エスティラント大陸史
前史
かつて栄えた文明があった。
その文明の下で、人々は機械の与える富に溺れ、更なる繁栄を求めて外へ外へとでていった。文明が星を覆い、月へと出て行くまでに成長した頃、人々は新しい力を自らの内に発見した。“魔法”とよばれるものであった。
その文明の下で、人々は機械の与える富に溺れ、更なる繁栄を求めて外へ外へとでていった。文明が星を覆い、月へと出て行くまでに成長した頃、人々は新しい力を自らの内に発見した。“魔法”とよばれるものであった。
初期の魔法は、人の内部に宿るエネルギーを引き出す程度だった。しかし、すぐに他の生物へ、物へ、星へとエネルギーの供給源を探していった。そしてその結果、彼らは“この世界”に留まらず、他の世界へと魔法の供給源を求めていった。異界の発見である。
異界からのエネルギー供給が始まると、それこそ世界を思うがままに人は変えていった。遺伝子をいじくり、大陸を作り変え、魔法を万能の武器として発展させた。精神共鳴による夢魔法、星占いから発達した星魔法、魔法的物理学による体系魔法、などさまざまな方法の魔法が編み出されて、文明を加速度的に発達させた。“異界への門”が隣接する異界から無限にエネルギーを供給し続けた。
そして、その“異界への門”が最後の破滅をもたらした。
エネルギーを搾取された異界の住人が、門を通ってこの世界へとやってきたのだ。すべては欲に狩られて、更に大きな門を、と門を巨大にしていったせいであった。
強大な異界の住人は、この世界をことごとく破壊した。万能の武器であったはずの魔法は役に立たなかった。抵抗を試み、機械の技を持ち出すも、それは文明の寿命を縮める環境破壊を早めただけだった。
かくして文明は滅び去り、世界は混沌の時代を迎える。
エネルギーを搾取された異界の住人が、門を通ってこの世界へとやってきたのだ。すべては欲に狩られて、更に大きな門を、と門を巨大にしていったせいであった。
強大な異界の住人は、この世界をことごとく破壊した。万能の武器であったはずの魔法は役に立たなかった。抵抗を試み、機械の技を持ち出すも、それは文明の寿命を縮める環境破壊を早めただけだった。
かくして文明は滅び去り、世界は混沌の時代を迎える。
大暗黒期
異界の住人がやってきたことからはじまる混沌の時代を“大暗黒期”という。
獣の姿をした異界の住人は、この世界を第二の故郷とすべく、激しい縄張り争いを繰り広げた。人間を無視して行なわれた戦乱は、100年余り続いたとされている。
この間人間は機械を操る術を忘れ、魔法もその多くの知識が失われた。
獣の神々の戦いは、彼らのやってきた世界への門が破壊されたところで収束した。己が力を使いすぎ、人間に駆逐されることを恐れたのだ。門が失われることは、獣の神々のエネルギー供給が止まるということだったのだから。
万を超える神々は、それぞれの大陸ごとに自然に己が縄張りを決めて表向きは姿を隠したものが多かった。
獣の神々の戦の間空を覆っていた黒い雲が消えて、再び世界は人間たちへと戻された。
獣の姿をした異界の住人は、この世界を第二の故郷とすべく、激しい縄張り争いを繰り広げた。人間を無視して行なわれた戦乱は、100年余り続いたとされている。
この間人間は機械を操る術を忘れ、魔法もその多くの知識が失われた。
獣の神々の戦いは、彼らのやってきた世界への門が破壊されたところで収束した。己が力を使いすぎ、人間に駆逐されることを恐れたのだ。門が失われることは、獣の神々のエネルギー供給が止まるということだったのだから。
万を超える神々は、それぞれの大陸ごとに自然に己が縄張りを決めて表向きは姿を隠したものが多かった。
獣の神々の戦の間空を覆っていた黒い雲が消えて、再び世界は人間たちへと戻された。
第一大陸紀
