グレープアカデミー。
元の世界では平和な学園であったその建物は今、軍事施設のような張りつめた空気に包まれていた。
元の世界では平和な学園であったその建物は今、軍事施設のような張りつめた空気に包まれていた。
校長室の椅子に座すはエテーネ王国の王子にしてウルベア地下帝国の宰相・クオード。
彼は机の上に広げた2枚の地図を冷徹な眼で見つめていた。
1枚は会場全体図、もう1枚は店や通りの名まで細かく記されたテーブルシティの地図。
その上に置かれた駒代わりのカラーマグネットが、想定される侵入パターンとそれに対応する際のクオード自身の経路を示している。
彼は机の上に広げた2枚の地図を冷徹な眼で見つめていた。
1枚は会場全体図、もう1枚は店や通りの名まで細かく記されたテーブルシティの地図。
その上に置かれた駒代わりのカラーマグネットが、想定される侵入パターンとそれに対応する際のクオード自身の経路を示している。
クオードは時に駒を動かし、時に机を指で叩きながら黙考していたが、
暫くの後、静かに腰を上げるとこう呟いた。
暫くの後、静かに腰を上げるとこう呟いた。
「やはり、迎え撃つべきだな」
クオードが選択したのは待ちの戦略だった。
このテーブルシティは、設計者が意図したのかは不明だが、護りに適した地形となっている。
街の周りは東・南・西の3方向をぐるりと水堀が囲み、それの無い北側は岩山が囲っている。
このテーブルシティは、設計者が意図したのかは不明だが、護りに適した地形となっている。
街の周りは東・南・西の3方向をぐるりと水堀が囲み、それの無い北側は岩山が囲っている。
街に入るには堀に掛けられた3ヶ所の橋を渡るしかなく、
しかもこのグレープアカデミーに辿り着くためには長い階段を登り切らねばならない。
しかもこのグレープアカデミーに辿り着くためには長い階段を登り切らねばならない。
そして、それらの動きは高所にいるこちらからは筒抜けである。
空を飛ぶか姿を消してでもいない限り、こちらが先に相手の動きを察知できる。
この地の利を利用しない手は無かった。
空を飛ぶか姿を消してでもいない限り、こちらが先に相手の動きを察知できる。
この地の利を利用しない手は無かった。
その上、幸運にもここを訪れる可能性の高い参加者の目星を付けることもできた。
クオードは学園の資料から、ポケモンという魔物とポケモントレーナーと呼ばれる魔物使いについて知ることができたが、
それのみならず、その中には幾名かの参加者の情報も記されていたのだ。
クオードは学園の資料から、ポケモンという魔物とポケモントレーナーと呼ばれる魔物使いについて知ることができたが、
それのみならず、その中には幾名かの参加者の情報も記されていたのだ。
アオイ、そしてネモ。
この2人の少女は、この地方で行われていたモンスターバトルのチャンピオンであるらしい。
実戦ではなくあくまで競技ではあるが、仮にも頂点を極めた者であれば高レベルの魔物使いだと認識すべきだ。
しかもこの学園に通う学生だという。ならば仲間との合流を目指しここを目指す可能性が高い。
実戦ではなくあくまで競技ではあるが、仮にも頂点を極めた者であれば高レベルの魔物使いだと認識すべきだ。
しかもこの学園に通う学生だという。ならば仲間との合流を目指しここを目指す可能性が高い。
故に、まずここに集まるであろうポケモントレーナー達を殺して支給品を奪い、戦力を整えた後打って出る。
それがクオードが立てた目下の戦略であった。
それがクオードが立てた目下の戦略であった。
無論、全く予期せぬ人物がここを訪れることも考えられるが、
先に相手の姿を確認できるのはこちらであることに変わりはない。外見から相手の能力を推測することもできるだろう。
先に相手の姿を確認できるのはこちらであることに変わりはない。外見から相手の能力を推測することもできるだろう。
では、ポケモントレーナーという仮想敵に対し、どう戦うか。
学園の資料に軍事に関する記載がほぼ無かったことから、実戦慣れしている可能性は薄く、肉体的にはさほど強くないと予想できる。
厄介なのは、この殺し合いにおけるルール・HPリンクだ。
トレーナー本人が脆弱であろうと、使役するモンスターが強力であるならば、殺し切るには手間が掛かることになる。
学園の資料に軍事に関する記載がほぼ無かったことから、実戦慣れしている可能性は薄く、肉体的にはさほど強くないと予想できる。
厄介なのは、この殺し合いにおけるルール・HPリンクだ。
トレーナー本人が脆弱であろうと、使役するモンスターが強力であるならば、殺し切るには手間が掛かることになる。
ポケモントレーナーは、モンスターボールという道具に入れてポケモンを持ち歩いているという。
