――アデルバード・スタイナー。
女性を中心とした部隊がほとんどを占めるアレクサンドリアにおいて、唯一男性のみで構成されたプルート隊の隊長。
女性優位なアレクサンドリア軍において、軽んじられることも多かったけれど、
曲者ぞろいの部下の特徴をよく把握しており、緊急時にはガーネット様に的確な進言をすることもあった。
女性優位なアレクサンドリア軍において、軽んじられることも多かったけれど、
曲者ぞろいの部下の特徴をよく把握しており、緊急時にはガーネット様に的確な進言をすることもあった。
彼を知る者ならば、まず思い出すのは四角四面で頑固なその性格だろう。
しかし、通常の剣技のみならず聖剣技まで習得してみせ、
またビビ・オルニティアと協力して"魔法剣"を編み出すなど戦闘面での機転の効かせ方は彼らの中でも随一のものがあった。
しかし、通常の剣技のみならず聖剣技まで習得してみせ、
またビビ・オルニティアと協力して"魔法剣"を編み出すなど戦闘面での機転の効かせ方は彼らの中でも随一のものがあった。
彼が命を落としたのは不運に依るところが大きい。
最初に集められたのがホームグラウンドとも言えるアレクサンドリア城でなければ、罠を警戒して何とか踏みとどまっただろう。
最初に集められたのがホームグラウンドとも言えるアレクサンドリア城でなければ、罠を警戒して何とか踏みとどまっただろう。
――彼に惹かれていたのはいつからだっただろう。
ガーネット様が殺されそうになり、ブラネ様に生まれて初めて逆らった時だろうか、
それとも10年前の御前試合で、生まれて初めて敗北を味わった時だろうか。
今思えば私の人生の分岐点にはいつもあの人がいた。
ガーネット様が殺されそうになり、ブラネ様に生まれて初めて逆らった時だろうか、
それとも10年前の御前試合で、生まれて初めて敗北を味わった時だろうか。
今思えば私の人生の分岐点にはいつもあの人がいた。
『つまり……その……。自分は、もう二度とおまえを失いたくないのだ!!』
自らの罪に向き合うため、アレクサンドリア城を去ろうとする私を呼び止めてくれたのも彼だった。
――それなのに、彼は私の目の前で殺されてしまった。
私だって、もう二度とあなたを失いたくなんてなかったのに。
私だって、もう二度とあなたを失いたくなんてなかったのに。
「……罪な男ですね。スタイナー。」
――最初は憧れだった。私の中にはない、彼のひたむきさに私はどこか憧れていた。
思えば彼はいつもそうだった。ガーネット様とアレクサンドリアと――そして私を。
命を懸けて守ってきた姿はまさに騎士としての在り方そのものを体現しているかのようだった。
もう彼に背中を預けることがないと思うと、心が引き裂かれそうになる。
命を懸けて守ってきた姿はまさに騎士としての在り方そのものを体現しているかのようだった。
もう彼に背中を預けることがないと思うと、心が引き裂かれそうになる。
けれども、そこまでで終わり。それが彼と私が一番違うところ。
トランス、という現象がある。
素質のある者が強い感情を抱いた際、あるいはダメージの蓄積によって起こり、
姿形の変化や戦闘力の急激な上昇をもたらす。
ジタン・トライバルは愛する者のため、ビビ・オルニティアは同胞のため、
そしてアデルバード・スタイナーは守るべきもののために発現させた。
素質のある者が強い感情を抱いた際、あるいはダメージの蓄積によって起こり、
姿形の変化や戦闘力の急激な上昇をもたらす。
ジタン・トライバルは愛する者のため、ビビ・オルニティアは同胞のため、
そしてアデルバード・スタイナーは守るべきもののために発現させた。
目の前で彼を失ったにもかかわらず私は"そう"ならなかった。
わかりきっていたこと。彼と私は同じ剣士であっても、私の在り方は"騎士"ではなく"将軍"なのだから。
どれだけ強い感情を発露したとしても、そこから一歩引いた立場で思考を巡らせ続け、
部下だけでなく、自身すら駒として戦場を有利に傾けるために配置し続ける。
わかりきっていたこと。彼と私は同じ剣士であっても、私の在り方は"騎士"ではなく"将軍"なのだから。
どれだけ強い感情を発露したとしても、そこから一歩引いた立場で思考を巡らせ続け、
部下だけでなく、自身すら駒として戦場を有利に傾けるために配置し続ける。
羨ましいと思ったことは一度や二度ではない。
たとえトランスが出来なくても誰にも負けないように、技術を磨き続けてきた。
それでも純粋に、真っ直ぐな想いのままに戦う姿を見ていると、羨望を禁じ得ない。
たとえトランスが出来なくても誰にも負けないように、技術を磨き続けてきた。
