砂浜沿いの道路。水着姿の若者がゾロゾロと道路沿いの歩道を歩く中、
車道の端には場違いすぎて逆に背景に同化してしまうほどに立派なリムジンが停められていた。
バアッ! とマンガにしたら見開き2ページ使うほどに豪快にリムジンから飛び出す少女がいた。
そして、彼女とほぼ同時に「やれやれ」といった空気を吐き出しつつ現れるもう一人の少女も。
車道の端には場違いすぎて逆に背景に同化してしまうほどに立派なリムジンが停められていた。
バアッ! とマンガにしたら見開き2ページ使うほどに豪快にリムジンから飛び出す少女がいた。
そして、彼女とほぼ同時に「やれやれ」といった空気を吐き出しつつ現れるもう一人の少女も。
「海! 海よ! 夏といえば海! 暑いって素敵―――ッ!」
「意味がわかんないわ」
「意味がわかんないわ」
――海。
一面に広がる砂浜と海原、それから視界の端に移る灰色の整備された地面。
一行がやってきている”深森海水浴場”は、S市内唯一の海水浴場だ。
深森海水浴場は2015年に起きたクラゲ大量発生により、6年ほど遊泳禁止となっていたが、
前年――つまり2021年、表向きクラゲの駆除作業が終了し、今年度、7年ぶりに満を辞しての一般公開となった。
(といっても、実質クラゲ駆除は最初の2年で終了しており、今回の遊泳解禁は海水浴場に隣接して建てられた
ジムやコンビニなどの「周辺施設」のオープンにあわせた形になっている)
自然のままの風景(を残しているように見える)と、人の手が加えられたことがありありとわかる施設。
2020年代
その二つが景観をこわさない”ギリギリ”のところで調和されている、『近未来の風景』である。
一面に広がる砂浜と海原、それから視界の端に移る灰色の整備された地面。
一行がやってきている”深森海水浴場”は、S市内唯一の海水浴場だ。
深森海水浴場は2015年に起きたクラゲ大量発生により、6年ほど遊泳禁止となっていたが、
前年――つまり2021年、表向きクラゲの駆除作業が終了し、今年度、7年ぶりに満を辞しての一般公開となった。
(といっても、実質クラゲ駆除は最初の2年で終了しており、今回の遊泳解禁は海水浴場に隣接して建てられた
ジムやコンビニなどの「周辺施設」のオープンにあわせた形になっている)
自然のままの風景(を残しているように見える)と、人の手が加えられたことがありありとわかる施設。
2020年代
その二つが景観をこわさない”ギリギリ”のところで調和されている、『近未来の風景』である。
杜王区から車で1時間強のその場所に、彼女たちはやってきていた。
「いやだって、海よ、海! この一面の砂浜を見るだけで心の底からやる気みたいなものが沸いてこない!?」
どこか……いや、どこから見てもそわそわした様子で那由多に向き直るのは我らが主人公上野譲華だ。
今回は普段のような服装ではなく、水色を基調にした女の子らしいツーピースの水着を身に纏い、階段を駆け下りて砂浜に向かっている。
サンダルさえ履く手間がおしいと考えているのか、ボトムより下は裸と同じ――まどろっこしいが要するに裸足だ。
この装備は、譲華に砂浜に残る気がなく、今日と言う時間の大半を海の中で過ごす腹積もりである、ということを証明していた。
今回は普段のような服装ではなく、水色を基調にした女の子らしいツーピースの水着を身に纏い、階段を駆け下りて砂浜に向かっている。
サンダルさえ履く手間がおしいと考えているのか、ボトムより下は裸と同じ――まどろっこしいが要するに裸足だ。
この装備は、譲華に砂浜に残る気がなく、今日と言う時間の大半を海の中で過ごす腹積もりである、ということを証明していた。
「……ったく。ガキじゃあないんだからそんなにはしゃいでんじゃあないわよ……」
「だって海ってうぁあちっ!?」
「だって海ってうぁあちっ!?」
砂浜の表面温度は、最も熱くなる午後1時で摂氏60度にもなる。
現在の砂浜の温度は、摂氏にして50度ほど。リムジンの冷房が利いた環境で着替えを済ました譲華は、
この熱さに耐えられるほどの”心の準備”はできていなかった。つまり――
現在の砂浜の温度は、摂氏にして50度ほど。リムジンの冷房が利いた環境で着替えを済ました譲華は、
この熱さに耐えられるほどの”心の準備”はできていなかった。つまり――
「あつっ! ってうおァァああああ!? なにこの燃え尽きるほどヒート的砂浜は――っ!?」
ゴロゴロロ!! といういかにもコミカルな音をたてて、譲華はバランスを崩して転がる。
しかし、転がってもそこは摂氏50度の火の地面。肩・腿・頬などを次々と熱せられ、熱い熱いといいながらさらに転がり、熱がる。
友人がじっくりこんがり狐色に変わっていく光景を見ながら、那由多はまた ため息をついた。
しかし、転がってもそこは摂氏50度の火の地面。肩・腿・頬などを次々と熱せられ、熱い熱いといいながらさらに転がり、熱がる。
友人がじっくりこんがり狐色に変わっていく光景を見ながら、那由多はまた ため息をついた。
その那由多は、なにやらカジュアルな色彩のチェックの水着の上に$のバッジがついたパーカーを羽織っている。
