おむつを快適に使うために
食事のことも考える
おむつが受ける排泄物は、元々は毎日の食事です。
匂いが気になる、便秘、便がゆるい、かぶれやすい
などの症状を根本から改善できるのが食事です。
気になる症状に合わせて食事を見直しましょう。
また、被介護者との関係を良好に保つためにも重要です。
こまめに布団を干す
おむつを当てながら寝ると、布団に臭いが染み付きます。
臭いの原因のアンモニアは気化しやすいです。
こまめに布団を干すか、乾燥させて臭いを飛ばしましょう。
こまめに換気にする
ウンチをした際は、特に換気して空気を入れ替えましょう。
交換後に窓を開けると、5分後には部屋の匂いがなくなります。
部屋の温度を維持できる範囲で行いましょう。
部屋の消臭
介護をしていると、知らず知らずのうちに臭いが蓄積していきます。
もし、自宅で介護をしていて、家に家族が何人か居るなら、
家族が友人を家に招くことを諦めることになりかねません。
布製品は、こまめに交換・洗うようにすると良いです。
洗っても臭いが取れない場合、洗剤を変えましょう。
ペット用や介護用の消臭剤スプレーでも匂いが消えます。
こまめに体を洗う
体を洗えなかったり、体を拭けなかったりすると菌が繁殖します。
その菌が多い状態でおむつを使うとおむつかぶれになる確率が
急激に高くなります。常に清潔を心がけましょう。
ムレ・横モレに気をつける
横モレは、介助者・介護者においても不快ですが、
被介護者はその刺激を直接受けています。
おむつから漏れていなくても、おむつの中がビチャビチャなら、
被介護者にとってはとても不快な状態です。
よく眠れるようにする
人は体温が下がると眠くなり、体温が上がると目覚めやすくなる性質があります。
おむつを当てている場合は、入眠時の放熱がうまくいかないことがあります。
また、入眠できても暑くて目覚めやすいこともあります。
入眠導入剤を使っても、寝ている間の体温を調節しないと無意味です。
改善するには、負担にならない程度に体温を1℃前後下げることです。
寝るときに寒そうだからといって、必要以上に部屋を温めてはいけません。
室温を少し下げ、腕などを少し出して体温を調整すれば眠りを深く出来ます。
共に快適に過ごすために
おむつを強要しない
被介護者本人にも見栄やプライド、誇りがあります。
本人の意志を無視しておむつを強要してはいけません。
信頼を得られないと、被介護者の被害妄想が強くなる傾向があります。
介護・介助は長い付き合いです。信頼を確かめながら続ける必要があります。
おむつを嫌がる場合の配慮
意思疎通が取れる方で、おむつを着用するのを嫌う方が居ます。
本人のプライドや認識にあわせて、対処をしましょう。
いきなりおむつを当てるのは、被介護者にも介助者にも利益にはなりません。
もし、座れるような方であるなら、なおさらポータブルトイレを使うべきです。
ちゃんとトイレのケアができていれば、被介護者の気持ちも落ち着くでしょう。
気持ちが落ち着いたなら、「もしものため」などの説得も通りやすいはずです。
おむつをタンスに入れて、下着としてパンツと同じ扱いにしましょう。
タンスにパンツ、タンスの外におむつでは、被介護者はパンツを意識します。
頻繁に見かけると、被介護者が尊重されていないと感じる事が多いようです。
認知症の方の場合も、タンスに入っている方が自分で履き替えやすいです。
下着はタンスから出すものとして、おむつを下着として履いてくれるからですね。
おむつを気にする・頻繁にさわる場合
その時のおむつの状態が気持ち悪いようです。
おむつに手を入れるようになる前に、快適になる工夫をしましょう。
また、意思疎通ができ、座ることができる方なら、
ポータブルトイレで、トイレのケアをするのが最適解です。
知的障害者の場合、これをほうっておくとまずいです。
発展しておむつに手を突っ込むだけでなく、
過度な自慰行為を始めるきっかけになります。
本人の健康のために、早めに対策を練りましょう
介護でのおむつトラブル
パンツタイプがずり落ちてお困りの方
パンツタイプのおむつのズレ落ちに困っている方も多いと思います。
次のようなことに注意しましょう。
そもそも、おむつが緩すぎるのではないでしょうか?