ならば、そもそもポケモンを出させず殺すのが最善だ。
ボールに収納された状態でもHPリンクが働くかは不明だが、ポケモンが出ていないならどうとでもなる。
ならば、そもそもポケモンを出させず殺すのが最善だ。
ボールに収納された状態でもHPリンクが働くかは不明だが、ポケモンが出ていないならどうとでもなる。
クオードはもう一つの策を講じるべく、校長室を出てエントランスホールへ向かうと、
入口の大扉に向けて手をかざし、こう唱えた。
入口の大扉に向けて手をかざし、こう唱えた。
「クモノ」
その呪文と共に、扉の足元に蜘蛛の巣を模した魔法陣が現れた。
魔法陣に触れた者を魔力の糸で拘束する妨害魔法である。
アストルティアでは低位の呪文だが、一瞬の隙が生死を分けるこの場においては単純ながら強力な武器になるだろう。
魔法陣に触れた者を魔力の糸で拘束する妨害魔法である。
アストルティアでは低位の呪文だが、一瞬の隙が生死を分けるこの場においては単純ながら強力な武器になるだろう。
この仕掛けによって、学園に入ろうと不用意に扉を開けた者は、その瞬間に拘束されることになる。
かつてハノンが、ドミネウス邸の入り口に仕掛けられたそれに間抜けにも引っかかったことを思い出す。
相手がポケモントレーナーならボールを投げることも不可能になるし、そうでなくても致命的になり得る罠だ。
かつてハノンが、ドミネウス邸の入り口に仕掛けられたそれに間抜けにも引っかかったことを思い出す。
相手がポケモントレーナーならボールを投げることも不可能になるし、そうでなくても致命的になり得る罠だ。
手は打ち終えた。
あとは訪問者の到来を待つだけだ。
あとは訪問者の到来を待つだけだ。
東の空がわずかに明るくなってきた。まもなく夜が明ける。
様子を見ていた者や、宵闇を避けて動かぬ者も居ただろうが、これから参加者の動きは活発化するだろう。
様子を見ていた者や、宵闇を避けて動かぬ者も居ただろうが、これから参加者の動きは活発化するだろう。
迫る戦いに思いを馳せる中、ふと手元の名簿に目が移り、アオイとネモ、2人の少女の写真が視界に入った。
途端、これから自分は彼女らのような年端もいかぬ子供も殺すのだと、そんな陳腐な言葉が胸に浮かんだ。
途端、これから自分は彼女らのような年端もいかぬ子供も殺すのだと、そんな陳腐な言葉が胸に浮かんだ。
(この期に及んでまだ情を捨てきれぬのか、俺は)
彼は無言で、支給品の一つである剣を抜いた。
ブラッドソードというその剣の、名は体を表すかのように紅い刀身を彼はまじまじと見つめると、
ブラッドソードというその剣の、名は体を表すかのように紅い刀身を彼はまじまじと見つめると、
「―――くだらんっ!!!」
迷いを断ち切るかの如く振り下ろした。
「今更何を迷う……」
そう独り言ちながら、剣を鞘に納める。
だが、クオードの心の奥底では、かつて自分を信じてくれていた"彼ら"の影がいまだちらついていた。
ハノン、ディアンジ、ザグルフ、そして最愛の姉。
もしこの場に彼らがいれば、全力で自分を止めるだろうことを、クオードは知っている。知ってしまっている。
だが、クオードの心の奥底では、かつて自分を信じてくれていた"彼ら"の影がいまだちらついていた。
ハノン、ディアンジ、ザグルフ、そして最愛の姉。
もしこの場に彼らがいれば、全力で自分を止めるだろうことを、クオードは知っている。知ってしまっている。
「これではいかん、これでは……」
己の弱さに苛立ちと焦燥を覚えた、その瞬間。
心臓が、跳ね上がった。
「ぐっ……!」
クオードは苦悶の表情を浮かべながら動悸する心臓を抑えた。
先ほど魔神器から取り込んだエネルギーが突然体の中で暴れ出した。
全身が熱い。肥大化した魔力が激しく波打ちながら血管や神経の末端にまで循環し、細胞の一つ一つが破裂するかの如くエネルギーが充満していく。
クオードは思わず膝をついていた。全身が震え、汗がとめどなく流れる。心臓があまりにも激しく脈打つせいで息もできない。
だが、大丈夫だ、と彼は自分自身に言い聞かせていた。
この力は自分の味方だ。これは力が己の体に馴染む為の必要プロセスなのだ、と。
先ほど魔神器から取り込んだエネルギーが突然体の中で暴れ出した。
全身が熱い。肥大化した魔力が激しく波打ちながら血管や神経の末端にまで循環し、細胞の一つ一つが破裂するかの如くエネルギーが充満していく。
クオードは思わず膝をついていた。全身が震え、汗がとめどなく流れる。心臓があまりにも激しく脈打つせいで息もできない。
だが、大丈夫だ、と彼は自分自身に言い聞かせていた。
この力は自分の味方だ。これは力が己の体に馴染む為の必要プロセスなのだ、と。
予期した通り、数分後には症状が落ち着き始めた。