この服は昨日譲華と一緒にほぼ一日かけて選んだモノであり、実は那由多もかなりノリノリだったわけなのだが、
そこのところは絶対に他のやつらには口外しないし、そんな様子は微塵も見せない。
この服は昨日譲華と一緒にほぼ一日かけて選んだモノであり、実は那由多もかなりノリノリだったわけなのだが、
そこのところは絶対に他のやつらには口外しないし、そんな様子は微塵も見せない。
「お? そういう割には那由多、パーカーに値札がついてるが」
「えっ!? うそ! ちゃんと確認したはず!!」
「えっ!? うそ! ちゃんと確認したはず!!」
後ろからかけられたことばに、那由多ははじかれたようにパーカーを確認する。
…………もちろん、値札なんてついていない。当然だ。そういう凡ミスは絶対に起こさないように細心の注意を払っている。
…………もちろん、値札なんてついていない。当然だ。そういう凡ミスは絶対に起こさないように細心の注意を払っている。
「ああウソだ。だがマヌケは見つかったようだな」
普段のクールな印象とは裏腹に、大分と水着の布面積が少ないビキニを着用している寒月が、ニヤリと笑った。
那由多は赤面するしかなかった。
「あんだ~? 那由多、けっこうノリノリじゃ~ん」
さらに背後から那由多に抱きかかるように話しかけたのは、慧だ。
彼女もタンクトップタイプのトップにスパッツのような形のボトムの水着を身に着けている。勿論色は青と白のストライプである。
もはや既に赤面モードに入ってしまった那由多は、普段なら跳ね除けるその行動に抵抗さえできない。
それをいいことに、慧はつんつんと那由多の色んなところをつっついて遊ぶ。
この後、大抵慧は死ぬよりも酷い目に遭うのだが、そこを学習せずに何度も繰り返すのが彼女の”イイ”ところである。
彼女もタンクトップタイプのトップにスパッツのような形のボトムの水着を身に着けている。勿論色は青と白のストライプである。
もはや既に赤面モードに入ってしまった那由多は、普段なら跳ね除けるその行動に抵抗さえできない。
それをいいことに、慧はつんつんと那由多の色んなところをつっついて遊ぶ。
この後、大抵慧は死ぬよりも酷い目に遭うのだが、そこを学習せずに何度も繰り返すのが彼女の”イイ”ところである。
「フゥ~~……人付き合いは第一印象が全て……って言うけど……。
その点ではあの人たちとの人付き合いは絶望的、と考察するのが妥当かしらね?」
『さすがあねさん、最初っから辛口姿勢でし』
その点ではあの人たちとの人付き合いは絶望的、と考察するのが妥当かしらね?」
『さすがあねさん、最初っから辛口姿勢でし』
次いで、リムジンから一人と一匹が降り立つ。
鏡花は子供らしからぬ大人っぽい色彩のツーピース水着に身を包んでいる。
もっとも、譲華たち高校生陣とくらべるとどうしても体型的に見劣りしてしまうのだが。
そのすぐ後ろを、沈んだ様子で出てきたのがカニ子だ。彼女もまたオレンジを基調としたビキニ姿だが、
直前に鏡花に「どおッスか? あたしのセクシー悩殺ばでぃは!」とセクシーポーズをかましたところ、
「貧乳乙」と一蹴されてしまい、心に著しいダメージを負っていたのだった。
ちなみにバストのサイズは今海水浴場に来ているメンバーの中ではカニ子が最薄である。最新ノーパソ並だ。
同時にあらわれた明日香は、自分の年齢を弁えているためか、胸のなさはあまり気にかけていない。
彼女の信条と同様、”自分に胸がない”のを否定する事は貧乳である事よりもおろかしい事なのだ。
フリルのついたかわいらしいパステルの色彩のワンピース水着を惜しげもなく晒す。黒服が心持前かがみになったが気にしない。
鏡花は子供らしからぬ大人っぽい色彩のツーピース水着に身を包んでいる。
もっとも、譲華たち高校生陣とくらべるとどうしても体型的に見劣りしてしまうのだが。
そのすぐ後ろを、沈んだ様子で出てきたのがカニ子だ。彼女もまたオレンジを基調としたビキニ姿だが、
直前に鏡花に「どおッスか? あたしのセクシー悩殺ばでぃは!」とセクシーポーズをかましたところ、
「貧乳乙」と一蹴されてしまい、心に著しいダメージを負っていたのだった。
ちなみにバストのサイズは今海水浴場に来ているメンバーの中ではカニ子が最薄である。最新ノーパソ並だ。
同時にあらわれた明日香は、自分の年齢を弁えているためか、胸のなさはあまり気にかけていない。
彼女の信条と同様、”自分に胸がない”のを否定する事は貧乳である事よりもおろかしい事なのだ。
フリルのついたかわいらしいパステルの色彩のワンピース水着を惜しげもなく晒す。黒服が心持前かがみになったが気にしない。
そして最後に現れたのが、本日女性陣最年長の村上晴喜(23)だ。
やはり大人としての意地があるのか、寒月に次いで布の少ない水着を着用している。
しかし、特筆すべきはその露出度ではなかった。普段の野暮ったいファッションで隠れてしまっている、彼女の美貌。
やはり海に入り濡れることを考慮しているのか、髪は健康的に整えられ、メガネも今はしていない。
黒服の屈み加減がさらに深くなったが気にしない。彼はどっちもいける感じだった。
やはり大人としての意地があるのか、寒月に次いで布の少ない水着を着用している。
