフクちゃんロビンちゃん、あのウマ娘レディは知り合いか?」
「知り合い何も?! サンジさん気付かないんですか?! って、フンギャー! 鼻血吹いてるー?!」
 ウェイトレスが、胸元から6面ダイスを取り出す仕草は、すこし刺激が強すぎたらしい。久方ぶりに、カマバッカ生活の後遺症を発症したサンジをよそに、降ってわいた娯楽に店中が盛り上がる。

≫20 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:47:50
 自分に集まる視線を意にも介さず、彼女は取り出したダイスを弄びながら、
「ゲームは単純。このダイスを互いに振って、大きい出目を出した方が負け、同じ数字が出ても私の負けと言うことで」
「よし。レディファーストだ。ねぇちゃんから振りな!」
「では、失礼して」
 ウェイトレスの手から、ダイスが零れ落ちるように、床に跳ね、止まる。
「6! 運がねぁなねぇちゃん」
「次はお客様の番ですよ」
「ふん、振るまでもないが、まぁ、付き合ってやろう」
 手下の振るダイスは、床に跳ね、5の面を上にして止まった。
「5! 俺の勝ちだな!」
 鼻の下と一緒に、ウェイトレスに伸ばす手は、逆にウェイトレス自身につかみ取られる。
「いいえ、お客様。私の勝ちです」

 地面に転がるダイスは、半分に割れ、5の面を二つ晒していた。

「135賽とは、ずいぶんと渋いものをお持ちですね」
 手下を拘束したまま、ウェイトレスは言う。
「5が二つで10。4万ベリーのお支払いをお願いいたします」
「ふざけんな! ダイスが割れるなんざあり得ねぇ!」
「では、ゲームのルールを違えるおつもりで? テゾーロ様の部下だというのに?」
 テゾーロの名前を出されて、男は黙る。
 一度決めたルールは破れない。テゾーロが許さない。それは、グラン・テゾーロという国家の信用自体に関わるからだ。
 そうでなくとも、イカサマを仕掛けておいて、逆に負けるなど、公表されては彼自身の首が飛ぶ。物理的にだ。
 しかもこの店中の人間すべてが、証人だ。目の前のウマ娘を始末すればいいという話でもない。
 結局、男は金を置いて尻尾を巻く他なかった。
 ウェイトレスは受け取った金の半分を、クリーニング代として男に渡し、残り半分で、店の客に気前よく酒をふるまった。
 そして、やんややんやの大騒ぎになった店内を、鮮やかにすり抜け、麦わらの一味のテーブルへと近づく。
「いかがだったでしょうか? お客様。お楽しみいただけましたか?」

≫21 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:48:52
「ウシシッ、相変わらず、鮮やかな手並みね。『シアター』」
 カリーナが微笑みかける。
「お褒め戴き、光栄ですよ。『女狐』」
「あんたの知り合いなの!?」
「ええ。今回のギャンブルの協力者よ。改めて紹介するわね、彼女は―――」
「待った。それは必要ないよ、知らない仲じゃあないからね」
 嫣然と微笑み返し、ウェイトレスは、麦わらの一味を眺めやった。
「ご無沙汰だね。麦わら海賊団の諸君。ゾロ君がいないようだけど、他のみんなは元気そうで何よりだよ」
 客と店員と言う立場にはそぐわない、やたらとフレンドリーな態度に、困惑する一味。
「だれだ? おまえ」
 その空気を代弁したわけではないだろうが、ルフィが問いかける。
「私が判らないのかい? これは少しショックだね、なら、これなら判るかな?」
 ショックなど欠片も受けていないような口調で、ウェイトレスが、たたずまいを変える。
 それだけで、彼女を包む空気が、雰囲気が、色気をまき散らす場末のウェイトレスではなくなった。
 スッと伸びた背筋、自身に満ち溢れた双眸。そのたたずまいは、まさに凛々しい王子様。あるいは、男役のトップスタァ。
 そしてそのウマ娘を、ブルックとフランキー以外の麦わらの一味は、間違いなく知っていた。
 吹き荒れる驚愕と困惑の嵐の中、ロビンは苦笑して、かつての同僚に会釈する。

「お久しぶりね。『Ms.2ndワールドシアターデイ』」

≫22 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:49:48
第2幕
 『Ms.2ndワールドシアターデイ』
 胸元を大胆に開いたパンツスーツを纏う、男装のウマ娘。
 彼女は、犯罪会社バロックワークスの幹部(オフィサーエージェント)で、同じく幹部であるMr.2ボンクレーの相方。
 ―――で、あった。
 アラバスタの騒動で、バロックワークスが倒産。その後、ボンクレーとワールドシアターデイは、部下を引き連れ、海軍から麦わらの一味を逃がすために、囮となり、全滅した。

「ま、私は、全滅前に逃がされたんだけどね―――。
 その後、黒檻のヒナの船に紛れ込んで、ボンちゃんを逃がしたはいいものの、また離れ離れになっちゃってね。そのまま、一人で放浪中さ」


 ホテル<THE DICE>。
 サイコロを積んだかのような、特異な外見のホテル。カリーナがとった一室で、Ms2ndはかく語る。
「ついでに、ゴールデンウィーク達は、NEWスパイダーズカフェって言う店を作って、楽しそうにやってたよ」
「それはそれは―――。あの娘たちも元気そうで何よりね」
 かつての同僚の近況に、破顔するロビンであった。
「ほー。つまり、ロビンの元同僚な訳だな」
「なるほど、なるほど。パンツ見せて頂けませんか?」
 当時は、まだ一味に加わっていなかったフランキー、ブルックが口をはさむ。ブルックの戯言をスルーして、ロビンが続けた。
「ええ。マネマネの実のボンクレーに並ぶ、変装と潜入の達人。クロコダイルも重宝していたわ」
「持ち上げ過ぎだよ、オールサンデー。こと変装に関しては、ボンちゃんには遠く及ばない。
 私のはただの演技。ウェイトレス、海兵、侍女、その他もろもろ、衣装にメイクに立ち居振る舞いを工夫して、その場にいて当然の人員を装っているだけさ」
「で? そんなアンタが、なんでこの船に乗って、こんなのと組んでるわけ?」
 クラッカーをつまみながら、ナミが訊く。
「君たちに会いたかったからさ」
「へ?」
 思わぬ返答に、ナミが虚を突かれた隙に、カリーナがクラッカーを横取りして始まったキャットファイトをBGM――ナニスンノヨアンタ!! コンナノヨバワリハナインジャナクテ?!―――にして、Ms.2ndワールドシアターデイは、麦わらのルフィを見据えた。

≫23 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:50:29
「正確には君を探していたんだよ、ルフィ君」
「え? 俺?」
「そう。ボンちゃんの事、何かしらないかな?」
「――っ……」
「私が足取りを追えたのは、インペルダウンまで。そして、収監されたのは、ちょうど君が大暴れする前ぐらいみたいでね?」

 ―――なにか、知らないかな?

 覇気に充ちた、強く凪いだ瞳で、見据えてくる彼女に―――、目を逸らさず、ルフィは言葉を押し出した。
「ボンちゃんは、俺たちを逃がすために、エースを助けに行かせるために。
一人で―――インベルダウンに残った」
 それは、死と同義だ。
「そっか―――、」
 彼女は短く息をつくと、静かに瞑目する。
「すまねぇ。ボンちゃんに送り出してもらったのに、それなのに俺は―――」
「謝る必要はないよ。だってボンちゃんは生きてるから」
 確信をもって言い切る姿に、ルフィは息をのんだ
「生きてる…って。なんでわかるんだ」
「わかるって言うよりは、知ってる……かな?」
「知ってる?」
「だって、ボンちゃんはオカマでしょ?」

 ――男は度胸、女は愛嬌、

「―――そしてオカマは、『最強』だから」

 彼女は、魂の底から、確信の音色で、言い切った。

「―――ああ。そうだな」 

≫24 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:51:31
 にかっと笑うルフィに、Ms.2ndはほほえみを返し、
「ありがとう。これが終わったら、インペルダウンに行ってみるよ」
「ってことは―――、」
 キャットファイトを、チョッパーとフランキーに物理で中断させられたナミが、口を挟む。
「――これが終わったらって事は、Ms.2nd、アンタもこの勝負に乗るって事で良いのよね?」
 もちろん、協力させてもらうよ。と、彼女は首肯する。
「なら、作戦を詰めましょう。ゾロが殺されるまであと1日。無駄にする時間は無いわ」

≫25 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:52:22
第3幕

 夜も明けて、ファーストフードの朝食を済ませたのち、麦わらの一味はゾロ救出のための準備を進める。決行は今夜。時間は、あまりない。
 マチカネフクキタルは、Ms.2ndと資材調達の為に街に出ていた。

【ロロノア・ゾロ処刑ショー!】

 昨日の今日だというのに、街のあちこちには悪趣味な見世物のポスターが貼りだされている。
 眉をしかめながらも店々を回り、必要なモノをそろえていく。昨夜のギャンブルでポケットマネーに手を付けていなかったのは幸いだった。

「―――よっと、これでそろったね。戻ろうか、ポニーちゃん」
 こんなもの何に使うつもりなのか、フランキーが注文したトイレのラバーカップを紙の買い物袋に詰め、Ms.2ndは、フクキタルに声をかけた。
「……その、ポニーちゃんって言うの、止めてもらえます?」
「ああ、ごめんねフクキタル。どうにもクセが抜けなくて」
 路地裏を抜け、拠点としているホテルへ戻る道すがら。Ms.2ndはごめんごめんと苦笑する。
「まぁ、良いですけど。それはそうと、一つ聞きたい事があるんですよ」
「なにかな?」
「あの、ギルド・テゾーロって男、どんな奴なんです?」
「どんな奴って……」
「カリーナさんから伺いました。あなたはカリーナさんより前にあの男に雇われていたそうじゃないですか。
 ゾロさんの命がかかってますから、気合い入れて占いをしたいんですけど、生年月日とか血液型とか、ご存じないです?」
「さすが、麦わら一味の占い師、目の付け所が違うね」
「それはどうも」
 口調はそっけないが、フクキタテイルは、パタパタと喜んでいる。Ms.2ndは苦笑して、
「あの男は、徹底した秘密主義者だよ。過去については、天竜人の奴隷だったっていう噂があるぐらいかな?」
「背中に焼き印は?」

≫27 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:53:21
「わからない。所詮、劇場オーナーと雇われ舞台役者の関係だったからね」
「ふぅん。でもなんで専属契約を辞めたんです? 私たちがここに来るかもしれないから、この船に居ただけなんでしょ?」
 権力者の近くにいた方が、情報集めやすくありません? というフクキタルの疑問に、ん――。と、しばしの沈黙を挟む2nd。
「芸事に対するスタンスの違い……かな?」
「音楽性が違う。みたいな?」
「うん。まぁ、そうなるのかな?」
 処刑イベントのポスター同様、街のあちらこちらに貼ってある、テゾーロの新曲ジャケットを横目に捉え、言葉を続ける。
「アイツは、一端のアーティストを気取ってはいるけど、別に歌に命をかけている訳じゃないんだよね」
「?」
「君の仲間の、『ソウルキング』ブルック君。彼は一流のアーティストでシンガーだ。この2年、何度か聴く機会があったけれど―――、彼の曲は、ソウルに満ちている」
「いやまぁブルックさんは、骨以外には魂(テャマスィー)しか、無いんですけどね」
 混ぜっ返すフクキタル。別行動のブルックがくしゃみをして「鼻かぜですかね? 私鼻ないんですけど~ヨホホホ!」とスカルジョークを飛ばしていたのは、また別の話。
「―――反面、アイツの音楽にあるのは、自己満足だけだ。カリーナ君に聞いてみるといいよ。ステージが終わった後、毎回、彼女の口から「私よりあなたの方が凄い」と、称賛の言葉を言わせて、悦に入っているそうだ」
「ほぇー。わざわざ言わせてるんですか? それ」
「ああ。自分の歌がカリーナ君の歌と比べてどうだったか、そんなもの、お客様の反応を見れば一目瞭然だというのにね」
 その上で称賛が欲しいなら、高名な先生にでもついて、腕を磨けばいい。どうせ金は腐るほどあるのだ。しかしそれをせず、ゴルゴルの実の暴力で、表面だけの称賛を引き出しただけで、満足する。満足―――、できてしまう。
 どうにも、そう言う所が徹底的に合わない。と、Ms.2ndは吐き捨てるように言った。
「辛口ですね」
「私は、これでも役者――。演技に命を、魂をかけているつもりだからね。」
「バロックワークスに居たのも、演技のためなんですか?」
「まぁね。本物の犯罪者と言うのは、どういう思考をして、どういう行動をとるのか、それを学びたかった」

≫28 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:54:20
「それで、誰が不幸になっても?」
「……我ながら、度し難い性質だと思ってるよ」
「……。たづなさんが言ってた通り、『演技狂い』ですね。フジキセキさん」
「―――ッ~~!?」
「貴方なんでしょう? 4度ターフを制し三冠を期待されながら、突如として姿を消した、
『幻』のウマ娘」
 本名を言い当てられ、Ms.2nd―――、フジキセキは目を丸くする。
「これは驚いた。私は人を驚かす方だけど、ここで驚かされるとは思っていなかったから、本当に―――、本当に驚いたよ」
「麦わら海賊団で好き勝手やってる私が言うセリフでもないですけれど……。一度トレセンに戻る気はありませんか? それこそ、インベルダウンに、ボンクレーさんを探しに行く前に―――」
 死地に向かう前に、故郷に顔を出してほしい。サクラバクシンオーやタイキシャトルが、音信不通のその身を案じていたのだと、フクキタルは語った。
「……―――」
「見つけたぞぉ!」

 空気が読めないヤツ。
 フクキタルに言葉を返そうとしたタイミングでの闖入者に、思わず眉根を寄せるフジキセキ。
 ジロリ。と視線を向けると
「てめぇ、昨日はよくもやってくれやがったな!」
「あら、お客様。今更何の御用で?」
 視線の先、昨夜フジにカモられたテゾーロの手下が、お礼参りのつもりか、手に手に武器を持ったとりまきを連れて、道を塞いでいた。
 あまりにも順当過ぎて、逆に予想もしていなかった光景に、フクキタルもため息を一つ。
「グラン・テゾーロじゃ、負けたやつが悪いんでしょ?」
「やかましい!」
 昨日の敗北がテゾーロに知られてクビにでもなったのか、怒り狂う男にもはや、言葉は通じない。
 時間的余裕もないし、暴力的に押し通るか。と、先制攻撃のためにフクキタルが腰を落とした瞬間―――、

 喧!

≫29 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:55:00
 裏路地を、鋭い音が貫いた。
 フクキタルも、元手下も、そのとりまきも、思わず発生源を見る。見てしまう。
 覇気に充ちた、フジキセキの瞳を、見てしまった。


 美しかった。力に満ちたその眼は、何よりも美しかった。
 故に、目が離せない。ただ、魅入られたように固まるほかない。

 喧! 

 再びの音。
 フジキセキが打ち鳴らした柏手の音が、鋭く脳へ侵入する。

 喧! 喧! 喧! 喧!

 幾度となく打ち鳴らされる柏手の音。瞳に囚われて、逃れることもできない。
 単調なリズム。繰り返し聞かされるたび、少しずつ、現実感が薄らいでいく。

 これは、拍子木だ。幕が上がり、幻想の始まりを告げる合図。

 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧! 喧!

 拍子が速まる。急速に現実が遠ざかる。


 喧!!

 一際、鋭い音が、幻の舞台の始まりを告げた。

 フジキセキは、そこに立っていた。

≫30 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:55:44
 いや、アレはフジキセキなのか。抜き身の刀を提げ、隠しきれない狂気の滲むアレは、本当にフジキセキなのか。
 ソレは、刀を持つのとは逆の手で、何かを差し出す。
 盃だ。なみなみと酒を注がれた、朱塗りの盃――、いや違う。彼女は何も持っていない。刀すら持っていない、徒手だ。
 だが、持っている。指の曲がりが、肩の位置が、筋肉の緊張と弛緩が、重心の置き方が、足のスタンスその全てが―――、刀を提げ、盃を差し出す、美しいカタチをしている。
「末期の酒じゃあ……。呑んでくりゃれ?」
 つややかな唇から、滑り出た殺意が、何の抵抗もなく、脳髄にしみわたる。

 そして一歩。元手下に向けて、ソレは進んだ。
 恐怖。
 逃げなければ。元手下は踵を返そうとする。このままでは殺される。いや、違う。殺されるわけがない。ソレは何も持っていない。持っているふりをしているだけだ。
 だがしかし、あの動きは何だ。何も持っていないのに、徒手の筈なのに、ならばなぜ、何をどうすれば、あんな、刀を持って歩くような動きになるのだ。
 そう――、ソレは何も持っていないのではない。目に見えない刀を、持っているのだ。
 そうとでも考えなければ、目の前のイキモノの動きに、説明がつかない!

 ヒョッ

 と、音を立てて、見えない刀が振るわれる。
 ―――斬られた!
 痛みが無いのが、更に混乱をあおる。
 斬られていないはずがない。だって、ソレは、あんなにも殺しの愉悦に、歪んだ顔をしているじゃないか!
「ハテ……? 鬼徹はよう、斬れるナァア!!」
 そのセリフを最後に、元手下の意識は、闇に沈んだ。


「では、この程度にて―――」

 その後、とりまき全てを『斬り倒し』、地に伏すゴロツキの群れの中で、フジキセキは終幕を告げた。

≫31 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:56:31

 ぷはぁ!

