概要
SR65転売未遂事件とは、
エルカム交通公団による不正取引。時の外交関係を鑑み炎上こそしなかったものの、後にエルカム社内の改革が進む大きな要因とされた。
背景と経緯

『じゃけん、おたくの武器いっぱい売ってけり~』

『いいよ~。たくさん仕入れてけろ~』
時は700年代。世界情勢が落ち着いてしばらく経った頃、エルカム政府は自国の影響圏を拡大する一環として、
SR65の輸入をセトルラーム政府に打診した。友好国であるセトルラームは、実はこの取引にそこまで否定的ではなく、エルカムの掲げる「平和維持軍への供給」という名目をある程度受け入れる姿勢を見せていた。裏では、エルカムが平和維持軍の供出制度を悪用し、
SR65を別ルートでオクシレインに転売する計画を立てていることを知りつつも、セトルラームはオクシレインとの関係がさほど悪くないため、売り渡しても構わないと考えていた。エルカムの計画はこうだった。国際協定に基づく平和維持軍への装備提供を口実に
SR65を入手し、その後、オクシレインに密かに流す。オクシレインはセトルラームの同盟国ラヴァンジェと緊張関係にあるものの、セトルラーム自身は中立的な立場を保ちつつ、利益を得られるならと取引を容認するつもりだったのだ。

『君達まさか、敵に塩を送る気ですか?もう怒った!二国間の軍事取引を終了するっぽ!!』💢

『いやいや、あれは偽情報です。我が国が、そんなことするわけないじゃないすか~』
しかし、ここで事態は予想外の方向に進む。セトルラームの独立系メディアが、エルカムとオクシレインの接触に関する噂を嗅ぎつけ、「
SR65が平和維持軍を経由してオクシレインに渡る可能性がある」と報じた。この報道に危機感を抱いたのは、セトルラームの同盟国ラヴァンジェだった。ラヴァンジェにとって、オクシレインの軍事力強化は到底許容できない脅威であり、友好国とはいえセトルラームの曖昧な態度に不信感を募らせた。ラヴァンジェは直ちにセトルラーム政府に事実確認を求め、強い懸念を表明した。「オクシレインに
SR65が渡れば、地域の均衡が崩れ、我々の安全が脅かされる」と訴え、取引に応じないよう圧力をかけた。セトルラームは当初、経済的利益と中立性を重視していたが、長年の同盟関係を優先し、ラヴァンジェの意向を受け入れる形でエルカムとの交渉を打ち切ることに合意した。穏やかながらも断固とした態度で、セトルラームはエルカムに「今回は見送らせてほしい」と伝えた。エルカムは計画が露見したことに気づきつつも、セトルラームの柔らかな拒否にそれ以上食い下がることは避けた。オクシレインとの取引は自然に立ち消えとなり、表面的には大きな波乱なく事態は収束した。しかし、ラヴァンジェの警戒心は一層強まり、セトルラームも同盟国との関係を再確認する一方で、エルカムの動きに静かに注意を払うようになった。

『怒った?怒った?』

『怒ってないよ』
影響

『改革じゃオラ株式よこせ。俺達ズッ友だよな?』

『ズッ友だよなあ?』(安心して。僕が守ってあげるよ)

『めちゃくちゃキレてるやん……』
この転売未遂事件は、各国に静かな波紋を広げた。まず、セトルラームにとっては、エルカムの行動が単なる一過性の策略ではなく、その内部構造に問題があるのではないかという疑念を生んだ。友好国とはいえ、こうした不透明な動きが再発すれば地域の安定が脅かされると考えたセトルラームは、後にエルカム社内の改革を公に訴える契機とした。エルカムの意思決定過程や透明性の欠如を指摘し、国際的な信頼回復を求める声が高まったのだ。さらに、この事件は国際社会での議論を加速させ、第2回テレステG9首脳会議の開催に繋がった。この会議では、装備の供出制度の悪用防止や、陣営間の取引透明化が議題に上り、地域の安全保障を巡る新たな枠組みが模索されるきっかけとなった。セトルラームやラヴァンジェを含む主要国が一堂に会し、エルカムの行動を暗に批判する空気も漂った。一方、エルカム・グループ内部にも変化が訪れた。転売計画の失敗と国際的な注目を受け、経営陣への不信感が広がり、株主間の力関係が見直されることになった。結果として、エルカム・グループの株式保有比率が変更され、改革派の勢力が影響力を増す一方で、従来の強硬派は後退を余儀なくされた。この再編は、エルカムの戦略にも微妙な影響を与え、後の外交姿勢に変化をもたらす布石となった。
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最終更新:2025年05月13日 22:10