クダンは、人間の顔をした牛で、牛の胎内に生じ、現実世界に発生する恐るべき事件を人間に対して告げる妖獣である。
【件】
「件」という文字は事件という言葉にも用いられている通り、物事、事柄を意味する。牛の胎内から出てこの世に姿を現したクダンは、未来に発生する恐ろしい事件の予言を告げ終えると息絶えるとされる。
作物の豊凶、流行病、旱魃、戦争、大地震など、天変地異をはじめとした重大な出来事に関する様々な予言をする。
クダンの死
生まれたが予言をしなかったというクダンも古くはいたようで、生まれてから三日～五日間は生きていたが死んだという話も見られる。この世に存在した凶兆や凶変が終わったことを示すためにクダンは死ぬとも語られている事から考えれば、このような例は凶事が過ぎ去った事を知らせる意味のクダンの誕生と死だったのだろう。
クダンと嘘
クダンの発する言葉には嘘は決して含まれていないとされる。その為、語られたことは全て現実、本当の事柄として世に出現することとなる。
【牛の女】
とんでもない大災害に巻き込まれた人間の体験談として、人間の言葉を語る、顔が牛のような女性に救われたという例もいくつか見られる。これなどもクダンに近い凶事にまつわる妖獣あるいは動物の霊である。
最終更新：2021年04月20日 10:51