しかし、特筆すべきはその露出度ではなかった。普段の野暮ったいファッションで隠れてしまっている、彼女の美貌。
やはり海に入り濡れることを考慮しているのか、髪は健康的に整えられ、メガネも今はしていない。
黒服の屈み加減がさらに深くなったが気にしない。彼はどっちもいける感じだった。
「……眼福ですねぇ。読者の皆さん」
「……は?」
「……は?」
「失礼、噛みました。正しくは”靖成さん”です」
女子の着替え、という名目でリムジンから追い出された三人(靖成、黒服、そしてもう一人は運転手のジイだ)の一人、
先程のはファンサービス(誰に向けてかは不明だが)らしく、平常に戻った黒服はそういうと何食わぬ表情で靖成のほうへ向き直る。
ちなみにこの三人は夏場だと言うのに普段のスーツ・黒コートを装備していた。流石に靴は履かずにサンダルを履いてはいるが。
問われた靖成はというと、少なくとも黒服のように浮ついた気分ではいられなかった。
妻帯者、という立場もあるが、それ以上に直前までの出来事がショックだったのだ。
先程のはファンサービス(誰に向けてかは不明だが)らしく、平常に戻った黒服はそういうと何食わぬ表情で靖成のほうへ向き直る。
ちなみにこの三人は夏場だと言うのに普段のスーツ・黒コートを装備していた。流石に靴は履かずにサンダルを履いてはいるが。
問われた靖成はというと、少なくとも黒服のように浮ついた気分ではいられなかった。
妻帯者、という立場もあるが、それ以上に直前までの出来事がショックだったのだ。
「……まだ、16歳だぞ? おれが16の時は、リムジンに乗るなんて想像もしなかったもんだがな」
……この深森海水浴場まで来たのは、靖成の車(レンタカーだが)ではない。
さすがに人数が多すぎる、ということで、淡島家のリムジンに乗ってきたのだ。
一般庶民である靖成は、リムジン、という乗り物に縁がなさすぎた。
おっかなびっくり乗り込んで、おっかなびっくり降りたのだが、他の面子――
社長令嬢である淡島寒月や千秋寺明日香はまあ、平常でも分かる。
SPWの職員である黒服も、こういう機会には多々関わっているだろうから、分からなくもない。
だが同じ庶民である上野譲華、虹村那由多、愛川慧をはじめ、泉鏡花、カニ子、村上晴喜、
さらには常識スタンドキャッツ・グローブまで平静を保っているというのはどういうことだろうか。
さすがに人数が多すぎる、ということで、淡島家のリムジンに乗ってきたのだ。
一般庶民である靖成は、リムジン、という乗り物に縁がなさすぎた。
おっかなびっくり乗り込んで、おっかなびっくり降りたのだが、他の面子――
社長令嬢である淡島寒月や千秋寺明日香はまあ、平常でも分かる。
SPWの職員である黒服も、こういう機会には多々関わっているだろうから、分からなくもない。
だが同じ庶民である上野譲華、虹村那由多、愛川慧をはじめ、泉鏡花、カニ子、村上晴喜、
さらには常識スタンドキャッツ・グローブまで平静を保っているというのはどういうことだろうか。
これは断じて納得がいく状況ではない。自分をナメている。
自分の短気な古い友人ならば、リムジンを四等分するくらいにナメた状況だろう。
さらには譲華だ。はしゃぎまくってリムジンにジュースをこぼしても、「あ、ごめ」で済ませ、
当の寒月でさえ「だからはしゃぐなと言ったろう」と呆れながらウェットティッシュを使って
それだけで靖成の月給に相当しそうな座席ををゴシゴシこする始末。
自分の短気な古い友人ならば、リムジンを四等分するくらいにナメた状況だろう。
さらには譲華だ。はしゃぎまくってリムジンにジュースをこぼしても、「あ、ごめ」で済ませ、
当の寒月でさえ「だからはしゃぐなと言ったろう」と呆れながらウェットティッシュを使って
それだけで靖成の月給に相当しそうな座席ををゴシゴシこする始末。
その様子を回想した靖成が一言。
「ジェネレーションギャップってやつなのかな、もう俺も「いまどきの若いやつ」とか言っちゃう歳なのか……時間は残酷だな……」
リアル
「現実時間だとほんの数ヶ月ですけどね」
「えっ?」
「失礼、噛みました。今のはナシで」
「…………えっ?」
リアル
「現実時間だとほんの数ヶ月ですけどね」
「えっ?」
「失礼、噛みました。今のはナシで」
「…………えっ?」
黒服は相変わらずだった。
――海中。
譲華一行が砂浜の入り口でそんな風にたむろしているなか、海の中では不気味に水泡が蠢いていた。
日本の海とは思えないほどに透き通ったS市の海に、赤黒い濁りが生まれる。
「それ」は自らの口内からあふれ出る濁りを視界の端に認めると、それを吸い込むがごとく口内にあったものを咀嚼した。
譲華一行が砂浜の入り口でそんな風にたむろしているなか、海の中では不気味に水泡が蠢いていた。
日本の海とは思えないほどに透き通ったS市の海に、赤黒い濁りが生まれる。
「それ」は自らの口内からあふれ出る濁りを視界の端に認めると、それを吸い込むがごとく口内にあったものを咀嚼した。
10:「海水浴に行こう!」の巻
――7月29日――S市内、深森海水浴場――
ギャーギャー 慧シネー
ヤメテーユルシテー
ヤメテーユルシテー
