本郷「戦いはまだ、終わってはいないぞ!」
本郷「昭和ライダーと平成ライダーの戦い。あれはバダンを欺くための作戦の一部だったが、本当の思いでもあった」
鎧武「本当の思い?」
本郷「お前たちの生ぬるい優しさが今回の危機を招いたと言っても、過言ではない!」
鎧武「待ってくれ! だからって俺たちが戦うなんて……」
本郷「問答無用! ライダー……変身!」
本郷が仮面ライダー1号に変身。
1号「今度は手加減なしだ! 行くぞ!」
1号たち昭和ライダーたちが一斉に攻撃開始。鎧武たち平成ライダーがやむなく迎え撃ち、平成ライダー対昭和ライダーの混戦となる。
『フルチャージ』『ファイナルベント』『キック・サンダー・マッハ』『ライトニングソニック』
ライダーマン「マシンガンアーム!」
2号「ライダーキック!」
戦いは次第に激しさを増し、ついに必殺技同士の激突となる。
そして、鎧武と1号の一騎討ち。その激戦の様子を、鳴滝が見守っている。
鳴滝「最初のライダーと最新のライダーの勝負、果たして勝つのはどっちだ!?」
(※1)
1号「ライダーキィィ──ック!!」
1号が宙を舞い、必殺キックを繰り出す。
鎧武は避けようとするが、背後の何かに気づき、避けずにキックを真っ向から受け止める。
鎧武「くっ……! うわあぁぁっ!!」
パワー負けした鎧武が吹き飛ばされ、地面に叩きつけられる。
なおも詰め寄ろうとした1号が、鎧武の背後にあるものに気づく。
鎧武「うっ、うぅっ……」
1号「むっ!? ……私の負けだ」
ほかの平成ライダー、昭和ライダーたちも2人に気づき、戦いの手が止まる。
鳴滝「そうか! 鎧武は、かわせたはずのライダーキックを、敢えて受け止めた。それは……」
鎧武の背後に、一輪の花が咲いている。
鳴滝「一輪の花を守るため!」
1号「たとえ己を犠牲にしようとも、花一輪のために命をかける── その優しさを貫く強さこそ、本当の強さかもしれん」
鎧武「1号……」
1号「それを気づかせてくれたのは、お前だ。仮面ライダー鎧武!」
1号が差し伸べる手を、鎧武がしっかりと握り返す。
鎧武「へへっ……」
1号「うむ!」
(※2)
戦いが終わり、平成ライダー15人、昭和ライダー15人が海岸で見つめ合う。
1号「志は違えど、世代の壁を乗り越え、未来を作っていくのは若者だ。いいな!?」
鎧武「あぁ」
2号「昭和から平成へ──」
X「平成から、次の世代へ」
ウィザード「あぁ」
ゼクロス「仮面ライダーの戦いは、永遠に続く」
ダブル「うん」
1号「未来はお前たちに任せたぞ!」
鎧武「どこまでできるかわからないけど、やってみるよ」
平成ライダーたちと昭和ライダーたちが、それぞれ握手を交わす。
アマゾン「トモダチ……」
フォーゼ「任せろ!」
2号「頼んだぞ」
1号「鎧武!」
V3「お前たちならできる!」
電王「よっしゃぁ!」
X「もしまた迷ったら、海を見に来い」
ファイズ「あぁ。でも、もう大丈夫だ」
ゼクロス「お前の旅も、これで終わるのか?」
ディケイド「死に場所を捜す旅が、俺の生きる場所だとわかった。だから、俺の旅は終わらない」
鳴滝「おのれ、ディケイド!! ライダーってのは…… なんて素晴しいんだぁ!!」
ディケイド「鳴滝…… 俺もそう思う」
鎧武「仮面ライダーに、平成も昭和もない。世界の未来を守るため、これからも戦い続ける!」
1号「うむ」
鎧武「ははっ!」
エンディングテーマに乗せ、ライダーたちのその後の光景。
紘汰は舞と一緒に、パフェを食べている。
舞「やっぱり地球の内側に、世界なんてないのかなぁ?」
紘汰「ん? あぁ…… そうなのかなぁ?」
舞「ん、おいしい!」
紘汰「マジか? 俺にもくれ」
舞「ダメ! ダメダメ!」
ユグドラシルコーポレーションの、
仮面ライダー斬月こと呉島
貴虎と、弟の仮面ライダー龍玄こと
光実。
光実「今回の件は、ヘルヘイムと関係なかったですね」
貴虎「あぁ。引き続きプロジェクトを進めるぞ」
光実「はい」
翔太郎にペットのカメ捜しを押しつけられていた
仮面ライダーバロンこと
駆紋戒斗は、ペットショップでカメに見入っている。
店員「カメ、お捜しですか?」
戒斗「フン! 見てるだけだ」
仮面ライダーダブルこと左 翔太郎は、ペットのネコ捜しに明け暮れている。
翔太郎「おぉい、ミィちゃぁ~ん! おい、ミィちゃん、どこかな? ミャ~オ、ミャ~オ!」
仮面ライダーウィザードこと操真晴人は、旅の途中でドーナツを頬張っている。
仮面ライダーファイズこと乾 巧は、旅の途中で海を見つめている。
仮面ライダーXこと神 敬介は医師として、診療所で患者を相手にしている。
敬介「吐いてって言ってから吐いてね。はい、息吸って。よし…… はい、口開けて」
仮面ライダーゼクロスこと村雨 良は、セスナで旅だとうとしている。
仮面ライダーディケイドこと門谷 士は、灯台で、今回の件で自分たちの救った少年・シュウの写真を見つめている。
そして、仮面ライダー1号こと本郷 猛が、愛車のサイクロン号に跨り、どこかへと走り去って行く。
in memory of Tohru Hirayama (1929 - 2013) and Takao Nagaishi (1945 - 2013)
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劇場未公開版 昭和ライダー勝利バージョン
(※1から続く)
鎧武が必殺の、ナギナタ無双スライサーの構えに入る。
『ロックオフ』『ロックオン!』『イチ・ジュウ・ヒャク・セン・マン……』
1号は真っ向からそれを受け止めようと、身構えている。だが鎧武は技を繰り出さず、刃を収める。
鎧武「……俺の負けだ」
ほかの平成ライダー、昭和ライダーたちも2人に気づき、戦いの手が止まる。
鳴滝「そうか! 1号は反撃の機会があったのに、鎧武が最大の力を出せるまで待っていた! それだけ鎧武の強さに期待しているということか」
鎧武「その優しさを貫く強さこそ、本当の強さだと思う」
1号「よくぞ気づいた── さすがだぞ、仮面ライダー鎧武!」
鎧武「1号……!」
(※2へ続く)
最終更新:2016年10月18日 06:54