日本のとある湾岸都市・夢が丘。
その街を、赤いロボットがさまよっていた。
ロボ「フラフラバウ~…… おなかがすいたバウ~……」
赤いロボットがピエロと衝突。
ピエロ「あっ、風船が! 気を付けろ! どうしてくれるんだよ……」
ロボット、気にせず子供が持っているソーセージの臭いを嗅ぎつける。
ロボ「クンクン、ソーセージバウ! 美味しそうバウ!」
母親「ちょっと、こっちへ来ないでよ……」
子供の母親に迷惑がられ、悲しそうな顔をするロボット。
そしてロボットがたどり着いたのは、場末の探偵事務所「シャードック探偵社」の社屋だった。
カケル「カスミさん、おはよう!」
カスミ「おはよう!」
花屋の娘・カスミにあいさつした後、この物語の主人公・雪柳カケルが探偵社に入る。
カケル「おじさん、いる?」
杉「おおっ、カケルか……」
カケルの伯父で探偵社の社長・杉薫が振り向く。
カケル「何泣いてるの?」
杉「この番組、今日で最終回なんだ…… 日曜の朝の楽しみがなくなる~!」
カケル、テレビを消す。
カケル「ったくー、仕事はどうしたの?」
杉「そんなことよりカケル、2千円貸してくれ。昨日から何も食ってねぇんだ」
カケル「またぁ? おじさんさぁ、外国に行ってるパパとママから僕の世話を頼まれてるんでしょ? これじゃあまるっきり逆じゃないか……」
杉「サンキューサンキュー、愛する甥っ子よ!」
しぶしぶお札を渡すカケル。
杉は受話器を外して電話をかける。
杉「あー、シャードック探偵社の杉だけど。天丼と、カツ丼と、きつねそばを一人前ずつ…… まだやってない? 持って来ねぇとツケ払ってやらねぇぞ!」
そこへあの赤いロボット、ロボタックが入って来た。
ロボタック「バウ~…… もうダメバ~ウ〜……」
ロボタックが倒れる。
杉「な、何だ?」
カケル「おい、しっかりしろよ!」
ロボタック「目が回るバウ〜……」
ロボタックは杉が頼んだ出前をすべて平らげてしまった。
杉「俺の2日ぶりの飯を~!!」
ロボタック「あー、おいちかったバウ~。ごちそうさまバウ!」
杉「この、ワン公!!」
ロボタック「ワン公じゃないバウ、ロボタックバウ! このご恩は一生忘れないバウ~! ……では」
杉「どうも…… ああっ? 忘れられてたまるかぁ!!」
杉がロボタックの尻尾を掴む。
杉「ににに、2千円払え!」
ロボタック「持ってないバウ……」
杉「なっ、なんだと!? こうなったら警察に引き渡してやる!」
ロボタック「警察!?」
ロボタックを蹴りつける杉。カケルが慌てて制止する。
カケル「おじさん! 警察に引き渡したって、お金は戻って来ないよ!」
ロボタック「来ないバウ!」
杉「そういやそうだ…… よし! じゃあ、代わりにここで…… 働け」
ロボタック「ええーっ!?」
ゴミ捨て場にゴミを出すカケルとロボタック。
カケル「へぇーっ、ハラッパ国から来たんだ」
ロボタック「ハラッパ国の宝物である『ランドツール』を探してるバウ」
回想。
ロボタックと、カメ型ロボットのカメロックがハラッパ国の長老からランドツール探索を命じられる。
長老「カメロックはチャイナを、ロボタックはアメリカを探すのじゃ」
長老が、白い骨のような形のフルートをロボタックの首にかける。
ロボタック「長老様、何バウ?」
長老「『ワンダフルート』と言ってな、お前を助けてくれるフルートじゃ。ただし……命に関わるピンチの時に、吹くんじゃぞ……」
カケル「へぇーっ……」
杉「コラ! 喋ってねぇで仕事をしろ、仕事を。ゴミ出し終わったら、キッチンの掃除もあるからな!」
ロボタック「犬使いが荒いバウ!」