黒服「それはさておき、なのですが」
靖成「……なんだ?」
靖成「……なんだ?」
黒服「どうも、この界隈に”海の通り魔”がひそんでいるそうです。
くわしいことはよくわかりませんが、何かで『千切られたような』傷口を持った魚を、漁師たちが発見したと。
まだ少数ではありますが、船に深い切り傷が付けられたという情報も報告されています」
靖成「……とはいえ、譲華たちがその程度に対応できねぇとは思いがたいが……一応忠告しておくか」
くわしいことはよくわかりませんが、何かで『千切られたような』傷口を持った魚を、漁師たちが発見したと。
まだ少数ではありますが、船に深い切り傷が付けられたという情報も報告されています」
靖成「……とはいえ、譲華たちがその程度に対応できねぇとは思いがたいが……一応忠告しておくか」
靖成「おい、おまえら!」
シィ―――ン
黒服「…………既にいませんね」
靖成「……オーマイ」
靖成「……オーマイ」
――side譲華――
譲華「那由多~、そのくらいで許してあげなよ……」
慧「う、ひぐっ、うっうっ」グスッ
那由多「……ったく」
LMS ・・・ズゥ
LMS ・・・ズゥ
寒月「やれやれだ」・・・ヌ
譲華「寒月、なにそれ?」
譲華「寒月、なにそれ?」
寒月「ビーチボールだ」
譲華「どう見てもスパイクボールにしか見えないんだけど」
譲華「どう見てもスパイクボールにしか見えないんだけど」
寒月「気のせいだ。さあ、ビーチバレーをしよう」
譲華「ふざけろ」
譲華「ふざけろ」
寒月「いいじゃあないか! ちょっとトゲが生えてるくらい!」
譲華「よくない! っつーかそれのどこがちょっとよ! トゲの生えてない面積の方が少ないどころかトゲが生えてるところしか
ないじゃない! スパイクボールっつーかボールスパイクじゃんそれ! ボールがスパイクを形容しちゃってるわよ!」
寒月「よく分からんツッコミどうもありがとう」
譲華「死ね!」
譲華「よくない! っつーかそれのどこがちょっとよ! トゲの生えてない面積の方が少ないどころかトゲが生えてるところしか
ないじゃない! スパイクボールっつーかボールスパイクじゃんそれ! ボールがスパイクを形容しちゃってるわよ!」
寒月「よく分からんツッコミどうもありがとう」
譲華「死ね!」
アーデモナイ コーデモナイ
寒月「まあそんなこんなで譲華がいちいち文句つけてくるせいで長引いたが、やっとビーチバレーができるな」
譲華「あたしもうツッコまないわよ」
譲華「あたしもうツッコまないわよ」
寒月「……」ショボン
譲華「捨てられた子犬みたいな目で見つめてもダメ!」
譲華「捨てられた子犬みたいな目で見つめてもダメ!」
慧「コントはいいからさっさとやろうぜ」ザッ
那由多「やる気じゃない」ザッ
寒月「よぉーし、行くぞ……ッ!」ヒュッ
パコォン
・・・ヒュルルル
寒月「……あー、あぁー……」
ヒュー ポチャァン
寒月「……そういえば今日は風が強くなると言っていたな……」
那由多「ボールが飛んでった方向と風向は真逆だけどね」
那由多「ボールが飛んでった方向と風向は真逆だけどね」
譲華「おいノーコン」
寒月「ノーコンではない、ちょっとボールの機嫌が悪かっただけだ」
譲華「言い訳してんじゃねえよノーコン! そういえばおまえ体育の成績なんだっけ!?」
寒月「おまっ……! 結構気にしていることを……! それを言ったらお前なんかテスト理系壊滅だったじゃないか!」
譲華「かっ過去のことをいつまでも愚痴愚痴言ってんじゃないわよ! このカタツムリ!」
寒月「それは承知の上の”ファッション”だバーカ! きさまなんぞヘラクレスに踏み潰されて星座になれ!」
譲華「てめー今あたしのこの髪型の事なん」
寒月「ノーコンではない、ちょっとボールの機嫌が悪かっただけだ」
譲華「言い訳してんじゃねえよノーコン! そういえばおまえ体育の成績なんだっけ!?」
寒月「おまっ……! 結構気にしていることを……! それを言ったらお前なんかテスト理系壊滅だったじゃないか!」
譲華「かっ過去のことをいつまでも愚痴愚痴言ってんじゃないわよ! このカタツムリ!」
寒月「それは承知の上の”ファッション”だバーカ! きさまなんぞヘラクレスに踏み潰されて星座になれ!」
譲華「てめー今あたしのこの髪型の事なん」
那由多「ダラァ!」バギッ
譲華
寒月「「ごふぅ!」」
寒月「「ごふぅ!」」
那由多「落ち着けバカども」
慧「そうこう言ってるうちにボールがどんどん沖に流されていくぜ……」
慧「そうこう言ってるうちにボールがどんどん沖に流されていくぜ……」
譲華「……チッ、ここは抑えてやる」
譲華「キャッツ――……は鏡花んところか……」
寒月「ごめん譲華。ボール取りに行ってくれ」
譲華「ったく、面倒くさいわねー……」
譲華「ったく、面倒くさいわねー……」
譲華 チャプ・・・
ゴポゴポ・・・(髪型が一切崩れていないのはお約束である)
譲華「(ったく、人使いが荒いのよ。お嬢さま癖でもついてんじゃないの、アイツ……)」ザバッザバッ
ボール プカプカ
譲華「(もうあんな遠くまで流されてるし……)」ザバッ ザバッ
譲華「(さーて、ボー……)」スゥ・・・
ボール ドパァン!!
