右川優

右川 優(みぎがわ ゆう、1992年4月2日 - )は、熊本シルフィードに所属するプロ野球選手。


概要

所属 熊本シルフィード
背番号 8
国籍 日本
出身 和歌山県和歌山市
生年月日 1992年4月2日
身長 155cm
体重 51kg
投打 右投両打
血液型 O型
プロ入り 2015年ドラフト外入団
PL 旅人
球歴 紀州総合高校→阪和福祉大学大阪ナイトブレイカーズ(2015-2017)→横浜アクアマリンズ(2018-2020)→熊本シルフィード(2021-)

経歴

 小学校入学と同時に野球を始めた。サウスポーに絶対の自信を持つクラッチヒッター。大学時代は「対左投手20打席連続安打」という怪記録を残す。高校、大学はいずれも男子にまじって野球を続け、彼女によって自信を失ったサウスポーは少なくない。一方で「野球歴詐称疑惑」が常に付きまとうほど守備が壊滅的に下手。

プロ入り後

大阪時代(2015年~2017年)

 キャンプ間もないころにドラフト外で入団。前述の通り極端な一長一短型選手のため、シーズンは一貫して指名打者、代打で起用された。シーズン開幕戦の最終回に代打で初出場すると、東京フレイズの守護神、長峰葵からタイムリーを放ち、逆転サヨナラ勝利に貢献。次戦ではまたも代打で登場し、今度は同じドラフト外入団の左腕橘川亜由美から初アーチを放った。
 これで自信をつけたか、シーズン通して『フレイズキラー』となり、全3本塁打はじめほとんどの数字をフレイズ戦で稼いだ。シーズンオフには、引退を表明した鞘ヶ谷綾香が付けていた背番号3への変更を直訴。さらにハワイでの武者修行に参加し、打撃と一塁守備を磨いた。
 2年目の開幕当初は代打に甘んじたが、好調を維持してスタメンに昇格。中軸の阪宮千羽やトレードで加入した伊達青葉葛木燁菜ら実力者を差し置いて四番に抜擢され、春先不振にあえいでいたチームを牽引。阪宮らが復調してからも指名打者のレギュラーを勝ち取り、打率リーグ6位、出塁率同3位と打点以外で前年の成績を上回った。この活躍が評価され、シ・リーグのベストナイン(指名打者)を獲得した。
 3年目の2017年はシーズン通して首位打者、最高出塁率のタイトルを争い、前年の活躍がフロックでないことを証明。さらに成績を向上させて、チームのリーグ優勝、初の日本一に貢献。個人では通算100安打を達成し、2年連続でベストナインを獲得した。
 しかし、シーズンオフに「今度はマ・リーグで日本一になる」と移籍を志願。羽田色とともに、宮本春香内野手、阪利荒諸星美唯両投手との交換トレードで横浜アクアマリンズへの移籍が決まった。

横浜時代(2018年~2020年)

 移籍初年、札幌ホワイトエンジェルスとの開幕戦で三番・指名打者で出場し、猛打賞でマ・リーグでのデビュー戦を飾る。その後も大混戦のシーズンの中、中軸打者としてチームを引っ張り、「勝ったほうが優勝」という熊本シルフィードとのシーズン最終戦では決勝タイムリーを放ち5年りのリーグ優勝に貢献。 個人成績も1年通して高打率を残し、自身初めての打撃タイトル(首位打者、最多安打、最高出塁率)を獲得。
 しかし翌年は、開幕戦で本塁打を放つなど出足こそ好調だったが徐々に失速。シーズン通して不振に苦しみ、規定打席の常連となってからは初めて、ルーキーイヤーの2015年以来4年ぶりに打率が3割を割った。
 巻き返しを図った2020年は開幕2戦目の熊本戦で通算200安打を達成。しばらくバットは湿ったが、交流戦以降は復調し、シーズン中盤以降は打線をけん引。2年ぶりに最多安打のタイトルを獲得し、打率・出塁率ともに2位でフィニッシュ。本塁打・打点は自己ベストと前年の不振から復活を果たした。
 シーズンオフに左田凛とともに熊本へのトレードが決定。7年目のシーズンは新天地で迎えることになった。

熊本時代(2021年~)

