タンジェリネ・プレス 第四号
第二大陸暦986年6月31日
★驚愕の暗殺
グランツラント最大の緊迫が走っている。昨日、隣国レーゲンボークの首都ドラヘブルクにて、老将ゼクツェリン公が暗殺され、同席していた現国家元首である騎士団長閣下以下数十名が怪我をするという大事件が発生した。しかも、その暗殺の首謀者がわが国の英雄アガサ・ウェリンディア嬢だというのである。
アガサ嬢と亡くなられたゼクツェリン公は先日のブランドバーク卿杯にて面識があり、公について祭典に来ていた騎士数人が暗殺現場に同席していたという。運よく軽傷ですんだ騎士の一人は、暗殺の犯人がアガサであると証言している。
既にレーゲンボークはネビュレス条約評議会(グランツラントとラグノフ・アザン・クセニアの諸国が代表を送る対魔族勢力同盟)に対し、条約加盟国内へのアガサ嬢指名手配勧告をすませている。ショアベルツ政府はこれに対し、抗議をしない方針を決定している。ただし、評議会とは別に独自の追跡を行うとしている。
ところで、アガサ嬢が代表を務めるギルド“七番目の枝”だが、こちらもとんでもないことになっている。ギルドハウスが襲撃され、留守をつとめていたルビー・ジェルシェ嬢とギルドメンバー数人が意識不明の重態となっている。アコライトによる治療でも意識が戻らないため、現在フォリアの学堂にて収容されている。
代表不在となったギルドは、ショアベルツ市冒険者協会によって活動が停止され、登録されているメンバーは条件付で一時移籍が可能になっている。
代表不在となったギルドは、ショアベルツ市冒険者協会によって活動が停止され、登録されているメンバーは条件付で一時移籍が可能になっている。
★フォリアの学堂に異変?
ショアベルツ市に隣接している、魔法学校フォリアの学堂では、例年にない現象が起こっている。夏季休業を迎えるはずの今も、学生が学内や市内私設の図書館につめかけ、図書の奪い合いをしているというのだ。
理由を突き止めようとインタビューを挑んだが、ほとんどの学生は無視。それでも親切な学生にわずかながら、話を聞くことができた。
「急遽期末試験が中止になって、代わりに実技レポートを提出しろってことになったの。近場の遺跡じゃ絶対点数が出ないし・・遠くでも誰かが行かないって保証はないでしょ?学生の数を考えてみて。一人1つ遺跡を見つけてくるってありえないでしょ?我先にって取り合ってるのは、そのせいなのよ。早く情報を覚えて、遺跡を調べたいもの」
親切な女子学生は、そう言って足早にどこかへと去っていった。
理由を突き止めようとインタビューを挑んだが、ほとんどの学生は無視。それでも親切な学生にわずかながら、話を聞くことができた。
「急遽期末試験が中止になって、代わりに実技レポートを提出しろってことになったの。近場の遺跡じゃ絶対点数が出ないし・・遠くでも誰かが行かないって保証はないでしょ?学生の数を考えてみて。一人1つ遺跡を見つけてくるってありえないでしょ?我先にって取り合ってるのは、そのせいなのよ。早く情報を覚えて、遺跡を調べたいもの」
親切な女子学生は、そう言って足早にどこかへと去っていった。
★巨大モンスター出現:続報
シュトラント全域で、従来見られたことのなかった巨大モンスターが目撃されている事件の続報をお伝えする。
先日、“銀の剣”オルフェア教皇領で、マウントマイマイの大群が現れ、巡礼者の一団を襲うという事件が起こった。精鋭揃いといわれたオルフェア神官戦士団が警備する街道沿いではなく、地方からの分路であったため、発見が遅れた模様だ。
さらに、ラティーシャ領内でも、青々と茂っていた麦畑を焼くファイアラットの集団が現れている。
被害は拡大しており、一刻も早い原因究明が望まれる。
先日、“銀の剣”オルフェア教皇領で、マウントマイマイの大群が現れ、巡礼者の一団を襲うという事件が起こった。精鋭揃いといわれたオルフェア神官戦士団が警備する街道沿いではなく、地方からの分路であったため、発見が遅れた模様だ。
さらに、ラティーシャ領内でも、青々と茂っていた麦畑を焼くファイアラットの集団が現れている。
被害は拡大しており、一刻も早い原因究明が望まれる。
読者コメント