 酸素を求め、喘ぐフクキタルの肺。そんな肉体の抗議で、ようやく、先ほどの一幕に、呼吸すら忘れて見入っていた事に気がついた。
 言葉もなく、呼吸を乱し、地面にへたり込みながら、じっと自分を見つめているフクキタルを見やって、フジキセキは満足気に、
「どうだったかな? ポニーちゃん。私の魂の舞台、楽しんでもらえたかい?」
「とりあえず……ポニーちゃんは止めてください……」
「ごめんごめん」
 呼吸を落ち着けたフクキタルは、今度こそ悲鳴をあげた。
「何ですかアレ?!」
「古く、ワノ国に伝わるカブキという演劇さ。タイトルは『初代鬼徹花街酔醒(しょだいきてつ・さとのえいざめ)』」
 田舎の豪商、ジロウザヱモンが、手ひどく振られた花街の太夫ヤツハシを、魔剣妖刀と名高い初代鬼徹で斬り殺し、その、籠で水を汲むかのような斬殺の感触に驚き、憑りつかれ、ついでとばかりに、100人もの人を斬り捨てるという物語である。
 先ほどフジが『演じた』のは、ジロウザヱモンが、鬼徹の切れ味と、初めての殺人の快楽に、魅了される場面であった。
「そうじゃなくて! 前に私が喰らったのより格段にヤバくなってるじゃないですか!!!」
 フジキセキは、絶妙のボディパフォーマンスで間合いを誤魔化し、致命打を差し込んでくることを得意技とするウマ娘だったはずだ。少なくとも、アラバスタで対峙した時は。
「なんなんですかアレ! 魔法ですか催眠術ですか?! 本当に、鬼徹に憑りつかれて殺人鬼になったのかと思いましたよ!」
「パントマイムの一種だよ。意図的に、かつ誇張した表情やボディパフォーマンスで、そこに存在しないものが、あたかもそこに存在するように思いこませる芸さ。
 そして、芸に限らず、優れたモノには『神』が宿るもの―――」
 遠くワノ国では、祝いの日には芸人を呼び、その技を楽しむ風習があったという。ダイドウ、カドヅケ呼ばれるそれらの芸人は、福を呼び込む神の化身として、喜ばれていたという。
「つまるところ、真にソウル溢れる役者ならば、神様にだってなり切れるって事だよ、ポニーちゃん」
「だからポニーちゃんは止めてくださいってば!」 
 差し出されたフジキセキの手を取って立ち上がりながら、フクキタルは三度抗議の声を上げた。

≫32 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:57:17
第4幕


 ――ゲームは進む。
 心揺さぶられるアクション。手に汗握るスリル。どんでん返しに次ぐどんでん返しの果て、麦わらの一味は、囚われていたゾロを奪還し、海賊らしく勝利を奪い取ろうとする。
 果たして、ギルド・テゾーロも、自身の能力を駆使し、巨大な黄金像と一体化、黄金巨神として、ルフィに襲いかかり、彼の部下も与えられた黄金の鎧をまとって、怪力マゾのダイスはゾロ、ヌケヌケの実の警備主任タナカさんはサンジとロビン、案内人のバカラは、ラキラキの能力で他人から奪い取った幸運を振りかざし、ウソップ、チョッパー、フクキタルと火花を散らしていた。

 そして―――、

 黄金巨神は、乱入してきた海軍の軍艦を一撃で葬り、ルフィを吹き飛ばし、カリーナとナミに迫る。



 ―――魂を貫く、ギターの音が響き渡った。

 数分前。
「準備は出来ましたか、フジキセキさん!」
 エレキギターを構えるブルックが、叫ぶ。
「万端だよ。いつでもどうぞ」
 フジキセキはマイクを片手に、ブルックと共に、崩壊したそれでも十分に高いビルの上に駆け上った。
 黄金の塊が、遠く海軍軍艦を爆破する光景を尻目に、フジキセキは笑った。
「ソウルキングとセッションなんて、光栄だね」
「―――私に、ついてこられるか? BABY!」
「もちろん。サイコーのステージにしてあげるよ!」
 歌よ届け、世界を揺らせ! 二人は同時に叫ぶ。

―――『Winning the soul!!』

≫33 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:58:12
 魂を振るわせるギターソロ。ヨミヨミの実でよみがえったブルックは、魂が剥き出しの存在であり、彼が奏でる音は、ダイレクトに魂まで届く。
 故にソウルキング。ブルックの奏でる旋律は、正しくこの世のものではない、幽世の芸術だ。
 前奏が過ぎ、フジキセキは、深く息を吸い最初の音を奏でる。あちら側の芸術に劣らぬよう、一言目に、魂を乗せて。

―― 光の速さで、駆け抜ける衝動は、何を犠牲にしても、叶えたい強さの覚悟!

 黄金の外殻を貫き、届いた音楽に、ギルド・デゾーロはカリーナと彼女をかばうナミに迫る腕を、止めた。

―― (no fear)一度きりの (trust you)この瞬間に 賭けてみろ 自分を信じて

 ギターは、麦わら海賊団の、『ソウルキング』ブルック。歌っているのは、少し前に馘にしたイヤな目の舞台役者。

―― 時には運だって必要と言うのなら 宿命の旋律も引き寄せてみせよう

 なんということはない。奴らはただ歌っているだけだ。何の意味もない。意味があるのは金だけ。あらゆるものは金の力には勝てない。
 故に、ゴルゴルの実のテゾーロは神だ。神には誰もかなわない。テゾーロ自身がそうだったように、無意味で無駄なことをしているに過ぎない。
 ―――だというのに、

―― 走れ今を! まだ終われない 辿り着きたい 場所があるから その先へと進め!

 なぜ、こんなにも苛立つのか。

―― 涙さえも強く胸に抱きしめ そこから始まるストーリー

 絶望(そこ)からは、何一つ始まる事はない。――テゾーロはそうだった。

≫34 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 22:59:04
―― 果てしなく続くwinning the soul

 果てしなく続くのは苦しみだ。―――俺は、そうだった

―― 目指した景色は前にしかない that's all 本当の情熱とは 貫き通す意味の証

 うるさい。

―― (shout out)ありきたりの (fight on)プロセスなんて 壊すんだ 自分を示せ

 うるさいうるさいうるさい!
「そのっ、くだらない歌をヤメロォ!!」

“黄金の神の火”

 軍艦を焼き切り爆散させた、高出力のレーザービームが炸裂し、ブルックたちが足場にしていたビルを、完全に瓦礫へと変える。

 しかし、

―― 儚い現実に嘆いた言葉は 想いを宿して一歩踏み出した

 その一撃を避け、なおも、ブルックとフジキセキのセッションは続く。

—— 鳴り止まない胸の奥で待ちわびた鼓動 届かなくても 笑われても 進め

 狂乱する、黄金巨神。 
 走り、跳ね、歌い続ける二人を、黙らせるために、当たるを幸いに破壊をまき散らす。

―― 握りしめた悔しさの残像は ゴールへ導くストーリー

≫35 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 23:00:02
 それでも、止まらない、終わらない。止められない、終わらせられない。
 世界を支配する、黄金の力だというのに! このちっぽけな下らない歌を! どうして黙らせることが出来ない!

―― その足 止めるな winning the soul!

「黙れェ!!!」

 剥き出しの魂に響く、『魂ノ王(ソウルキング)』の旋律。同じく、己の魂を形にして、叩きつけるための歌。
 神がかった芸術の前では、あらゆる虚飾ははぎとられ、ただ、己の魂で向き合う他ない。
 魂の叫びを、受け止めるだけの器が無いのなら、拒絶し排除するほかない。
 判り易く(薄っぺらに)、テゾーロは更なる暴力を振りかざして、瓦礫のステージで歌い続ける二人を、排除しようとして

「ゴムゴムのォ~~~~~」
―――“猿王銃(コングガン)”!

 二人にかまけている間に、ギア4”弾む男(バウンドマン)”を発動したルフィに、殴り飛ばされる。

―― 追い続けた答えが 心惑わしたとしても 助走つけて飛び出すのさ 今がその時だ

 黄金巨神が斃された。そして、幹部たちも、麦わらの一味に悉く敗北し、金で雇われ、報奨金の為に戦っていただけのテゾーロの手下どもは、蜘蛛の子を散らすように逃げ出して行く。

 不意に、地面が黄金色に融解する。
 黄金巨神を解体、不定形の輝くマグマに変え、テゾーロはすべてを飲み込もうとする。
 麦わらの一味も、腰まで黄金に沈み、動きを止められる。
「見ろ! これがゴルゴルの実! すべてを支配する神(カネ)の力だ!」

―― 掴め今を 変えたいなら 描いた夢を未来に掲げ 恐れないで挑め

 歌は止まない。

≫36 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 23:00:54
―― 走れ今を まだ終われない 辿り着きたい場所があるから その先へと進め

 テゾーロの怒りは頂点に達する。
 何故だ?! 金の力はすべてを支配するはずだ! 飲み込むはずだ! 逆らえないはずだ! 
 テゾーロがそうであったように!
 それなのに! それなのに!!


 何故こいつらは歌うことを止めない! 歌い続けることが出来る!?


 金に支配されないヤツなどいない。いてはいけない、存在してはならない!
 そうでなければ、そうでなければ!
 金に支配され、欲しいものは何も手に入れられなかった俺が、金如きに人生を支配された、薄っぺらい間抜けだったと言うことじゃないか!!!

―― 涙さえも強く胸に抱きしめ そこから始まるストーリー

「すべては、俺のチカラに飲み込まれる! それが世界の真実だ! すべては黄金に支配される!」
「だったら、支配してみろよっ!」
 ”弾む男”が跳ぶ。飛ぶ。ゴムの性質で空を蹴り、ロケットの様に突撃する。
「黄金に! 屈しろォオオ!!」
 テゾーロは黄金の鉄槌で迎え撃つ。


“黄金の神の裁き”!! / “ゴムゴムの獅子王バズーカ”!!

―― 果てしなく続く winning the soul!

 拳は黄金の鉄槌を折り、貫き、全ての衝撃を、テゾーロと言う人間にたたきつけた。
 神を気取った黄金の奴隷は、自由を貫き通す拳によって、昏い空へと、堕ちていった―――。

―― woh woh woh

≫37 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 23:01:57
最終幕

 ゲームは終わった。
 最終的な勝者が誰なのか。それを口にするのは、あまりに野暮と言うものだ。
 サウザンドサニー号は麦わらの一味とフジキセキを乗せ、一昼夜の逃走劇を制し、海軍から逃げきった。


 そして――

『宴だぁ~~~!!!』

 勝利と生還を祝して、サニー号の船上では、盛大な宴が催されていた。
 船の食料庫を空にする勢いで、サンジが御馳走をこしらえ、ルフィがかたっぱしから胃袋に詰め込んでいく。ゾロは上機嫌で酒をかっくらい、ナミはロビン、チョッパーを相手に、カリーナの愚痴を大切な思い出を語るかのように語る。ブルックがギターを弾いて、フランキーとウソップが即興でこしらえた舞台では、フクキタルとフジが、UNLIMITED IMPACTを、熱唱していた。
「お粗末様でしたー!」
 歌い終えた二人に飛ぶ、やんややんやの歓声。最高に盛り上がり、次々にアンコールが飛んだ。
「次、うまぴょい伝説ね! 私も歌うわ!」
 マルゼンスキーが宣言する。
「じゃあ、マルゼンさんにも舞台に上がってもら……」
 フクキタルの言葉が途中で止まり、場の空気が一瞬静止。すぐに蜂の巣をつついたような驚愕が暴れまわった。
「アンタなんでいるのよ!」
「楽しそうだから混ざっちゃいましたぁ。良いわよね麦わらちゃん」
 イェイと、ナミのツッコミにピースサインで応える自由な女。
「おう! いいぞ!」
『いいんかい!』
 一味総出でツッコミを入れるものの、船長がOKを出すなら、問題はない。何事もないように宴は続く。
 宣言通り、フクキタルとフジを伴ってうまぴょい伝説をぶちかますマルゼン。何やかんや、宴はさらに盛り上がり、そのまま明け方ごろ、参加者が悉く寝落ちして、自然とお開きになるまでにぎやかな時間は続いた。
 そして――、
 フジキセキは一人、誰も起こさないように、静かに自分の荷物をまとめる。

≫38 二次元好きの匿名さん21/09/29(水) 23:02:45
「行っちゃうんですか?」
「―――ッッッッッッ!?」
 大声をあげそうになった口を慌てて塞ぎ、声の主を振り返った。
「君には驚かされてばっかりだね、ポニーちゃん」
「だからポニーちゃんは止めてくださいって――ってそうじゃなくて、やっぱりインベルダウンに行くんですか?」
「まぁね。ちょうどマルゼンさんも会いに行きたい相手がいるらしくて、送ってもらえることになったよ」
「……インベルダウンって、最も警戒が厳重な監獄ですよね? そんな、友達の家に遊びに行くようなノリで良いんですか?」
「まったく、本当に彼女は自由だよねぇ」
「貴方も大概ですよ」
「そうかな?」
「そうです」
 しょうがない。と、フクキタルは嘆息した。
「ボンクレーさんを、絶対に見つけ出してくださいね。ルフィさんの為にも」
 言葉は、要らず。
 強くうなずいたフジキセキは、PON! と弾けた煙に包まれ。煙ごと姿を消した。

 遠く、海の向こう、朧げな朝日の中で、イルカが跳ねた。

≫50 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 00:12:04
それはワノ国一の暴れん坊だったおでんが、若さに任せて生み出した小さな伝説。
舞台は花の都より遠く離れ、旅人も滅多に立ち寄らぬ小さな村。
花の都を追放されたおでんは、仲間達と共に諸国漫遊と称した当てのない旅を続け、
その最中、イノシシを追って末に仲間と逸れて道に迷い、この村に辿り着いたのだ。

「馳走になったな、恩に着るぞ」
「いえいえ、布団も敷いております故、今宵はごゆるりとお休みください」

夕餉を食べ終えたおでんは礼の言葉を述べると、村長は恐縮したまま寝床を進めた。
将軍の一人息子である光月おでんの破天荒な噂話は、尾ひれと共に村にも伝わっていたが、
目の前の青年の物腰には荒々しさを感じられず、村長はすっかり安心していた。

「お言葉に甘えようか。……だが、腹ごなしに身体を動かしたくてな。
 何処か、人気のない広い場所はあるか。……そうだな、例えば……神社などは」
「神社はありますが、お見せするのも恥ずかしい、寂れた場所でございます。
 我が屋敷の裏庭でよければ、どうぞ好きにお使いください」

神社、とおでんの口から飛び出せば村長は背筋を凍らせるが、平静を取り戻してはおでんの要望に応える。
おでんは訝しげに村長を眺めていたが、やがて二刀を持ち出すと茣蓙から立ち上がった。

「では行って来るでござる。戸を閉めて良いぞ。勝手に出入りさせてもらう故に」
「どうぞどうぞ、お気遣いなく過ごしていただければ……」

村長が言い終えるよりも早く、木戸がピシャリと閉じられた。
しばし悩んだ村長は竹笛を取り出すと、小さな鳥の鳴き声が響き始めた。
何軒かの家から男達が顔を覗かせ、松明を取り出すと夜闇へと消えていく。
向かう先は神社だ。うつけものとはいえ、将軍の血筋の者に“あれ”を見せてはならない。

――――その懸念を尻目にして、おでんは闇に紛れた男達の後を追っていた。

≫51 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 00:12:39
「オギャア、オギャアァァァ――――」
「赤子の夜泣きか? 神主の一家がここに住んでいるのか?」

暗に「行くな」と言われては、ひねくれ者のおでんは神社に向かいたくなる。
ましてや、不審な合図と共に男衆が夜遅くに出歩くとなれば、猶更のことだ。
彼らの後を尾けて到着した神社は、村長の言葉と違って手入れが行き届いている。

「娘、早うその赤子を泣き止ませろ」
「堪忍して下さい。おとさんが恋しくて泣いているのです」

男の一人が乳飲み子を抱えた娘に詰め寄るが、赤子は泣き止まない。
おでんは二人に近づくと、男の手にした松明と赤子をひったくり、

「んべべべべべべ、おばぁぁぁ!!!」
「アギャー!!  ビィィィ、ビィィィ――――!!」
「うわああああ、むっちゃ怖ええぇぇ!!」

おでんは会心のべろべろばあをするも、赤子は返って火が付いたように泣き叫んだ。
赤子を獲られた娘は驚いて尻餅を着き、頭に覆った手ぬぐいがハラリと外れる。
その頭頂には驚きの余り、ピンと立ったウマ耳が露わになっていた。

「うぎゃあああ、お前、早くそれを隠せ!」
「も、申し訳ありません……!」

二重に驚いた男が大声を上げ、娘がウマ耳を隠そうとするも、時すでに遅し。
おでんが娘の様子に気付けば、地面に挿した松明の明かりを頼りに、
立ち上がろうとする娘の尻に手を当て、思いっきり揉み始めた。

「むむむ、耳だけでなく尻尾もあるぞ?」
「あ、その、お侍様……おたわむれを……」

≫52 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 00:13:21
「こ、これ、おでん様! ちょっとそれは――――」

松明を持った男衆が駆け寄り、その中にいた村長が慌てておでんを咎めた。
何事かと視線を向けるおでんに対し、村長は観念したように白状を始める。

「これは、この村の習わしでございます。
 我が村に住む“ウマ娘”と呼ばれる女子は、時折“ウマ娘”を産むのです」
「ウマがウマを産んでもおかしくはないだろう」
「ともかく、ウマ娘は我が村にとって、神への捧げものです。
 村では何不自由なく暮らさせておりますが、その……体裁が悪く……
 将軍様には報告はせず、内々で隠していた次第でございます」
「なるほど。確かにいい尻をしていたでござる」

暗がりであっても娘の肌艶が良いのは解り、おでんも村長の説明には納得した。
男衆の松明の光によって、神社の隅に塀に囲まれた小屋があるのも見て取れた。

「オギャァ――――!!」
「して、お前は何故に泣いておるのだ?」

おでんの腕の中では、赤子のウマ娘が未だに大声で泣き叫んでいた。
立ち上がった娘はおでんから赤子を取り戻し、必死で赤子をあやしている。

「こ、この娘は物心も付かず、まだおとさまに会いたくて泣いているのです」
「ですが、それも一時のこと。ウマ娘とは神の使い、俗世とは離れて生きるのです。
 勿論、神事の前には父親とも会わせますが、次第に母子だけの生活にも慣れるでしょう」

娘が滅多なことを言わぬように、村長が穏やかな声でおでんを言い包めようとする。
男衆の一人、痩躯の男が暗い表情を浮かべる。赤子から敢えて離れるように、最後尾で視線を逸らしている。

≫53 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 00:14:00
「そうかそうか、神の使いか」
「左様です。さあ、鍛錬の汗を流すため、湯を沸かしておりますので……」
「あいわかった。ならば――――」

おでんが二刀を引き抜くと、男衆は何事かとざわめきながら距離を取り始めた。
おでんは悠々と鳥居の下まで足を運ぶと、その二刀を思いっきり振り放ち、

「桃源白滝!」  「おい、何してるうつけぇ!」

男衆の絶叫が終わるよりも早く、鳥居の柱が横一文字に斬り落とされると、
倒れこんだ鳥居は轟音を響かせながら、神社の石階段を滑り落ちていった。

「光月おでんの乱心だ! 皆のもの、すぐに取り押さえろ!」
「何が神の使いだ! 狭い小屋に閉じ込め、産まれたばかりで親にも会えぬ!」
「まこと、まことに窮屈でござる! こんな習わし、不要で候!」

村の男達が鍬や鋤、松明を以ておでんに躍りかかるが、全く無駄な抵抗だった。
夜が明け、朝日が照らす先には鳥居も本殿も狛犬さえも跡形もなくなっており、
廃墟と化した神社では、汗を輝かせたおでんが斬り倒した神木に座り、高笑いを発していた。

「はっはっはっはっ、村長よ! もう神社も神木も、何もかもなくなったぁ!」
「おい、娘よ。お前さんの寝床、おれが全部ぶっ壊しちまったもんでなぁ」

刀を振り回すおでんの形相に恐れをなした娘は、震えながら赤子を抱いていたが、
この惨状にも関わらず、胸に抱いた赤子は不思議と安心しきったように寝入っていた。

「今日からお前さんは、どっかの家で寝泊まりせぇ!」

呆然とする娘に駆け寄ったのは、最後尾で項垂れていた一人の男だった。
彼は赤子ごと娘を抱きかかえ、わんわんと泣き叫んでいた。歓喜の涙だった。

≫54 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 00:14:31
「ずばねぇ……ずまねぇ……。どんな目にあっても、一緒になりてぇって言ったのに、
 これじゃあ全然、おれだち……家族じゃあなかっだもんなぁ……!」
「いいの……解ってたから……それを解って……一緒になったんでしょ……。
 でも、これでやっと……あなた、この娘と一緒に暮らせるのよ!」

夜通しの抵抗を続けた男衆達は倒れ伏しながら、その光景を見ていた。
誰も口を挟まなかった。疲れ切っていた男衆達は、もう何もする気が起きなかった。
村長もその一人だった。彼は諦めたように溜息を吐き、おでんの下へと近づいた。

「これは噂以上のお人ですな……。こんな暴挙、果たして山の神がお許しになるか……」
「クドいぞ。これを許さぬというなら、雷でも地割れでも起こしてみやがれってんだ」

村長は何も言う気はなかった。それは他の男達も同じだった。
小さな村の習わしは絶対であり、苦しむ者がいても誰かが異を唱えることはなく、
当の本人も苦しみを諦め、村の秩序を乱すことは禁忌となっていた。

