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Project Sparkの開発者たちはどうやってユーザーにコンテンツ作成の壁を乗り越えさせようとしているのか


Xbox One、Xbox 360、Windows対応のゲーム作成タイトル「Project Spark」の開発者たちは、ユーザーが初めてゲームやコンテンツを作成する際に最初にぶつかる壁を乗り越える手助けをするために自分たちは働いているのだという。こうした壁は、Project Sparkのようなユーザー生成型のゲームが直面するもっとも大きな壁であるのだ。

Project Sparkの開発をしているTeam DakotaのテクニカルディレクターであるSoren Hannibal氏は、彼らのチームがユーザーにこの最初のステップを乗り越えさせるために行っていることをいくつか概説してみせた。

「最初に世界を作ったり、キャラクターを配置したり、設定値を変更したりするまでというのが、ほとんどの人にとって大きな障害物なのだ。一度試してみてから、ゲームを作ることの複雑さに気づくというのはあっても、最初の一歩から複雑である必要はないのだ」

プレイヤーへの障害を緩和するための最初の選択肢として、Project Sparkはストーリーモード(Crossroad)を用意した。様々な選択肢が物語の形で提示されていくので、プレイヤーはそれらを選択していくのだ。「それはゲームを作っているようには見えないだろう。しかし設定が完了したら、十分遊べるだけの一つのレベルが完成している。我々はできるだけ威圧的にならないようにした」

Project Sparkでは、"Wizard"という機能も提供されている。峡谷、山、森林、砂漠、どのような世界を構築したいか、あるいは一人称視点、三人称視点、そしてどのような生物がその世界に住んでいるのか—これらをプレイヤーに尋ねることで世界を作る機能だ。

Project Saprkでコンテンツを作り、改良していく方法を学ぶ重要な方法の一つとして、ハンニバル氏は「リミックス」を挙げた。ハンニバル氏も、新進の若いプログラマーだったころ、雑誌のプログラムをコピーし、改良し、リミックスしていくことから始めたと語る。

「今まで出たゲームはどんなものであれ、リミックスのようなことに集中したものはなかっただろう。あるレベルを作成し、それを世界とシェアしたら、ほかの人はそれをダウンロードし、編集することができます。どのようにして作っているのかすべて見ることができるし、よりよいバージョンができたらそれを自由にアップロードできるのだ」

ハンニバル氏は、スターターキットについて言及した。例としてAngry Birdのスターターキットのようなものを挙げた。キャラクターや敵、スコアリングシステムや標準的な障害物を用意したキットを用意しておいて、プレイヤーは小道具に手を加えたり微調整を加え、自分自身のAngry Birdの世界を作ることができるのだ。

ハンニバル氏はさらに、Project Sparkでは編集とテストの切り替え時間が短いから、プレイヤーはゲームを作ったり編集したり改良したりしたらすぐにテストできると指摘する。彼は、自分のチームが作成したブラックジャックのゲームを例として挙げた。「機能的なのだが、魅力的でもかわいくもなかったね」チームのアイーティストがダウンロードしてよりかわいらしくしたのだが、そのブラックジャックゲームがチーム内で人気がでたのは、デザイナーがそのゲームをリミックスし、プレイヤーに対して間違ってはいるが若干の魅力を伴ったアドバイスを与えるゴブリンを登場させるようにした時だったのだ。

ハンニバル氏は、Team Dakotaは最終的にクリエイターたちがProject Sparkをどのように使うかは分からないと考えている。しかし、「最も印象的なレベルを作成し、それに報いるだけのデザインポートフォリオを提供している」ことは分かっているという。

「我々はすでにフルタイムで働く一チームのテスターを雇ってきたのだ」

Project Sparkのオープンベータテストは数週間で開始する予定で、段階的に解放される。「ベータ版をリリースするというのは、我々にとってはチームの誇りのバッチである」ハンニバル氏は語る。「我々のプロジェクトは、コミュニティーから必要とされない限り終わらないだろう」

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最終更新:2013年11月09日 22:13