始まりは、ケープヨークだった
あれはまだ私が神父となる前の事だ
【杜王町:国見峠霊園】
アンジェロ「かつて…『ディアボロ』と呼ばれた男が居た…」
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ.....
アンジェロ「彼は…『矢』を手に入れた。そして私は…」
アンジェロが懐から、長方形のクリアケースを取り出した
「「(…『地図』ッ!?こいつが『ボス』かッ!)」」
アンジェロ「『地図』を…手に入れた。そして表では神父として、裏では『組織』の『ボス』に上り詰めた」
全ては――ケープヨークから始まったのだ
アンジェロ「私は『地図』に触れ、『スタンド』を獲得した。そして気付いたのだ
この世界の矛盾、即ち不条理に。何故貧困はなくならない。何故戦争は終わりを見せない」
アンジェロ「狂ったバランスは私が正す。全人類を『神のステージ』へ押し上げることで」
重松「詭弁だな。誰しも『全知全能』の存在に等、なりたくはない」
ワイアット「人間ってのは、『不完全』でこそ成り立つ生物だ
それが三ヵ月後の給食のメニューまで分かっちまう様な『神』になっちまっうなんて、ゾッとするね」
ワイアット「(だが読めない…何故弾丸はヤツを貫かない?ヤツの能力は…)」
アンジェロ「まぁいい…『ケープヨークの遺産』は返して貰おう
お前達には『尊い犠牲』になってもらうよ……」
そういって、アンジェロは衣服の『星型』が付いた部分を引き千切り、横合いに投げ捨てる
追うように、弾丸はその千切れられた衣服に飛びついて行く
アンジェロ「大方…そのバッヂを付けた者に『弾丸が絶対命中する能力』と言った所か」
ワイアット「チッ……」
アンジェロ「一つ教えてくれないか。何故私が『敵』だと分かった?」
重松「簡単な事だ。『バッヂに反応した』それだけで十分さ」
重松「それに…アンタは、『ヤル気満々』だったからな」
アンジェロ「成る程…私も勉強が足りないようだ」
ワイアット「『ワン・ショット・アット・グローリー』ッ!」
ワイアットの『スタンド』が、無数の弾丸を発射する
アンジェロはそれを避けようともせず、ただ立ち尽くしていた
ワイアット「(避けない…ッ!?だがッ!ならばッ!)」
ワイアット「直撃コースだァーーーッ!」
重松「(ヤツの『スタンド能力』…これで見極められるか?)」
アンジェロ「『シンギング・イン・ザ・レイン』…私は『弾丸を弾く外皮を持った生物に進化する』」
弾丸がアンジェロに直撃した――筈なのに
それらは全て弾かれ、方々へ散ってしまう
ワイアット「馬鹿な……ッ?!ヤツの『皮膚』が…」
重松「まるで『爬虫類』の鱗だッ!ヤツの『能力』は――」
アンジェロ「『一度の跳躍で30m跳ぶ脚力を持った生物へ進化する』」
アンジェロの両足が煌く
ズダンッ!
アンジェロが跳躍し、ワイアット達はそれを見上げる形となる
アンジェロ「『あらゆる物質を切り裂く爪を持った生物へ進化する』」
アンジェロの両手が煌く
ワイアット&重松「う、おおおォォォォォォッ!?」
二人は咄嗟に横っ飛びに飛ぶ
アンジェロの放った引っ掻きが、地面を大きく抉り取った
ワイアット「こ、コイツは……」
重松「『無限に進化する能力』……!」
アンジェロ「諦めろ。神へ祈る時間は与えよう」
ワイアット「ヘッ!戯言はその『恐怖のワニ人間』みてェーな容姿をどうにかしてからいいなッ!」
重松「『思わず動画をYouTubeにUPしたくなっちまう』ほどぶっ飛んだ野郎だな、コイツは!」
アンジェロ「愚かな羊達よ…狼に喰われる恐怖と言うものが分からんか」
アンジェロ「『音速で活動出来る身体能力を持った生物へ進化する』」
――ゴォ!!