 同じDHの武雷蒼との共存が話題になったが、極度の打撃不振の陥り、すべての成績で自己ワーストを更新した上に新人だった2015年以来6年ぶりに規定打席に達せず、復調するなく代打要員に甘んじた。2年目の2022年は逆襲を宣言しスイッチヒッターに転向。さらに打撃コーチを兼任することになった。そしてシーズンが始まるや、前年を払しょくするように好調を維持。チームが久方ぶりに優勝争いをするなか、FA宣言から残留した紀野まこととともに打線をけん引し、シーズン記録を更新するペースでリーグ打点王を独走。終盤の失速で更新はならなかったが、自身初の二桁本塁打(12本)を記録し、本塁打・打点の2冠を獲得。翌2023年は開幕当初は不振も、シーズン途中に選手専任となってから復調、ハイペースで本塁打を量産し前年に続いて2冠(本塁打・打点)、15本塁打はマ・リーグ記録を更新した。


人物

PGBの選手として

 小柄な見た目と裏腹に高い長打力を持つ。ルーキーイヤーは粗さも見られたが、2年目以降は驚異的なバットコントロールを見せ、三振の少なさが光る。
 一時期守備を鍛えていたこともあったが、指名打者としての活躍が悪い意味でも働き、以降は練習自体もせずまともに、キャッチボールもできないぐらい下手である。
 また、打者の防具が充実する昨今にあって、何も身に着けずに素手で打席に立つ。本人曰く「余計なものつけたら変な感じ」とのこと。しかし、「人生最悪」(本人談)からの逆襲を目指す2022年はその方針を翻意。手袋、リストバンド、レガースなどフル装備で臨むことになった。

人間として

 年上選手にいきなり「おばはん(白石説子)」「お局(四条姫子)」と言い放ったり、他人が気にしていること(福丸杏子を関取呼ばわり、羽田色への貧乳いじり)をからかうなど口が悪く態度もデカいが、豪放磊落な性格で誰とでも分け隔てなく接するので人望はそれなりにある。
 大阪時代は同期の川浦英理と「名コンビ」と称されるほど仲が良くなり、球団が配信するラジオ番組ではMCを務めた。
 瓶ビール1ダース、日本酒一升瓶2,3本を飲み干しても平然といられるほどの酒豪。
 一方で幼馴染のボーイフレンドを交通事故で亡くすという暗い過去もあり、登場曲の歌詞に本心を込めている。


詳細情報

年度別野手成績

年度 所属 規定 試合 打率 打席 打数 安打 塁打 単打 二塁 三塁 本塁 打点 凡打 四球 死球 敬遠 犠打 犠飛 三振 併殺 失策 盗塁 盗失 出率 長率 OPS
2015 大阪 × 35 .261 97 88 23 36 16 4 0 3 15 41 7 1 1 0 0 20 4 0 0 0 .323 .409 .732
2016 大阪 38 .308 144 130 40 57 32 3 1 4 15 76 13 1 0 0 0 9 5 0 0 0 .375 .438 .813
2017 大阪 39 .350 131 120 42 59 32 6 1 3 17 64 11 0 0 0 0 12 2 0 0 0 .405 .492 .896
2018 横浜 40 .364 167 154 56 76 40 13 2 1 20 90 11 1 0 0 1 6 2 0 1 0 .407 .494 .901
2019 横浜 40 .264 164 144 38 55 29 5 0 4 16 94 19 1 0 0 0 6 6 0 0 0 .354 .382 .736
2020 横浜 40 .352 184 159 56 86 40 9 0 7 22 90 20 4 0 0 1 11 2 0 0 0 .435 .541 .976
2021 熊本 × 36 .236 102 89 21 24 18 3 0 0 8 61 13 0 0 0 0 6 1 0 0 0 .333 .270 .603
2022 熊本 39 .312 168 138 43 89 21 10 0 12 43 81 27 1 0 0 2 12 2 0 0 0 .423 .645 1.068
2023 熊本 40 .357 170 154 55 108 32 8 0 15 31 86 14 1 0 0 1 12 1 0 0 0 .412 .701 1.113
2024 熊本 40 .353 171 150 53 85 33 14 0 6 29 87 20 1 0 0 0 7 3 0 0 0 .433 .567 .999
通算:10年 387 .322 1498 1326 427 675 293 75 4 55 216 770 155 11 1 0 5 101 28 0 1 1 .396 .509 .905