譲華 !!
譲華「(ボールが……破裂した……!)」
ド ド ド ド
譲華「(『スタンド攻撃』!? ……しかしこんな海の中で? 今の破裂、かなりのパワーだった……)」
ザブンッ
コポポ・・・
譲華「(おそらく『近距離パワー型』……だと思うんだけど、まわりに本体らしき人影は見えないわね……)」
ザボボ――
譲華 !! バッ
CE ガィインッ!
?? ザボボ
譲華「(なに……!? 今の……『魚雷』……のような? 機械……が……! まったくとらえられなかった……。
水音で咄嗟に『クリスタル・エンパイア』を構えなければ、やられていた…………!)」
水音で咄嗟に『クリスタル・エンパイア』を構えなければ、やられていた…………!)」
譲華「(なんにしても、このまま一人でいるのは『マズイ』。相手は水中を自由に動き回れるスタンドのようだし)」
譲華「(それじゃあ一丁やりますか―――!!)」
譲華「(『クリスタル・エンパイア』ッ!!!)」
CE『ドラアアアッ!!』ブンッ
CE『ドラアアアッ!!』ブンッ
ドッパアアアアアアアアアアン!!
――side那由多――
那由多「―――ッ!? なに、あの爆発! 譲華のいる方向よね!?」
寒月「いや――あれは爆発じゃあないようだぞ。『水飛沫』だ。
おそらく、『クリスタル・エンパイア』で思い切り水飛沫を巻きあげたのだろう。あいつなりの『サイン』だ」
慧「悠長にしてる場合じゃあなさそうだぜッ! どうする!?」
寒月「いや――あれは爆発じゃあないようだぞ。『水飛沫』だ。
おそらく、『クリスタル・エンパイア』で思い切り水飛沫を巻きあげたのだろう。あいつなりの『サイン』だ」
慧「悠長にしてる場合じゃあなさそうだぜッ! どうする!?」
那由多「決まってるじゃない」
那由多「行くわよ!」
――side譲華――
譲華「(……これで、那由多たちは来る。それまで、あたしはこいつをなんとか抑えきらないとッ!)」
譲華「(そしてまずは、敵スタンドの謎を暴かないと……。
遠隔操作(少なくとも本体は近くにはいない)なのに、このスピードとパワー。
遠隔操作タイプなのにチョコマカと素早い『シアター・オブ・ペイン』だって、あたしとどっこいどっこいよ?)」
遠隔操作(少なくとも本体は近くにはいない)なのに、このスピードとパワー。
遠隔操作タイプなのにチョコマカと素早い『シアター・オブ・ペイン』だって、あたしとどっこいどっこいよ?)」
ジュボオオボボボ
譲華 バッ
?? シュバボボ
?? シュバボボ
譲華 バッ
?? シュバボボ
?? シュバボボ
譲華「(~~~~ッ!! もっとも厄介なのがこの『スピード』! 視界にとらえることさえ難しい……!)」
譲華「…………?」
?? ゾゾゾゾゾ・・・
譲華「(さっきから、コイツ段々とあたしに『近づいて』きてない……?)」
ド ド ド ド
?? ゾゾゾゾ ・・・
譲華「(やッ やっぱりだッ! こいつ、少しずつだがあたしに接近してきている!
まるで蚊取り線香が少しずつ削られていくみたいに、ゆっくりだが、しかし確実に!!)」
まるで蚊取り線香が少しずつ削られていくみたいに、ゆっくりだが、しかし確実に!!)」
ド ド ド ド
譲華「(なんだかよく分からないけど、こいつのパワーとスピードの謎は後回し……ッ!
とりあえず、こいつをかわさないと…………!)」
とりあえず、こいつをかわさないと…………!)」
ド ド ド
譲華「(――!! そうだ! 右も左も前も後ろもダメなら、上と下があるじゃない!)」
譲華 ガボボォ
?? ゾゾォ!
譲華 !
譲華「(だ、だめだ……! あたしが上に上がると軌道修正してきやがる……!)」
... .. . . . ... ... . ..
譲華「(ちょっと上に上がるくらいじゃダメだッ!!)」
... .. . . . ... ... . ..
