〈円卓〉
Round of Evil
「You and I must fight to survive」
——『Knights of Cydonia』p.9
■CONTENTS
このページは現在新世界にて暗躍している
〈円卓〉の詳細や流れなどを説明しています。
"最新の情勢について"の頁を見て頂けると現在の思惑が直ぐ理解できると思います。
(最終更新2019/02/22)
■概要
≫〈円卓〉とは
各界の汚れた権力者によって樹立された裏組織であり、独自の集金システムにより莫大な裏金を保持している。
彼らの目的は世界の実権を掌握。その為であればどの様な手段であろうと平気で行う。
同じく裏組織である
〈黒幕〉とは明確な対立構造にあり、絶対的な敵として彼らの排除を第一の目標に掲げる。
通常の組織に対し、経済・政治・宗教・司法といったあらゆる分野の重鎮が集まっているという点でも特徴がある。
その為あらゆる紛争や戦争に対し関与していると言っても過言では無く、その闇は根深い。
それが後述する
"キャメロット"と〈円卓の騎士〉であり、此処に於いて新たな組織体制が確立されている。
加えて、対外的には
異能主義と呼ばれる思想を打ち出しており、思想対立による世界の分断をも画策する。
■部署
≫"キャメロット"
〈王〉
ジルベール・デュボンの失踪に際して
〈円卓〉は再構築を要求された。
そこで設立されたのが〈円卓〉の最高意思決定機関である
"キャメロット"である。
〈円卓〉の基本思想である『愛国者』『隠匿者』『臆病者』『強欲者』の体現であり、その存在はほんの一部しか知らない。
通常の人員に対しては明かされる事の無い最高機密であり、全ての元凶とも言える存在群。
彼らは新たなる一手として〈湖の乙女〉を任命する。それが新たなる幕開けであった。
≫〈湖の乙女〉
"キャメロット"の要請を受けて着任した女性。その正体は水の国最高議会議員である
イスラフィール
彼女は
〈円卓〉に新たな〈王〉を据えると共に、〈円卓の騎士〉を招集、
〈円卓〉の再軍備を促した。
これにより、受動的であった
〈円卓〉は大きく能動性を有し、世界の掌握に向けて動き出す。
≫〈王〉
〈円卓〉を牛耳る存在であり、〈円卓の騎士〉を統べる存在。支配力と実行力を有した世界で最も強大な権力を握る者。
言わずと知れた
"六罪王"ジルベール・デュボンの事であったが、彼は失踪してしまった。
それ故に現在は、〈王妃〉
ミラ・クラァケがその異能を用いて、対外的にはジルベールの姿を維持している。
つまり、現在〈王〉は存在せず、〈王妃〉が成り代わっている状態である。コレを知るのは
"キャメロット"と〈円卓の騎士〉のみ。
彼女の存在は
〈円卓〉に於ける最大の弱点であった。統御できない愛程恐ろしいものはない。
ジルベールを〈王〉アルトリウス、ミラを〈王妃〉グィネヴィアに見立てて、〈円卓の騎士〉も振る舞っている。
≫〈円卓の騎士〉
〈円卓〉に於ける最終兵器。〈王〉に仕える十三人の騎士達を総称して言う。
各国の軍隊や特務機関、傭兵といった存在から集められ、各々が一騎当千の実力を有する。
また、その悉くに
〈円卓〉の思惑が深く絡んでおり、各国のパワーバランスの象徴とも言えた。
彼らの存在そのものが、世界大戦に対する抑止力と言っても過言では無い。
■〈円卓の騎士〉一覧
〈円卓の騎士〉はフリーシェアとなっております。参加希望の方は舞台裏や実験所で院長中身◆Dfjr0fQBtQにお声かけください。
〝ランスロット〟の名を有する騎士が一人。騎士というものを体現した好青年。
外務八課への対応など、〈円卓の騎士〉に於いて対外的な取り纏めを行っている。
〝マーリン〟の名を有する騎士が一人。
〝教会〟の枢機卿を兼任しており、対外的には其方の方が有名。
異能主義の提唱者であり、
"宗教改革"によって〝教会〟のシステムを再構築した。
〝トリスタン〟の名を有する騎士が一人。類い希なる実力を持ちながら人殺しにしか生き甲斐を見いだせない快楽殺人者。
