武さんが提供してくれた資料です。(2010/10/21)
反対派資料■オランダの文化
オランダは、他国で思想・信条を理由として迫害された人々を受け入れることで繁栄してきたという自負があるため、何ごとに対しても寛容であることが最大の特徴といえる。とりわけ、日本にとっては、徳川幕府による鎖国政策に際し、キリスト教の布教活動禁止という条件に欧州諸国で唯一寛容に応じ、長崎の出島を介した貿易を通じ、欧州の近代文明を蘭学という形で江戸時代に日本にもたらした史実は、明治維新後の日本が急速な近代化政策に成功するうえで不可欠な恩恵となった。また、ポルトガルが統治したカトリック国として、近年インドネシアからの独立を果たした東ティモールとは異なり、東インド会社によるインドネシア統治に際しても、当該地域における、キリスト教ではなくイスラム教の普及をむしろ領地拡大のテコとして利用した程である。現在でも他の欧州諸国に比して実に多くの移民が、その暮し易さのために、合法・非合法を問わず在住している。
ただし、近年、とりわけアメリカ同時多発テロ事件以降、イスラム系住民に対する反感が増大し、新たな移民の入国も制限されつつある。EU憲法の国民投票での否決には、ナショナリズムに似た感情が反映されているとされる。また、フランスやオーストリアよりはマイルドな主張であるが、ウィルダース・グループなどの「極右」勢力が伸張しつつある。イスラム系住民の中ではイスラム過激派が力を伸ばし、著名な映画監督テオ・ファン・ゴッホなどの暗殺事件やプロテスタント教会やイスラム教モスクや学校の焼き討ち事件などが以前よりは頻繁に起こるようになっている。もっとも、合法的に入国を果たしたEU域外からの移民については、オランダ語講習、社会化講習、就職相談をセットにした、いわゆる「市民化講習」の実施を他のヨーロッパ諸国に先駆けて行うなど、一定の移民対策も講じてはいる。
門司さんが提供してくれた資料です
- 原則として受け入れない方針の単純労働者については、合法的な日系人から非合法な不法就労者まで、さまざまなルートでの供給が行われ、雇用調整が容易で安価な労働力として利用されており、建前と実態の乖離が大きい。
- 受け入れに消極的な日本の現状を踏まえ、外国人受け入れに関する生活者の意識を探るため、アンケートを実施した。
- バブル末期の人手不足に起因した「不法就労者」や「単純労働者」へのニーズが低下したこと、外国人犯罪についてのネガティブなイメージ、などの影響を受け、外国人に対する見方は全般に厳しくなっている。
- 「専門的・技術的労働者を積極的に受け入れて、単労働者は原則として受け入れない」、「不法滞在者は排除する」という、現行の政策に対する支持は全体に高い。しかし、移民受け入れや不法就労者への在留許可の拡大についてもそれぞれ3割前後の支持があり、外国人受け入れの方向性に関する国民的コンセンサスは確立されていない。
- 外国人によるサービス提供についての利用意向をたずねたところ、日本語能力の高さを条件とする意見が多く、看護・介護・家事・保育などヒューマンタッチなサービスほどその傾向が強かった。
- 行政が提供している外国人に関する情報は、質・量の両面で問題がある。外国人受け入れの是非に関する国民的議論を進める前提として、多面的で偏りのない情報の提供が求められる。
- 日本が受け入れを望む外国人の定着を図るには、生活・経済面での差別解消など、外国人が暮らしやすい社会を構築する必要がある。
最終更新:2010年10月30日 00:11