譲華「(ちょっと上に上がるくらいじゃダメだッ!!)」
譲華「(『クリスタル・エンパイア』!)」
CE『ドラアアアアアアアアア』ドッパアアアンッ
CE『ドラアアアアアアアアア』ドッパアアアンッ
譲華「うぐっ」 ダパアアンッ
譲華「(『クリスタル・エンパイア』ですぐ近くの水を思いっきり上に打ち上げさせた……。
その流れにのって、あたし自身もなんとか海面まで上がってこれた……けど……)」
その流れにのって、あたし自身もなんとか海面まで上がってこれた……けど……)」
譲華「ぐっ がはっ! ごぉえ!」ゲホゲホ
譲華「(これやると体力的にキツイからやりたくなかったのよね~~……っ)」
?? ギュンッ! ギュンッ!
譲華「(そしてやっぱり上昇してきたか……。でも、あたしの急上昇に対応しきれてないわッ!
『待ち構える』この位置ならあんたの動きだって見切れ……あれ?)」
『待ち構える』この位置ならあんたの動きだって見切れ……あれ?)」
ド ド ド ド
?? ズゾゾゾゾゾ
. .
譲華「(おかしいわね……。遅い。あたしの肉眼でも捕らえられるほどに……)」
. .
譲華「(おかしいわね……。遅い。あたしの肉眼でも捕らえられるほどに……)」
譲華「(冷静になって考えてみれば、迎え撃つ体勢だからって見切れるほどナマッチョロイスピードじゃあなかったはずだわ。
それが、今では万全の体勢で迎え撃てるほどのノロマなスピードになっている……。(まあそれでも十分速いけど))」
それが、今では万全の体勢で迎え撃てるほどのノロマなスピードになっている……。(まあそれでも十分速いけど))」
譲華「(なんなの? 水面に近づくほどに速度が遅く……いや、『動きが慎重に』なっている?)」
慧「譲華ァ!」ザッパ ザッパ
譲華「あ! 慧! 寒月たちも!」バッ
譲華「ちょッ! ストップ! そこから先は来ちゃダメよ!」
那由多「……?」
寒月「……コイツか」
?? ゾゾゾ
譲華「今はゆっくりだけど、そいつ、かなりの『スピード』を持ってるわ! あたしの『クリスタル・エンパイア』よりもずっと!」
ド ド ド
寒月「……にしては、本体がいないようだが……」
那由多「『遠隔操作タイプ』? だとしたら、この「スピード」の理由があるはず……」
那由多「『遠隔操作タイプ』? だとしたら、この「スピード」の理由があるはず……」
?? ザボンッ
寒月「も、もぐったッ!」
譲華「気を付けて! そいつ、『水面近く』だと何か遠慮してるのか、スピードはゆっくりになるけど、
水中だととてつもないスピードを発揮するわよ!」
譲華「気を付けて! そいつ、『水面近く』だと何か遠慮してるのか、スピードはゆっくりになるけど、
水中だととてつもないスピードを発揮するわよ!」
?? ド ド ド ド
慧「……! そいつはおれに任せな!」
寒月「……!? 慧!?」
慧 ザブンッ
?? ズギュオオオオオオッ
慧 オオオオオオオ――ッ
慧「(おれは……こいつと「同じ」タイプのスタンドを知っているッ! こいつは……)」
?? ド ド ド ド
慧「(『纏うタイプ』のスタンド! 由月の『レックス・ハリソン』と同じようなッ!)」
慧「(これで本体がいない説明はつくぜッ!)」
ド ド ド
?? ズドドドド
慧「(確かに素早いようだな……だが……)」
STM『テメェ動きが直線的過ぎるぜッ! セリャアアッ!!』ドヒュッ
?? バギッ グギギ
STM『おれにてめーをブチ壊す力はねー……』ゴゴゴ
STM『だがな……』ドドド
STM『培った「達人の技」はてめーの衝撃を「上」に逃がすくらい、どうってことないんだぜッ!』グイッ!
??「アギッ!?」グオオオオッ
?? ドッパアアアアアンッ
譲華「あっ、あれは!」
??「アギャアアアアアッ!!」ドドド
那由多「あの『シルエット』は……「ペンギン」!」
慧 プハァ!
慧「あのスタンドは『遠隔操作タイプ』じゃあねえ! 『纏うタイプ』だ!
おそらく本体は「ペンギン」そのもの!!」
おそらく本体は「ペンギン」そのもの!!」
譲華「グッジョブよォ~~慧! 空中に浮かんでれば身動きは取れないでしょぉ!?」
譲華「『クリスタル・エンパイア』!!」
CE ゴオオオオッ
CE ゴオオオオッ
ペンギン「ギイイイイイッ!」クゥ
CE『ドラアアッ!!』ドッゴォ!
CE『ドラアアッ!!』ドッゴォ!
ペンギン「ク……ギィィィイイイイYYYYYYYYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAHHHHHH―――ッ!」グルウッ
ペンギン ドドッパアアンッ
譲華「やったわ! 鳥の骨ってのはスカスカだからね……。いくらスタンドの防御の上だからっつっても、
あたしの『クリスタル・エンパイア』の直撃を食らったら再起不能でしょ」
あたしの『クリスタル・エンパイア』の直撃を食らったら再起不能でしょ」
寒月「いや、その考えは甘いぞ」
慧「!?」
慧「!?」
寒月「そもそもなぜ鳥類の骨がスカスカなのか、知ってるか?