そこへ、唐松刑事がやってくる。
唐松「杉~!! 助けてくれ~!!」
杉「唐松先輩、どうしたんスか?」
シャードック探偵社。
杉「警察手帳をなくした!?」
唐松「昨日、また怪盗チェリーを取り逃がして…… やけになってはしご酒しちまったんだよ!」
新聞を叩き付ける唐松。
新聞の見出しには「怪盗チェリー、またもや逮捕できず」「警備網、楽々突破」の文字が躍る。
唐松「杉…… 5万出すから見つけてくれ! さもないと俺はクビだ!!」
杉「5万か…… わかりました! 名探偵・杉薫が引き受けたからには、大船に乗ったつもりでいてください。それで、手がかりは!?」
唐松が出したのは鍵だった。
杉「鍵……」
唐松「それが、どこの鍵だか、なぜ持ってるのかわからんのだ……」
カケル「他に手掛かりになるようなものはないの?」
唐松「そんなこと言われてもなぁ…… 携帯電話だろ。手錠、巻き物……」
杉「何ですか? この巻き物は……」
唐松「ここに来る途中、神社の前で拾ったんだ」
杉「ふーん……」
唐松の携帯が鳴り響く。
唐松「はい、唐松です。えっ、何? また怪盗チェリーから予告状!? わかりました、すぐに戻ります! ……それじゃあ、杉! 頼んだぞ」
唐松が杉にキス。
杉「いやーん! ……ああっ、先輩! こ、コート!」
コートを持って唐松を追いかける杉。
それと入れ違いにロボタックが部屋の中に入ってくる。
ロボタック「ああっ! どこ行っちゃうバウか? 掃除終わったバウよー! 終わったって言ってるのに……」
ロボタック、唐松が持ってきた巻き物に注目する。
ロボタック「ああっ! 『なぞなぞコンパス』バウ!」
カケル「なぞなぞコンパス?」
ロボタック「ランドツールを見つける、ヒントが書いてあるバウ。『なぞなぞコンパスの謎を解いた者は、シュビドゥバッジを得られる』……」
カケル「シュビドゥバッジ?」
ロボタック「シュビドゥバッジっていうのは、『ワンダーボックス』を開ける鍵みたいなものバウ。ワンダーボックスには、ランドツールが入ってるバウ」
カケル「他にも何か書いてある」
謎の一 青き扉並びし箱あり。
その2段目の右から3つ目の開かずの扉を開き放て。
呪文は『シュビダバ・シュビドゥバ』。 |
ロボタック「……『青き扉並びし箱』?」
カケル「箱かぁ……」
マンションを思い浮かべるカケル。
カケル「そうか! 箱っていうのは、きっと青い扉のマンションとか、ビルのことじゃないかなぁ?」
ロボタック「よーし、探すバウ!」
カケル「うん!」
そこに杉が戻ってくる。
杉「待った!」
2人「ああっ!」
杉「唐松先輩の警察手帳を探す方が先だ」
ロボタック「ええ~っ?」
杉「掃除したぐらいじゃ海老の尻尾分にもならん!」
ロボタック「そ、そんな…… あっ!」
杉が差し出したのは唐松のコートだった。
杉「臭い、嗅げ」
ロボタック「えっ? クンクン…… 臭いバウ~!」
ロボタック、顔をしかめる。
臭いをたどって唐松を探すロボタック。
ロボタック「クンクン、クンクン…… 刑事さんはこっちに行ったバウ」
ロボットメンテナンスサービスのワゴン。
ウサギ型ロボットのミミーナが市民ロボットのエネルギーを充電している。
ミミーナ「充電完了! ちょうど千円です」
ロボット「はい、千円」
ミミーナ「はい、サービスのオイルだぴょん! どうぞ」
ロボット「どうも」
ミミーナ「毎度あり!」
ロボタックとカケルがミミーナの横を通る。
ロボタック「こっちバウ!」
ミミーナ「ちょっとちょっと。バッテリー、充電していかない?」