戦場であげた数多の武勲から〈円卓の騎士〉にスカウトされた経歴の持ち主。
〝ガウェイン〟の名を有する騎士が一人。〈王〉に対しては崇拝に近い感情を有している反面、心の奥には凍土の如く冷めた部分がある。
古代の錬金術師の末裔であり〝
火の国〟最大規模の金融機関〝アルスター・グループ〟会長の次男坊。
〝ガレス〟の名を有する騎士が一人。多く表沙汰にならない任を持ち、経歴不明、係累不明、病歴を含むその他の身体的特徴不明。
カタリナという名も本名なのか疑わしい。内部の人間すら必要とあらば誅殺するその姿勢は、時として「出現そのものが不吉である」とさえ評される。
〝ケイ〟の名を有する騎士が一人。心の壊れた精神破綻者。殺人や死に対する感情がすっぽり欠落しており、戦闘や殺人すら微笑みながら行う。
人が死ぬこと、人を殺すことすらも「無」として考えている。命令を愚直に遂行できる人間で在り、
〈円卓〉の命令には絶対服従で、自分の首を斬ることも厭わない。
〝パーシヴァル〟の名を有する騎士が一人。生真面目で礼儀正しく協調性を重んじる性格。
戦闘においても物静かな一面は変わらないが好戦的になり、命の遣り取りの際には不気味な笑みを零すこともある。騎士団員からの異名は「ヴァルキュリア」
〝ベディヴィア〟の名を有する騎士が一人。平時はぼんやりしており、何を考えているかよく分からない性格。
しかし、先代の〝ベディヴィア〟を殺害しその任に着いたことからも分かる危険人物。
unknown
〝モルドレッド〟の名を有する騎士が一人。題字は『ハムレット』
■出来事ログ一覧
≫【ログ001】イスラフィール、ミラを〈王〉にする。▶Play
イスラフィールは
ミラ・クラァケを呼び出す。目的は一つ、新たなる
〈円卓〉を作り上げる為に。
伝えるのは方法、示される
"完璧な庭"計劃、──── 半ば強引に、その申し出を受け入れさせて。
最後に彼女は言った。
"世界の終わり"を彼女は望むと。
≫【ログ002】マーリン、アンゼリカを"聖女"にする。▶Play
マーリンは
銀のアンゼリカを呼び出す。
〝教会〟に於ける宗教改革の一端として。
最初は敵対心を見せていたアンゼリカであるが、マーリンの口八丁の前に根負け、聖女として活動することを余儀なくされた。
"異能主義"の片棒を担ぐ形で。マーリンは何処までも、異能者を求めた。
≫【ログ003】イスラフィール、ウニと取引をする。▶Play
イスラフィールは道ばたで露天を出していた
ウニ・ヴェルゼルと邂逅。彼女の作品に興味を持つ。
本物の地球が欲しくないかと問いかけ、パトロンの申し出をする。ウニはこれを快諾。
政権中枢都市、観光名所、産業の中心地、幹線道路の大動脈となる都市……それらを模したジオラマを、彼女は手に入れる。
≫【ログ004】マーリン、テレサと面談する。▶Play
マーリンは自身の根城である
金の国にテレサを呼び出し、そこで彼女に配置転換を伝える。
金の国に設立された
"王立魔術学院"そこの講師になるように、命令したのであった。
強引な命令であったが、渋々テレサは納得し、収束する。
≫【ログ005】ランスロット、後藤と交渉する。▶Play
ランスロットは後藤
リョウジ・ゴトウの要請を受け邂逅する。そこで示されたのは提案。
アリア・ケーニギン=デァナハトを〈円卓の騎士〉に着任させるという申し出であったが、ランスロットはこれを一蹴。
加えて
外務八課を手駒として扱う提案を出したが、これも決裂。結局交渉は何一つ成就しなかった。
≫【ログ006】マーリン、後藤と結託する。▶Play
ランスロットとの決裂の後マーリンは連絡を取る。即ち、彼自身と
外務八課との協力について。
示したのは排除、
"異能主義"の天敵である
オーウェル社の排除を彼は依頼した。
利害の一致であった。死中に活を求めるのが博徒の常だとすれば、後藤は狂気の沙汰に相応しい。
≫【ログ007】〈幕間〉"悲しみの子"トリスタン▶Play
