【一反木綿(いったんもめん)】
夜空にいきなり人の頭上にひらひらと出現して、おどろかせるという妖怪。人に危害を加えることはない。(鹿児島県)
一反とは、布地の長さの単位で成人一人分の和服の材料となる基準の大きさである。
【近畿地方の一反木綿】
九州地方以外でも一反木綿のような空を飛ぶひらひらした妖怪の目撃談は多くみられる。滋賀県では十二月に山の神が山々を歩き回る日には、山の上に五色に輝くひらひらした長いものが飛ぶのが見られるという言い伝えがある。
【東国の一反木綿】
富士山や浅間山の上空にも一反木綿のような横長の飛空する妖怪が出現した伝説が残されている。浅間山に出現したものは艮(うしとら)の方角から黒雲と共に一丈程の横長の光り物が現われ、くるくると電光のように光りながら飛び回ったとされる。
最終更新:2022年01月12日 15:26