「しかし、村にとって山の神は絶対です。このような形でウマ娘を取り上げては……」
「ふん。どうせ空から見下ろすだけの神だ。どうしても娘が欲しいというのなら」

おでんは懐から日誌を取り出し、燃え尽きた松明を折って鉛筆にしてしまえば、
サラサラと何かを日誌に書き、そのページを破り捨て、村長へと差し出した。

「そこの娘を描いた絵の一枚でも納めてやればいい。少しは慰みになるだろう」
「は……はぁ……しかし、これはちょっと、その、下手……」
「……文句があるなら自分で描けぇ!」

絵心の無さを気にしていたのか、おでんは顔を真っ赤にして村長に怒鳴った。
やがて、赤子を抱いたウマ娘が駆け寄ると、膝を着いておでんへと頭を垂れた。

≫55 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 00:17:29
「なんと、なんとお礼を言ったらよろしいか……その……」
「気にするな、いい尻だったぞ」

おでんは平然とした表情のまま、神木から立ち上がった。
目を覚ました赤子はおでんの顔を見ると、キャッキャと笑っている。
それを見たウマ娘の夫が妻から離れると、意を決したようにおでんの傍へと駆け寄る。

「おでん様、……村を出る前にお願いがあります。
 この娘は産まれたばかり。まだ名前を付けてはおりません……」

「夫が名を与えるのが村の習わしですが、どうか、この娘に名前を与えてはくれませんか?
 妻と娘に自由を与えてくれた恩人に、名付け親になって頂きたいのです」

「なんだ、おれは絶縁された身で、名前はないぞ……」

必死に縋るウマ娘の夫だが、おでんは面倒なのかイヤそうな表情を浮かべていた。
その後、ウマ娘や村長からの重ねての申し出により、おでんは渋々とばかりに筆を執った。
そして、おでんを探していた家臣達が村へと辿り着くと、おでんは礼の言葉を尻目に立ち去ったのだ。


   ・  

   ・    

   ・

≫56 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 00:20:50
村の因襲を滅ぼしたおでんが同じように各地を暴れ回り、九里の平定を以て城主との絶縁が解かれた。
ワノ国一の暴れん坊が名君の才を見せ、この国の未来に赤々と希望を灯す、
その朗報は千里を駆け巡り、この辺鄙な村にも瓦版が届いていた。

「ねぇ、―――――。光月おでん様が都に戻られたそうよ。
 立派な家臣の方々を率いて、それは素晴らしい凱旋だって、おとさまが言ってたわ」

あの時、赤子だった少女は神木から削った小さな棒切れを手にし、かつては神社だった広場で素振りをしている。
いつかきっと、自由の身を与えてくれた君主に恩を返すため、その小さな身を伸び伸びと振るっている。
瓦版を読み聞かせたその日から、おでん様の家臣になるのだ、と言ってはでたらめな剣術の練習をし、
母親にとっては、小さな侍の修行を見守るのが日々の日課になっていた。

「貴方のこと、きっと覚えてるわ。だって、貴方の名前を授けたのは、おでん様なのだから」

その後、おでんは来航した海賊団の船に乗って故郷を離れ、ワノ国には暗雲が立ち込める。
おでんがうつけものと笑われ、バカにされようとも、村人達は耐え忍んでいた。
神社を破壊したおでんの暴挙が尾ひれを以て広まり、ウマ娘を隠せば村が滅びると恐れた他の村では、
ウマ娘を閉じ込めた座敷牢や小屋を解体し、ウマ娘達は自由の身となってワノ国を走り回っている。

「神様。どうかおでん様を恨まないで下さい……。これで、少しでもお慰み下さい……」

「そして、この国が良きものとなりますように、どうか見守っていてください……」

娘の修行を微笑ましく眺めていたウマ娘は、継ぎ板だらけの鳥居に一枚の紙を貼り付けた。
そこには尻尾とウマ耳を振り乱して駆け回る、小さなウマ娘が描かれていた。



終わり。誰であってもいいように、敢えて名前は伏せたので、
SSを読んだ皆が思い描くウマ娘が侍になってればいいな、と思いました。

≫60 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 01:02:21
話を変えるぞ。
フクキタルのお財布は完全にナミの支配下にある概念についてお話したい。

当初、フクキタルにもきちんとお小遣いを渡していたのだが、まあ当然幸運を呼ぶ壺だとか福を招く猫の置物だとかそういう詐欺アイテムや意味不明な道具ばかりを買うフクキタルにブチギレたナミがフクキタルの財布を取り上げ
「次からは私の許可を得てから買い物しなさい! あんたのせいでどんどん女子部屋が狭くなっていくのよ!!」
「は、はい~……ご、ごめんなさい~~~!!」
と怒られるフクキタル。これ以降フクキタル個人が持ち歩ける最大金額が500ベリーとなり、それ以上のお買い物はナミ同伴でしか出来なくなる……という概念です。

≫128 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 14:23:16
トレセン諸島へのバスターコールって聞いて真っ先に浮かんだのがチケットの泣き顔だったんだ
諸島に家族皆いるから必死でやめてやめさせてって泣くんだ。聞き入れてもらえるわけがないんだけど
「母さん!父さん!兄ちゃん!!う゛あ゛あ゛あああああ!!」と恥も外聞もなく泣き叫ぶチケット
BNも諸島に家族いる組だろうからタイシンですら「なんで………ねえ!!なんでッ!!?」て狼狽する
ハヤヒデは必死に平静保とうとしてるんだけど結局耐えられずに泣き崩れちゃうんだよな

皆もトレセン諸島にバスターコールされたよって告げられたときの推しウマムスメの反応想像しよう(提案)

麦わらの一味 占い師 マチカネフクキタル 64スレ目

≫20 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 17:32:48
赤犬「位置について・・・よーい・・・ドン!」

大将s「ウー」

海軍たち「ウマだっち!」

大将s「ウー」

海軍たち「ウマぴょい!ウマぴょい!」

大将s「ウー」

「すきだっち!」

大将s「ウー」

海軍たち「うまポイ!」

大将s「うまうまうにゃうにゃ3,2,1Fight!」

≫114 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 18:57:10
「おれの海兵としてのモットーはだらけきった正義だ」

「そしてあたしのモットーは!!どんなことでも全力全開ッ!!」

≫115 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 18:58:13

「真逆じゃないの!?」

ってナミあたりがツッコむのが見える見える。

≫139 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 19:59:36
クザン「いやぁ〜チケゾーちゃんは美味しそうに食べてくれるけどうるさいのなんの」
ボルサリーノ「やっぱりウマ娘ってのはよく食べるもんだねぇ〜」
イッショウ「サブちゃんの蕎麦、また連れて行きたくなるいい食いっぷりでやした」
サカズキ「……」

{≫134 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 19:46:18
 おどれの身勝手で大人の面目丸つぶれじゃろうが!!

{≫140 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 19:59:57
>>134
藤虎「潰れて困る面なら懐にでも仕舞っときなさいや!!!」
赤犬「ぐぬぬ……」
藤虎「では、あっしはキタさんとシューズに買いに行く約束がある故、失礼」
赤犬「ぐぬぬ……」

麦わらの一味 占い師 マチカネフクキタル 65スレ目

≫13 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 22:13:46
唐突に思いついたアニメワンピースの黄金世代紹介ナレーション付き映像風SS
イメージはアニメワンピース957話の七武海の映像

BGM Giant Stronghold Takeoff

“黄金世代”(GOLDEN GENERATION)――――
それは、世界に名の知られた同世代のウマ娘五人の総称である
かつて、“海賊王”ゴールド・ロジャーの船の見習いだった彼女らは、海賊団解散後に独立
それぞれ武功をあげ、“偉大なる航路”にその名を轟かせるようになった

「最速、最高、世界最強!エルコンドルパサー、ここに入場!」


元“王下七武海” バギーズデリバリー副座長
“怪鳥”エルコンドルパサー
EL CONDOR PASA
懸賞金 3億7607万ベリー

「 いつか必ず認めさせるわ! 私こそ『一流』だと! 」

“麦わら大船団” 流海賊団船長
“撫で斬り”キングヘイロー
KING HALO
懸賞金 5億26万ベリー

≫15 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 22:14:09
「まあまあ、焦らすのんびりと。その方がうまくいきますって〜」

“革命軍” 参謀総長補佐
“トリックスター”セイウンスカイ
SEIUN SKY
懸賞金 6億1028万ベリー

「『我が物と思えば軽し笠の雪』。どんなハードな鍛錬も私自身のためですから。」

元“四皇”白ひげ海賊団 四番隊隊長
“不退転”グラスワンダー
GRASS WONDER
懸賞金 6億9164万ベリー

「お母ちゃんたち、見てて! 私、世界一のウマ娘になる!」

“四皇”赤髪海賊団 最高幹部
“戦闘総大将”スペシャルウィーク
SPECIAL WEEK
懸賞金 10億9262万ベリー

≫27 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 22:34:57
前スレ読んでたらチケゾーと青雉の絡みが見たくなったので自分で書いた。青雉エミュ難しくない?
ロングリングロングランドに到着したくらいのチケットと青雉の怪文書です

チケット「うおーーーーッ!!広い!広いぞーーー!!!」
青雉「こんな何もないとこで大はしゃぎたァ連れてきた甲斐があったってもんよ。それもウマムスメの本能ってやつかい、チケゾーちゃん」
チケット「あ、わかる?えへへ……。なんたって、こーーーんなに広いターフ!トレセンでも見たことないもん!思わず走り出したくなっちゃうよ!」
青雉「じゃあ走ってきな。自転車でじっとしてんのも暇だっただろ」
チケット「えーーーっ!?いいの!?ほんとに!?」
青雉「あァ……おれは疲れたから寝てる」
チケット「やったーーー!!ありがと、クザンさん!いってきまーす!!」

チケット「わああああッ!!凄い!ほんとに広い!!タイシンとハヤヒデも誘えばよかったなー!!」

チケット「……って、あれ?なんか聞こえる……なんだろ……?人の声が沢山……」

チケット「……ハッ!?もしかしてお祭り!?ラッキー!!行ってみよーっと!!」

この後デービーバックファイトを観戦し、自身の立場も忘れて誰よりも大きな声で応援するウイニングチケット中佐がいたという……

≫34 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 22:42:22
小ネタ バルトロメオとライスシャワー

ライス「ライスがいると皆不幸になっちゃうの…」

バルトロメオ「あ゛ァ!?おめェ程度の不幸にフクキタル先輩の大吉が負けるわけねェべ!!」

ライス「ひゃっ、ひゃいぃ!?ごめんなさい!」

≫46 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 22:52:22
おれはチケゾーは例え海賊相手でも命を奪えないタイプだと思ってるから青雉がロビン殺そうとしたとこで凄いビビると思ってるし、なんなら思わずロビン庇おうとしたのを見抜かれて「チケゾーちゃん……今、何しようとした?」「……!だ、だって、そんなことしたらその人死んじゃう……!」みたいなやり取りをすると思ってる

≫70 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 23:08:29
デービーバックファイト編読み返してたら青雉がナミにド直球なセクハラしてて笑ったんだけど、これ多分チケゾーには通じないからやらないんだろうなって
なんなら一回「今夜ヒマ?」って聞いて「うん!…あ!もしかしてクザンさんも?じゃあ実家から持ってきたボードゲームしようよ!!」とか返されてるかもしれない

≫72 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 23:12:35
>>70
何かで読んだネタだけど
クザン「夜に男と女がやることはひとつだろ」
チケゾー「ババ抜きですね!!」
クザン「……二人でやって楽しいかね、スピードの方がいいんじゃない?」

≫86 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 23:32:43
原作未所持ss書き故口調の違いは許して
タイミング的には頂上戦争で赤犬が白ひげに致命の一撃を入れる前のタイミング

タイシンは駆ける。
体の大きさや華奢さをバカにせず、努力と執念、信念をちゃんと評価してくれた海軍大将の元へと。
確かに赤犬は苛烈な男だ。徹底した正義のもとに海賊どもを滅殺していく。タイシンだって最初は近寄り難い男だと考えた。しかし、それでも正義のために力をつけ、部下になるまで認めてもらったのは事実だ。
目の前で赤犬が白ひげから攻撃を喰らおうとしている。
絶体絶命のピンチだ。
だからこそ、認めてくれた彼にタイシンは応えようとする。
体から青い炎を噴出させ、跳躍して白ひげにその炎を放つ。
「サカズキさん!」
「タイシンか…!」
「っ?!」
青い炎は白ひげの生命力を僅かでも奪い、赤犬へ放とうとした攻撃が遅れてしまう。
その隙に赤犬は腕をマグマに変えた。
「ようやったぞタイシン!」
そしてそのマグマの腕を白ひげの鳩尾に叩き込んだ。

≫87 二次元好きの匿名さん21/09/30(木) 23:45:39
タイシンで今浮かんだネタ
ちょっとタイシン持ってないからキャラ違うかも

赤犬と青雉の決闘後に
大怪我した青雉を見舞って泣き腫らしたチケゾーを慰めた後別れて
治療を受けた赤犬に1人で見舞いに行くタイシン
「これで元帥だね、おめでと」
とぶっきらぼうに言うタイシンに
「なんじゃ自分の上司が勝ったのが不満なんか」
と赤犬が返すんだ。
で、
「別に。ただ元帥になったらあたしなんかに構ってる暇ないんだろうなって、それだけ」
と不機嫌そうに言うタイシン
そしたら赤犬は周りの海兵を追い払ってギロリとタイシンを睨むんだ
「お前なんか勘違いしとらんかぁ? わしが暇だから構っちょったと。そんなわけ無かろうが」
「じゃあなんであたしを選んだの?」
「優秀だからに決まっちょるだろ。ふん、元帥になったら忙しくなる、それはその通りじゃ」
一呼吸つく赤犬
「お前にゃこれまで以上に働いてもらう、今を最後の休暇と思っておくんじゃな」
「……そ。なら帰る、面会時間おわるし」
で病室出てちょっとガッツポーズして帰るタイシン

≫96 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 00:03:24
青チケゾー
「ここをこう、ここをこうね」
「そうだよ!スゴイよクザンさん!!」

黄ビワ
「うーんちょっと遅すぎると思うんだよねぇ〜」
「ボルサリーノさん、光の速さでは見えないですよ」

赤タイ
「何故ワシらが踊らにゃならんのじゃ…!」
「忘年会ネタでセンゴクさんに厳命されたんだから仕方ないでしょ」

{≫98 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 00:09:36
なにやら赤犬に思春期の娘との距離を測りかねる頑固おやじの属性が…w

ルドルフ「大変でしょう?『子育て』」
サカズキ「…何をゆうちょるか。子育てじゃありゃせんわ」
ルドルフ「ふふ…私も一時期手を焼いたものです」
サカズキ「……ふん。おどれんとこのよりは、アイツの方がよっぽど聞き分けが良いわ」

そんな会話が有ったりしたんだろーか。そんな妄想

≫103 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 00:16:28
>>98
元帥就任後は元クザン麾下の面倒も見ないといけないわけだからチケゾーも当然……
ルドルフ「どうだ、聞き分けない子の面倒みるのは大変だろう?」
サカズキ「隠居人はだまっちょれ!!」

麦わらの一味 占い師 マチカネフクキタル 66スレ目

≫60 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 14:29:39
1レスローライス怪文書『紅葉』

「いいかライス、よく聞け。
 牛乳を飲めば背が伸びるだの、キャベツを食べれば乳房が膨らむだの、そういうのは全部デマだ。それが本当だったらチビで悩む奴はいないし豊胸手術なんてもんも生まれねェ。
 第一食事で身体のことをなんでも解決できたら医者はいらねェ。
 そもそもだな、今のお前が無理に身体を大きくする必要はないだろ。
 お前はお前のままで十分だ。


 身体が小さくて薄いからこそ俊敏性と隠密性に長けた能力を活かせるんだからな」

……5分後、ローは左頬に小さな紅葉を散らした状態で発見された。

≫113 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 16:54:57
最推しのマヤが全然触れられてないor触れられてもかなり少ないので掘り下げがてら紹介文書いてみたよ
途中でSSらしきものも挟まるので結構長いです

【名前】マヤノトップガン
【所属】ウォーターセブン
【役職】フランキー一家の末っ子妹分

【年齢】原作では中等部なので13~15くらい?
【一人称】マヤ
【二つ名】飛び立つ変幻自在
【覇気】なし(二年前)→見聞色(ブライアン戦~二年後)

【能力】ライライの実の滑空自在人間
【能力詳細】
飛行能力を持つ悪魔の実や月歩と違って空を飛ぶのではなく、高い位置から滑空することで疑似的な飛行を可能にする(ハンググライダーのようなイメージ)
普通の人間だと建物の屋上から飛び降りるくらいしか使い道がないがマヤノの場合、ウマ娘の脚力で地面からの大ジャンプをして滑空を行える。
短距離しか移動できない多くの能力と違って風に乗っているので体力を消費せず、再びジャンプする中継地点さえあればほぼ無限に飛んでいられる。

【基本設定】
―――本編が始まる10年前。
トレセン諸島で起こった失踪事件(バッシュとキョーシ一味が組んで起こした初めての奴隷狩り)の際に捕まり、貴族に売られた後、奴隷ウマ娘として生活する。
天竜人の奴隷ほどぞんざいに扱われるわけではないが、その生活は過酷で幼いマヤノの心を閉ざすには十分な環境だった。

≫114 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 16:55:45
―――本編が始まる3年前。
ウォーターセブンに観光に来ようととしていた貴族の船がアクラ・ラグナに巻き込まれて転覆し、船員や奴隷も含めほぼ全員が死亡したがマヤノだけが奇跡的に助かりウォーターセブンの海岸に打ち上げられていた。
フランキー一家がこれを見つけ、フランキーハウスへ。

「今回のアクア・ラグナもハンパなかったな。見ろよ。180度にひっくり返ってるぜ、この船」
「ずいぶん豪華な装飾だな。貴族の船っぽいな」
「へっへっへ。そりゃいい。金目のモンでもあるんじゃねーか?」
「おい、怪力デストロイヤーズ! 船を起こしてくれ!」
「「「あいよ!」」」

「みんなぁ、こっちへ来てくれ! 誰か倒れてる!!」
「あァン?」

 倒れたマヤノを囲むザンバイたち。泥まみれで倒れ伏している。

「……ガキか? 貴族の子供ってところか」
「いや、貴族なんて格好じゃないだろこれ」

 ボロボロの服と首には見慣れない重そうな首輪が嵌められている。

「……この子、ウマムスメ族だわいな」
「知ってるのか、モズ?」
「よく出入りする酒場の連中が話してたわいな」
「外見は年頃の少女と変わらないが人間とは違う強靭な身体と脚力。馬のような耳と尻尾を生やし、"走る"ことが生きがい種族」
「種族的に女性しか存在せず、その姿から"陸の人魚"とも言われてるわいな」
「人魚! へぇ、そりゃ高く売れそうだな」

 ガハハ、と下卑た笑いを漏らすフランキー一家の男たち。

≫115 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 16:56:42
「…とにかく、アニキのとこへ連れて行くわいな」

男たちと違って何かを察した女性陣はマヤノをフランキーのもとへ。
見つけた当初はウマ娘という珍しい種族ゆえ、とんだ拾い物だぜと喜んでいたがマヤノの出自を聞いてフランキーたちは大号泣。行くとこないならウチで暮らせ!と言われ、フランキー一家に身を寄せることに。