鳥類っていうのは、空を飛ぶ生き物だ。骨がぎっしり詰まっていると、
体が重くなって空を飛ぶことができなくなるから、鳥類の骨はスカスカなのだ」
那由多「つまり……」
鳥類っていうのは、空を飛ぶ生き物だ。骨がぎっしり詰まっていると、
体が重くなって空を飛ぶことができなくなるから、鳥類の骨はスカスカなのだ」
那由多「つまり……」
那由多「『ペンギンは空を飛ぶ必要がない』」
寒月「ああ。むしろ、骨がスカスカだと海水に浮かんでしまい、魚を取ることができない。
だから、ペンギンの骨はおそらく人間の骨以上にしっかりと緻密になっているはずだ。
スタンドの耐久力もあるし、今くらいの攻撃なら多分重傷には至っていないだろう」
だから、ペンギンの骨はおそらく人間の骨以上にしっかりと緻密になっているはずだ。
スタンドの耐久力もあるし、今くらいの攻撃なら多分重傷には至っていないだろう」
譲華「ぐ……」
寒月「だが、今ので分かった事がいくつかある」
寒月「ひとつ。「敵」のスピードは「水中のみ」であること」
ド ド ド
慧「たしかに、『スウィート・チン・ミュージック』の攻撃には対応しようとしたくせに、
譲華のパンチには身じろぎひとつしないまま食らっていやがったな」
譲華のパンチには身じろぎひとつしないまま食らっていやがったな」
那由多「ふたつ。やつの動きはかなり大雑把だということ……よね?」
寒月「……ああ」
寒月「当然のことだと思うかもしれないが、これは念頭においておけ。
さっき、譲華が「何かを遠慮してるのか」って言ったな。
あいつは自分のスピードが「水中」でしか活かせないことを知っていたんだ。
だから、自分がうっかり水面から飛び出ないように注意する必要があった」
さっき、譲華が「何かを遠慮してるのか」って言ったな。
あいつは自分のスピードが「水中」でしか活かせないことを知っていたんだ。
だから、自分がうっかり水面から飛び出ないように注意する必要があった」
譲華「つまり、敵のスピードが遅くなる「水面近く」で決着をつけなきゃならない、……ってことね」ド ド ド
――sideペンギン――
――彼は、もともと野生の皇帝ペンギンだった。
. 動物園や水族館につれられる最中で脱走したのではなく、
. 南の最果ての地から、純粋に自力でこの東北の海へとやってきていたのだ――
――彼の行動理由はいたって単純だった――
――『空腹』――
――彼を突き動かす理由はそれだけで十分だったし、そのために群れのことは省みる必要などなかった。
. 天敵が襲い掛かってこようと、そんなものはただの向かってくる餌にすぎなかったし、
. 餌を奪い取ろうとする同胞も同様に餌でしかなかった。
. やがて群れ全体が餓死するほどに食料がなくなると、さすがに彼自身も危機感を感じざるを得なくなった。
. 彼がくだした結論は…………新天地への到達だった――
――温暖な気候は、皇帝ペンギンである彼にとってはなかなかに過酷なものだった。
. とくに赤道あたりを通っていたときには、その暑さで危なく死ぬところだった。
. しかし、赤道を越えればあとは涼しくなるばかりである。この東北あたりは、餌となる魚も、
. 主だった敵(エサ)もいなかった。まさに彼にとっては新天地だった――
――彼は思った――
メス
ペンギン「(あの女どもも美味そうだぞッ! 食らってやるッ!! やつらの血でオレの喉を潤してやるッ!!)」
ペンギン「(あの女どもも美味そうだぞッ! 食らってやるッ!! やつらの血でオレの喉を潤してやるッ!!)」
ペンギン ドゾボォオオオ――ッ
――彼のスタンド(名前はない)の能力は、「水中を高速で移動する事」。シンプルなただそれだけの能力だ。
. ただし、その素早さは折り紙付だ。ペンギンの中でも最速の種類は、「ジェンツーペンギン」というが、
. このペンギンでさえ最高速度は「30km/h」。対して彼は「108km/h」をコンスタントに続けられる――
――譲華たちの言うように、「水中限定であること」「細かな制御が気かないこと」という
. 不利があっても、それは自分の圧倒的有利を覆すほどではない…………と彼は思っていた――
ペンギン「GYAAAAAAAAAAAAAA――ッ!! (食らってやるぞッ! その肉をヲヲヲォオオ―――ッ!!)」
ペンギン スカッ
ペンギン ・ ・ ・ ?
ペンギン「GYAAAAAAッ!!」ガァウッ!
ペンギン スカッ
譲華 ジジッ
ペンギン「(バッ、バカな!?)」
ド ド ド ド
譲華「(やっぱりしょせん鳥公の脳ミソってとこかしらね……)」
譲華「(あたしの『透明にする能力』。水の中だからってくっきり浮かび上がるほどヤワな能力じゃあないけど、
水流の流れとかで見破るのは空気中よりもずっと容易になる……)」
水流の流れとかで見破るのは空気中よりもずっと容易になる……)」
譲華「(しかし、ここで『姿を投影する能力』を使えば。
ペンギンは水中でも獲物を捕らえられるほどに凄まじい視覚が武器の生物よ。(って寒月が言ってた)
あたしの「姿を誤魔化す」能力はそういう敵に対して無類の強さを発揮するわ…………)」
ペンギンは水中でも獲物を捕らえられるほどに凄まじい視覚が武器の生物よ。(って寒月が言ってた)
あたしの「姿を誤魔化す」能力はそういう敵に対して無類の強さを発揮するわ…………)」
ドドド
譲華「(そして! この能力は那由多たちにも使っているッ!)」
寒月 ・ ・ ・
寒月「(水中だと若干パワーが落ちるが……あの鳥公が映像のトリックに気がつく前に……)」
DS『マイイッ!』 バシュバシュバシュバシュッ!
