【無名雉(ななしきぎし)】

神々のもとで忍者のように動き回るキジ。相手の言動をそのまま盗み取って来て報告をする。

天邪鬼のことであるとも言われる。

キギシ・キギスはキジの古語。

無名雉の登場する神話

『古事記』や『日本書紀』の国譲りの神話では、高天原から出雲に遣わされた天稚彦(アメノワカヒコ)が永く帰ってこないことを不審に思った天神たちが、この無名雉に様子を見に行かせている。しかし、鳴き声を察知した天稚彦は無名雉をアメノハハヤ(天羽羽矢)で殺した。その矢は高天原まで飛んでゆき、天照大御神(アマテラス)の許にまで届いた。天照大御神が「もし天稚彦に謀反の心があらば必ず当たれ」と唱えて矢を投げ返すと、その反矢(カエシヤ)は真直ぐに天稚彦を貫いた。

最終更新:2022年05月09日 23:44