汚れた身体を洗うために風呂に入れてもらうが、その際に力が抜けるよぉと言われ、理由を聞いたところマヤノは悪魔の実の能力者だと言うことが判明する。
「こいつは驚いた、どこで食った?」と聞いて見ると、貴族の戯れで無理やり食わされていたと知る。
嫌なことを思い出して頭を抱え、今にも泣きだしそうな曇り顔になったマヤノをもう思い出さなくていい!と制止するフランキー。
ウマムスメ族+悪魔の実の能力者ということでとにかく目立つので、今後は能力を使うなと釘を刺され、シッポは服にしまって街を歩く時にも帽子を被らされている(フランキーのお手製)

―――それから3年の時を経て、本編開始くらいのマヤノ。
小柄ながら怪力デストロイヤーズより遥かに強い筋力を持ち、足も速いマヤノはフランキー一家の解体業の一番の稼ぎ頭となっていた。

「ねぇねぇ、フランちゃん! マヤ、今日はどの船を解体すればいい!?」
「んなァ、マヤノ。その呼び方やめねェか…? 女の子みてェだ」
「いいでしょ、フランちゃん! ねぇ、モズちゃん?キウイちゃん??」
「そうさなぁ、可愛い名前だわいな」
「ハードでボイルドでスーパーなおれ様を捕まえて可愛いなんて言うんじゃねェよ、ったくよォ…」
「「「フランのアニキィ!!」」」
「おめェらはマネすんじゃねェ! ウェポンズ・レフト!!」
「ぎゃあああああ!! すいやせえええん!!」

まだ書きかけだけど、まだまだかなり存在しない記憶は続く予定。
以下、関連人物。

≫116 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 16:58:42
【関連人物】
  • フランキー
ご存知アニキ。
マヤのおませな言葉を真に受けず、それでいてちゃんと相手も立てられる大人兼、変態。
スレではたまにブルボンとの絡みがあったけど、マヤとも高相性だと思ったのでやってみた。

  • サンジ
マヤが初遭遇する麦わらの一味。
ウォーターセブンで一人で買い物に出かけてる時に道に迷った際に案内してあげる。
その時、解体屋の仕事をしているとの世間話もする(フランキー一家とは名乗らない)

ルフィたちがウソップの報復でフランキーハウスを破壊する時のシーンでは
街から帰ってきたマヤノが倒れ伏すフランキー一家を見て(ザンバイたちがウソップから金を盗んだ等)その辺りの事情を知らないマヤノはルフィたちから理不尽な暴力を受けたと勘違い、
怒りに燃えてロビンを探しているサンジ、チョッパー、フクキタルを襲撃する。

  • ナリタブライアン
CP9のメンバーの一人。
フクロウに測られた道力の数値は低いが道力は六式の研鑽を図るものなのでウマ娘の身体能力と武術を合わせるとその実力はルッチと並ぶとも言われている。
ルッチたちに拉致されたフランキーを探すために司法の塔を駆けまわっているマヤノを発見、交戦することに。
ガレーラに潜入はしておらず、ジャブラなどと同じくエニエスロビーから参加組。

スレでは時折名前が出てたけど、いまだに設定がふわふわしてる気がするのでワイの記憶ではCP9に所属してもらう。
ちなみにウマ娘本編と違ってこの世界のマヤノでは練度が足りな過ぎて、恐らくブライアンには敵わない。
強すぎるウマ娘の敵と言うことでフクとタッグを組んで戦うのもアリかもしれない? それでも勝てるか怪しいほど実力差ありそうだが。


以上です。スレ民のマヤの存在しない記憶となれ…!
ちなみに「ライライの実」の由来は映画のトップガンからのイメージです(「グ"ライ"ング」から取ってる)

≫124 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 17:30:27
ワノ国・兎丼収容所にて
謎のウマ娘「やっぱりそうだ...あの椎茸みたいな目...間違いない!おーい!フクキタル!マチカネフクキタルだろ!?俺だよ!?覚えてるか!?」
フク「えっと...?誰ですかアナタ?でもなんかどっかで見たことあるような...?」
謎のウマ娘「そうか...何年も経ったから覚えてないのか...」
チョー・キョーシ「俺だよ!チョーだよ!チョー・キョーシだよ!!」
フク「フンギャー!!!」ボカッ

≫126 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 17:31:54
チョー「痛ったぁ!!いきなり殴らなくても!」
フク「どの頭下げて言ってんですかこの人攫い!!パーマーさんとヘリオスさんがこんなことになってんのもさてはみーんなアナタの仕業ですね!!!」
ヘリオス「何何、知り合いー?」
フク「前にトレセン諸島でウマ娘攫って売り飛ばしてた人攫い一味の1人ですよ!こいつのせいで私のお姉ちゃんが...あんな目に...」
パーマー「え...ウマムスメ族が仲間を...?」
フク「こいつは人間なのにウマムスメになれる悪魔の実の力で変身してみんなを騙してたんですよぉ...絶対今もよからぬこと考えてるに決まってますって...!絶対信用しちゃ駄目ですよ!!」
チョー「その事については許して貰おうなんて思っちゃいないよ....あの時からドーピングの副作用で一生海に落ちても海楼石の鎖で繋がれてもウマムスメの姿から戻れなくなって.... そんで最終的に麦わらにぶっ飛ばされて...飛ばされた先の島がウマ娘とか他種族を奴隷扱いしてる国で捕まって奴隷にされて....毎日毎日もう死んじゃいたくなるくらい惨めで..」グスッ

≫127 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 17:33:22
チョー「それでも隣のバ房のウマムスメと仲良くなって....彼女から今の状況を打開するべくクーデターを持ちかけられて....最初はドサクサに紛れて逃げようと思ってテキトーに話聞いてていざ実行当日にタイミングのいいところで逃げ出して....でもその時その娘が殺されそうになって...それで思わず手助けして...そこからは協力してこの国を支配していた王侯貴族とその一族を倒して...元々奴隷だった他種族達と元貧民達で一から国を作り直して海賊や人攫いから国を守りながら暮らしてたんだけど....」

≫128 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 17:35:07
チョー「この国はもともと世界政府の加盟国だったらしくて...それで天上金が長いことも納められてなかったから様子を見に来た天竜人の犬共が強いこと強いこと....それでみんなを助けて未来永劫この国に手を出さない代わりに俺は世界貴族のとこに行くことになったんだけど....途中でその船が百獣海賊団の船に襲われて....そのドサクサで海賊に捕まりかけて抵抗して船奪って逃げようとしたけど船にいた『旱害のジャック』にボコボコにされて....それ以来ここで強制労働の毎日よ.....」ヒグッ

≫129 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 17:36:44
チョー「それでもやっと見知った顔に会えて嬉しかったんだ....フクキタル、お前らが脱走したいなら俺も手を貸すぜ!!お前の姉さんのことについては悔やんでも償いきれない事をした!!!俺のことは許さなくていい!楽に稼げると思ってあんな事をした俺がバカだった....!!でもあいつらは俺の帰りを今もずっと待ってるんだ...!頼むよ...「ダイバーブラッド」に俺は帰りたいんだよ...!あいつらに俺は無事だって伝えたいんだよお.....」ウワァァァ
フク(う〜む、ウソはついてないみたいですけど....なんか協力する気になれません...)

※その後、キョーシとの取り決めを破って島の人達を攫おうとした連中については、ダイバーブラッドに話を聞きに来たオグリ率いる海賊団によって鎮圧されましたのでご安心を

≫136 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 17:43:50
チョー・キョーシが再登場するならばこんな感じかなと書いてみました
似たような人売りディスコの末路があんなんなので、このチョーの未来は甘いかなとも思いましたが、ウマ娘の姿のままなら出しても大丈夫かな、と思って書き上げました

さてその後はビッグマム襲来のドサクサに紛れてルフィ達も反乱を起こしたタイミングでフクやチョー達も反乱を起こすのですが(個人的には主にウマ娘達を閉じ込めてる収容所の女子部屋があると想定、確かヤクザの親分の1人に女性もいたはずでしたので)
その間に協力するかどうか判断を決めあぐねたフクキタルは占いをするのですが結果はなんと出たのか、そこは今回描写しませんでしたが是非ご妄想いただけると幸いです

前、突如龍形態で現れた時のカイドウと戦おうとするルフィを止めに来て巻き添えをくらい、兎丼に収容されて以前占ったSMILE被害者のヘリオスとそれを治すために百獣海賊団やオロチに従っていたが騙されたと知って大暴れし、ヘリオス共々収容されたパーマー(キッドとキラーの逆パターンみたいなものである)という妄想を書いたのでそこの設定と繋げてみました

≫138 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 17:48:33
戦桃丸&タキオン頂上戦争参戦前1スレss

白ひげ海賊団と海軍がぶつかり合う、決戦の最中
巨大な氷のそばを進む船に乗る戦桃丸とアグネスタキオン、
甲板には二人の姿と、怪しい大量の影(パシフィスタ)があった
「やあ戦桃丸君、先ほどの奇襲は敵ながら見事なものだったねぇ。こりゃあひょっとしたらまずいんじゃないかい?」
「だったら無駄口叩くんじゃねぇ、急いでるんだ」
「あっはっは、黙っていようと速度は変わらないよ。最適な速度、熟練の操舵手。あとは待つのみさ」
「ちっ、相方の光野郎はどうした」←オジキのパクリっぽくて中佐がちょっと嫌い
「彼なら陸地さ。私だって連れてきたかったが、こんなものの管理に不要な人手は割きたくないらしい」
「こんなものって、最新兵器だぞ!」
「こんなもの、さ。結局のところこれが目指しているのは再現に過ぎない。こうして一緒の船に詰め込まれてると、そんな試作品を量産させられたペガパング氏の悲哀が伝わってくるようだよ」
「開発補佐やってただけで勝手に感じ取ってんじゃねえよ。それにおめえはペガパングが嫌いだろうが」
「つい最近までは嫌いだったさ」
(彼がなかなかに律儀だと知るまではね)
くまと話すペガパングのシルエット
「まぁ、始末書と一緒に押し付けられた任務だが得るものはあったということさ」
「……そうか」
戦桃丸はタキオンの言葉の真意を探ろうとし、すぐに狂人の考えに付き合うことをやめた。
「それにしてものんびりだねぇ、もっとスピードは出せないのかい?」
(……俺は寡黙で口の堅い男、俺は寡黙で口の堅い男)
こめかみに青筋を立てながら、戦桃丸は耐えた。

以上
捕捉:タキオンがペガパング嫌いだったのは海軍の要望するものを作る奴と思ってたから
   会って話してみたらそうでもなかった(本編ペガパング出番はよ)

≫192 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 18:40:27
チケット「クザンさあぁぁんッ!!見て!!すっっっっごくいい感じの棒見つけちゃった!!」ブンブン

青雉「おー、よかったねぇ。でも自転車に乗らねぇから置いてきな?」

チケット「ハッ……ほんとだー!うう…なら仕方ない……さようならいい感じの棒さん……あたしと出会ってくれてあ゛り゛がどお゛お゛お゛お゛!!!」

青雉「(棒一本で号泣できるとかすげぇなこの子)」

麦わらの一味 占い師 マチカネフクキタル 67スレ目

≫5 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 18:47:46
タイシン「いい感じの棒?何言ってんの……?」

ハヤヒデ「ただのその辺の棒に"いい感じ"とかあるのか?」

チケット「えーーーーーッ!!?」

≫10 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 18:52:22
「奇数、掛かれ!」

轟としたゼファーの号令が響き渡り、互いに向き合った新兵達が一斉に組み合う。
奇数番号のゼッケンを付けた新兵が攻め手、偶数の新兵が守り手となり、
攻め手は体術によって守り手を組み伏せ、守り手は攻め手から逃れる。
百組の新兵が掴み合いとなる中、ゼファーは冷静に一人ひとりを眺めていた。

「ゔわああああ゙あ゙ぁ゙ぁ゙!!!!」

絶叫を上げるウマ娘が一人、ウイニングチケットが新兵に体当たりを仕掛けた。
小柄なチケットより頭三つ大きな新兵は捌き切れず、思いっきり地面に倒れる。

「や、やったぁ! ……あれ、これからどうすればいいんだろ?」
「チケット、押さえろ! って、なんでヤラれたおれが指示するんだ!」
「あ、そっかー。ヘヘッ、ありがとー」

大男の新兵が巨躯を振り上げてチケットの抑え込みに抵抗を見せるも、
チケットは細腕ながらも悠々と大男の両肩を掴み、その動きを制してしまう。

「チッ、すばしっこいウマ娘め! どうだ、この!」

一方、痩躯の新兵は器用な身のこなしでビワハヤヒデを追い詰めるが、
ハヤヒデは伸びる腕を捌き、肩や腰を押し退けては一定の距離を保ち続ける。

「詰めが甘いぞ。無駄に動いても体力を浪費するだけだ」
「……読みが速ぇのか。大したアタマの回転じゃねぇか、ハヤヒデ」
「誰のアタマがデカいって!?」

冷静な指摘から一転、カッとなったハヤヒデの足捌きによって攻め手の新兵が転倒する。
二人の新兵ウマ娘の見事な身体捌きを、ゼファーはじっと見守っていた。

≫11 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 18:53:01
「(直感と体幹のバネに優れたウイニングチケット、
  冷静な観察眼を基にした先読みに優れたビワハヤヒデ、
  ――――伸びるな。Tボーンとオニグモ、アイツらの新米時代に似ている)」

自らが鍛え上げ、今では将官にまで昇進したかつての教え子を想起しながら、
ゼファーはまた一人、自身が受け持つウマ娘の一人へと視線を向ける。

「よりにもよって、コイツと組む羽目になるとは……!」
「……まだやる気?」

癖毛の新兵はナリタタイシンの腕を掴むが、その掌は悉く弾かれる。
“バシバシの実”、食べた者はあらゆる物体を弾く“反射人間”となる。
まるで同極の磁石が付かないように、二人の距離は保たれたままだった。

「そこまで! ――――全員、整列!
 ビワハヤヒデ、ウイニングチケット、見事な身体捌きだ。これからも切磋琢磨しろ!」
「う、わ゙ぁ゙ぁ゙、ゼファー教官に褒められだよぉぉ!!!」
「止せ、チケット。――――ありがとうございます!」

規律正しい整列を見せる新兵を前に、ゼファーが低い声色で奨励を発する。
過剰な感激を見せるチケットを咎めるハヤヒデだが、微かに揺れる尻尾は喜びを隠しきれない。

「だが、ビワハヤヒデ! 守り手の番にも関わらず、最後の足払いは明らかな攻撃だ。
 ウイニングチケット、転ばせただけで安心するな! ナリタタイシンと合わせて、
 三人とも用具片付けに残れ! 他の者は夕食まで寮にて待機、解散!」
「え゙え゙ぇー、そんなぁー!」 「む、冷静さを欠いたか……」 「なんであたしまで……」

露骨にガッカリするチケット、自省するハヤヒデ、不服そうなタイシン。
各々の気持ちは様々だが、ゼファーの指示に従い教練に使用した機材を台車に乗せ始める。
ぶつくさと文句を呟くタイシンの傍に、癖毛の新兵がニヤついた表情で近づいてきた。

≫12 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 18:53:39
「流石はゼファー教官だ。何事にも平等でいらっしゃる。
 ナマけた鍛錬で貧相な身体。努力もせずに悪魔の実を喰ったところで、
 あの人の目はゴマカせないのさ。――――ウマは道具引きがお似合いだ」
「その貧相な身体を押し崩せなかった癖に、悪口なら届くと思ってるわけ?」

タイシンが睨みを利かせ、新兵と睨み合いになるが、割って入ったのはゼファーだった。
巨躯が醸し出す威圧的な雰囲気を前に、二人はたじろいた。

「ウィルソン、待機だ。俺がいいと言うまで、そこに立っていろ」
「は、はい! ゼファー教官!」
「不満そうだな、ナリタタイシン。今回の鍛錬は満足だったか?」
「別に。……ですが、一度も崩されずに守り手の役割を務めました」

仏頂面で返答をしたタイシンにゼファーは巾着袋を放り渡した。
反射的に受け取ったタイシンだが、その両脚が崩れ、地面へとへたり込んでしまう。

「海に嫌われた能力者の動きを封じる鉱石。“海楼石”と呼ばれる石だ。
 能力にかまけた者を狩る手段は、この海にはいくらでもある」
「――――ッ! あたしは、かまけてなんか……」
「だが、ウィルソンに腕を掴まれたな。優れた能力には隙が生まれる」

タイシンは何も言い返せず、ゼファーを見上げるしか出来なかった。
タイシンから巾着を回収したゼファーは、ウィルソンに向き直る。

「ウィルソン、寮への帰還に反した罰だ。今夜、おれの部屋に来い」
「は、はい! ゼファー教官、身に余る光栄であります!」

妙にもじもじとし、両目を輝かせた新兵を訝し気に眺めるゼファーだった。

≫13 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 18:54:49
消灯時間を過ぎた教練場には砂を蹴る音と荒い息遣いが微かに響いていた。
ドラム缶を脇に抱えたゼファーは、新兵と共に物陰から覗く。教練場を駆けるのはタイシンだった。

「アイツ、とっくに消灯時間は過ぎてるのに……」
「毎晩だ。何故、ナリタタイシンが夜中に走っているか解るか?」
「ウマ娘は走るのが好きなんでしょうかね。島でレースとやらをやってると聞きました」
「あいつの嗜好はともかく、レースは関係ないだろうな」

反射を交えた蹴り脚が舞い上げる砂塊はスコップで掘り上げたような量だ。
ゼファーはドラム缶を脇に抱えたまま、何も知らぬウィルソンに言葉を繋げる。

「ウマ娘にとって悪魔の実とは、継承した技から背いたドーピングだ。
 実を食したら最後、諸島のレースへの出走資格を喪失し、二度と人前では競えない」

ゼファーの発言にウィルソンは絶句した。ウマ娘のレース文化は耳にしている。
ならば、種族の文化を投げ打ってまで悪魔の実を食すなど、常識では考えられない。
瞬間、タイシンの矮躯が跳ねる。反射を利用した急加速によって、弾丸のように飛び出した。

「海軍に入隊した以上、その力は海を守る正義の為に振るわれる。
 ウィルソン。俺は革命家じゃない、お前のウマ娘に対する蔑視を正す手段は持っていない」

瞬く間に小さくなったタイシンの背中は夜闇に溶け、ウィルソンはその姿を見失った。
ゼファーの冷たい声が耳を流れた。協調性の欠片もない、悪魔の実に胡坐を掻いた女だと思っていた。
だが、星明りが微かに見せる少女の横顔は、獲物を狙う猟犬のように険しく、美しかった。

≫14 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 18:55:25
「だが、カモメの下に正義を掲げる以上、生まれがどうだろうとお前の仲間だ。
 ましてや同じ釜の飯を食う同期。一度くらいはまっさらな目で見てやれ」

ウィルソンの首肯を確認したゼファーは、彼に帰寮を命じると足早に教練場へ向かう。
砂地に倒れ伏したタイシンが荒い息を上げ、両脚を震わせながら立ち上がろうとする。

「悪魔の実のトレーニングか?」
「ハァ……ハァ……そう、……です……」

視線を背けるタイシンにゼファーが問うと、タイシンはよろよろと立ち上がる。
そして、月明かりに照らされたゼファーを見上げると、据えた両目を向けた。

「“バシバシの実”、どこで食ったかは知らないが、反発の反動は能力者に返る。
 疲労が蓄積されたままなら直に両脚を壊し、二度と立ち上がれなくなるだろうな」
「うる、さい……。能力にかまけて、雑なトレーニングをしてる、って言うつもり……?」
「そうだ。同期からバカにされての下らない意地で、夜間の無断外出を続けている。
 脚に疲労を残すから、健脚自慢のウマ娘でありながら、ウィルソンに腕を掴まれるのだ」