1つ小さいサイズにしてみてはどうでしょう。
おむつがずれ落ちないように、腹巻で止めるのも良いです。
腹巻自体はとても自然なものですし、お腹を保護するのにも良いです。
おむつが予想以上に重くなっていると、
いかにきついおむつでもズレてしまいます。
そういう時は、パッドを使わずにおむつ本体を小まめに変えたるか、
漏れない程度にパッドをサイズダウンし、こまめに交換したほうが良いです。
水便・軟便モレでお困りの方
便秘が続いた後の軟便や水便で困っている方も多いと思います。
基本的にお尻の側に余裕や空間があるおむつを使うと漏れなくて済みます。
吸収体の幅が広いおむつも選択肢としては良いでしょう。
痩せていて隙間ができやすい、足が細くて隙間ができやすいなどがあります。
吸収体が横に広い紙おむつを探すか、捨てても良いボロ布でせき止めましょう。
うんちが溜まるスペースがないと、しっかり対策しても縦横無尽に漏れます。
おむつを大きめのサイズにするか、尿とりパッドの量を減らすべきです。
もしくは、吸収体が横に広いものやおしりの部分が広いものを探しましょう。
水分を吸ったおむつやパッドは、軟便や水便の吸収が著しく落ちます。
なるべく乾いたおむつのほうが軟便や水便をキャッチしてくれるでしょう。
この場合は、メッシュが付いた軟便用のパットを使うとだいたい改善します。
ベットに敷いておく介護シーツも、
大きなもの1枚ではなく、ペットシートを何枚か横に連続で敷く方が楽です。
軟便も回収してくれる、排泄補助器具が存在します。
もし、お金に余裕があるならレンタルなどを考えてみては?
不潔行為を防ぐ
認知症が進行したり、知的な障害などで認知機能が低い被介護者が、
おむつを勝手に外したりウンチで遊ぶことを不潔行為と言います。
不潔行為は周囲だけでなく、自覚なしに行う本人にも悪影響です。
被介護者を守るために、介護するあなたが解決・決断をするべきです。
まずは叱らないこと
不潔行為をした本人でさえ、どうしていいかわかりません。
むしろ、どうしていいかわからないから不潔行為をしたと考えるべきです。
パニックになっているところを叱りつけると逆効果です。
一旦、共に気を落ち着かせてから事に当たりましょう。
不潔行為の対処方法
おむつをしている部分が痒い場合、おちんちんの収まりが悪い場合に
この行為が見られます。もっと、おむつのケアをちゃんとするか、
おむつなしで排泄できるようにトイレのケアに力を入れましょう。
どうしても収まらない場合、介助している側が休みたい時間帯は、
介護用つなぎを使いましょう。
本人にとっても、傷が増えたり病気になるよりはマシです。
この場合、被介護者はトイレを探している、トイレだと勘違いしている
失禁したことを隠したい、などということが考えられます。
この場合、おむつをやめてトイレのケアに力を入れるべきです。
トイレのケアでうまくいかない場合や、おむつで遊んでいるだけの場合は、
介護用つなぎを使いましょう。本人のためだと、割りきってください。
おむつをどこかに隠したりする場合、恥じらいが残っています。
この場合、トイレのケアでの改善、おむつ離れも見込めます。
ただし、おもらしをしたら怒られると思っている方もいて、
介助者が気を配ってさしあげる必要があります。
プライドが高く、漏らしたことを認めない方もいるため、
その場合は外堀を埋めることからはじめなければなりません。
ウンチを何かに包んで隠したりする場合、恥じらいが残っています。
その場合、まだ微かにトイレのケアでの改善が見込めます。
しかし、素手でウンチをつかむような段階までくると、
認知レベル・意識レベルがかなり低いので、トイレケアは諦めましょう。
この場合、ほうっておくとうんちが口に入る可能性があります。
この段階まで来ると、介護用つなぎを着せるしかないです。
最終更新:2013年02月11日 13:28