異世界グランドデスリミット

 魔王デスゴーレムスーパーパシフィックにより支配されし酒池肉林の地を開きし者――英雄ハルバード=クロス=ロンギヌスの正義によって目覚めし、正義と平和を胸に目指せ人類の自由への航海を――次回「異世界グランドデスリミット」(共立英語:The one who opened the land of the drunken jungle ruled by the Demon King Death Golem Super Pacific - awakened by the justice of the hero Halberd-Cross-Longinus, and with justice and peace in mind, aim for the voyage to freedom for mankind! --Next time: “The Grand Death Limit of Another World") 通称、異世界グランドデスリミット)とは、共立世界より科学的及び魔法的に観測不可能であるところの「異世界」の一つであり、特定条件下でのみ転移及び干渉が発生する「制限的異世界」に類するものである。


概要

 異世界グランドデスリミット(以下、グラデス)は、特定条件下でのみの干渉が発生している「制限的異世界」の代表格であり、事象災害共和政クヴァルディスのザイル・ゲートによる特定条件下の接続以外での干渉がないため、現地との継続的な外交関係などはなく、先方からの認知も他の世界の住人ということ以外には良く理解されていないようである。
 グラデスの文明レベルは中世から近世程度と見られており、産業革命以前の世界である。魔法技術が存在しているが、その魔法技術は共立世界のどの魔法技術にも関与していないと見られている。

 グラデスには「影の市場」(The Chaotic World of Shadow Markets/ザ・ケイオティック・ワールド・オヴ・シャドウ・マーケッツ:通称、シャドウ・マーケッツ、しかしやっぱり長いのでシャドマケ)と呼ばれる地下経済が存在し、そこでは人間族、獣人族、魔族の間で禁制品や希少な魔法素材が取引されている。この市場は、どの種族の統治下にも属さず、武装した傭兵団によって守られており、評議会の法も及ばない無法地帯と化している。影の市場で最も価値ある商品とされるのは「涙石」と呼ばれる青く輝く結晶で、これが魔法の触媒として強力な力を発揮する一方、使用者の寿命を縮める副作用があると噂されている。一方、グラデスの農村部では「輪廻の樹」と呼ばれる巨大な樹木が信仰の対象となっている。この樹は数百年に一度、自ら実を落とし、その実から新たな樹が生まれるという不思議な生態を持ち、現地住民はこれを生命の循環の象徴として崇めている。輪廻の樹の周辺では異常な豊穣が観測され、飢饉が起こらないことから、村々はこれを巡って領有権争いを繰り広げている。
 また、グラデスには「漂流者」(Drifting Immigrant Adventurer/ドリフティング・イミグラント・アドベンチュラー:通称、ディア)と呼ばれる謎の集団が存在する。彼らはどの種族にも属さず、突然現れては消える放浪者で、言葉を話さず、ただ古びた羊皮紙に不可解な記号を描き続ける。漂流者が現れる場所では、一時的に空気が重くなり、鳥や虫の鳴き声が止むとされており、一部の賢者は彼らが異世界間の「境界」を感知する能力を持つと推測している。

歴史と社会

 グラデスからの転移者からの情報をつなぎ合わせたところどうやら、魔王デスゴーレムスパーパシフィックと呼ばれる存在が居るらしく。これが魔族と呼ばれる軍団を率いて人間や獣人族などの種族を支配・搾取していた時期があったようである。魔王の名前が長すぎるため、以下デスパシと呼ぶ。
 グラデスデスパシは後にハルバード=クロス=ロンギヌス(これも長過ぎるのでハクロと呼ぶ)によって討伐され、人類族による平和がもたらされることになるが、ハクロによるデスパシグラデスからの追放の後に作られた人間族の評議会は獣人族を差別し、奴隷として扱うようになったため、魔王の敗残兵たる魔族たちと結託して人間と対立関係にあるようだ。この状態のことをアニマル・パニックというが略してアニパニと呼ぶことが普通である。
 つまり、グラデスはハクロがデスパシをパージしてアニパニという状況にあると言われている。

 グラデスの歴史には「灰の時代」(Ash's Dark Age/アッシュズ・ダーク・エイジ)と呼ばれる空白の時期が存在する。これはデスパシの支配が始まる以前の記録がほぼ残っておらず、古代の石碑に刻まれた断片的な文字から、複数の種族が共存していた可能性が示唆されている。この時代に何らかの大災害が起きたとされ、一部の賢者は「最初の魔王」(The Original Legendary Demon King/ザ・オリジナル・レジェンダリー・ディーモン・キング:デーモンキング)が関係していると主張しているが、真偽は不明である。社会構造においては、人間族の評議会が権力を握る一方で、都市部から離れた辺境には「自由郷」(The great world of freedom/ザ・グレイト・ワールド・オヴ・フリーダム/GWワールド)と呼ばれる自治集落が点在している。これらの集落は評議会の支配を拒み、独自の掟の下で人間、獣人、魔族の混成住民が暮らしており、中でも「赤尾の民」(Red tail people/レッド・テイル・ピープル)と呼ばれる獣人族の一派が指導的立場を取ることが多い。彼らはアニパニの混乱を避け、交易や自給自足で生き延びている。さらに、グラデスには「語り部」(Legendary Storyteller/レジェンダリー・ストーリーテラー)と呼ばれる職業集団が存在し、彼らは歴史や伝説を歌や詩の形で後世に伝えている。語り部の中でも特に名高い「銀弦のファルナ」は、ハクロの戦いを称える歌を広めたことで知られているが、近年はアニパニの悲劇を批判する詩を詠み、評議会から追われる身となっている。彼女の歌は密かに民衆の間で流行し、反乱の火種となる可能性が囁かれている。