ペンギン ドズズズズウッ!
ペンギン「GYAAAAAアガバボボボボッ!!」ブッシュオオオアアア
ペンギン ギランッ
ペンギン「オゴオオオガバババアアアアア―――ッ!! (きさまああ――ッ! そこかァー!)」
那由多『譲華、もう能力を解除してもいいわよ』
譲華『了解ッ』
譲華『了解ッ』
・・・ジジッ
ペンギン !!
ペンギン「(おれの正面にいつの間にかカニ頭が……)」
譲華『寒月の『ダウンワード・スパイラル』のトゲ。水中っていうので、あんたに決定的なダメージは与えられないわ』
譲華『でもッ! その「トゲ」をさらに食い込ませればッ!』
ペンギン「(うおおおおおおおッ!! ぶッ ブレーキがァアア!)」
CE『ドラララドラドラドラドラララララララ
ララララララララララララララララァアアアア――――ッ!!』ボギンボギンボギンボギンッ
ララララララララララララララララァアアアア――――ッ!!』ボギンボギンボギンボギンッ
ペンギン「GUOOOAAAAAAA―――!!」 ズビズビズビブブッ
ペンギン ドブッシャアアアアア―――ッ!!
那由多 ガシイッ!
慧『ったく、やれやれ。ボール壊れちまったぜ? どーするんだ?』
寒月『とりあえず代わりのボールを取りに行く意味も込めて川端たちのところへ行こう。
それにこのペンギンも治療しないといけないしな』
それにこのペンギンも治療しないといけないしな』
・ ・ ・
靖成「オーマイ……。忠告しようとしていた海の通り魔と遭遇した上に捕まえちまうとはな……」
黒服「ま、”忠告しようとする”=遭遇フラグですし、そこまで驚くことでもないんですけどね」
慧「黒服は何言ってんだ?」
靖成「気にするな。さっきからずっとこの調子なんだ」
靖成「気にするな。さっきからずっとこの調子なんだ」
ペンギン「キュアア……? (どうして……オレなんかを助けたんだ?)」
寒月「…………」
寒月「…………」
寒月「さあな……。そこんところだが、わたしにもよう分からん」
ペンギン「キョアアアッ! (姉御! 一生ついていくッス!)」
ペンギン「キョアアアッ! (姉御! 一生ついていくッス!)」
- ペンギン(その後、寒月に「サガ」と名づけられる。食欲というサガに忠実だからという意味で、フロンティアは関係ない)
スタンド名 『ヴァレリア・ハート』(名付け親―淡島寒月)・・・淡島家に引き取られる。
↓TO BE CONTINUED...
登場キャラ
上野譲華 『クリスタル・エンパイア』 |
( 考案者:ID:r1cdID/p0 絵:ID:9alOiiWg0 ) |
ぶどうヶ丘高校1年生の少女で、本作の主人公。『クリスタル・エンパイア』のスタンド使い。 このあと替えのボールを手に入れ、『消える魔球』などを駆使して戦った。 |
虹村那由多 『リトル・ミス・サンシャイン』 |
( 考案者:ID:PrUXDreeO 絵:ID:wYLh1pVhO 絵:ID:CTBnC6SO 絵:ID:TAK6q120 絵:ID:bDXNIRYo 絵:ID:ZhaJ/eco 絵:ID:lj0aaGMAO 絵:ID:yvQnoWHE0 ) |
ぶどうヶ丘高校1年生の少女で『リトル・ミス・サンシャイン』のスタンド使い。 このあと替えのボールを手に入れ、『消える魔球』(正確には蒸発する魔球)を駆使し、その度に替えのボールを取りにいった。 |
淡島寒月 『ダウンワード・スパイラル』 |
( 考案者:ID:kvK4Epn+O 絵:ID:lWwSYfaJ0 ) |
ぶどうヶ丘高校1年生の少女で『ダウンワード・スパイラル』のスタンド使い。 30個あった替えのボールがなくなった。なくすこいつらもこいつらだが、持ってくる寒月も寒月である。 サガは自宅に新設した南極の環境を再現した水槽の中で飼う事にした。 |
愛川慧 『スウィート・チン・ミュージック』 |
( 考案者:ID:uT5akwUb0 絵:ID:pvF5NNfwO 絵:ID:SKIolI5A0 ) |
ぶどうヶ丘高校高校1年生の少女で、『スウィート・チン・ミュージック』のスタンド使い。 バカどもが消える魔球ばかりするなかで、足のみを武器に果敢に戦った。 |
サガ 『ヴァレリア・ハート』 |
( 考案者:ID:ZXTh/xcIO 絵:ID:igm7qbrx0 ) |
野生のペンギンにして『ヴァレリア・ハート』のスタンド使い。 「食欲」を第一に考え、肉ならなんでも食らいつく。消化器系も進化しているようだ。 かなりプライドが高く、自分を助けた寒月以外は「自分よりも下等な食料」としか見ていない。 |
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