謡うは幕間。悲しみの子は如何にして悲しみを背負ったのか。理由も分からぬ衝動の源泉とは。
生まれが故か、躾が故か。愛するが故か、愛さぬが故か。情念が故か、契約が故か。
──── 貴方が故か、私が故か。悲しみは何処へ消えよう。
≫【ログ008】〈幕間〉"太陽の騎士"ガウェイン▶Play
真円を描き続ける試みは、時として深淵を招き、取り返しの付かぬ企みの中へ消えて。
されども歩み続けた太陽の軌跡。やがて暗澹、闇夜と消える前の嘆き、────。
彼は求め続けた。彼は求め続ける。しかし、その先は無明。
≫【ログ009】ティナ、ガゼルと邂逅する。▶Play
風の国で行われていた大規模演説、"導人会"によるそれに突如乱入したのは
ティナと名乗る少女であった。
イスラフィールの議員秘書である、という立場を示した彼女は大胆にも
ガゼル=イヴン=カーリマンの引き抜きにかかる。
結果は痛み分け。互いに譲れぬ点が一致し、この邂逅は終了した。
≫【ログ010】ティナ、舞衣と邂逅する。▶Play
水の国で余暇を過ごしていた
霧崎舞衣。彼女の元へと突然現れた
ティナと名乗る妙な少女。
彼女は持ち前のマイペースで舞衣を籠絡しようとするが失敗。結果として半ば押し切られる形の交渉となる。
交渉の内容は来る
新楼市市長選、──── 舞衣の出馬を支援する形で話は纏まった。
≫【ログ010.5】〈SIDE:氷〉カニバディール、コニー、テルミドール▶Play
時系列的には
イスラフィールがテルミドールと共謀する前段階。秘密裏に行われた異形と氷との密約。
〝サイコ・フェンリル〟の描く未来。櫻と水の関係性を理解した上で、伸ばす次の手は〝
昼の国〟
同時に彼は
イスラフィールとアポイントメントを取る。次の戦の為に。
≫【ログ011】イスラフィール、テルミドールと共謀する。▶Play
水-氷国間直通列車・クーラオリエント急行内にて、
イスラフィールとテルミドールが会談する。
能力者テロの余波を受けて
イスラフィールが支援を取り付けるのに加え、
氷の国による"櫻州"攻撃の密約を交わす。
そこで示されたのは
原初の11機──── 氷が持つ、最終兵器。
≫【ログ012】マーリン、ユダと邂逅する。▶Play
とある高原で起きた殺戮、その場へ偶然足を踏み入れたマーリンは、ユダと名乗る少女と邂逅する。
既存の概念に縛られないユダの言葉に対し、問答を続けるマーリン。彼は自身が属する
〝教会〟へとスカウトしたが、
ユダはこれを拒否、強大な力の片鱗を示し、その場を去って行った。
≫【ログ013】ミズキ、"ブラスフェミア"を引き入れる。▶Play
ある日闇市を訪れた
“ブラスフェミア”は、自身が異端認定されている事に気がつく。そんな彼女へ声を掛けるミズキ。
ブラスフェミアは読み解く、異端認定の裏側にあるメカニズム、
〈円卓〉と
〝教会〟とが繋がっている事に。
半ば強引に協力する事になったブラスフェミアは、秘密の実験室を与えられ、密命を帯びる。
≫【ログ014】イスラフィール、みらいを保護する。▶Play
≫【ログ015】ランスロット、パーシヴァルとの邂逅。▶Play
〈円卓の騎士〉達の幕間劇。何時もの様な悪夢を見るパーシヴァルへと、優しい言葉をかけるランスロット。
奪う事に苦悩する彼女こそ、背負う覚悟のある仁愛に満ちた人間であると彼は言った。
けれども、彼もまた何かを背負っていた。片鱗を残し、その場を後にする。
≫【ログ016】マーリン、外務八課に依頼する。▶Play
マーリンは再び後藤と邂逅し、
外務八課へ裏の依頼をする。同時に聞くのは先の
櫻州軍港爆破事件の裏に潜む陰謀。
後藤が言うにはその首謀者とは
"人形遣い"決して表に出ない電子犯罪者に対し、後藤は強い警戒心を見せた。
そしてマーリンの側から託す極秘任務──── 〝Take the Power Back〟
■これまでの流れ
≫イスラフィールがミラを〈王〉にする【ログ001】参照
〈円卓〉の最高意思決定機関"キャメロット"は〈王〉ジルベール・デュボンの失踪に困惑していた。
