漸近級数と特異摂動法 - 微分方程式の体系的近似解法
【著者】柴田 正和
【出版社】森北出版
【難易度】☆☆
【お勧め度】☆☆☆☆☆
【コメント】
- 自信を持って読むことをお勧めします.学部生のうちに絶対に特異摂動をキチンと理解しておくべきです.実際の研究の現場では摂動論を使わないとまともな研究なんてできません.量子論の初歩で習う摂動なら,何も考えずに級数展開すればいいですが,実際の理論研究では素朴な摂動が破綻してしまうことは沢山あります.そういった「難しい摂動問題」を解決する方法が特異摂動論と呼ばれる方法です.(後述の本の)大野氏の理解によるなら,「特異摂動=繰り込み」であり,現代物理学で最も強力な解析方法である繰り込みをキチンと理解するうえでも大変助けになります.-- kz (2014-09-04 01:07:07)
非線形な世界
【著者】大野 克嗣
【出版社】東京大学出版会 (
【難易度】☆☆
【お勧め度】☆☆☆☆
【コメント】
- 非線形な現実を理解するうえで,繰り込みが極めて重要であることを伝える読み本.読み本といいつつ筆者の哲学が大量に書かれていて,参考になる.特に筆者は特異摂動論が本質的に繰り込みによって全部理解可能であることを喝破してきた研究者であり,単なる数学テクとしての特異摂動と,物理的描像を伴う繰り込みの関連がわかってよい.-- kz (2014-09-04 01:10:12)
最終更新:2014年09月04日 01:11