「ツーかよぉ、結局一番強い巫女って誰なん?」
奈落にて囚人を監視しながら牛頭の神装巫女・野牛島 伊咲実(やごしまいさみ)はボヤいた。
「ハァ?知るかよ」
隣にいる馬頭の神装巫女・左馬丞 魅來(さのまじょうみれい)は伊咲実を睨みつける。
「モノリスの連中は最後の巫女になる為にワルさしてんだろ?ならちまちま弱い巫女殺すよりつえー巫女ぶっ殺せばいいじゃねえか」
「それができりゃあ何百年も活動してねえつーの。…臨界者が一番つえーんだよ。たぶん」
「それができりゃあ何百年も活動してねえつーの。…臨界者が一番つえーんだよ。たぶん」
臨界者。巫女の最高地点とされる者達。才能と実力があれど至るには一握りであり、巫女たちは臨界者を目指すのがセオリーである。
話になんねぇ。と手をヒラヒラさせた魅來。
話になんねぇ。と手をヒラヒラさせた魅來。
「臨界者つうと、ゼウスの巫女がつえーんだっけか?スィオネさん良く言ってるじゃねえか。あー、でもポセイドンの巫女もつえーとか」
伊咲実は構わず続ける。
「それ言うならシヴァの巫女も強いんだってよ。マヤの姉さんがたまたまヒマラヤで遭難した時に助けてくれたんだと」
「マヤの姉さんが!?そりゃあ超強いじゃねぇか!」
「マヤの姉さんが!?そりゃあ超強いじゃねぇか!」
2人が『姉さん』と呼び慕う閻魔の巫女の1人であるマヤ・ガラム。2人が喧嘩中にたまたま通りがかり、仲良く制裁されたのである。
それ以来、2人は閻魔の巫女の舎弟を自称しているのであった。
それ以来、2人は閻魔の巫女の舎弟を自称しているのであった。
「これ、お前たち」
背後から声がする。
「「ゲェッ ボス!!!!」」
背後から声がする。
「「ゲェッ ボス!!!!」」
そこには地蔵菩薩の巫女であり奈落所長のナラカが立っていた。
「巫女はね、世界数多にいるんだよ?世界のために戦う者たちの最もを決めるなんて、酷だと思わないかい?」
半ば呆れながらため息をつく。
「アー…じゃあ、ボスが会った中でつえーと思った巫女はいますか?」
伊咲実はどうやら、ボスまでも巻き込む事にしたようだ。
「んん…『強い』ね。300年前にアフリカ辺りに立ち寄った時に見かけた巫女の戦いは圧巻だったよ。確か、ジュベルガーナと言う名だったかな。今でも活動しているはず」
魅來は会話を続けてくれるボスの懐の広さに感謝した。
ヘェ〜と感心する2人。あまり馴染みのないアフリカと言う大地で闘う巫女に思いを馳せる。
ヘェ〜と感心する2人。あまり馴染みのないアフリカと言う大地で闘う巫女に思いを馳せる。
「てか、アフリカ行ったことあるんスね。ボス」
「300年前つうと、江戸時代?超昔っスね…」
「300年前つうと、江戸時代?超昔っスね…」
高シンクロ率の巫女たちの特徴である、ほぼ不老の肉体。実際ナラカは600年以上生きていると言えど、まだ未成年の少女に見える。中には、3000年以上生きている巫女もいるらしい。
「でもわたしは、純粋な力のみを強さだと思っていないよ。協調性や生き延びる力も充分強さだと思っている。
それをふまえるなら…華露はすごいよ。起こりうる事態を事前に察知して阻止するんだから。まるで、一回見ているかのようにね」
それをふまえるなら…華露はすごいよ。起こりうる事態を事前に察知して阻止するんだから。まるで、一回見ているかのようにね」
世界中を気ままに旅する『黄泉国』のリーダーである巫女。話によると何度か鉢合わせをしているのだそう。
「まぁ、臨界者でなくても強い巫女は数多にいるのだから、君たちも巫女狩りに負けないよう頑張らないと」
ナラカはニコニコと笑顔で圧を掛けてきた。説法のターンが始まろうとしている。彼女の説法は朝焼けが夕焼けになるほど長いと有名なのだ。
「ゔっ…じゃあつえーモノリスの連中を教えて貰えませんか!?」
「我々の命を奪う覚悟がある者であるなら、全員」
「我々の命を奪う覚悟がある者であるなら、全員」
2人は長い説法を回避する方法を模索しようとするが、無駄な足掻きになりそうだ。
「………大丈夫だよ。この世界はいずれ弥勒菩薩が救済なさるさ。でないと『わたし』が存在する理由がない」
ナラカの揺るがない瞳を見て2人は思い出した。彼女もまた、『臨界者』であると。
釈迦如来の滅後から弥勒菩薩の出現までの無仏の間、衆生を救うために活動する存在。それが地蔵菩薩。
釈迦如来の滅後から弥勒菩薩の出現までの無仏の間、衆生を救うために活動する存在。それが地蔵菩薩。
それから朝焼けが夕焼けになる程の説法を聞かされた2人は、当分の間軽口を叩かなくなったとか。
おまけ
【名前】野牛島 伊咲実(やごしまいさみ)/左馬丞 魅來(さのまじょうみれい)
【身長】163cm/172cm
【3size】引き締まったガタイ/スレンダーな四肢
【年齢】20
【一人称】俺/アタシ
【好きな食べ物】馬刺し/牛カルビ
ガラの悪いヤンキー系看守。二人は幼馴染かつ宿命の相手。土手で何回目かの決闘をしていたところ偶々通りがかったマヤ・ガラムに両方ボコられ以降「姉さん」と呼び慕う様になる。
伊咲実の趣味はプロレス観戦。魅來はボクシング観戦。
【神名】牛頭/馬頭
【権能】煉獄の執行人
地獄の獄卒。筋力が大幅強化されており、圧倒的な力で敵を屠る。武器は金棒と錫杖。
普段は奈落勤めだが閻魔の巫女に呼ばれたら巫女の元へ駆けつけることが出来る。(地上へ出る際『遺継装具(オーパーツ)』火の車が必須)
【信仰度】獄卒の中で知名度はある方
【身長】163cm/172cm
【3size】引き締まったガタイ/スレンダーな四肢
【年齢】20
【一人称】俺/アタシ
【好きな食べ物】馬刺し/牛カルビ
ガラの悪いヤンキー系看守。二人は幼馴染かつ宿命の相手。土手で何回目かの決闘をしていたところ偶々通りがかったマヤ・ガラムに両方ボコられ以降「姉さん」と呼び慕う様になる。
伊咲実の趣味はプロレス観戦。魅來はボクシング観戦。
【神名】牛頭/馬頭
【権能】煉獄の執行人
地獄の獄卒。筋力が大幅強化されており、圧倒的な力で敵を屠る。武器は金棒と錫杖。
普段は奈落勤めだが閻魔の巫女に呼ばれたら巫女の元へ駆けつけることが出来る。(地上へ出る際『遺継装具(オーパーツ)』火の車が必須)
【信仰度】獄卒の中で知名度はある方