ジルベールの消失は、戦力の大幅低下以外にも、水面下で進めていた"完璧な庭"計劃のキーパーソンを失う結果に繋がる。
その為
"キャメロット"に求められたのが〈王〉の代理を立てる事であった。
故に、現『
水の国』最高議会議員
イスラフィールを招集し、〈湖の乙女〉として彼女に暗躍する事を求めた。
イスラフィールは直ぐさま〈王妃〉である
ミラ・クラァケを呼び出し、ジルベールの不在中〈王〉になる事を請願した。
尤も、請願とは名ばかりの一種の脅迫であったが、ミラは持ち前の聡明さでそれを看破、異能を用いて〈王〉と〈王妃〉のダブルキャストを承諾。
此処に於いて〈円卓の騎士〉と〈王〉が並び立つ事となった。世界を牛耳るという目的のために。
詳しくは未だ不明であるが、イスラフィールの言に依ると
「"聖剣"と"聖杯"を持ち"方舟"に乗り込む」
計劃であるという。それぞれTipsにて補足していく。
イスラフィールは〈黒幕〉を葬るための切り札が一つとしていた。
〈王〉が〈湖の乙女〉から託された、という発言から、過去の段階でイスラフィールからジルベールへ譲渡された事が推測できる。
ジルベールの失踪に際して、"聖剣"も消失している。それ故に、"キャメロット"は策を講じた。
何故なら〈円卓〉のその他構成員にとって"聖剣"の存在は、憎き〈黒幕〉を葬る希望の一つであった。
ジルベールの消失、聖剣の紛失、その両方が周知されてしまったなら、大幅な士気の低下は免れない。
それ故にイスラフィールはミラに〈王〉の擬態をする様に依頼した。〈王〉の不在を隠すと同時に、"聖剣"は未だ手中にあると騙すのである。
"聖杯"とは願望機であるとイスラフィールは言った。"願った事が真に叶う願望機"であると。
この世界に存在する数多の神話体系に於いて、共通項が如く存在する願望機、それは逆説的な存在証明とも言える、と彼女は示した。
加えて、それを手に入れるためには"戦争"という手段が必要であるという事も示す。
真なる願望機が存在し、それを手にする事が出来たなら〈黒幕〉を打破できると彼女は示した。
"方舟"はタイムマシンである。未来に於いて必ず完成するタイムマシンとイスラフィールは示す。
その為には、天才
初瀬 麻季音の確保が必要である、とも彼女は言った。
≫マーリンの宗教改革【ログ002】【ログ004】参照
腐敗しきった
〝教会〟の体制を一新する為に、マーリンの手で行われた宗教改革。
「神によって救済される人間は予め決まってんだ、どうのこうの働きかけて救われようだなんて虫が良すぎんだろ?」
「寄付やら布施やらで神の意志を左右するとか冒涜もいいとこでしょ、バカバカしくて仕方ねぇ」
「ちったぁクソ足りねぇ脳みそ使って考えろよ、救われる人間なら神の思う善行とやらをするに違いない」
「だとすればそれは "信仰" と "労働" だ、金を払って救われるなんてクソくだらないこと言ってる間に黙々と働きやがれ」
「ん? それは金儲けだと? 世俗的だと? おい、誰だよこれ書きやがったクソ野郎、脳みその代わりにメロンパンでも詰まってんじゃねぇのか?」
「俺の言いたいことが微塵も伝わってねぇな、いいか、大変優しい俺様がお前らを啓蒙してやるよ」
「俺達は金儲けをする為に働いてるんじゃない、救われる人間が、救われるべき人間として、当然の労働をしてるだけだ」
「利益なんっつーもんはその結果でしかねぇよ、俺達が利益を得れば得るほど、それは善行を成してんだ」
「そうして得た利益は、更に多くの利益を産むために費やされる、ほら、合理的だろ?」
端的に言えば、利益追求の宗教的肯定化であった。権威主義に凝り固まった旧来の価値観を破壊し、新たな価値観を運び込む。
資本主義経済の考えに則った改革は利益を上げる事を念頭に置いていた。それ故に
〝教会〟の財政は一気に改善される。
彼は旧来の
〝教会〟の教えを"旧教"とし、自らの教えを"新教"とした。更に金の国に拠点を置き、大規模な魔術学院を設立。