ワイアット「(コイツは…ヤバイぜ…)」
重松「(努力はするがね…やれやれ…)」
「「(ジョジョ…お前に託すぞ…『未来』を!)」」
重松「如何に速くとも――」
アンジェロの動きか止まる
アンジェロ「ヌゥッ!?」
重松「――その進行方向に『重さ』という『壁』があったらどうするね!」
重松「『アンダー・プレッシャァァァァァァァ』ッ!」
アンジェロ「無駄だ、『重力を制御する生物に――」
ワイアット「そこだッ!『ワン・ショット・アット・グローリー』ッ!」
アンジェロ「無駄だッ!」
カンカンカンカンカン!
アンジェロの肌に当たった弾丸は、その強固な皮膚に阻まれ、弾かれてしまう
ワイアット「いいんだぜ…その『位置』がすげェーイイ…」
アンジェロの目の前、足元には、先程破り捨てた『星型のマーカー付き』の切れ端が、落ちていた
アンジェロ「まさか……ッ!?チッ、『重力を制御する生物へ進化する』ッ!」
ワイアット「弾丸は『帰って来る』ッ!普通にやってもお前の皮膚は貫けない…ならッ!」
『切れ端』目掛けて戻ってきた弾丸が、アンジェロの背中に激突する
アンジェロ「ぐ、ォォォオッ!?」
重松「貴様自身は『重く』出来なくてもいい…『弾丸を重くする』ッ!」
アンジェロ「ヌゥゥアアアアアアッ!!」
ワイアット「『吸血鬼に打ち込む杭』みたいなもんさ…弾丸の杭でテメェーを対峙してやるよッ!」
アンジェロ「(この弾丸は言わば『精神エネルギー弾』…自壊は『有り得ない』)」
アンジェロ「ま、マズイ……ッ!」
重松「脱出不可能だッ!」
ワイアット「ダメ押しの止めを食らえッ!」
杭のように並んだ弾丸の最後尾に、それを押し込むように一発の弾丸が直撃する
ズ、ズズズズズズズズッ
――ブシャアッ!
アンジェロ「………」
弾丸がアンジェロの心臓を貫通し、切れ端に激突し、消えて行く
辺り一面は血に染まり、アンジェロは其処へ崩れ落ちた
ワイアット「終わった…」
重松「ああ…もう少し長引いていたら、負けていた」
ワイアット「これで――」
――ドスッ
ワイアット「な、にィ……ッ」
重松「ワイアッ――ゴフゥッ?!」
二人の腹から、黄金の腕が突き出されていた
いや、黄金ではなく、血で染まった、真紅の腕が
アンジェロ「『心臓を二つ持つ生物に進化した』…いやギリギリだったよ」
ワイアット「ゴフッ…馬鹿な…クソッ!」
重松「『アンダ…」
アンジェロ「此処まで私を追い詰めた褒美に、チャンスをやろう
まぁ、失敗したら今より悲惨なことになるだろうがね」
ワイアット「?!こ、コレは……」
重松「ひ、皮膚が鱗のように…ッ!?」
ワイアット「手が『水掻き』みたいに…!?なんだコレはァーーーッ!」
アンジェロ「『シンギング・イン・ザ・レイン』で君達を『進化』させる」
アンジェロ「最も無謀な進化の先にあるのは――」
ワイアット「うおおォォォォォオッ!?」
重松「か、身体が…」
バシュウッ!
アンジェロ「――『個の消滅』、だがね」
『シンギング・イン・ザ・レイン』の腕には、灰のような二人の『残りカス』が付いていた
それもやがて、風に吹かれ虚空を彷徨う
『重松重一』と『ワイアット・アープ』という人間は――『消滅』した.......
アンジェロ「全ては『ケープヨーク』の『ウイルス』から始まった『戦争』なのだ……」
【スタンド名:アンダー・プレッシャー】
【本体名:重松重一】
【スタンド名:ワン・ショット・アット・グローリー】
【本体名:ワイアット・アープ】
敗北、消滅......
【スタンド名:シンギング・イン・ザ・レイン】
【本体名:アンジェロ】
勝利、『地図』を持った者を捜す
To Be Continued.......
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