ゼファーの冷静な教授を前に、タイシンは何も言い返せずに言葉を詰まらせた。
軋る奥歯が砂粒を噛み砕き、タイシンは苛立ったように声を荒げた。

「どうせ、中将も大将も悪魔の実喰ってるんでしょ!
 デカい図体で上から見下ろして、知った風な口利きやがって!」
「タイシン!」

名を呼ぶ声と共に、二人の間に疾風が流れ込む。駆け付けたのは寝間着姿のチケットとハヤヒデだった。
二人はタイシンを庇うようにゼファーの前に立ち、深々と頭を下げる。

≫15 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 18:55:56
「同部屋の同期ですが、タイシンの夜間外出を黙認していました。
 ゼファー教官。罰を与えるなら、私も連帯責任です」
「わ、わだじも、タイシンのこと、何も出来なかったがら……
 だがら、私も悪いんです!!! ゼファー教官!!!」

鼻水を流しながら号泣するチケット、尻尾を震わせながら冷静さを繕うハヤヒデ。
タイシンは震えながら立ち上がり、二人の両肩に手を置き、引き剥がそうとする。

「うるっさい! あたしが勝手にやったんだから、全部あたしが」
「バカ共が! お前ら三人、教官に抗弁するつもりか!」

ゼファーの唸り声に全員が身を竦ませ、恐る恐る強面を見上げた。
しかし、その顔は怒りに歪まず、口角を吊り上げた破顔には清々しささえ見えた。

「お前ら三人、一からやり直しだぁ! 明日から夕飯の後、キッチリ鍛え直してやる。
 いいか! 今日から夜間のトレーニングは絶対禁止、解ったら戻ってさっさと寝ろ!」
「は、はい!」

三人は反射的に敬礼を返し、ゼファーは脇に抱えたドラム缶を教練場に置いた。

「それと、用具が一つ残っていた。中身を空にして、倉庫にしまっておけ」

それだけ言い残したゼファーは、大きな背中を翻して教練場を去っていった。
チケットはドラム缶を抱え上げようとするが、その冷たさにビックリして両手を離した。

「わ! これ、すっごく冷たぁい!」
「イヤがらせのつもり?」

未だに不機嫌そうなタイシンが睨み目を利かせ、ハヤヒデがドラム缶の蓋を開ける。
中身を覗いたハヤヒデは、得心した顔を浮かべてタイシンを呼び寄せる。

≫16 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 18:56:28
「氷とコーラ瓶だ。……タイシン、ゼファー教官は君の為を思って、用意したのだろう」
「ふつー、コーラ一本冷やすのに、こんな大掛かりな用意してくる?」
「アイシングだ。筋肉痛を緩和する為に、氷で幹部を冷やす応急処置だと、聞いたことがある。
 この量……。両脚を丸ごと冷やすには十分な量だ。そして、そのコーラは」

しばらく躊躇っていたタイシンだが、やがてドラム缶の中に身体を乗り込ませる。
両脚に宿った熱は氷によって冷やされ、一応とばかりにコーラ瓶の栓を開ける。

「何これ? ……炭酸抜けてない?」
「炭酸抜きコーラか。大したものだ」

炭酸を抜いたコーラが疲労回復に最適だと熱弁するハヤヒデを他所に、
チケットはタイシンへと近寄り、満面の笑顔を向けていた。

「良かっだぁ、私達もお咎めなしだったし、
 ゼファー教官の個別指導を受けられるなんて、本当に良かったよぉー」
「……しごき倒して海兵を除隊させるつもりじゃない?」
「そ、そんなごとないよお゙お゙ぉ゙ぉ゙!!!」

絶叫するチケット、未だ終わらぬ炭酸抜きコーラの蘊蓄を語り続けるハヤヒデ。
タイシンは両脚を氷に漬からせたまま、未だ冷めぬ熱気が身体を包んでいた。

「ねぇ、……あたしはこの世界がムカつく。
 生まれだけで差別して、見た目だけでバカにして、
 それが当たり前みたいな世の中にウンザリしてる」

困惑顔を浮かべるチケット、同調を示すように癖毛を振って頷くハヤヒデ。
小さな身に宿る闘志を吐き上げるように、タイシンは衒いを振り払って声を発した。

「だから、……明日から、あたし達忙しくなるよ」

≫17 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 18:58:16
士官学校を卒業した三人にとって、初めての海戦は“西の海”でのギャング討伐だった。
“紅墨のバカルター”、西の五大ファミリーから絶縁された彼は出航を余儀なくされるも、
500を超える船員を率いるカリスマと、それを裏付ける実力は健在であった。

「単騎駆けで首級狙いかぁ? 小せぇ娘っ子に何が出来る?」

血飛沫が舞い上がり、立ち昇る硝煙が尽きぬ中、タイシンは甲板を駆ける。
バカルターは巨大な飾り椅子を振り回し、タイシン目掛けて打ち振るった。

「反発からの再加速、重力も気圧も、あたしを遮るのは許さない――――」

眼前で弾いた椅子の質量も、矮躯を縛る重力も、身を押し沈める気圧さえも、
今のナリタタイシンにとって、その全てが追い風となり、右掌を加速させる。
真空が血液を沸騰させ、蹴り脚は地に触れることさえ敵ず、止まることは許されない。
直線一気の末脚、身一つを弾丸をする渾身の一撃こそ、かの教官と身に付けた自己流の奥義。

「“皐月掌・罪報(ネメシス)”ゥゥゥ――――!!!」

花びらのように小さな掌がバカルターの胸板に押し込まれ、
瞬間、爆ぜた衝撃は巨躯を吹き飛ばし、海賊船のマストへと激突した。

「バカルター頭領がヤラれた! 全員、あのウマ娘を逃がすな!」

交戦中の副官が絶叫にも似た命令を発するも、既に応える部下はいない。
副官もまた、チケットの優駿脚によって吹っ飛ばされ、二人仲良くマストの根本に沈んだ。

「ハァ……ハァ……」  「か、頭ぁー!」

その後、海軍内では将来有望とされる三人の頭文字を取り、“BNW”と呼ばれるようになり、
ゼファーの縁あって三大将の下に就いた彼女達は、かの頂上決戦にて、――――そして“悲劇”において、大きな活躍をする。

≫18 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 18:59:58
投稿終わりです。“バシバシの実”を食べた能力者のタイシン。
そして、悪魔の実を喰ったウマ娘はレースに参加できない、と設定を振り回しましたが、
恐らく、エンディング後にトレセン諸島に集結した億越えウマ娘や海軍士官ウマ娘が出走するレースでは、
悪魔の実だろうと六式だろうと覇気だろうと関係ねぇー! 無差別レース開催となるでしょう!(妄想)

≫49 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:22:26
 じゃあ、まず、私の記憶にあるウオッカの悪魔の実の説明から


○ウオッカ "カンカンの実"のやかんウマムスメ


 火にかけた"やかん"のように体温を上昇させることができる。
 体温の上昇幅はウオッカのやる気に比例する。
 平常状態では100℃を少し超える程度だが、
 テンションが上がったり興奮するなどして
 ヒートアップすると、最大1500℃付近まで上昇することも。

 これだけではアツアツの実の下位互換だが、
 カンカンの実の真骨頂は以下の二つ。
 ・体内に多量の水分を蓄えることができる
 ・蓄えた水分を自在に放出できる

 カンカンの実の能力者は、限度はあるが多量に水分を摂取することができ、
 摂取した水分を長期間蓄えることができる。
 水分を蓄えたカンカンの実の能力者は最大で数年間、水分を一切摂取せずとも生存できる。
 水分を補給すると体力を回復することができ、力がみなぎる。
 蓄えた水分は、能力者の体中から自在に放出することができる。
 ヒートアップすると蓄えた水分は熱湯に変わり、体中から蒸気が上り立つ。その際放たれる水分は熱湯に変わる。

 弱点は、蓄えた水分が枯渇する(喉が渇く)と水が放出できなくなることと、
 喉が渇いているときに体の温度を上昇させるとオーバーヒート(空焚き)して危険な状態になること。

 ウオッカは独自の能力研究により、麦を原料とした食品を摂取すると、
 麦の成分と液体を反応させ麦茶を生成することができるようになった。
 ドライブ海賊団が所有する水上バイクは、彼女が生成する麦茶を燃料として動く。

≫50 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:23:17
○カンカンの実の技一例
 ・カンカンの"斬六斧"(ギャロップ)
  爪の間から高圧の細い水流を放出するウオッカの得意技。
  虎ひしぎの構えから解き放たれる五本の水流は対象を六つに分かつ。
  ガレオン船すら一撃で切断しきる破壊力を持つ。

 ・蒸昇(スチーム)・○○
  体温を上昇させ、運動能力が向上した状態で技を放つ。
  ルフィのギアセカンドをインスパイアした技。
"蒸昇"と"常勝"を掛けている。
  (蒸昇・統響結駿(スチーム・トウキョウユウシュン) 等)

≫51 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:25:03
こっからウオッカの軌跡を書きます。
ワンピース本編合流前はダイジェストで、本編合流後から頂上戦争まではSSを2つ書いてみました。

じゃあ、行きます。

○ウオッカの軌跡1(ワンピース本編合流まで)
 ①幼いころダイワスカーレット(以下スカーレット)と共にウマ攫いに襲われる。

  窮地を救ってくれたのがシンボリルドルフ。

  彼女が覇王色を放つときの勇壮な姿に憧れ、覇王色によってヒリ付く肌の感覚をずっと覚えている。


 ②スカーレットと共にスカーレットの父、モルモット中佐が勤務する支部に遊びに行った時、
  保管されていたカンカンの実を食べてしまい、やかんウマムスメになってしまう。


 ③バイク好きに目覚め、スカーレットの母アグネスタキオンに作ってもらった、
  カンカンの実で生成した麦茶を燃料とする水上バイクでトレセン諸島を駆け巡る。


 ④彼女のバイク捌きに目をつけた、足を怪我して走れなくなったウマ娘や
  レースで芽を出すことができなかったウマ娘が、"速さ"を求めてウオッカと共に水上レースを始めた。

≫52 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:25:45
 ⑤次第に仲間が増えていき、バイクが足りなくなってしまった。そんな折、トレセン諸島にウマ攫いがやってきた。

  ルドルフやオペラオーに憧れていたウオッカは、彼らのマネをするかのようにウマ攫いの船に単身乗り込み、
  彼らを打ち倒してしまう。ウマ攫いはウオッカを海賊だと勘違いしたのか、宝を積載した船を残して去っていった。

  戦利品を手に入れたしたウオッカは、トレセン諸島で様々な製品を製造、開発している企業"light-sports"に依頼して
  タキオンが制作したバイクを量産してもらうことに。

  また、接収した巨大な宝船をたくさんのバイクを積載できる立体駐車場のような船に改造し、"ブルー・ラグーン号"と名付けた。


 ⑥ウオッカがウマ攫いを撃退して数日後、海兵となっていたスカーレットがトレセン諸島へ来訪し、血相を変えてウオッカに迫った。

  実は、ウオッカが撃退したウマ攫いは天竜人の一団で、ウオッカは知らずして天竜人を攻撃した大罪人になってしまっていた。

  高額の懸賞金がつけられたウオッカは、これを機にバイク仲間と海賊団を旗揚げし、総長の座に就いた。

  ドライブ海賊団総長のウオッカの勝負服の背に縫い付けられた"怒羅韋武"の刺繍は、海軍本部大佐であるスカーレットが背負う"正義"を
  かっこいいと思ったウオッカが自ら仕立てたもの。

  以来、逃げるウオッカと、天竜人に狙われているウオッカを"安全な場所"へ捕らえるためにウオッカを追いかけるスカーレットの構図が出来上がった。

≫53 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:26:28
 ⑦ドライブ海賊団は、速さを追い求めるウマ娘だけではなく、速さに憑りつかれた人間や他種族も合流し、団員数百人にもなる走り屋集団へと成長した。

  彼らはブルー・ラグーン号に乗り、彼らの間で"峠"と呼ぶレーススポットへと赴くと気の向くままバイクを走らせた。

  彼らの航行範囲はグランドライン前半の海全域に及び、彼らの噂を聞いた走り屋達が合流してさらなる大規模組織へと成長を遂げた。


 ⑧強者を多数そろえるドライブ海賊団にはグランドライン前半の海で敵う存在はおらず、彼らに襲い来る海賊や賞金稼ぎを次々と打ち倒していった。

  ウオッカは、打ち倒した海賊たちも気軽にレースに誘い、その中で"速さ"の味を知った者はドライブ海賊団に参加した。

≫54 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:27:08
 ⑨ドライブ海賊団のシマで彼らに敵うとすれば、海軍の"勇者"アグネスデジタル中将と、その部下である気鋭の海軍大佐、
  六式使いダイワスカーレットの部隊くらいだ。スカーレット隊はドライブ海賊団担当として、彼らの動向を常に見張っている。

  ドライブ海賊団とスカーレット隊はいくつか小競り合いをした後、ついにグランドライン前半のチューリップ島近海で大規模な抗争を巻き起こした。

  最初はスカーレット隊が優勢だったが、瞬発力がウリのドライブ海賊団が最後に優位に立ち、
  ウオッカがタイマンでスカーレットを下すと、そのままドライブ海賊団はスカーレット隊を振り切り戦域から逃げおおせた。


 ⑩チューリップ島近海の抗争からわずか一月後、ドラム王国近海で第二次抗争が勃発した。

  傷の癒えたスカーレット隊がレースに興じていたドライブ海賊団を強襲。

  戦闘は終始スカーレット隊の優位に進み、最終的にウオッカがチームメンバーを逃がすために一人シンガリを務め、
  スカーレット隊に囲まれながらもスカーレットと再びタイマンを張った。

  この時はウオッカの瞬発力を発揮させなかったスカーレットが勝利を収め、捕縛されたウオッカはインペルダウンのレベル5に連行された。

≫55 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:28:32
ここまでがワンピース本編合流前で、ここから合流後になります。


○ウオッカの軌跡2(ワンピース本編合流・インペルダウン編)
 ①ウオッカがインペルダウンのレベル5に捕らえられて一年後……。ウオッカは牢名主になっていた。
  極寒の地でありながらほんのりと温かいウオッカの周囲に同牢の囚人が集まり、レベル5でありながら比較的快適な生活を送っていた。

  時折、ウオッカを牢屋へと送り込んだ宿敵スカーレットが面会にやってくる。スカーレットは未だにドライブ海賊団の担当をしているようで、
  初代総長の意思を継ぎ、相変わらずバイクレースに興じる彼らに頭を悩ませているようだった。そのスカーレットも、ここ二か月程顔を見せていない。

  「あいつら、おれがいなくてもよくやってるみたいだな……」
  「あー、しっかし、ここはなんとも、ツマラねぇなあ。景色も雪だらけで代り映えしねぇしよ……」

  速さを追い求める彼女にとって、ここは刺激が乏しく退屈な場所だった。しかし、一人で脱獄なんてできるはずもなく、時間は無為に過ぎ去っていった。

≫56 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:29:41
 ②ある日、ウオッカらの牢の前に、"死体"をソリに乗せて進む、血だらけの男が現れた。

  「おいおい、ここらは軍隊ウルフの巣だぜ……。あいつ、ヤバいんじゃねえか?」
  ウオッカの心配通り、男は軍隊ウルフの集団に襲われた。なるほど、レベル5まで来ただけのことはある。男は独自の武術を駆使して
  凶悪な魔獣にある程度善戦してみせた。しかし、極寒の環境と、群れで襲い来る軍隊ウルフに押され、男の命はもはや風前の灯火であった。

  「……しょうがねぇなぁ。おれが……ん?」
  おもむろに立ち上がったウオッカ。その時だった――。


  「・・・お前らボンちゃんに・・何してんだ!!離れろォォォ!!!!」


  つい先ほどまでソリの中に横たわっていた"死体"が突然起き上がり軍隊ウルフのうち一匹に噛みつくと、
  瀕死の体からは考えられないほどの大声で激昂し、軍隊ウルフたちがバタバタと倒れていった。

  ――覇王色の覇気。ウオッカは、"あの日"感じた肌のヒリ付きと共に、心の奥にふつふつと湧きあがるものを感じた。

≫57 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:30:44
 ③その後、ワイングラスを携えたファンクな恰好をした男が倒れた二人を茂みの向こうへと連れ去ったが、
  ウオッカの思考は先ほど覇王色を発した男のことでいっぱいになり、しばらくその場に立ちすくんでいた。

  「へぇ。覇王色の覇気ですかい……なんだってそれほどの男がこんなところに……。……お嬢?どうしたんですかい?」

  「……ああ、あの時の感覚だ……。肌がヒリつく感覚……。一度だって忘れたことなんてないよ……」
  「……よし、決めた。おれ、おれ……あいつに会いに行く!」

  「え――」

  しばらく立ちすくんでいたウオッカは、心に湧きあがった燃え滾る感情を一気に爆発させた。それに伴いウオッカの体温が爆発的に上昇し、
  ウオッカが自身の水で作っていた氷の手枷と、牢屋内と牢屋の周囲に張り付いていた氷や雪は一瞬にして蒸発した。

  「カンカンの……"斬六斧"(ギャロップ)!!」
  両手で構えた虎ひしぎから放たれた10の水流による斬撃は格子の周囲の壁を切り刻み、
  ウオッカが格子を蹴とばすと、格子は勢いよく吹き飛んでいった。

  「行くぞ、お前ら!おれについてこい!」

  「お、お嬢、待ってください、お嬢!……うう、さぶっ。……ま、待ってくださいよー」

  ウオッカとその取り巻き達は、勢いよく牢屋から飛び出した。
  未だ泡を吹き倒れている軍隊ウルフを尻目に、彼らが消えた茂みへと駆け込んだ。

  「あいつら、どこに……。!?うわーっ!お、落ちる~!」
  彼らが分け入った茂みの中には、ぽっかりと穴が開いており、勢いよく足を踏み外したウオッカと囚人達は深い穴へと落ちていった。

≫58 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:31:43
 ④「うおおっ!く、くそっ!"カンカン"!!」
  ウオッカは、着地点にあった窪みに熱湯を打ち込んだ。溜まった水は子ども用プール程度の水位にしかならなかったが、ないよりはましだった。

  「……まったく。今日は珍しい"客"がたくさん来チャブルねェ!!」
  バッシャーンと勢いよく着水した彼らの前に、顔が体高の半分ほどを占める大男?が現れた。

  「……げほ、げほ。なんだ、あんたは……。でっけえカオしやがって……」

  「その通ーり!ヴァターシはここの"顔役"さ!!ヴァナタ、ドライブ海賊団のウオッカガールね。"囚人の楽園"へようこそッ!ヒーハー!!!」
  顔の大きなオカマ、エンポリオ・イワンコフが叫ぶと、空間全体の明かりが一斉に灯り、たくさんのニューカマーがウオッカ達を出迎えた。

  「……すげェ。ったく、今日は驚いてばっかだぜ……。そ、そうだ!あの男!覇王色の男はどこだ?ここにいるんだよな!?」

  「覇王色?うーん。……まァ、ウオッカガールが探している男はいるにはいるッチャブルが……。あの男、麦わらのルフィは……もう助からないよ」

  「え!?ど、どうして!?」

≫59 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:32:29
 ⑤イワンコフは、ウオッカにルフィの現状を説明した。彼らが行おうとしている地獄の"荒療治"の話も……。