これは彼が打ち出すもう一つの理念、〈異能主義/Meritocracy〉にも大きく関わる事であった。
「 "能力" ってのは単なる才能の一つだ、神に愛されたとかそんなんじゃねぇ、足が速えとかそういう理屈だろ」
「だとすりゃ活かせばいい、腕が四本ありゃ作業効率は二倍だ、人より多く利益を産むことが出来る」
「はは、そういう意味で言えば神に愛されてるかもな、いいか二度は言わねぇから良く聞けよ」
「 "異能主義/Meritocracy" ──── 天才の俺様がそう名付けてやった、要するに能力がある奴はその能力をフルに使えってこった」
「能力者なら能力を使って利益を上げろ、その才能はその為に使われるんだ、無駄遣いすんな」
「別に才能ある奴に得意分野やらせてるだけだ、嫉妬すんじゃねぇぞ」
────── 〈異能主義/Meritocracy〉昨今の反異能者ムーブメントに対抗して〝マーリン〟が体系づけたイデオロギー
一般的には “能力を持つ者は、正しく能力の活かせる場所へ” と解釈される事が多いですわ、能力を排斥するのではなく一つの個性として捉える
しかし、その本質は違います、能力の活かせる場所とはつまり、
〈円卓〉の様な真に支配できるだけの力量を持つ者達の場所
我々は能力者を救済いたしますわ、イデオロギーの下での活動はより包括的な理論をも取り込める、正当化には打って付けですもの
新たな宗教的価値観と、思想的価値観、両者による包括的な啓蒙こそがマーリンの行った宗教改革であった。
〈黒幕〉の行う反異能ムーブメントに対するアンチテーゼでもある。無駄を徹底的に省き、
〝教会〟を改善しながら、マーリンは何を望むのか。
無宗教である我々には理解しづらいが、働いて利益を得る事を宗教的観点から肯定した、と解釈していただいて差し支えない。
旧来の宗教的価値観は"善行を行う事で救われる"という価値観であったが、それはつまり"救われる為に善行を行う"という逆転現象を引き起こす。
更に言えば、"善行"によって"救済"という神の恩寵を左右できる、という歪んだ価値観をも生み出したのであった。
その最たる例が贖宥状や免罪符でる。お金を払うという善行によって救済されるという馬鹿げた理屈。
それに対し新たに唱えられたのが"予定説"である。
つまり、神に救済される人間は既に決まっており、現世での善行は全く意味が無い。というものである。
この新たな観念が何を生み出したのかと言うと、"救われる人間であれば現世で善行を行う筈だ"という発想のコペルニクス的転回であった。
結果として、善行=禁欲的な労働として解釈され、従来と比べ、より大きな生産性が生まれる事となった。(この辺りちょっと省いてます)
加えて、利潤を追求する事を肯定した点に大きな特徴が有る。
最初から利潤を求めて労働するのでは無く、より禁欲的な労働をした結果として利潤を得るのであれば、それは善行の証明であるとされる。
加えて、利潤が大きければ大きいほど、数多の人間を幸福にするという"隣人愛"の実践と肯定されたのであった。
我々の住む基底現実に於いてはカルヴァンの『予定説』とマックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』に依って明文化された理論ですが
新世界ではマーリンが二者の組み合わせで理論を作り上げた、と理解して貰えるとわかりやすいです。
"能力を持つ者は、正しく能力の活かせる場所へ"が基本的な理念。
- 能力を持った優れた人材が正しい地位に就くこと。個人はその為に主体的に努力をし、社会はその手助けをする事。
- 能力者もまた、正しくその力を振うべし。個人の適切な管理の他、社会も冷遇してはいけない。
という風に解釈されるのが一般的。
また、〈円卓〉に於いては、正しく能力の活かせる場所=〈円卓〉として解釈されている。
これは能力者を〈円卓〉の手駒として扱うためのイデオロギー的なバックボーンとなり得る可能性を持っているのである。