ロボタックの腹部をミミーナが開ける。
ミミーナ「ああっ、ワンダバッテリー! あなた、ジシャックチェンジできるの?」
ロボタック「そうだバウ!」
ミミーナ「すごいぴょん! ねぇねぇ、ジシャックチェンジしてみて! してみてよ~」
カケル「ロボタック!」
ロボタック「カケル、行くバウ」
ミミーナ「ちょっと待ってよ、見せてよ!」
そこにゴールドプラチナ探偵社のロボット、カバドスとダークローも通りかかった。
ダークロー「おいカバドス、見たか?」
カバドス「はいはい、見たドスよ~」
ダークロー「あいつもハラッパ式ロボットなのか」
一方、ロボタックを探すミミーナ。
ミミーナ「ああ、もう。どこ行っちゃったのかしら?」
ロボタックとカケルは植え込みに隠れていた。
ミミーナ「おーい、犬のロボット! どこ~?」
ロボタック「ああ~、全くしつこいロボットバウ……」
カケル「うん」
ロボタック「行くバウ!」
するとロボタックと男性がぶつかる。
ロボタック「ご、ごめんなさいバウ!」
男性「まったく、気をつけろよ」
カケル「どうもすいません…… ああっ!」
カケルが拾った鍵と男性が持っている鍵はそっくりだった。
カケル「おんなじだ! この鍵、なんの鍵?」
男性「駅前広場のコインロッカーだけど?」
ロボタック「コインロッカーバウ!」
コインロッカー前。
カケルがロッカーを開ける。
カケル「あった!」
ロボタック「あったバウ!」
中のカバンを覗くと、警察手帳が入っていた。
カケル「間違いない!」
ロボタック「これで探偵さんにこき使われなくて済むバウ!」
カケル「うん!」
カケルが何かに気付く。
カケル「ああっ! なぞなぞコンパスに書いてあった、『青き扉並びし箱』だよ!」
ロボタック「なるほど。コインロッカーも、確かに青い扉だバウ」
カケル「うん! 2段目の、右から3番目は……」
その扉には、「故障中」の紙が貼ってあった。
ロボタック「開かずの扉だバウ!」
カケル「うん!」
ロボタック「これを開ければ、シュビドゥバッジが手に入る! 呪文は…… シュビダバ・シュビドゥバ~!!」
紙がはがれ、ロッカーの中にはシュビドゥバッジが入ったオメデトロフィーが入っていた。
ロボタック「やったバウ! やった~!」
カバドス「待つドス!」
ロボタック「ん?」
後ろから現れたカバドスがロボタックに殴りかかる。
ロボタック「うわあっ!」
カケル「ロボタック!」
ミミーナもやってくる。
ミミーナ「いた~、見つけたぴょん!」
ダークロー「へっへい」
ミミーナ「なんてひどいことするのよ!」
ロボタック「お前たちは誰バウ?」
ダークロー「ハラッパ国のはぐれカラス、ダークロー様だい!」
カバドス「わいはカバドス!」
ダークロー「シュビドゥバッジは、俺たちがもらった!」
ダークローがオメデトロフィーを持つ。すると、急に空が暗くなり始めた。
声「は~っはっはっは…… 待~て待て待て待て、待つんだゾウ!」
上空から巨大なゾウ型ロボット・マスターランキングが舞い降りてくる。
ランキング「よくぞ謎を解いたゾウ。我こそはシュビドゥバッジの番人、マスターランキングだゾウ!」
一同「シュビドゥバッジの番人?」
ダークローの持っていたオメデトロフィーがランキングの手に渡る。
ダークロー「ああっ、シュビドゥバッジが!」
ランキング「『最後の試練』を与えるゾウ! 試練を乗り越えて1番になった者に、この中のシュビドゥバッジを与え、ワンダーボックスを開けさせるゾウ…… ランキングアリーナ・オープン!!」
ランキングが競技場『ランキングアリーナ』に変形。ロボタックたちが並ぶ。