それでも純粋に、真っ直ぐな想いのままに戦う姿を見ていると、羨望を禁じ得ない。
今もそう、こうして感傷に浸っていてもなお、周囲へ≪警戒≫を払いつつ、≪対人戦≫を想定しながら、支給品を確認している。
もう少し、取り乱したりするものかとも思ったけれども、
行軍で体に染み付いた動作は自分でも驚くぐらいにいつもと遜色なく行えている。
幸い武器は剣が支給されている。街の武器屋に売っている程度の物であり、
騎士剣でもないため愛剣に比べれば切れ味・使い勝手ともに落ちるが、重要なのは剣技が扱えるかどうかだ。
もう少し、取り乱したりするものかとも思ったけれども、
行軍で体に染み付いた動作は自分でも驚くぐらいにいつもと遜色なく行えている。
幸い武器は剣が支給されている。街の武器屋に売っている程度の物であり、
騎士剣でもないため愛剣に比べれば切れ味・使い勝手ともに落ちるが、重要なのは剣技が扱えるかどうかだ。
引き続き名簿を確認していく。
ガーネット様、ジタン、ビビ、そして、クジャ。私が知っている名前はこれですべて。
一通り名簿を確認したが他に既知の人物はいなかった。読み取れない部分があったのは気になったけど。
問題はビビとクジャがいることだろう。私が知る限りどちらも既にこの世にいないはずなのに。
あの少女は死者の蘇生すら可能だと言っていたけど、それもあながち夢物語ではないのかもしれない。
ガーネット様、ジタン、ビビ、そして、クジャ。私が知っている名前はこれですべて。
一通り名簿を確認したが他に既知の人物はいなかった。読み取れない部分があったのは気になったけど。
問題はビビとクジャがいることだろう。私が知る限りどちらも既にこの世にいないはずなのに。
あの少女は死者の蘇生すら可能だと言っていたけど、それもあながち夢物語ではないのかもしれない。
とはいえ、それが優勝に付随するもの、つまりガーネット様に刃を向ける必要がある時点で選びようがない。
たとえ優勝して蘇生を願ったとしても、弑逆した事実は消えない。
たとえ優勝して蘇生を願ったとしても、弑逆した事実は消えない。
ならば、私は自身という駒をどう動かすべきか。
スタイナーの仇を取るため先程の魔道士に復讐を果たすべきだろうか。――いや、
スタイナーの仇を取るため先程の魔道士に復讐を果たすべきだろうか。――いや、
『これからも一緒にガーネット女王をお守りして欲しいのである!』
もはや"一緒に"なんて叶わなくなってしまったけれど、私の使命はガーネット様をお守りすること。
――志半ばで逝ってしまったスタイナーの分も。
――志半ばで逝ってしまったスタイナーの分も。
ガーネット様は戦闘の際、強力極まりないが消費魔力もその分大きい召喚魔法と、回復や補助を主とする白魔法の二種類を扱う。
しかし、白魔法における唯一の攻撃魔法であるホーリーに適性がないため、近距離の戦いにおいて決め手を持たない。
この状況で優勝を目指す参加者に遭遇してしまえば、一巻の終わりだろう。
そのため、ガーネット様に一刻も早く合流する必要がある。
そしてもし、私がガーネット様に仇なす者に遭遇した場合は――それが可能性に過ぎなくても全て排除しなければならない。
たとえこの手を再び血で汚そうとも、そして、この命が露と消えようとも……
しかし、白魔法における唯一の攻撃魔法であるホーリーに適性がないため、近距離の戦いにおいて決め手を持たない。
この状況で優勝を目指す参加者に遭遇してしまえば、一巻の終わりだろう。
そのため、ガーネット様に一刻も早く合流する必要がある。
そしてもし、私がガーネット様に仇なす者に遭遇した場合は――それが可能性に過ぎなくても全て排除しなければならない。
たとえこの手を再び血で汚そうとも、そして、この命が露と消えようとも……
それから、ジタンにも生きていてもらわないと――
今の私が抱えているこの苦悩をガーネット様に負わせる訳にはいかない。
今の私が抱えているこの苦悩をガーネット様に負わせる訳にはいかない。
先ほどまでいたアレクサンドリア城からここまでの移動手段は、黒魔導士兵が使うテレポッドに似ていたが、
こちらは行き先を自分の意思で制御できなかったので別の仕組みなのだろう。
こちらは行き先を自分の意思で制御できなかったので別の仕組みなのだろう。
地図を見たところ、現在地は会場内で最西端に位置するらしい。
しかし、本来のアレクサンドリア周辺の地図とは似ても似つかない上に、周辺の地形や植生もまるで見覚えがない。
また、アレクサンドリアは山に囲まれた高台にあるため、遠くに山の稜線が見えるはずなのに、それがないどころか西側には海が見えている。
