和了り点の理論値

  • 一般的な役と八連荘を採用するものとする。
  • 一発・裏ドラ・槓ドラ・槓裏ありとする。
  • ダブル役満となる役は26翻とする。
この条件で、以下のような極端な例を考える。

字一色小三元のケース

ドラ表示牌 裏ドラ表示牌 ダブ東かつ立直一発かつ海底かつ八連荘とする
ツモ カン カン西西 カン カン
成立している役満は、字一色四槓子四暗刻単騎八連荘で、5倍役満相当。
それ以外の役は、立直一発門前清自摸和海底摸月対々和小三元飜牌4、ドラ40で52翻である(嶺上開花は複合しない)。
合計は117翻、場ゾロ込み119翻。
符については、副底20、自摸2、単騎待ち2、翻牌雀頭2、幺九牌暗槓32×4で154符、切り上げ160符。
よって点数は
親:638澗 0294溝 3797穣 6759𥝱 6189垓 9382京 7388兆 9345億 6539万 6500点
子:425澗 3529溝 5865穣 1173𥝱 0793垓 2921京 8259兆 2897億 1026万 4400点
となる。

字一色大四喜のケース

ドラ表示牌あと1枚は任意 裏ドラ表示牌は任意 立直一発かつ海底かつ八連荘とする
ツモ カン カン カン西西 カン
成立している役満は、字一色四槓子大四喜四暗刻単騎八連荘で、7倍役満相当。
それ以外の役は、立直一発門前清自摸和海底摸月対々和飜牌2、ドラ8で16翻である(嶺上開花は複合しない)。
合計は107翻、場ゾロ込み109翻。
符については、副底20、自摸2、単騎待ち2、翻牌雀頭2、幺九牌暗槓32×4で154符、切り上げ160符。
よって点数は
親:6230溝 7562穣 3024𥝱 1793垓 1542京 3659兆 5595億 0641万 1600点
子:4153溝 8374穣 8682𥝱 7862垓 1028京 2439兆 7063億 3760万 7700点
となる。

清老頭のケース

ドラ表示牌(8) 裏ドラ表示牌8888(8) 立直一発かつ海底かつ八連荘とする
(1)ツモ(1) カン カン カン99 カン(9)(9)
成立している役満は、清老頭四槓子四暗刻単騎八連荘で、5倍役満相当。
それ以外の役は、立直一発門前清自摸和海底摸月対々和三色同刻、ドラ40で48翻である(嶺上開花は複合しない)。
合計は113翻、場ゾロ込み115翻。
符については、副底20、自摸2、単騎待ち2、幺九牌暗槓32×4で152符、切り上げ160符。
よって点数は
親:39澗 8768溝 3987穣 3547𥝱 4761垓 8711京 4211兆 8084億 1033万 7300点
子:26澗 5845溝 5991穣 5698𥝱 3174垓 5807京 6141兆 2056億 0689万 1600点
となる。

發なし緑一色のケース

ドラ表示牌31155 裏ドラ表示牌31155 立直一発かつ海底かつ八連荘とする
3ツモ3 カン22 カン44 カン66 カン88
成立している役満は、緑一色四槓子四暗刻単騎八連荘で、5倍役満相当。
それ以外の役は、立直一発門前清自摸和海底摸月清一色対々和断幺九、ドラ40で53翻である(嶺上開花は複合しない)。
合計は118翻、場ゾロ込み120翻。
符については、副底20、自摸2、単騎待ち2、中張牌暗槓16×4で88符、切り上げ90符。
よって点数は
親:717澗 7831溝 1772穣 3854𥝱 5713垓 6805京 5812兆 5513億 8607万 1100点
子:478澗 5220溝 7848穣 2569𥝱 7142垓 4537京 0541兆 7009億 2404万 7400点
となる。

『東方幻想麻雀』における実例とカンストについて


まさか青天ルールを実装するソフトがあるとは夢にも思いませんでしたが、原点500万点って足りるんですかね?
ただ、これは60符35翻(役満は13翻として計算される模様)となっているようですが、これだと
60 \times 4 \times 2^{35+2} \fallingdotseq 3.299 \times 10^{13}
となる(管理人の手元の関数電卓で計算。なお、この程度になるとロンとツモの収入の差は誤差程度にしかならない)。これは、約33兆点という意味である。
しかし動画では40億点となっているので、どうやら基本点10億点でカンストしてしまっているものと思われる。
あるいは、符号なし32ビット整数の最大値が 4,294,967,295 なので、これと関係があるのかもしれない。親は60億点でカンスト、紅美鈴の倍付けも有効なのでたぶん関係ない。
いずれにせよ、これを「青天井」と呼んでいいのかは疑問が残る。

何翻でカンストするか

ではこの場合何飜でカンストするのか? というと

\log _{2} \frac{4 \times 10 ^{9} }{4 \cdot 60} \fallingdotseq 24
より、60符の場合で24飜(場ゾロ込み)とわかる(関数電卓で計算するときは底の変換公式を使用せよ)。ダブル役満は場ゾロ込み28翻になるので、その時点でカンストしてしまっている。
ちなみにその『東方幻想麻雀』の青天井にカンストが無かった場合、最高得点は上の字一色小三元の形で、四暗刻単騎はシングル役満だが、 四暗刻三暗刻四槓子三槓子が複合する ことに加え、「神綺」の能力を発動することで全く同じ場ゾロ無し117飜を和了ることができる。さらに、相手が能力を発動している美鈴なら、飜数+1と同じことになり、さらに倍の点数になる。

64ビット整数の限界

最近では64ビットOSも普及しつつあるので、符号付64ビット整数を使うとどこまでできるのかということも考えてみる(符号付としたのは符号無しだとハコ点が計算できないため)。
親の30符和了りを仮定すると、

\log _{2} \frac{2 ^{63} - 1 }{6 \cdot 30} \fallingdotseq 55.51
で、場ゾロ込み55翻が限界であることがわかる(60符だと54翻、120符だと53翻が限界)。これでもまだ理論値に足りない。

青天井ルールに必要な精度

では、何ビットあればこのような和了りを正確に扱えるようになるのだろうか。
上に挙げた理論値では場ゾロ込み119翻160符である。これを親の和了りとして計算する。このときの点数は上に挙げたように
160 \times 6 \times 2^{119} \fallingdotseq 6.380 \times 10^{38}
なので、これを2進数で表したときの桁数はおよそ

\log _{2} \left ( 160 \times 6 \times 2^{119} \right ) \fallingdotseq 129.0
である。よって、128ビット整数型でもオーバーフローやアンダーフローが起こる可能性は理論上存在する。

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最終更新:2024年04月15日 19:08