ランキング「準備するゾウ、出てらっしゃい!」
準備「準備するゾウ! 準備、準備!」
ランキングの助手の準備するゾウが登場。ロボタック、ミミーナ、ダークロー、カバドスにざるそばを渡し始める。
ロボタック「ん? ざるそばだバウ……」
ダークロー「なんでそばだっちゅーに?」
ロボタック「あれ? どうして1人だけ5枚バウ?」
よく見ると、ダークローのざるそばだけ他の3人と比べて数が少ない。
ランキング「シュビドゥバッジに最初に触った者には、アドバンテージが与えられるゾウ。第1回シュビドゥバッジ争奪レースは、『ハラハラドキドキ障害物レース』! コースはこれだゾウ」
ランキングがコースを公開。
ランキング「様々な障害を乗り越え、ざるそばを落とさず、いかに早くゴールできるかを競う。それでは、選手は位置について! よーい……」
ランキングの咆哮が合図となり、全員走り出す。
ダークロー「お先!」
カバドス「ほら、どくドスよ」
ロボタック「ああっ! 待てバウ!」
カケル「ロボタック、頑張れよ!!」
監視「監視するゾウ!」
ランキングの助手の監視するゾウが、走行中の4人+カケルの後を追う。
ダークロー「ああ~、もう! カバドス、お前邪魔なんだよ!」
カバドス「うるさい!」
ダークロー「うるさいって言うな!」
ロボタック「バウ、バウ!」
そこに進行方向を示す看板が見えてきた。
しかし、その先にあるのはアパートのドア。
ダークロー「人んちじゃねぇか!」
アパートの中では、住人の山茶花がラーメンを食べようとしていた。
山茶花「カップラーメン、カップラーメン……」
ダークローがドアを破って入る。
山茶花「うわああっ!!」
カバドス「ホイホイ、ちょっと通るドスよ」
ミミーナ「お邪魔します!」
ロボタック「ごめんくださいましたバウ!」
カケル「ロボタック!」
監視「監視するゾウ! 監視するゾウ!」
山茶花「な、何なんだ……?」
現在、レースの首位はダークロー。
その行く先に、新しい進行方向の看板が見える。
ダークロー「おおっ! 今度は右かよ。右ってのはご飯を食べる時に、箸を持つ手の方向なんだよ。何を言ってるんだっちゅーの、もう、ほんと!」
カバドス「絶対に負けないドスよ!」
ロボタックたちはビルの屋上にやってくる。
ダークロー「おおっ、今度は左か。左っちゅうのは、ご飯を食べる時に…… 俺はしつこいんだっちゅーの、もう本当に。……カーッ!?」
ロボタックたちのいるビルと向かいのビルに、綱が繋がっている。
ダークロー「これを渡れっちゅーのか!?」
ダークローは目を回して気絶してしまう。
カバドス「もう、カラスのくせに高所恐怖症なんてシャレにならないドスね。わいに任せるドス。ジー・シャーック!!」
カバドスがジシャックチェンジを遂げ、スペシャルモードとなる。
カバドス「スペシャルモードなら、こんなの朝飯前ドス」
ミミーナ「私はウサギだもん、こんなのへっちゃらぴょん。ぴょーん!」
ダークローを抱えたカバドスとミミーナが綱渡りをする。
カケル「ロボタック、頑張れ!!」
ロボタック「よーし、行くバウ! バウ、バウ!」
ロボタックも綱を渡る。しかし、ロープが切れてしまう。
ロボタック「ああーっ!!」
カケル「ロボタック!!」
ロボタックは切れたロープを持って向かいのビルを貫通。
ビルから出てきたカバドスとダークローの真上に落ちてしまう。
ミミーナ「ロボタック!」
ダークロー「痛ってーな、もう!」
カバドス「なんでドス?」
このショックで、ダークローが目を覚ました。