脂汗が引き、呼吸が落ち着いたのを確認した彼は、ゆっくりと立ち上がった。
身体の調子は良い。先ほどの苦痛などまるで無かったかのように、全身の細胞から力が漲り出している。
彼は、自分の肉体とラヴォスエネルギーとの適合が進んだことを直感的に理解した。
脂汗が引き、呼吸が落ち着いたのを確認した彼は、ゆっくりと立ち上がった。
身体の調子は良い。先ほどの苦痛などまるで無かったかのように、全身の細胞から力が漲り出している。
彼は、自分の肉体とラヴォスエネルギーとの適合が進んだことを直感的に理解した。
心なしか、思考もクリアになっている気がする。
先ほど抱いた感傷は頭の中から消え去っていた。
それは歓迎すべきことだ。
良心や情けなど、自分の夢を叶える上でただの障害でしかないのだから。
先ほど抱いた感傷は頭の中から消え去っていた。
それは歓迎すべきことだ。
良心や情けなど、自分の夢を叶える上でただの障害でしかないのだから。
「大丈夫だ。俺に迷いはない。迷いなど許されるものか。
この力で、誰であろうが、女子供だろうが殺してみせる。エテーネ王国の為なら、誰であろうと」
この力で、誰であろうが、女子供だろうが殺してみせる。エテーネ王国の為なら、誰であろうと」
紅い瞳をぎらつかせながら、彼は口中でそう呟いた。
その言葉は、クオード本人の意志なのだろうか。
その言葉は、クオード本人の意志なのだろうか。
それとも。
【C-3/グレープアカデミー/一日目 黎明】
【クオード@ドラゴンクエストXオンライン】
[状態]:健康、精神消耗(中)、ラヴォスエネルギー吸収によるステータス上昇、赤眼化、殺人への忌避感低下
[装備]:ブラッドソード@FINAL FANTASY IX
[道具]:基本支給品、魔神器@クロノ・トリガー、不明支給品0~1
[思考・状況]
基本行動方針:優勝し、エテーネ王国を救う
1.勝ち残る。どんな犠牲を払ってでも
2.ハノンには今度こそ邪魔はさせない
3.(姉さん……)
4.テーブルシティを訪れた者を殺し、支給品を奪う
5.ポケモントレーナーとの戦いでは、出来る限りポケモンを出させない立ち回りを狙う
6.アオイとネモを強敵として認識
【クオード@ドラゴンクエストXオンライン】
[状態]:健康、精神消耗(中)、ラヴォスエネルギー吸収によるステータス上昇、赤眼化、殺人への忌避感低下
[装備]:ブラッドソード@FINAL FANTASY IX
[道具]:基本支給品、魔神器@クロノ・トリガー、不明支給品0~1
[思考・状況]
基本行動方針:優勝し、エテーネ王国を救う
1.勝ち残る。どんな犠牲を払ってでも
2.ハノンには今度こそ邪魔はさせない
3.(姉さん……)
4.テーブルシティを訪れた者を殺し、支給品を奪う
5.ポケモントレーナーとの戦いでは、出来る限りポケモンを出させない立ち回りを狙う
6.アオイとネモを強敵として認識
※バージョン4.3「砂上の魔神帝国」でウルタ皇女に撃たれた直後からの参戦です
※ラヴォスエネルギーを吸収したことにより『ジゴデイン』『覇王の征戦』(※悪鬼なる王の使用特技)が使用可能になりました
※ラヴォスエネルギーによる精神への影響は後の書き手に一任します
※ブラッドソードを装備したことにより暗黒剣のアビリティを習得しました
※グレープアカデミー内の資料を読んだことにより、ポケモンとポケモントレーナーについての知識を得ました。
また、アオイとネモがパルデア地方のチャンピオンであることを知りました
※グレープアカデミーの入り口にクモノの魔法陣が設置されました。
※ラヴォスエネルギーを吸収したことにより『ジゴデイン』『覇王の征戦』(※悪鬼なる王の使用特技)が使用可能になりました
※ラヴォスエネルギーによる精神への影響は後の書き手に一任します
※ブラッドソードを装備したことにより暗黒剣のアビリティを習得しました
※グレープアカデミー内の資料を読んだことにより、ポケモンとポケモントレーナーについての知識を得ました。
また、アオイとネモがパルデア地方のチャンピオンであることを知りました
※グレープアカデミーの入り口にクモノの魔法陣が設置されました。
【支給品紹介】
【ブラッドソード@FINAL FANTASY IX】
クオードに支給された剣。ダメージを与えた相手のHPを吸収する。
適性がある場合、暗黒剣のアビリティを習得可能。
【ブラッドソード@FINAL FANTASY IX】
クオードに支給された剣。ダメージを与えた相手のHPを吸収する。
適性がある場合、暗黒剣のアビリティを習得可能。
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