  「……う。そんな、そんなことって……」
  あまりの凄惨な治療方法に絶句するウオッカ。そして、死の淵にいるルフィに対し、ホルホルの実による荒療治が始まった。

  「あいつ……死ぬのかなぁ。おれが憧れた……"覇王色"をもつヤツが……こんなところで……」
  はじめは落ち込んでいたウオッカだったが、ルフィが何度も死に目を乗り越える姿をみて、

  「……いや、死なねぇよ。"あの時"と同じように、おれをヒリ付かせたあいつが、ここで死ぬわけねぇだろ!」
  と思うようになっていった。それから数日が経ち、ついに――


  「メ~~~~~~~シィ~~~~~ッ!!!!」


  という咆哮とともに、ルフィが復活した。

≫60 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:33:08
 ⑥「……すげえ。スゲェよ!なんていうか、言葉が思いつかねぇけど!とにかくすげェ!!」
  ウオッカは、あまりの衝撃と感動で少なくなった語彙と垂れ下がる鼻血を引っさげ、ルフィと初めて対面した。

  「ん……おう、おまえウマムスメ族か?ここじゃあ初めてみたな~。……ハナ血たれてんぞ、大丈夫か?」

  「あ、あの、ルフィさん……。ハジメまして、おれ、ウオッカ……っていいます」

  「おう、よろしくな。……ん?まだなんかあんのか?」

  「……ルフィさん。いや、"ルフィパイセン"!おれ、おれ。今からパイセンの舎弟になります!!ヨロシクお願いしゃす!!」

  「え、ええ~~~~~~~!!?」

  興奮で体温が上昇し、鼻から赤い蒸気を吹き上げながら、ウオッカはルフィの舎弟になることを高らかに宣言した。
  ルフィに心酔したウオッカは、ルフィの助けになるべく、ルフィと共にインペルダウンから脱獄することを決心した。

  ルフィ達がエースを救いにレベル6に行っている間、ウオッカは、同牢の囚人達やニューカマー達と共に、
  ルフィの脱出路を切り開くべく行動を開始した。

  幾度かの苦闘の末、地獄の看守長マゼランの追撃を振り払い、彼らは難攻不落のインペルダウンから脱獄せしめた。

≫61 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:34:14
次が頂上戦争編です。

○ウオッカの軌跡3(ワンピース本編合流・頂上戦争編)
 ①頂上戦争に参加したウオッカは、かっこいいという理由から三大将に麦茶をぶっかけるという暴挙に出た。
  だが、赤犬と青キジには何の効果もなく、黄猿からは光速の蹴りをお見舞いされ吹き飛ばされてしまった。

  「やべェ!、このままじゃ……!!」
  このままではマリンフォードから弾き飛ばされて海へ落ちてしまう。ウオッカは咄嗟に近くにあった"重し"を掴んだ。
  重しを得たことで速度が減衰し、ぎりぎりではあったが、島の端で止まることに成功した。
  「はぁ、はぁ……。ふぃ~、あぶなかったァ……。って、げぇ~~!!ス、スカーレット!?」
  「う、くっ……。いったい、なんなのよぉ~。って、ウオッカ!?どうしてここにいるの!?」

  ウオッカが咄嗟に掴んだ"重し"とは、白ひげ海賊団と交戦中のスカーレット大佐のことだった。

≫62 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:35:18
 ②「あんた!あのままインペルダウンにいれば安全だったのに!!わ、わたしも、時々会いに行ってたのに……。なんで、なんで出てきちゃったのよ!!」

  「ふんっ!!誰が何と言おうと、おれはおれのやりたいことをするだけさ!!そう、ルフィパイセンが、パイセンの兄貴を救う手伝いをな!!」

  「む、麦わらのルフィ!?……いい、ウオッカ、麦わらのルフィっていうのは、超々凶悪犯なのよ!
   あなた、ソイツが今までに何をしでかしたか知ってるの!?危ない人についていっちゃあいけません!!」

  「お、おれを子ども扱いすんじゃねえよ!」

  ウオッカとスカーレット、久々の邂逅だったが、開口一番、激しい言い争いを繰り広げた。

  「ああ、もう!何をいっても聞かん坊なんだから!このおたんこにんじん!!……いいわ、もう一度、アタシがあなたを捕まえてやる!!」
  「……いいぜ!やってみな!!次こそは、勝つのはおれだぁ!!」

  「剃・蹴火掌(ソル・シュウカショウ)!!」「蒸昇・統響結駿(スチィィーム・トウキョウユウシュン)!!」

  二人の戦いは壮絶を極めた。ウオッカが得意のカンカンの技を放つと、六式を使いこなすスカーレットが水流をいなし、
  体中から蒸気を発し赤熱するウオッカに飛ぶ指銃や嵐脚をぶつける――ただ、この戦いが終わるのにそう時間はかからなかった。

  「はぁ……はぁ……。こ、これが最後よ、ウオッカ!!」
  「ふしゅううー……。おう、行くぜ、スカーレット!!」

  満身創痍の二人は最後の攻撃に打って出た。もう、二人には何の技も残されていなかった。
  ……二人の放ったストレートはお互いの顎をきれいに打ち抜き、二人はもんどりうって仰向けに倒れた――。

≫63 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:36:00
 ③「……う、ん……。あ……。ま、待って、待ってよ……ウオッカ……」

  意識を取り戻したスカーレットが朧げに見た光景は、のっそりと起き上がり、スカーレットを一瞥すると、
  ふらふらと逃げるように立ち去るウオッカの姿だった。

  「ま、待って……。待ちなさいよ!……あっ!」
  強引に体を起こした反動で前のめりに倒れそうになったスカーレットを支えたのは、彼女の上司であるアグネスデジタル中将だった。

  「むふふ、い~~いものみちゃった。イイ、イイね!……ああ、セットで応援してて良かった~~!!ナムナム」

  「!!……。アグネスデジタル中将……。ずっと、見てらしたんですか?」

  「そうだよ~。近くにいたはずのスカーレットちゃんが突然いなくなった時、ビビ~ンときてね、丁度空いてたし、超特急で来たんだ~~。
   あっ、スカーレットちゃんもしかして、ウオッカちゃんに見とれてる?うんうん、ウオッカちゃん、かっこいいよね、イイ背中だよね、ね!」

  「……デジタル中将。アタシ、負けたんですか……ね」
  スカーレットは、目に涙をにじませながら、興奮して言葉のマシンガンを浴びせてくるデジタル中将に尋ねた。

  「……うーん、どうだろ?あっ、ちなみに、二人が気絶していた時間は13分くらいだったよー」
  「二人のきれいな寝顔……。ふひひ、ゴチソウサマデス」

  「……えっ。じゅ……13分も倒れてたんですか!?アタシたち……!!」

≫64 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:36:34
 ④今いる場所が例え戦場のはずれだとしても、この島に安全な場所など、ない。
  ウオッカとスカーレット、気鋭の2人が無防備な姿を晒していると誰かが知れば、確実にとどめを刺しに来るはずだ。

  「……っ」
  スカーレットが危惧したとおり、二人が倒れていた周囲には、幾人かの海軍、海賊が泡を吹いて倒れていた。

  「……。まさか、デジタル中将がやったのですか?アタシたちを……その……、助けるために」

  スカーレットの問いに、デジタルはぶんぶんと首を横に振って答えた。
  「いやいや、まさかぁ!例えウオッカちゃんが大好きでも、海賊ならともかく海軍の仲間たちに手を出すほどあたしは堕ちちゃいないよ」

  「じ、じゃあ、なんで……。!!ま、まさか」

  スカーレットの脳裏には、昔の記憶がよみがえった。幼いころ、ウオッカと二人でウマ攫いに襲われそうになった時、
  助けてくれたシンボリルドルフのことを。彼女の覇気を浴びたウマ攫い達は皆、"泡を吹いて倒れ伏していた"。

  「まさか……」

  「そう、その"まさか"さ。……ああ、ウオッカちゃん!」
  「昔から素質はあると思っていたけどねぇ、まさか、ホントに、"四人目"になるなんて……興奮であたしもトびそうになったよ!!」

≫65 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:37:05
 ⑤覇王色の覇気――数百万人に1人しか素質を持たないとされる第三の覇気。他の二種類の覇気とは異なり鍛錬で鍛えられることはなく、
          本人の人間的成長によってのみ鍛えられる。

  ウマムスメ族においては、彼らが政府の中枢に姿を現すようになってからは、シンボリルドルフとテイエムオペラオー、
  そしてもう一人、"英雄"と呼ばれるウマ娘の三人しか確認されていない、稀有な能力だった。

  ウオッカは意識を失いながらも覇王色を発現させ、迫りくる凶刃から自身とスカーレットを守り抜いたのだ。

  「そう……あいつが……覇王色を……ね」

  スカーレットは、ウオッカの覇王色に対する憧れを散々聞かされてきた。ルドルフやオペラオーに倣って覇王色を出す練習なんかもしていた。
  そんなアイツの夢が今、ここで叶った。

  「……。おめでとう、ウオッカ。今回は、アタシの負けね……」
  スカーレットは、俯きつつも夢を叶えた宿敵に対しぼそりと寿いだ。

  「むふふ。スカーレット大佐、ラヴかね?」
  「……っ。……そんなんじゃないですっ!アタシとウオッカはっ、……そんなんじゃ、ないですよ……」

  悔しさをにじませた顔を隠すように俯かせたスカーレットは、ウオッカとの再戦を誓い、デジタル中将に連れられて野戦病院へと向かった。

  スカーレットを病院に送り届けた後、アグネスデジタルは世紀末海賊団の不穏な動きを直感で感じ取り、単身マリージョアへと駆けて行った。

≫66 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:37:39
 ⑥「く、くそっ……。スカーレットのやつ……スゲー強くなってやがった!……次は負けねぇからな、覚えとけよ!!」


  一方ウオッカは、スカーレットから逃げおおせた後、満身創痍の体を引きずりマリンフォードの居住区にある空き家へと侵入すると、
  冷蔵庫にあった水やお茶、ジュースを大量に補給。カンカンの実の能力で体力を回復させ、ルフィの手助けをするべく再び戦場へと戻った。

  あと、燃える刀でばっさばっさと海兵を薙ぎ払う"白ひげ海賊団15番隊隊長フォッサ"のことをカッケーと思った。

  ――戦闘終了後、ウオッカは、ルフィの安否を気にしつつ、ついてきた囚人たちと共に、お世話になったイワンコフらとカマバッカ王国へと向かった。

  数日後、王国でルフィが載った新聞を読んだウオッカは、仲良くなっていたサンジからルフィの伝言を教えてもらうと、
  二年後に"ルフィパイセン"の助けとなるべく王国を抜け出し、ドライブ海賊団へと合流するための旅を始めるのだった。

  旅の道中でバルトロメオと出会い、ルフィパイセン談義を心ゆくまで繰り広げるのは、また別のお話。    おしまい

≫67 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 19:42:02
これで終わりです。長々と書いちゃいました。
このような掲示板に投稿すること自体初めてだったので、うまく上がっていたら幸いです。

以前あった"ポトポトの実"の設定を見た時にこの設定全部が一瞬で出てきました。

今までのウオッカの設定をあまり拾えなかったかもしれませんが、直近であった
15番隊隊長フォッサとかバルトロメオと出会うなどを最後にハメこみました。

以上です。ありがとうございました。

≫120 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 20:35:05
魚人島編終わって新世界入りシーンあるやん
「天候最悪~~!!!」「ヨホホ!!空は雷雨!!」「風は強風!」「海は大荒れ!!」以下略
っていう風にクルーが笑顔で悪条件を述べるところ
フクなら「運勢大凶!!」だと思うんだけどトレセン諸島編終わって占いよりも自分と仲間を信じるようになったフク概念とベストマッチだと思うんだ
以上妄想でした

≫138 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 20:56:29
他の面々がどれくらいの時期にロジャーのところに入ったかしだいな部分もあるけれど、
個人的には両親との確執はそのままであって欲しいなぁと思う。
たとえば…
母親と大喧嘩の末に出奔して、ロジャーの船に密航。
親のところから離れたところで発見される。
送り返そうとする一味に対して、キングが自分を乗せて欲しいと言う。
(無論、まだ若いし女だし、で嫌がられる)
ロジャー「」
キング「すごい嫌そう!?」
みたいな会話をした後に、後にキングの副船長になる彼や、シャンクスなんかがとりなして、
とりあえず乗船を許可される、みたいな。
で、その後キングの両親に連絡を取り(不承不承ながら)了承を得た事と、
「見込みなさそうなら送り返すという約束をした」みたいな話をしているのをキングが聞いて、
戦果を挙げようと躍起になる(最初は戦闘スタイルが合ってないから全然戦果があがらない)
そろそろ送り返すか…という頃に、キングと彼のやり取りをロジャーが目撃し再度保留に、
その後、キングは血のにじむ努力の末に、いつの間にかロジャーの船の正式な一員として迎えられている…みたいな。

ロジャーから「あいつはあいつなりに上手くやってる」みたいな手紙をもらって、
少し微笑むキングの母親とかを妄想したから、こんな感じのイメージになりました。

{≫165 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 22:59:37
SSに書き起こすまでもなかったかもしれないワノ国編の小ネタ
ライスがハートの海賊団に正式に加わるのはゾウでの出来事だろうし、手配書上は「元ドンキホーテ海賊団・最高幹部」になってるんじゃないかなというところからきた、"見た目は子供にしか見えないライスがドフラミンゴの血縁者だと勘違いされる"幻覚です
多分新聞とかでめちゃくちゃなこと書かれてたんじゃないかな…


花の都の乱闘騒ぎ。
期せずして起きた事件に乗じ、捕らえられたベポ達を救うべく、ローとライスシャワーは牢屋までやってきていた。
しかし、牢屋の中にいたのはシャチとペンギンの二人のみ。シロクマのミンクであるベポの姿はない。

「現れると思っていた。トラファルガー」

待ち受けていたかのように姿を表したのは長髪の男。百獣海賊団"真打ち"バジル・ホーキンス。

「それに……ほう、これは予想外だ」

ローの隣に佇むライスシャワーを見て、ホーキンスは薄く笑った。

「まさか"ドンキホーテ・ドフラミンゴの娘"が貴様と共にいるとは……」
「おぞましい勘違いをしてるんじゃねェよ……!」

ローは眉間に皺を寄せ、ホーキンスを鋭く睨んだ。



――一方ドフラミンゴは獄中で爆笑していた。

≫166 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 23:02:57
ライスが「親ならお兄様の方がいい。……そうなったら若様(ずっとそう呼んでたから抜けない)は叔父様!?」
とか言って事態をややこしくする

{≫168 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 23:08:57
折角スタンピードに出すなら黄金世代に見せ場を与えたいSS

海賊万博に現れた“鬼の跡目”ダグラス・バレット
ガシャガシャの実の能力で船や建物を大量に吸収し、天を衝かんばかりの巨体に変貌していた
成すすべなく吹き飛ばされる海兵や海賊
この戦場はバレットが支配していた
そんな中、バレットを見据える五人のウマ娘がいた

「う~わ。エグイことするなぁ、あの筋肉おじさん」

「加えてあの覇気…生半可な攻撃では傷一つつかないでしょうね」

「リンリンさんやカイドウさん…白ひげさん並の攻撃が出せればなんとか…」

「無茶いわないでよ!?それがどれだけ難しいか分かってるの!!?」

「でも、それくらいできないとこの状況は打開できマセンヨ?」

“黄金世代”――――――
“偉大なる航路”に名を轟かす五人が、偶然にもこの島に集っていた
が、状況が状況だけあり、攻め手を決めかねている
皆が頭を悩ませていると、スペシャルウィークが何かを閃いたのか手を叩いた

≫169 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 23:09:37
「あれはどうでしょう!ウマ娘武術の複合奥義!!」