■最新の情勢について
≫〈円卓〉の再構築
〈王〉の消失に付随して
〈円卓〉が再構築された。
〈湖の乙女〉
イスラフィールなどによる暗躍で〈王妃〉や〈円卓の騎士〉を招集し、何時でも戦力を集中できる状況にある。
現在の目的は先述した様に、対
〈黒幕〉の計劃として
"完璧な庭"計劃が始動中。
≫『魔制法』の撤廃に向けて
水の国に於いて施行されている『魔制法』撤廃の為の動き。
第四回水の国天下一武道会によるプロパガンダで、順調に世論は形成されていた。
加えて、マーリンや
銀のアンゼリカ主導による〈異能主義/Meritocracy〉の拡散は、目に見えてわかりやすい主張として受け入れられていた。
一方、マーリンとミズキの手により
外務八課と一種の共闘関係を結ぶ。
反異能主義の先鋭である
オーウェル社の排除という一点で、双方は協力関係を構築、
外務八課による特別任務を待つだけであった。
また、イスラフィールの第一秘書であるティナは、『魔制法』の影響が広がっている風の国へ潜入、火付け役である"導人会"のガゼルにコンタクトを取る。
一種の牽制にはなったが大きく状況は変わらず、次の一手として"富嶽会"の霧崎舞衣と接触し、"新楼市"の市長選への出馬を約束した。
しかし、
櫻國事変により状況は大きく変容。国内の反異能者感情は一気に高まる運びとなった。
≫対櫻前線
◇氷の国との密談
氷の国
〝特務機関イヴァン〟による、"櫻州"強襲計劃。新型魔導イージス艦の完成セレモニー時にコレを強襲、破壊するプラン。
その下準備として、イスラフィール主導でインターネット上に先の
櫻州爆破事件の裏に
"氷の国の特務機関"が存在する事を流布する。
しかし、同時にこの対立構造の明示化は、国民をはっきりと二分できる。つまり、櫻派かそうでないかの二択へと。
それ故に強襲作戦が成功し、
魔導海軍を攻める正当性を示す事が出来たなら、この危機的状況を一気に改善へと持って行けるだろう。
だからこそイスラフィールは魔導イージスに対抗する力として
〝王立国教魔術〟である
〝対抗魔術〟のスクロールを託した。
テルミドールは一瞬で看破する、イスラフィールと繋がるもう一つの勢力
〝教会〟と、そしてそこに関連する
金の国の様相を。
戦火は
水の国だけに留まらない、世界各国へと広がっていく。
◇ホムンクルスみらいの保護
それにより、魔導イージス艦"みらい"の核であるホムンクルスは、
イスラフィールを始めとした
〈円卓〉の手にある。
保護という観点から見れば最良の状況であった。此処に於いて櫻の意図を一つ潰す役割を果たす。
気がかりなのはイスラフィールが示した
"プランF"────
"Fragilefuture"
水の国のスパイである
ヨシビ商会の黒鉄 シモンを巻き込んで、事態は混迷へと向かう。
◇〝Take the Power Back〟
最低限の火器を持って魔導イージス艦 "みらい" へと潜入し"みらい" の破壊、若しくは奪取を目標とする。
更に "みらい" 内部に存在するであろう兵器を調査し報告、破壊してはいけないという条件付き。
加えて、
〈円卓〉の指定する新兵器の運搬と使用、及び報告、という無理難題に近しい任務内容であった。
後藤は最後の内容にのみ条件付きで、という返答をしたが、それ以外を快諾。
外務八課のポテンシャルを見せつける。
マーリンが述べる様に、これらの条件付きの任務は
外務八課を
〈円卓〉へ売り込む目論見を内包している。
外務八課の手腕を全力で用いたなら、確実に達成される。けれども、それでは
〈円卓〉の有する特務機関と一緒であった。
何処よりも優秀に、何処よりも柔軟性を持って、任務を達成できるかが肝要と彼は述べた。
また、任務の達成内容によっても大きく評価は変動する。スペシャリストの本領発揮であった。
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最終更新:2019年02月22日 13:50