【水虎(すいこ)】

河伯(川の神々)の下僕として仕える河童たち。特徴には、膝が虎の腕のようになっており、膝頭には虎の爪のようなものが生えているという点がある。膝の部分だけを水面から出していることがあり、それを取ろうとした人間を捕まえて食べてしまう*1

青森県や長崎県では、一般的な河童たちのことを水虎と呼んだりもしていた。それらは見た目は完全に河童であり、水虎のような身体的特徴を持っていない。

水虎の鼻

河童は皿が弱点だと語られているが、水虎は鼻が弱点だとされており、鼻を摘ままれると小使いとして付き従うという*2

【淵猿(ふちざる)】

川に棲む猿のような妖怪で、大変に腕力が強いとされている。頭の上に皿があり、その水が力の元になっているという特徴は河童たちと同じ性質である。

釜淵川に巣食って人々を襲っていた淵猿たちを毛利家の武士・荒源三郎によって退治された伝説が知られる。(広島県)*3

最終更新:2021年06月28日 21:58

*1 『本草綱目』

*2 『広益本草大成 巻二十』

*3 『芸藩通志』