きがついたとき、世界は完全に5つの大陸で分裂していて、人間同士で意思疎通を図ることは不可能になっていた。ここからは、エスティラント大陸でおこったことを主にまとめる。
まず最初に興った国は、獣神フェニックスの炎でいち早く大地が浄化された場所で起こった。テルーショアという。そしてその周辺でいくつもの国が時代を経て成立する。
また大陸の反対側では、汚染された大地で大暗黒期以前の文明の技術を掘り起こして覇を唱える国が生まれる。ラガンナという。その周辺では、飲み込まれまいとする小国が乱立し、戦を生んだ。
その中ほどの、大陸の横腹にあった海に、次の波乱を生んだ国が登場する。伽瑠奈。獣の神を従える魔法、召喚魔法を編み出した国であった。
まず最初に興った国は、獣神フェニックスの炎でいち早く大地が浄化された場所で起こった。テルーショアという。そしてその周辺でいくつもの国が時代を経て成立する。
また大陸の反対側では、汚染された大地で大暗黒期以前の文明の技術を掘り起こして覇を唱える国が生まれる。ラガンナという。その周辺では、飲み込まれまいとする小国が乱立し、戦を生んだ。
その中ほどの、大陸の横腹にあった海に、次の波乱を生んだ国が登場する。伽瑠奈。獣の神を従える魔法、召喚魔法を編み出した国であった。
百神争乱
大暗黒期から約千年。人々が穏やかに過ごす中で、不穏に動き出す人々が居た。彼らはラガンナを隠れ蓑に、各地で昔の技術を掘り出して、戦乱に利用した。
その事態を憂いていた伽瑠奈に、ラガンナは牙をむいた。突如テルーショアへと攻め込み、大陸に波乱をもたらした。それだけではなく、彼らは異界への門を再建し、獣の神々を駆逐していったのだ。獣の神々を奉じる伽瑠奈は黙っていなかった。突如同じように門を開き、獣の神々に力を与えると、大陸を覆うラガンナの伸びきった戦線を壊滅させたのだ。
しかし、隠れ蓑のラガンナが滅びようと、異界への門が生きている限り戦いは続く。戦いを始めさせた人々は門から無限のエネルギーを引き出すと、神のごとき力を揮い、多くの獣の神々が死滅し、人々も命を落とした。
伽瑠奈は戦いの最中に大司を失い、暴走した扉の影響で国は壊滅。生き残った人々は故郷を後にした。
伽瑠奈は戦いの最中に大司を失い、暴走した扉の影響で国は壊滅。生き残った人々は故郷を後にした。
どのような手引きかは知らないが、その後大陸の各地で門が開かれ、百を超える神々が生まれていった。彼らは大陸を制覇しようとする一派と、それを制しようとする一派、そして完全中立で人間を護ろうとする一派にわかれていった。後の闇の陣営神、光の陣営神、中立神たちである。彼らは望むままに人間たちを改変し、己の手先として保護対象として、戦いの中で力を与え、その姿を変えさせた。
神々は己の肉体を失っても、かりそめの器に意識を留め、争い続けた。
結局は、再びすべての門が破壊されるまで。
結局は、再びすべての門が破壊されるまで。
第二大陸紀
百神争乱はエスティラント大陸に端を発し、その余波は世界中に広がった。かつてないほどに魔力が世界に満ち、それを利用せんとした争いが大なり小なり各大陸で起こった。
人間の再創は世界中に及んだし、国家の崩壊もまた世界中で起こったのだから。エスティラントを除くすべての大陸では、人間の再創くらいが問題の引き金として残った。
人間の再創は世界中に及んだし、国家の崩壊もまた世界中で起こったのだから。エスティラントを除くすべての大陸では、人間の再創くらいが問題の引き金として残った。
しかし、エスティラントには神のかりそめの器、神器が残った。多くの神々が力を失う中で、まだ神の意思を引きついだ戦いは終わってはいなかった。
神々に再び形を変えられたエスティラントには数多くの国が興り、最後の門が閉じて一千年がたとうとする今でも、戦乱は終わらない・・・
神々に再び形を変えられたエスティラントには数多くの国が興り、最後の門が閉じて一千年がたとうとする今でも、戦乱は終わらない・・・