ダークロー「負けてたまるかっちゅーに! お先!」
ミミーナ「ああっ!」
ロボタック「バウ……」
カバドス「わいも負けないドスよ! ……ああっ!」
ところが、カバドスはノーマルモードに戻ってしまう。
カバドス「スペシャルモードは、パワーを食うドス。エネルギー補給ドス……」
カバドスがざるそばを食べる。そこに監視するゾウが現れた。
監視「監視するゾウ。マスターランキング様~!!」
ランキング「カバドス、失格!」
ランキングが登場し、カバドスに失格を命じる。
カバドス「ええっ! そんなカバな……」
一方、こちらはレース中の面々。
ダークロー「俺がトップだっちゅーの!」
ロボタック「バウ! バウ!」
ミミーナ「ゴール、まだ?」
ダークロー「はっはっは! ……ん? な~んだ、もうゴールか。よーし、もらった!!」
ゴールの前にランキングの助手の邪魔するゾウが現れる。
邪魔「邪魔するゾウ!」
邪魔するゾウが岩を転がし、ロボタックたちを妨害する。
邪魔「邪魔するゾウ! 邪魔するゾウ!」
ダークロー「うわああっ! 男ダークローの意地、見せてやるっちゅーに! ジー・シャーック!!」
ダークローがジシャックチェンジを遂げる。
邪魔「邪魔するゾウ!」
ダークローのカラスライサーが岩を砕いていく。
ミミーナ「ああっ! ロボタック、あなたもジシャックチェンジできるんでしょ?」
ロボタック「そうバウ! ジー・シャーック!!」
しかし、ロボタックのワンダバッテリーが尽きてしまう。
ロボタック「ああっ、ダメだバウ。バッテリー不足バウ……」
ミミーナ「もう! だから充電しろって言ったのに!」
そこにカケルが駆け付けた。
カケル「ロボタック! ワンダフルートだ!」
ロボタック「そうだバウ!」
ダークロー「そうはさせるかっちゅーに!」
ダークローの投げたカラスライサーがワンダフルートを弾き飛ばす。
ロボタック「ああっ! ワンダフルートが……」
すると岩がロボタックを押し倒し、下敷きにしてしまう。
ロボタック「うわあっ!」
カケル「ロボタック!」
ミミーナ「大丈夫?」
ダークロー「お先に失礼! ハアッ!!」
カケル「ダークロー、ずるいぞ! ……ああっ!!」
別の岩がワンダフルートに迫る。
カケル「フルートが、潰されちゃう!! ……させるか!」
カケルが駆け出し、フルートを取ろうとする。
ミミーナ「カケル君!」
ロボタック「カケル……」
カケル「たあ──っ!!」
カケルは間一髪フルートを掴み取る。
カケル「ロボタック! ジシャックチェンジだ!!」
ロボタック「カケル!!」
カケルがフルートを吹くと、ロボタックのバッテリーが回復。
さらにロボタックの耳が光り出す。
ロボタック「パワーが、漲るバウ……! ジー・シャ──ック!!」
ロボタックがジシャックチェンジを遂げる。
ロボタック「勇気リンリン、腕はビンビン、笛の音色がワンダフル! ロボタック・アズ・ナンバーワン!!」
ミミーナ「すごいぴょん!」
カケル「かっこいい!」
しかし、ワンダフルートが消滅してしまう。
カケル「ああっ! 消えちゃった……」
一方、ゴールに向かうダークロー。
ダークロー「ぶっちぎりの優勝だっちゅーの!」
ロボタック「そうはいかないぜ!」
ダークロー「何!?」
ロボタックが岩を打ち砕いて前に進む。
ロボタック「はぁーっ!!」
ダークロー「カラスライサー!」
ロボタック「たあっ!!」
ロボタックがカラスライサーを弾き飛ばす。
ロボタック「RKバー!!」
ロボタックのRKバーが炸裂。ダークローがノーマルモードに戻ってしまう。