「え~~アレってタイミング無茶苦茶シビアじゃなかった?」

「でも、現時点ではそれしかなさそうですね」

「やりまショウ!」

「でも、即興のパーティでそんな真似―――」

「出来ます!私たちの絆なら!!」

「「「「!!」」」」

古い友人たちのへの信頼を語るスぺ
それを聞いた他の四人も、覚悟を決めたようだった

~~~~~~~

その巨体で破壊の限りをつくすバレット
その目が、接近する五つの人影を捉えていた

「カハハハ!!!やはり来るか、黄金世代!!」

次こそは逃さんとするバレット
巨大な腕に武装色の覇気が纏われる
繰り出されるは、島をも割る一撃

≫170 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 23:10:54
『ウルティメイト・ファウスト!!!』

高速で接近する巨大な拳に対し、黄金世代は己が武器と呼吸に集中する

「いくよ、皆!!ウマ娘無差別級複合奥義――――!」

『第壱號級重衝―――――壱拾四連撃!!!!』

瞬間、凄まじい轟音と共に
五人の生み出した衝撃波が、巨大なバレットの片腕を消し飛ばした

≫175 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 23:21:11
 口調とか変かも知れんが許して

青い炎へと身を転じさせながら、海軍ウマ娘ナリタタイシンは盟友であるビワハヤヒデ、ウイニングチケットと共に海賊船へと乗り移った。
「奇襲とまではいかないが、なかなかに場を乱せたようだ。左舷に二十人、右舷に三十四人……船室に十五人か、武器を取りに行ったか奇襲をたくらんでいるか……それともただ怯えただけか。いや、億越え海賊にそれはないな」
 ハヤヒデは優れた頭脳と突出した見聞色を武器に戦況を把握し、相手方の行動パターンを予測して方程式を組み上げていく。これは『勝利の方程式』と呼ばれる彼女特有の戦術である。組み上げられたが最後、自陣営の被害すら度外視した奇襲か、方程式を上から叩き伏せるほどの実力差でもない限り突破は不可能だ。
「さっすがハヤヒデ! いつも大助かりだよ! せぇやっ!」
 チケットはリミッターが外れているかのような踏み込みで海賊の懐に侵入する。彼女はハヤヒデほどの見聞色を持ってはいない。しかし、彼女を上回る武装色の覇気が持ち味だ。手足を黒く染め上げ、それらを武器に海賊どもをなぎ倒していく。
 両者ともに目覚ましい活躍で海賊を追い詰める。
「くそっ! くそっ! このっ!」
 しかし、もう一人の海軍ウマ娘、ナリタタイシンは自身の能力に振り回されていた。その上パワーが足りず、接近戦を行っているが相手を沈めるに至っていない。
 小柄故に身体能力は二人に及ばず、覇気の精度も武装色、見聞色共に特筆すべきところはない。小柄な体躯を利用した鋭い末脚による懐に侵入する動きは目を見張るものがあるが、その後がない。接近した後、倒す手段がないのだ。
 もちろん、ウマ娘ゆえに常人を上回る身体能力を持っている。しかし、相手は海賊。海の上で戦い、身を鍛え上げた獰猛な存在だ。
 タイシンはウマ娘の身体能力に胡坐をかいているわけではなかったが、どうあがいても足りなかった。

≫176 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 23:21:27
 それ自体は彼女も理解している。
 だからこそ、ウマ娘にとって禁忌ともいえる悪魔の実にさえも手を出した。
 エンエンの実。体が青い炎に変化するようになる自然系の実だ。しかし、その炎は物を燃やすといった炎としての特性を一切持ち合わせていなかった。この炎は何なのか、それが全く分からない。
 その上体そのものが変化する自然系だからか、自分の体が変化するという異常に未だ対応しきれておらず、その特性を完全に生かしきれないでいた。
 タイシンと相対する海賊は彼女を嘲る。
「そんな体でよくもまあ海軍になんて入ったもんだ。売ったって買い手なんかいねえし、故郷に帰ってママに甘えてきたらどうだ?」
「ッ……!」
 目の前の男は服装からして船長のようだ。男は自分の海賊団がもう間もなく壊滅し、自分がインペルダウン行きかもしくは処刑されるか、すでに覚悟は決まっているのだろう。
 だからだろうか、彼はタイシンの心を折りにかかった。
 彼女は強い反抗心を持つ。
 だが事実を突き付けられ、それに抗うほどに心は成熟してはいない。
 そんな彼女の横からハヤヒデとチケットが現れたのは直ぐ後のことだった。

≫177 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 23:21:57
暗い夜の海軍本部、そこの訓練所でナリタタイシンは炎へ身を転じさせながら今日の鬱憤を晴らしていた。
 しかし、どうしても青い炎を維持したまま、自分の体も維持するということが出来なかった。
 そもそも、この炎の使い方がこれであっているのかすら分からない。
 ここのところ毎夜行っている修練。休息も取らずに体を酷使しているせいでいつ壊れてもおかしくなかった。
 そんな時だった。
「何しとるんじゃこんな夜更けに」
「ッ?!」
 急に声をかけられる。
「赤犬大将……どうしてこんな夜更けに」
「それはこっちの台詞じゃ。任務から帰ってくれば青い炎がゆれちょるんじゃからのぉ。この時刻に気にならん方が可笑しいわ」
「鍛錬です。見ればわかるでしょう」
「お前は昼間動いていたはず。夜勤ならともかくそうでないお前がこんな時間まで起きとるのは大間違いじゃ。その身を鍛えようとする執念、昼夜関係なく海賊という悪と戦おうとする信念は認めるが、それで体を壊せば元も子もない」
 そう言って赤犬はタイシンに背を向け、自室へと帰ろうとする。
 そこでタイシンの、今まで言われ続けてきた鬱憤が最悪のタイミングで爆発した。
「――でしょ……!」
「あぁ……?」
「アンタに分かるはずがないでしょ! 最初っから強いやつにアタシの気持ちが! 海賊から小さい、弱いってバカにされる気持ちが! タイシンみたいな見聞色はない、チケットみたいな武装色もない、ゼファー先生に末脚の使い方は教わったけどその先はない! 悪魔の実だって食べた、それでこのざま……!」
 そこまで言い切ったところで、彼女ははっと顔を上げた。

≫178 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 23:22:21
 相手は大将、タイシンよりも階級がいくつも上の上官だ。そしてその中でも最も苛烈とされる赤犬が相手だ。
 思わず目を瞑り、彼女の脳裏は赤犬に粛清される自分を描いた。
 しかし、その描いた未来はいつまでたってもやってこない。
 代わりに彼の怒号が飛んできた。
「人が最初から強いわけが無かろうが! わしもこの力を手にしたときは悩み、考え、修練して力を付けた。生まれ持った能力とは違うんじゃ!」
 空気がびりびりと震える。
「おどれらウマ娘のことはそれなりに理解しとるつもりじゃ。海賊に襲われ、奴隷にされた歴史を持ちながらも戦う術を編み出し、海軍にはいることで社会的地位を手に入れる……わしはウマ娘は他のどの種族よりも気骨のある連中だと思うちょる。……明日、同じ時間にここに来い。今日はもう寝ろ、これは命令じゃ」
 そう言い残して赤犬は去っていった。
 一人残されたタイシンも、一瞬呆然としていたがすぐに自室に帰り、眠りについた。

≫179 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 23:22:41
 次の日の夜から、赤犬との秘密の特訓が始まった。
 もっとも、特訓と言っても赤犬が一つ二つアドバイスをするだけで、それをタイシンが昼間の訓練で実践するというものだ。
「まずは己の能力が何かを知ることじゃ。ロギア系は自然界に存在する。それに変化することで己の体がどうなるかを知るんじゃ」
 そう言われて炎を灯し、何が出来るのかを観察していく。
 体の変化は、同じ海軍のスモーカーと系統は同じだった。銃を撃たれれば穴が開き、剣で切られれば切られた所から修復される。
 そして問題の青い炎。
 炎としての特性を一切持たない炎だ。
 もしもの時を考えて海兵には向けず、研究部の実験動物で観察する。もちろん無断ではなく、タキオンの許可を得ている。
 すると炎を身に受けた動物は段々と衰弱していき、そのまま眠るように死んだ。また、炎を目の前に置けば、凶暴化するなどの変化を見せた。研究員によれば、幻覚を見ているのでは? とのことだった。
 もっと細かく知るために、タイシンは模擬戦で幻覚を見せる炎だけを使うことにした。
 相も変わらず自分の攻撃がそこまでダメージになっていないのは悔しかったが、対戦した海兵に聞いてみると、自分の家族が見えた、奥さんが見えた、海賊が見えた、など様々なという反応が返ってきた。そしてそれは、タイシンが見せたいと思った光景と条件が一致しているのだった。

≫180 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 23:23:00
「次は体積を広げるのに集中せい。種類にもよるが、ロギア系は体の体積を広げることが出来る。こんなふうにな」
 赤犬は腕をマグマに変えてその体積を広げていき、タイシンほどの大きさで維持した。
「お前の能力も同じことが出来るはずじゃ。その炎の特性を鑑みれば、生命力を吸い上げる力がより高まる。だが、これは鍛えていなければすぐに体力を消耗する。そして己の戦い方を確立しろ」
 幸いなことに、ウマ娘の持ち前の体力と、それまで鍛え上げてきたもののお陰で体積のコントロールは直ぐに出来るようになった。
 しかし、問題は戦い方を見つけるという事だ。
「戦い方って言ったって他に何があるのよ……」
 今まで鋭い末脚で接近し、殴る蹴るの戦いを続けてきた彼女は頭を抱えていた。
 そこに声をかけてきたのは盟友のハヤヒデとチケットだ。
「タイシン如何したの?! お腹でも痛いの?!」
「それとも悩み事か? 出来る事なら相談に乗ろう」
 タイシンは彼女たちにかいつまんで事情を説明した。
「――って訳なんだけど」
「ふむ……戦い方か……」
「うーん……順番を変えてみる?」
 首をかしげながらチケットが言った。
「何言ってんのチケット。近づかないと意味ないじゃん」
「それもそっか……」
「いや待て、それだ。それだぞチケット!」
 再び頭を悩ませる作業に入った二人を、ハヤヒデが遮った。
「どういう事?」
「発想の逆転だ。多くの神話や物語での戦いにおいて、敵わぬ巨大な存在に対し弱体化させることで対抗するというものが多く存在する。タイシン、君の戦い方はおそらくこれだ」
 タイシンは首をかしげながら、飲み込むようにうなずいた。

≫181 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 23:23:19
 それからしばらくして、単独任務で街を占拠する海賊から人々を守るため、タイシンは身を炎に転じさせながら急行した。
 海賊はざっと見積もって百人程度。
 しかし、今のタイシンにとっては数のうちにも入らない。
 船長ではないが、海賊の中でもひときわ屈強そうな大男がタイシンに詰め寄る。
「オイオイ嬢ちゃん何の用だ? 海軍の軍服なんか着て、死にたいのか?」
「いいや、そんなつもりは毛頭ないよ」
 ニヤリと口角を上げながらタイシンは手のひらに青い炎を浮かばせ、そしてそれは彼女から離れ、男の目の前で浮遊している。
 するとどうしたことだろうか、今までタイシンのほうを向いていた大男が突然彼女に背を向けた。
「どうしますか、船長」
「そうだね、海兵を片っ端から倒して。大物はアタシがやるから」
「了解」
そしてまるで船長とその部下のようなやり取りをした後、大男は仲間のはずの海賊に向かって攻撃を始めた。
 これはタイシンが幻覚を見せているからだ。彼女のことを船長と、仲間の海賊を海兵と認識するよう幻を見せている。
 海賊は大混乱している。そしてその隙を見逃さず、鋭い末脚で船長の懐まで接近した。
「攪乱して戦力を奪い、頭を取る。これがアタシの戦い方!」
 青い炎はぐんぐんと大きくなり、巨大な拳となる。そしてそれを、タイシンは船長に叩き込んだ。
 炎は船長の体を容易く包み込み、その特性でもって生命力を奪う。ミイラのようになった彼に、タイシンは手錠を繋いだ。
 そして大暴れして味方をすべて倒した大男にも同じようにして手錠をかけた。

≫182 二次元好きの匿名さん21/10/01(金) 23:24:04
 一切町や住民に被害を出さなかった功績をたたえられ、タイシンは昇進してハヤヒデ、チケットと並ぶことになった。
 そしてしばらくしてハヤヒデは黄猿の、チケットは青キジの、タイシンは赤犬の部下になるのだが、それはまた別のお話。
 赤犬がタイシンを選んだ理由が「昔の自分に似ていた」というのも、風のうわさ。

タイミング的にはタイシンが能力者になってまだコントロールできていないころ。OVAのBNWの誓いでタイシンのほうが昇進が後の方がいいよねってなったので。赤犬の幼少期って想像だけど悪を裁くための強さを欲している感があってタイシンを気に入りそう。
あとスクアードの裏切りにもタイシンの幻覚能力使ってたりして。

能力解説
エンエンの実 自然系
鬼火や狐火などの怪火に体を変化させる。怪火は自然界に存在するためロギア系。蒼い炎を発生させるが、それは物を燃やすなどの炎としての特性を一切持たず、生命力と言ったエネルギーを相手から奪う、幻覚幻聴を見せるといった特殊な力を持つ。

≫191 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 00:35:20
どうせ残りレス数少ないので深夜のローライス恋愛二次創作同人誌概念(接触多め)です
苦手な方はスルーでお願いします


「ローくん。ライスはもう、ひとりだと眠れないような歳じゃないんだよ」
「ガキの頃はコラさんと一緒じゃないと寝れなかったくせに」
「もう、いつの話してるの」
そう行って頬を膨らませる姿は、腕の中にすっぽり収まるサイズ感も相俟ってとてもローのひとつ歳上の女性とは思えなかった。歳上だと思ったことはただの一度としてないが。
この扱いには不服そうではあるものの、ウマムスメ族である彼女はやろうと思えば無理矢理ローの腕の中から抜け出すのは容易いわけで、そうしないのはつまりそういうことだ。
「……そういえば」
「どうした」
「ドフラミンゴさんも一緒に寝てくれたことがあったなって。お兄さまとローくんがいなくなった頃くらいの、子供の頃だけど」
「……」
「正直、ちょっと怖かった。ライスにとってドフラミンゴさんは怖い人だったから……ちょっとでも気を抜いたら頭から食べられちゃうんじゃないかって思って」
もしかしたらドフラミンゴは、コラソンに成り代わるつもりだったのだろうかと思う。ライスの話を聞く限り、苛烈な訓練を強いる一方でひどく甘やかすこともあったようだ。
十三年もの間そうして結局"お兄さま"にはなれなかったのだと思うと、多少胸がすく思いではある。
しかし、それはそれこれはこれ。コラソン以外の男が彼女と同じベッドで寝ていたのはいい気分はしない。それがドフラミンゴなら尚更だ。
「きゃ……!」
ライスシャワーを抱き込んだままベッドに寝転がる。驚いて身動ぎした小さな身体は、やがて抵抗をやめた。くすくすと幼子のような笑い声が聞こえてくる。
「ローくん、やきもち?」
いたずらっぽくて珍しく挑発的な囁き。生意気な奴めと長い耳に軽く息を吹きかけてやると、甲高い悲鳴が上がった。

麦わらの一味 占い師 マチカネフクキタル 68スレ目

≫52 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 10:58:31
サカズキ「タイシン、ひとっ走りしてワシが注文してた茶菓子の支払いに行って来い。金はこれじゃ」

タイシン「(何だってアタシが…)了解」

サカズキ「ご苦労さん。釣りは取っちょけ」

タイシン(何で毎回アタシに頼むんだろ…毎度渡す額多いし)

みたいな感じか。……やはり年頃の娘と距離感の分からない父親では?

≫54 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 11:02:18
これが青雉とチケゾーだと
「チケゾーちゃん飯行く?奢るよ」
「いいんですか!?やったー!!ごちそうさまですッ!!」
だけで済んじゃうからな…

≫60 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 11:28:29
黄猿が地図を指差しながら
「ここの味噌ラーメンが美味いんだよねぇ〜」
「初めて行く店です。こんなところに穴場のラーメン屋があったとは」
青キジがチャリの鍵を指でくるくる回しながら
「チケゾーちゃん、今夜メシどう?奢るよ?」
「やったー!ごちそうさまです!」
赤犬が机の上で指を組みながら
「……(どうやって労おうか考えてる)」
「何してんの」

{≫64 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 11:51:32
1レスで終わらせるつもりだったのに文字数をオーバーした、ゴールドシチーとユキノビジンの怪文書。ギャグです

「あたし、一目惚れしちまったかもしれません」
白くて丸みを帯びた頬をほんのりと染め、照れたようにモジモジするユキノビジン。
ランチ中に突如として告げられた言葉に虚を突かれたゴールドシチーだったが、どうにか平静を取り戻し、それってどんな人?と聞いてみた。
曰く、今朝の話。来週分の食材の発注の書類を提出した帰りにガラの悪い海兵にぶつかられたらしい。よろけて転びそうになったところを支えて助けてくれたのが、例の"一目惚れした相手"だったという。
それだけでなく、"彼"はユキノビジンにぶつかった海兵を呼び止めるときちんと謝るよう促した。上官に叱られた海兵は渋々ながらも謝罪の言葉を述べた。
"彼"はそれからそのまま立ち去ってしまい、ユキノビジンはお礼を言うことすらままならなかったという。
「せめて、せめて一言お礼だけでも言いてえンです。それだけできたら満足で……」
こうもいじらしい乙女心を見せつけられては、友人として黙ってはいられなかった。
ユキノビジンからその"彼"の詳細を聞き出し、必ず探し出して連れてくることを約束した。
海軍指定の帽子を被り、髪は短く切りそろえた黒髪。肌は程よく健康的に焼けていて、とても爽やかな印象を受けたという。何より声が特徴的で、まるで声変わり前の少年のように高く、それでいて大きくてよく通る声だったらしい。
名前はわからないが、海兵からは"中佐"と呼ばれていたようだ。海軍本部に中佐は多いが、黒髪、おそらく若い、日焼けした肌……と特徴を絞っていけば自ずと辿り着けるだろう。

≫65 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 11:51:45
「あっ!クザンさあぁぁぁんッ!!こんにちはーっ!!」
ユキノビジンの為にも必ず探し出そう――そう気合を入れ直したところで、よく通る大きな声が鼓膜を打った。
視線を向けるまでもない。ゴールドシチーも彼女のことはよく知っている。
海軍大将・青雉麾下。そしてウマムスメ海軍将校トリオBNWの一角。ウイニングチケット中佐だ。
「あららチケゾーちゃん。今日も元気だねぇ」
「はいッ!!午後も元気いっぱい、全力で行くぞーッ!!て感じ!」
「そいつァよかった。……ところで、その帽子は?」
「あ、これ?今日は日差しが強かったから借りてきたんだ!でも間違って耳の穴が空いてないの借りてきちゃって……」
ゴールドシチーは反射的に会話が聴こえてきた方を見た。
大将青雉を見上げるウイニングチケットは、確かに海軍指定の帽子を被っている。ウマムスメ用に耳を通す穴が空いたものもある筈だが、彼女が被っているのは通常の人間用のものだ。お陰で耳が隠れる形になって……。
(……ちょっと待って……)
――曰く、短く切り揃えた黒髪
――曰く、程よく健康的に焼けた肌
――曰く、大きくてよく通る高い声
ウマムスメ族の容姿はヒトに近い。耳や尻尾を隠せば擬態できる程度に。
(いや……まさか……そんな筈は…………)
懸命に自身に言い聞かせながらも、ゴールドシチーは心臓が早鐘を打つのを確かに感じていた。

≫76 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 12:29:27
では失礼して
1. 前提条件
タマモクロスは元奴隷、コアラと同時に船に乗る。
当初は奴隷時代の扱いの影響により言われた通りにしか動かない虚無い性格だったが、魚人たちとの交流によって心を開き、トレセン諸島前にはもとの快活な性格に戻る。
この時点でビリビリの実の能力者。

アーロンはウマムスメ族に失望をしている。
当初は魚人族と同じく被差別種族であり、シンボリルドルフを初め人間に反抗する種族であると思い共感していた。しかし、近年では海軍に入隊するウマ娘も増え、そのシンボリルドルフでさえ王下七武海に加入、政府の犬になったと思い失望する。

タイガーはマリージョアで奴隷ウマ娘の地獄を見ている。
天竜人によるレースも、無理やり交尾させて子どもを産まされる場面も、全て。

海賊ウマムスメはトレセン諸島の永久指針を破壊して回っている。

≫77 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 12:30:00
2. 導入
偶然、マーケットに出品されていたトレセン諸島の永久指針を手に入れた魚人海賊団一向はきな臭さを覚えつつもトレセン諸島へと向かう。
トレセン(中央島、府中かな)海岸線にはタマモクロスの帰りを歓待する人々。
「おかえりなさい、タマモクロス」のアドバルーン、「ようこそ、魚人海賊団」の横断幕など歓迎ムード。
タマモクロスの言葉とタイガーが本場のウマ娘レースを観たいと言い始めたこともあり、上陸した一向はトレセン諸島府中島にてウマ娘と島民による歓待を受ける。

≫78 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 12:30:40
3. 祭り
ウマ娘を嫌悪しているアーロンはムスッと不満げにタイガーの後ろを歩く。
ジンベエは警戒心を隠せず辺りを警戒する。
ハチはレースが始まるからとたこ焼きの出店をかってに始める。
ウマ娘レース開始、タイガーは自由に思いっきり走るウマ娘たちの姿に人知れず(ジンベエとアーロンは気づく)涙を流す。