都市を丸ごと転移させたとでもいうのだろうか。
しかし、本来のアレクサンドリア周辺の地図とは似ても似つかない上に、周辺の地形や植生もまるで見覚えがない。
また、アレクサンドリアは山に囲まれた高台にあるため、遠くに山の稜線が見えるはずなのに、それがないどころか西側には海が見えている。
都市を丸ごと転移させたとでもいうのだろうか。
答えの出ない問いを頭から振り払い、東を見据える。
まずはアレクサンドリア城を目指そう。あの巨大な剣の塔は会場内のどこからでも見える。
ガーネット様もおそらくアレクサンドリア城を目指すはず。
まずはアレクサンドリア城を目指そう。あの巨大な剣の塔は会場内のどこからでも見える。
ガーネット様もおそらくアレクサンドリア城を目指すはず。
何より、まずはスタイナーと魔物を使役していたご老人の亡骸を弔わなければ……
【D-1/一日目 深夜】
【ベアトリクス@FINAL FANTASY Ⅸ】
[状態]:健康、失意、冷静
[装備]:アイアンソード@FF9、サポートアビリティ「警戒」「マンイーター」
[道具]:基本支給品、不明支給品(確認済み、0~2)
[思考・状況]
基本行動方針:ガーネット様をお守りする。そのためなら手段は問わない。
1.まずはアレクサンドリア城を目指す。
2.スタイナー……
3.ジタンの生死も気に留めておかないと……
【ベアトリクス@FINAL FANTASY Ⅸ】
[状態]:健康、失意、冷静
[装備]:アイアンソード@FF9、サポートアビリティ「警戒」「マンイーター」
[道具]:基本支給品、不明支給品(確認済み、0~2)
[思考・状況]
基本行動方針:ガーネット様をお守りする。そのためなら手段は問わない。
1.まずはアレクサンドリア城を目指す。
2.スタイナー……
3.ジタンの生死も気に留めておかないと……
※参戦時期はエンディング後です。
※自分はトランスができないと認識しています。
※原作ではベアトリクスはサポートアビリティを習得できませんが、本ロワにおいては習得しているものとします。
今話で登場したもの以外の習得状況については、今後の書き手さんにお任せします。
※自分はトランスができないと認識しています。
※原作ではベアトリクスはサポートアビリティを習得できませんが、本ロワにおいては習得しているものとします。
今話で登場したもの以外の習得状況については、今後の書き手さんにお任せします。
【支給品紹介】
【アイアンソード@FINAL FANTASYⅨ】
ベアトリクスに支給された長剣。
原作ではスタイナー、ブランク、マーカスが使用しており、攻撃力はさほど高くない。
スタイナーが扱った場合アクションアビリティ【サガク剣】を習得できる。
【アイアンソード@FINAL FANTASYⅨ】
ベアトリクスに支給された長剣。
原作ではスタイナー、ブランク、マーカスが使用しており、攻撃力はさほど高くない。
スタイナーが扱った場合アクションアビリティ【サガク剣】を習得できる。
【アビリティ紹介】
【サガク剣】
使用者の最大HP-現在HPの分のダメージを相手に与える剣技。
その特性上、五体満足の状態ではまともにダメージを与えられないが、満身創痍の状態で放てば必殺の一撃となる。
ベアトリクスがこのアビリティを使えるかどうかは今後の書き手さんにお任せします。
【サガク剣】
使用者の最大HP-現在HPの分のダメージを相手に与える剣技。
その特性上、五体満足の状態ではまともにダメージを与えられないが、満身創痍の状態で放てば必殺の一撃となる。
ベアトリクスがこのアビリティを使えるかどうかは今後の書き手さんにお任せします。
【警戒】
原作ではバックアタックが発生しなくなるサポートアビリティ。
本ロワでは、平常時において周囲数十メートル圏内に存在、侵入してきた生物の気配、また圏内に近づいてくる攻撃を察知できるものとする。戦闘中はこの限りではない。
原作ではバックアタックが発生しなくなるサポートアビリティ。
本ロワでは、平常時において周囲数十メートル圏内に存在、侵入してきた生物の気配、また圏内に近づいてくる攻撃を察知できるものとする。戦闘中はこの限りではない。
【マンイーター】
原作では人型の相手に対して、たたかうの威力を1.5倍にするサポートアビリティ。
本ロワでの効果については今後の書き手さんにお任せします
原作では人型の相手に対して、たたかうの威力を1.5倍にするサポートアビリティ。
本ロワでの効果については今後の書き手さんにお任せします
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