RKバーには、相手の頭を殴ると思考回路を狂わせる効果があるのだ。
ダークロー「ああ~っ、目が回ったっちゅーに!」
ロボタックが頂上にたどり着く。
邪魔「あー、疲れたゾウ……」
ミミーナ「今のうち、今のうち!」
ロボタック、ミミーナ、ダークローの順にゴール。
ロボタック「やった、1位だ!」
ミミーナ「やった、2位だぴょん!」
ダークロー「俺様は3位だっちゅーの……」
こうして、レースはロボタックの優勝に終わった。
ロボタック「わーいバウ!」
ダークロー「もう、こんな生活もうイヤだっちゅーの!」
カバドス「あ~、悔しい。ビリドス……」
ランキング「ロボタック、見事だったゾウ。さぁ、賞品だゾウ!」
オメデトロフィーの中のシュビドゥバッジがロボタックの手に渡る。
ロボタック「やったバウ~!」
そして、ロボタックはワンダーボックスの元にやって来た。
ロボタック「ワンダーボックスバウ。ついにランドツールが手に入るバウ……」
ロボタックはシュビドゥバッジをワンダーボックスにセット。
するとボックスの蓋が開く。
ロボタック「やった! ランドツールバウ!」
しかし、入っていたのは新しいワンダフルートと、その取扱説明書だった。
ロボタック「ああっ! な~んだ、ランドツールじゃないバウか……」
ボックスの蓋のくぼみが2つになる。
ロボタック「2つになった…… どういうことバウ!?」
ランキング「次のお宝が欲しければ、新たななぞなぞコンパスの謎を解き、シュビドゥバッジを手に入れるのだゾウ」
ロボタックは2枚目の巻物=なぞなぞコンパスを持ってカケルたちの元に戻って来た。
ロボタック「カケル!」
カケル「ロボタック、ランドツールは?」
ロボタック「ワンダーボックスに入ってたのは、新しいワンダフルートだったバウ」
ミミーナ「ふーん……」
カケル「消えちゃったから、ちょうどよかったじゃないか」
一方、カバドスはレースの罰ゲームを受けていた。
ダークロー「カバドス、先に帰ってるぞっちゅーに!」
カバドス「支店長代理、そりゃないドス! あ~、みんなも帰っちゃうんドスか?」
ミミーナ「バイバイ!」
カケル「バイバイ!」
ロボタック「バイバイバウ~!」
ロボタックたちが次々と帰っていく。
カバドス「足が疲れてきたドス。ちょっと休んじゃおう……」
カバドスは罰ゲームとしてマラソンをさせられていた。
カバドスが足を止めると、爆弾が爆発してしまう。
カバドス「うわああっ!!」
ランキング「カバドス、休んではいかん。ビリになった者には、罰ゲームを全うしてもらうゾウ!」
反省「反省するんだゾウ!」
ランキングの助手・反省するゾウの槍がカバドスを突き刺す。
カバドス「あいたっ!」
反省「反省をしろ! 反省をするんだゾウ!」
カバドス「やめて!」
シャードック探偵社。
カケル「酔っ払って、どこかに置き忘れちゃいけないと思って刑事さん、自分でコインロッカーに預けたんだね」
杉「ああ…… それを忘れちまうなんて、先輩らしいや。まぁ、ともかく5万円ゲットだ。2人とも、よくやった!」
ロボタック「それじゃあ、僕はこれでさよならバウ」
カケル「ええっ? 出て行っちゃうの!?」
ロボタック「2千円分の仕事はやったバウからね」
しかし、杉がそれを制止。
杉「甘いぜロボタック!」
ロボタック「バウ?」
杉「うちは時給1円だから、まだ5円分ぐらいしか働いてもらってねぇ。あとの1995円分は、住み込みで働いてもらわなきゃな」
ロボタック「そ、そんな~! 鬼バウ!」
杉、カケル「ははは!」
ロボタック「バウ~……」
最終更新:2024年05月31日 17:37