【角大師(つのだいし)】
比叡山の元三大師(慈恵大師)良源が、見た
鬼をかたどったとされる霊符。「鬼形の御影」、「元三大師悪魔降伏の画像」、「慈恵大師魔除けの影」とも呼ばれ、その鬼は元三大師自身が鬼形と化したもので、悪鬼を祓う最強の護符である。
角大師の霊符は、魔除け禍除け邪魅除けとして家々の戸口に貼られている。
ある時、良源の部屋を疫病をもたらす強大な悪鬼が襲った。良源が円融三諦を示して弾指したところ、悪鬼は姿を消した。良源は、「このような悪鬼を人々が撃ち祓うためには強大な鬼の力が必要である」と鬼形と化し、鏡に映ったその鬼のかたちを写し取った影像が、角大師の霊符に描かれている鬼である。
元三大師
元三(がんさん)という称号は、良源が正月三日に入寂した事に由来している。『真俗仏事編』には良源は「日天の化身」であるとも記載している。入滅の際に、自らの姿を鏡に映し描いた姿だという話もある。
最終更新:2022年08月21日 14:44