サーモンキング

 最初の魔王亡き後、種族の混乱が始まるとデーモンキングの後継者として魚族のサーモンキングⅠ世が戴冠した。この魚族魔王朝(スーシザンマーイ・マグロスゴイイーデス)の三世の時に最盛期を向かえ、このときのサーモンキングⅢ世は王の中の王として「キングサーモンキングオブキングサーモンキングザサード」と呼ばれた。

言語

 グラデスにおいては、一般的に共通語が通用するとされている。しかし、この共通語がどのような言語なのかは、グラデスから転移してきた者たちも知らない。なぜなら、彼らは翻訳魔法を使ってお互いの言葉を翻訳するためである。しかし、彼らはもとより共通語を母語にして育っているため、翻訳魔法を使って翻訳する必要などはなく、むしろ翻訳魔法の性能の低さから相互意思疎通が困難になるレベルである。シャドマケにおいてはこのようなすれ違いにより、殴り合いに発展することがあり、近くの酒場ではその喧嘩を肴に客が集まる始末だという。
 転移者星間戦争の国民的英雄(笑)ことコリン・メグスドッティル曰く「こいつらはバカ」。

主な勢力

Greaty-Legend-Firstlimit-Land(グレイティー・レジェンド・ファーストリミット・ランド)

 グラデスの中央に君臨する超大国で、「偉大なる伝説の初限の国」として知られる。デスパシが人間族や獣人族を支配する遥か以前、この地で最初の反乱を起こした戦士たちがいたとされ、その記録は巨大な石碑群に刻まれ、国の誇りとなっている。グラデス最大の領土と人口を誇り、ハクロがデスパシを倒す前から強大な軍事力と独自の文化を築き上げていた。アニパニの混乱の中でも、評議会の横暴や魔族の暗躍を圧倒的な力で抑え込み、両勢力に対する中立を維持しながらグラデス全体の均衡を保つ役割を担う。国の守護兵団「初限騎士団」は、数千年にわたる伝統と鍛錬に裏打ちされた精鋭で、その装備する「初限の刃」は魔法と鋼が融合した至高の武器とされる。経済力も抜きん出ており、交易路を掌握し、他の国々が依存するほどの資源と技術を持つ。名物は「伝説の穀酒」で、その深い味わいは超大国の威厳を象徴する。国の理念は「過去の偉業を礎に、永遠の繁栄を築く」にあり、グラデス全土にその影響力を及ぼしている。

Windy-Blowblow(ウィンディ・ブローブロー)

 北部の山岳地帯に位置する国で、絶え間ない強風が吹き荒れる環境に適応した人間族が暮らす。ハクロがデスパシを倒した後、評議会の統治を拒否した集団が独立を宣言し、自然の力を利用した生活を築き上げた。国の防御は、風を操る魔法技術に支えられており、「風壁」と呼ばれる結界が外部からの侵入を阻む。アニパニの混乱では中立を保ち、評議会や魔族との直接対決を避けつつ、交易を通じて資源を確保している。住民は風に耐える頑強な精神を持ち、「試練を乗り越える者に未来がある」を信条とする。名物は「風干し肉」で、長期間の保存が可能な実用的な食料として知られている。

Beasty-Woofwoof(ビースティー・ウーフウーフ)

 東部の広大な平原に広がる獣人族の国家。評議会が獣人族を奴隷として扱う政策に強い反発を抱き、ハクロのデスパシ討伐を称賛しつつも、その後の人間族の裏切りに憤慨して魔族と同盟を結んだ。住民は優れた聴覚と夜間視力を活かし、集団での連携を重視する文化を持つ。戦闘では機動力を駆使した奇襲を得意とし、敵の混乱を誘う戦略で知られている。アニパニの中核勢力として、自由と尊厳を取り戻すための戦いを続け、「団結こそが我々の力」と掲げる。名物は「骨付き肉」で、厳しい環境で育った獣から取れる滋養に富んだ食材として重宝される。

Timey-Sandtick(タイミー・サンドティック)

 西部の砂漠にひっそりと存在する小国で、デスパシの時代から生き延びてきた隠遁国家。砂時計を用いた時間管理が国の伝統であり、住民は過去の出来事を記録し続けることで歴史の継承を重視する。国の技術は時間を操る魔法に特化しており、一部の賢者は短時間の予知や遅延効果を生み出せるという。アニパニの争いには介入せず、「歴史は繰り返し、時が全てを明らかにする」との中立的な立場を貫く。過去の知識を求める者には門戸を開くが、戦闘への参加は拒否する。名物は「砂ケーキ」で、砂漠の素材を使った独特の食感と風味が特徴の伝統菓子。

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世界
最終更新:2025年03月27日 22:13