表彰

  • 首位打者(マ・2018、2024)
  • 最多安打(マ・2018、2020)
  • 最高出塁率(マ・2018)
  • 最多本塁打(マ・2022、2023)
  • 最多打点(マ・2022、2023)
  • ベストナイン(指名)(シ・2016、2017、マ・2018、2020,2022~2024)

記録

初記録

  • 初出場:2015年4月5日 対東京フレイズ開幕戦(甲子園球場)、9回裏に代打で登場
  • 初安打:同上 長峰葵からセンター前へタイムリーヒット
  • 初打点:同上、同選手から
  • 初本塁打:2015年4月8日 対東京フレイズ2回戦(甲子園球場)、7回裏に橘川亜由美から2ラン

節目の記録

  • 通算安打
 100安打:2017年8月27日 対東京フレイズ7回戦(明治神宮野球場)、2回表に萱村美琴から左前安打
 200安打:2020年4月1日 対熊本シルフィード2回戦(横浜スタジアム)、8回裏に辻堂綾から中越え2ラン
 300安打:2022年6月8日 対札幌ホワイトエンジェルス4回戦(リブワーク藤崎台球場)、5回裏に恩田詩織から中越え2点適時二塁打
 400安打:2024年6月12日 対広島レッドリーブス4回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、1回表に大葉菜々子から中越え2点適時二塁打
  • 通算試合
 200試合:2020年4月26日 対福岡クローネ2回戦(福岡PayPayドーム)、5番指名打者で先発出場
 300試合:2022年8月14日 対横浜アクアマリンズ5回戦(横浜スタジアム)、4番指名打者で先発出場
 400試合:2025年5月18日 対名古屋Cキャッツ1回戦(リブワーク藤崎台球場)、8番指名打者でスタメン出場
  • 通算本塁打
 20本塁打:2020年8月9日 対熊本シルフィード5回戦(リブワーク藤崎台球場)、9回表に辻堂綾から左越えソロ
 40本塁打:2023年6月21日 対大阪ナイトブレイカーズ4回戦(リブワーク藤崎台球場) 6回裏にアキラから
  • 通算打点
 100打点:2020年8月16日 対札幌ホワイトエンジェルス7回戦(札幌ドーム)、1回表にエロフから中越え2ラン
 200打点:2024年6月9日 対広島レッドリーブス3回戦(MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島)、1回表に小野冬桜から

その他記録

  • オールスター連続出場(2015~継続中)※入団からの連続出場はPGB最長
  • 3球団で通算100安打※史上初(大阪:105、横浜:150、熊本119※継続中)

背番号

  • 55(2015)
  • 3(2016-18,2020)
  • 00(2019)
  • 8(2021)

能力推移

年度 パワ ミー 選球 走力 送球 守備 チャ/特1 対左/特2 バン/特3 盗塁/特4 捕手 一塁 二塁 三塁 遊撃 左翼 中堅 右翼 総合
2015 18/A 15/B 12/C 7/E 5/F 1/G 5 5 1 1 1     1 108/C+
2016 19/S 18/A 15/B 9/D 1/G 6/F 5 5 1 1 6     124/B
2017 19/S 19/S 17/A 11/D 1/G 1/G 5 5 3 1 1     145/A
2018 19/S 19/S 17/A 10/D 1/G 1/G 5 5 AH 1     149/A
2019 18/A 20/S 19/A 12/C 1/G 1/G チャ◎ 小技◎ AH 逆境 1     164/S
2020 18/A 19/S 20/S 12/C 1/G 1/G チャ◎ 対左◎ AH 逆境 1     164/S
2021 17/A 20/S 18/A 9/D 1/G 1/G チャ◎ 対左◎ AH 1     148/A
2022 18/A 18/A 20/S 12/C 1/G 1/G チャ◎ アーチスト 逆境 1     149/A
2023 19/S 20/S 20/S 11/D 1/G 1/G チャ◎ アーチ 逆境 - 1 163/S
2024 19/S 20/S 20/S 8/E 1/G 1/G 対チャ◎ AH 逆境 小技○ 1 165/S
2025 19/S 19/S 19/S 7/E 1/G 1/G AH 対チャ◎ 逆境 - 1 149/A

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  • 1992年生まれ
  • 和歌山県出身の人物
  • 大阪ナイトブレイカーズの選手
  • 横浜アクアマリンズの選手
最終更新:2025年05月21日 04:28