セッション間シーン 8.1 マスターシーン
赤い光が、一瞬その月を揺らした。
数日前から感じていた彼女の違和感は、激しい衝撃として、彼女を打った。思考が止まった赤の刻に、鎖が切れて、暗い色の床に石が落ちた。
月明かりほどの蒼白さを浮かべるそれは、傷一つなく静謐の空間に輝いた。動揺を抑えながら、身を屈めてそれを拾う。
『お休みのところ、申し訳ございません。オルフェアのアンデスより火急の通信でございます』
「すぐ出ます。こちらの水晶にだして頂戴」
『クローヴ・メイヤーが監視中の、石榴石が覚醒した模様です。先日、かの炎に向け山中に入っていくのを見送りました』
かしこまった報告をするアンデスが、水晶の中にうつる。
「こちらでも、覚醒の光は見ましたよ。この件に関しては、下山後メイヤーからの報告を受けてください」
『承知しました』
かしこまった報告をするアンデスが、水晶の中にうつる。
「こちらでも、覚醒の光は見ましたよ。この件に関しては、下山後メイヤーからの報告を受けてください」
『承知しました』
『数年前の“欺蛍”のときにない、輝き。レギーナの継承者は、初代やオリジナルに匹敵しうる…』
部下の姿が消えた水晶が強ばった持ち主の横顔をうつす。
凍りついたまま何百年も景色の変わらぬ窓辺に、白い吐息がはかれる。
「アリアンロッドよ…お前が世界を止めるなら、私は最後の一瞬まで抗ってみせる…」
PCの関知しない場所について、書いてみました。