催しで、タマモクロスも幼いウマ娘と一緒に走るレースでは魚人海賊団の面々も涙を流す。

自称水かきのついたウマ娘が魚人の面々と水泳で競ってみたいと提案する。
やけにノリ気なタイガーもいた事で、渋々と、あるいはウマ娘ごときには負けんと意地を張ったこともあり競泳が始まる。
当然、ウマ娘が水泳で魚人に敵うはずもなくアーロンを始めとする魚人たちに惨敗する。
なら、今度は芝生の上で競ってみたらいいとタイガーが提案する。
今度はウマ娘が圧勝し、いつしか両種族の間にあった垣根が消え、ウイニングライブでは種族関係なく一緒に酒を酌み交わし歌って踊るどんちゃん騒ぎに。

≫79 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 12:31:19
4. 正義
翌日、トレセン諸島に“皇帝”シンボリルドルフが上陸する。
騙したのかと起こるアーロンをタイガーは手で制し、ルドルフと相対する。
突然、ルドルフは頭を下げ、礼を述べる。
「かつて攫われた同胞を開放してくれた者を、どうして倒さねばならんのだ」
政府の命令によりタイガーを捕まえに来たルドルフは“政府”よりも同胞を開放してくれた英雄に対する“恩義”を優先。見逃すことを宣言する。
そして、タイガーとルドルフは護衛もつけず、2人きりで会話をする。
タイガーは全てのウマ娘を開放出来なかったことの謝罪。
マリージョアにはまだ奴隷ウマ娘が大勢居ること。
……マリージョアの奴隷ウマ娘の居住エリアの地下にはさらなる地獄が存在すること。
ルドルフはこの先ウマムスメ族の立ち位置について。
ウマ娘に対する世間への風評と差別について。
魚人島とトレセン諸島の国交は可能かどうかについて。

そして、タイガーはオトヒメ王妃に会うべきだとルドルフに伝える。
この時、ルドルフは海軍に警戒するべきだとタイガーに伝える。

≫80 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 12:32:22
5. 終わり
夕暮れ、長かった別れも済ませた魚人海賊団はコアラの故郷へ向けて出向する。
この交わりを経て、アーロンはウマムスメ族を少しは見どころのある奴ら程度に見直し、ジンベエはこのように歩み寄ることもできるのかと学び、タイガーは自分のどうしようもなさを改めて自覚した。
コアラは友人であったタマモクロスとの別れに悲しみながら、けれどまたいつか会えると予感しながら故郷へと思いを馳せ。
タマモクロスはいつかまた魚人海賊団のみんなと再開できることを祈りながら数年ぶりの我が家で母と一緒に眠りにつく。

以上です。上手いことSSには仕立て上げなかったのが心残り。
もしかしたらSSとして近いうちに上げるかもしれません。

≫102 飛び立つ変幻自在1-121/10/02(土) 15:14:24
―――フランキー一家の家族のような温かさに触れ、ウマ娘本編のような明るさを取り戻したマヤノ。
 だが、やはり所詮はチンピラの集まりなのでマヤがいたからと言って性根は変わらず、ワンピース本編のウソップから金を盗む運命は変わらない。(巻き込みたくはないので「マヤノだけには内緒な!」と口裏は合わせている)

「あれぇ、ザンバイちゃん? どうしたのこの大きなカバン」
「ガハハ! なぁに、デカい仕事が入ってな! そのお給料さ!」
「へぇ~、すごいね!」
「マヤノは街で遊んでくるといい。おれたちゃアニキにこいつを渡してこないといけねえからな」
「うん!」
(おまえら、あのマヌケな海賊(ウソップ)を襲ったことはナイショだぜ)
(おうとも!)

 ここから先は本編の「今からあのフザけた家、吹き飛ばしてくるからよ」のルフィたちがフランキーハウスに乗り込んできて大暴れする展開。フクキタルもいる。
 マヤは街に向かっているのでここではルフィたちには出会わないが、宝樹アダムを買いに行ったフランキーより一足先に帰ってきたマヤノは家族とも言えるザンバイたちがズタボロにされて激怒、襲ってきた麦わら一味の特徴を聞いて怒りのままにウォーターセブンの街へ駆け出す。
 フランキーに禁止されていたライライの実の能力を使って、町全域を飛び回る。

≫103 飛び立つ変幻自在1-221/10/02(土) 15:15:19
―――アイスバーグがCP9に襲われて、大騒ぎになっているウォーターセブン。
 ロビン捜索組(サンジ、チョッパー、フクキタル)を見つけたマヤノは滑空から降り立ち、建物の屋上からサンジたちへ叫ぶ。

「見つけたよ、麦わらの一味!!!」

「なんだ? どこから声が?」
「み、見ろ! あそこだ!」
「ありゃあ、マヤちゃんじゃねェか」
「ウマムスメ族ですね? 私と同じ」
「そうなんだよ。会社の名前は知らないが、あの年で解体屋の仕事をしてるらしい。ほんと良くできたいい子なんだ」

 サンジは買い物しているときの迷子になってる途中にマヤと出会ってウォーターセブンの案内を受けている。
 その際に解体屋をやっていると話していた(フランキー一家とは名乗っていない)

「おーい! どうした、マヤちゃん。そんなとこにいたら危ないぞ」

 マヤノは3人を冷たく見下ろす。サンジの言葉に返事を返さない。

「……初めて会ったときは優しい人だと思ったのに…海賊にも、いい人がいるんだって信じたのに…!」

 建物から飛び降りたマヤノは滑空し、その勢いのままサンジたちに向かってかかと落としを放つ。
 とっさに避けたサンジとチョッパー。避けた地面はマヤの踵を受けてクレーターのような凄まじい穴が開く。

「うおおっ!? な、なんだ、なんで襲ってくるんだあの子!?」
「わ、わかんねェ…! どうした、マヤちゃん!? 何があった!」

「うるさい! よくもマヤの家族を傷つけたね…絶対に許さない!!」
「えぇ!?」

≫104 飛び立つ変幻自在1-321/10/02(土) 15:16:57
 飛び掛かって来るマヤノ、反撃できないサンジは逃げることしか出来ないのでフクキタルが介入して攻撃を受け止める。

「サンジさんとチョッパーくんは下がって! ウマムスメ族の相手なら私がいたしましょう!」
「どいて!!! あなたに用はない!!」
「そうはいきません!」

「ルフィさんたちは私の故郷を、トレセン諸島を救ってくれた英雄なんです!」
「トレセン諸島…? それって、ウマムスメ族の…?」
「そうです!」
「……(ギリッ)」

 私は知らない、物心ついた時にはトレセン諸島の記憶なんて既に欠片も残っていない。
 フクキタルの言葉がマヤの怒りの炎にさらに油を注ぎ、襲い掛かる。

「だったらなんでッ!! マヤの家族を傷つけるんだァッ!!!!」

 何の心得もない無骨な蹴りがフクキタルの防御の上から突き刺さる。
 ウマムスメ武術ではないが、その威力はフクキタルの骨を軋ませる威力があった。

(こ、この子…こんな小柄なのに、なんて威力の蹴りを放つんですか…!?)

 マヤノはライスなどと同じステイヤーの資質があり、強靭な足腰とスタミナを持つ。
 奴隷だった故にウマ娘武術は納めていない素人同然のマヤノだが、ウマ娘本編でも見せたあのナリタブライアンに匹敵する天才的な才覚だけでフクキタルと互角に渡り合う。
 太刀合いは続くが、アクラ・ラグナがやってくるという話が飛び込んできてフランちゃんに報せなきゃ!となったマヤノは撤退。戦闘は中断される。

≫105 飛び立つ変幻自在1-421/10/02(土) 15:18:09
 ルフィとガレーラとの戦いで造船所にクード・ヴァンをかましてひと暴れしたフランキーの元へ飛び込んでくるマヤノ。

「あのね、フランちゃん! ザンバイちゃんたちが―――」
「わーってる。おれ様も同じ気持ちでここにいるのよ。だが、今の風来砲でコーラ切れだ。見ろ、このリーゼント」
「可愛いね!」
「可愛いかねェ! ったく…余計な邪魔も入ったしな。一度帰るぜ」

―――メリー号に一人いるウソップを人質にルフィたちを呼び出そうとするシーンにて。
 ザンバイたちがウソップから金を奪った事情を知ったマヤノは勘違いで彼の仲間を襲ってしまったことを謝罪する。

「ごめんね、ウソップちゃん…マヤ、勘違いしちゃってた。あとで謝らないと…」
「平気さ。サンジなら気にしねェよ」

「…で、長鼻のおニイちゃんよォ。その船直してどこへ行くつもりだ?」
「え? どこって…おれァ一味をやめても海賊だ。またメリーと一緒に海へ出て、東の海に帰るつもりさ」
「東の海? ……あァ、そういうことか。残念だ」
「残念?」
「もうこの船は走れねェ。東の海になんざ帰れねェよ。遠すぎる」

 フランキーは立ち上がると倉庫に引き上げられたメリー号へ近寄る。

「ガレーラの査定は正しい。解体を勧めるぜ」
「ちょ、何言ってんだ、おまえ!? わけわかんねェぞ!!」
「船ってのはな、おニイちゃん。"こっちの岸から向こうの岸まで渡してやろう"。そういう約束を抱えて生まれるんだ」
「人を向こう岸に渡せなくなった船は……もう船じゃねェんだよ!」

「フランちゃん…でも、ウソップちゃんはこの船を…」
「あめェこと言ってんじゃねェぞ、マヤノ。ウチの妹分として3年も過ごしてきたんだ。この船の"状態"くらいわかンだろ」
「………」

≫108 飛び立つ変幻自在21/10/02(土) 15:27:51
―――そう、マヤノもわかっていた。解体屋の端くれとして過ごして何隻も船を見てきた。
 麦わら一味の船―――ゴーイングメリー号は、足を骨折したウマ娘のように。

 もう走れない。

 「解体してやる」「メリーに手を出すな」とウソップとフランキーが言い争いをしてる最中、来訪するCP9。
 プルトンの設計図を奪うために犯罪者としてフランキーを逮捕する。
 その時、驚いて動けなかったウソップの傍らにマヤノがいることに気づくカクとブルーノ。

「ほう、この娘…ウマムスメ族だったのか。街で見かけたときは常に帽子を被って隠していたのだな」
「フランキーの入れ知恵じゃろ。見かけによらず頭の回る男じゃ」

 信頼するフランキーが捕まり、怯えて動けないマヤノ。

「隣にいるのは麦わらの一味。ついでだ、一緒に連れて行く」
「きゃあ!」

「マヤノ!!? その薄汚ねェを手を放しやがれ!!!」
「あの壊し屋フランキーがここまで動揺するとは…この娘、よほど大事と見える」
「ブルーノ、さっさと連れていけ」
「ああ」
「テメェら、マヤノは関係ねェだろ!! おれだけ連れて行きやがれってんだ!!」

「わしらだって好き好んでこんなことしたくないわい。じゃが、サイファーポールのメンバー全員には"ウマムスメ族はどんな状況であれ見つけた際は確保せよ"と命令が出ておる」
「…"天竜人"からな」
「この3年でやっと、年相応のガキらしい笑顔が出来るようになったマヤノから…また笑顔を奪うってか? テメェら政府の人間は全員クソだッ!!」

≫106 飛び立つ変幻自在1-521/10/02(土) 15:19:27
―――フランキーたちと共に海列車に詰め込まれた後の場面。
 単身で乗り込んできたサンジに救出され、街でのことを謝罪する。

「あのね、サンジちゃん…マヤ…」
「女のウソは許すのが男だ。マヤちゃんはこれから立派なレディになるんだろ? 簡単に頭なんて下げちゃダメだ」
「う…うん!」

「マヤ、落ち着いたら喉渇いちゃった。フランちゃん、おなかからコーラ出して?」
「アホなこと言うと張り倒すぞ!? これァおれの燃料だ!!」
「腹が冷蔵庫になってるとか便利な身体してんなァ、おまえ」

―――海列車を切り離してロビンを逃がそうとしたときの場面。

「ウハハハ! ザマァみやがれ!」
「余計な真似を…」
 狼狽するサンジとウソップ。

「…ッ! おい、フランキー!?」
「どうすんだ! あいつ、一人で向こう側に残っちまって…!?」

「おめェら、策はあるから心配すんな! 麦わらたちと合流したら何とか街へ引き返せ! マヤノのことも頼んだぞ!」
「そうだね! こっちはマヤたちに任せて!」
「アウ! その通りだ! ……って、オイィ!? マヤノ、おめェこっちに残っちまったのかよ!?」
「マヤ、フランちゃんと一緒じゃないと嫌だもん」
「アホかー!!! こっから先はエニエス・ロビー! 生きて帰れる保証はねェ地獄だぞ!?」
「じゃあ、地獄の底までデートだね、フランちゃん♪」
「…敵わねえなぁ!」

≫107 飛び立つ変幻自在1-521/10/02(土) 15:20:51
以上です。他にもまだ思いつく余地はたくさんある
自分の妄想のマヤノだとフランキーから離れたがらないだろうからお別れのシーンを描くのがつれぇなぁ…(曇り顔は好き)

  • 海パンが奪われてるので事案にしか見えないフルチン状態でマヤの頭を撫でながらお別れを告げるフランキー(変態)
  • ワンピース本編での扉絵「世界の甲板から」シリーズで新たにトレセン諸島に乗り入れが決まった海列車に乗って、10年の時を超えてようやく故郷に降り立つことが出来た。
 自警団のバクシンオーに迎えられて嬉しそうに海列車から下車するマヤノ、その後ろでほんとによかったなぁ…!と涙を流すフランキー一家。みたいなのは考えた

≫115 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 15:58:38
ルフィ「よう、お米!」
ライス「る、ルフィさん。ライスだよ……?」

ロー「(……ライスのやつ、麦わら屋からはお米って呼ばれてんのか)」
ロー「(そのまんまじゃねェか。……お米……お米屋……なんて)」

ライス「あ、ローくん。ちょっといいかな」
ロー「なんだ、お米屋」
ライス「えっ?」
ロー「あっ」
ライス「……ふふ。ローくん、ライスだよ?」
ロー「う、うるさい、分かってる。ちょっと間違えただけだろ……おい何笑ってんだ」
ライス「お米屋さんじゃないよ?」
ロー「ライス!!」

≫131 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 17:11:47
自転車乗る時に「チケゾーちゃん、前みたいに落っこちると危ないからしがみついてな」「はーいっ!!」ってやり取りして背中にしがみつくチケゾーとその感触にポーカーフェイスのまま(……これは中々……)とか考えてる青雉

麦わらの一味 占い師 マチカネフクキタル 69スレ目

≫33 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 21:19:43
裁判官ルートだと海賊として行動してるウマ娘のフクキタルがどのような存在かを見極めるために現場に来てるとか?

≫38 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 21:22:23
>>33
だったらそこ裁判所で是非つけられないの?
わざわざ司法の塔で裁判するより先に裁判所で我を通す方が自然だと思う。

≫42 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 21:25:30
>>38
裁判所で一度相対するんだけど、その時はフランキー一家とかに阻まれて、
その後、現場を部下に任せた後、司法の塔まで追って来たとかはどうだろう
「まだ判決は下っていない(見極めていない)」
みたいな感じで

≫49 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 21:31:33
ロケットマンの後ろの車両に潜伏していて、
がれきの中からフクキタルめがけてとびかかって来る感じ。
それをフクキタルが防ぎながら、
「ここは私に任せて、みなさんは鍵を探しに行ってください!」
とか言って戦闘開始…みたいな?

≫51 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 21:33:17
>>49
フラッシュの性格的に不意打ちはせずに正々堂々と勝負しそうだけどそんな感じかも

≫54 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 21:37:04
>>51
なるほど。なら、「―待ちなさい」みたいに一声かけて、
一味が振り返ったところで煙の中から現れる感じかな?

姿を完全に現してからフクキタルに判決が下っていない宣言、
ロケットマンに隠れて敵がやってきた!と一味が身構える中、
フクキタルがスッと前に出て、相手をする…というのはどうでしょう。

≫58 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 21:43:15
フク「…ところで、どうして不意打ちしたりとか、もっと早く声を掛けてこなかったんですか?」
フラッシュ「? 不意打ちは卑怯ですし、フクロウさんが話されていたので、
      話の腰を折ってはいけないと思いまして」
フク「あ、はい」

そんな感じかな?(フラッシュお迎えしていないのでエミュが雑でごめん)

≫76 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 22:05:16
マヤのトレーナーちゃんが教育した鷲を見ながら

モモンガ「ふむ…やはり君の育てた彼らは素晴らしいな。9割の捕縛率を誇るのも頷ける」

トレーナー「ありがとうございます。よろしければ彼らの飛行も見学なされますか?」

モモンガ「いや、いい。遠慮しておこう。これから何があるか分からんから、それに備えておくといい」

トレーナー「それもそうですね」

と、ここでやって来るマヤ

トレーナー「おっと、ご存知かも知れませんが紹介します。彼女が彼らを率いて飛ぶマヤノトップガンです」

マヤ「あなたモモンガ中将でしょ?!もしかして飛べる?」

モモンガ「飛べる訳なかろう!」

みたいな

≫85 6421/10/02(土) 22:13:25
ボア・ハンコック召集に行って石化した海兵が並ぶ甲板

「モモンガちゃん、マヤお腹すいた!」
「だったらお前を肉を食えばよかろう(モグモグ)」
「生肉なんて食べるのやだ!」
「どちらにせよハンコックを待つしかない。クルーがこのありさまでは船を動かすこともできん」
「ならハンコックのとこに行って、もう一回お願いしてきて!」
「上官を使いっぱしりにする気か貴様。第一どうやって女ヶ島まで行く気だ、ここは海王類の海だぞ」
「……飛べないの?」
「飛べるわけなかろう!!!」
「……モモンガちゃんなのに(ぶぅ)」

みたいな感じかな
※インペルダウンで一時下船するときにはマヤノはハンコックさん呼びになってる

≫103 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 22:35:17
ミホーク「…『怪物』か」
マルゼン「もう、ミホーク君ったら! そんな風に呼ばないでって前にも言ったじゃない」
ミホーク「…退屈していたところだからな、暇つぶしなら歓迎するぞ」
マルゼン「ええ~…」
ミホーク「…嫌そうだな」
マルゼン「あたり前田のクラッカーよ。ミホーク君ったら顔合わせるたびにそんな事ばっかり。
     あたしだっていつもそういう気分じゃないわ、たまには一緒にシャレオツなカフェでお茶しなーい?」
ミホーク「…遠慮しておく」
マルゼン「もうっ、つれないんだから」

そんな妄想。
剣士ではないからシャンクスとかほど戦ってはいないけど、そこそこ戦ってそうなふたり。

≫123 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 22:51:19
「チケちゃんみたいに恋愛よりも仕事に生きるのは良いことだと思うわ」
「ライスちゃんはしっかりアプローチしてるしローくんも満更でもないに見える」

「あのねスペちゃん、こんな口うるさい年寄りみたいな事言うの良くないのは分かってるけど40過ぎても何の進展もないとはどうかと思うの」

≫125 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 22:53:26
グラス「」
スペ「うわぁ…凄く嫌そうですね」
キング「全身全霊で嫌を表してるわね」
ウンス「あそこまで顔に嫌って出せるもんなんだねぇ」
エル「おでんさんの時の白ひげおじさんとそっくりデスね…」

≫155 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 23:25:57
新世界の船窓から一コマ

バギー「エルー、今日の皿洗い俺とお前だ…ぞ…?」

ノックをせずにエルとグラスの部屋に入ってしまったのは確かにデリカシーがなかったかもしれない。だが、それを謝る前にバギーは目の前の光景が信じられなかった。普段船員たちの前では常にお淑やかで、戦闘になった時にはおでんの話す「侍」のように勇ましく戦うグラスワンダーが

バギー「グラス……お前……」

宴の時のスペシャルウィークのようなボテ腹を晒していた

バギー「まるで豚じゃn」

言い終わるまでの間にグラスワンダーは一瞬で消化し、普段通りの体型に戻り、バギーに強烈な金的を食らわせたのだった。

ウマムスメ族は小柄ながら巨人族に匹敵する食事量を誇るが同時に消化のスピードも速い。

グラス「バギー、年頃の少女に豚などと言語道断です」

グラス「バギー、腹を切りなさい」


豚デース!と腹を切りなさいをネタとして入れてみたかったけどバギーなら言いそう感がやばかった。
それはそれとしてグラスのセリフこれでよかったのだろうか…

≫159 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 23:28:54
>>155
バギー「しょーがねェな…腹ァ切ってやるよ…ハイ切ったー!」バラバラ
グラス「…」イラッ…

≫172 二次元好きの匿名さん21/10/02(土) 23:44:42
やっぱり、折角ドフラミンゴを倒して助け出されたのに随分長い間ドフラミンゴの影がついて回るライスシャワー概念が好きですねえ
手配書には「ハートの海賊団」じゃなくて「元ドンキホーテ海賊団」って書かれちゃう
なんなら新聞に「ドンキホーテ・ドフラミンゴに隠し子!?」とか「元王下七武海ドフラミンゴの娘はウマムスメだった!?」とか勝手に滅茶苦茶なこと書かれた記事が掲載される
キッドからも「トラファルガー。てめぇが連れてるのはドフラミンゴのお人形じゃねェか?」って煽られる

麦わらの一味 占い師 マチカネフクキタル 70スレ目

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