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ジョジョの奇妙な東方~FF・of・fate~ 第二十二話

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shinatuki

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ジョジョの奇妙な東方~FF・of・fate~
第二十二話:魔理沙メイド隊?その③


秋。それは実りの季節であり、また一年で最も過ごしやすい季節であるとも言える。人間の里では例年通りに米や作物がたわわに実り、来年に頑張ってもらうために田畑を安め、そして別の畑に春に生る作物を植える。
え?豊穣の神?そんなのいませんよ、ファンタジーやメルヘンじゃないんですから・・・
まぁ、それはさておき。残暑厳しい季節に起こった異変を解決し、二度に渡る神社崩壊にもめげずに頑張る自分に誰かゴホウビくらいくれてもいいと思う、と日課の落ち葉掃きの手を休めて腋巫女――博麗霊夢はさっきから鳴りっぱなしの腹を抱えた。

「紫のヤツ・・・神社建て直しただけでサラっとどっか消えやがって・・・」

しかもこういう日に限って食べ物を持ってきてくれる魔理沙や早苗は来ない。無論、巫女としての仕事を全くといっていいほどしない彼女に非があるのだが。
残念な事に彼女はどちらかと言えば損得勘定で動く人間なのである。

「天子も天子で天界から降りてこようとしないし・・・あの竜宮の使いも慰謝料くらい払ってくれたっていいじゃないの・・・」

誰も好き好んで痛い目に遭いに行きたいとは思わないだろう。何しろ本気で怒った彼女は誰にも止められないのだから。
そんなことをブツクサ言いながら掃き掃除を行っていた霊夢は久方ぶりのマトモな御飯・・・もとい、来客に気付く。そして、その珍しさに改めて驚く事になった。

「あら、魔理沙親衛隊一号二号V3じゃないの。どうしたの?」

「人を仮○ラ○ダーみたいに言わないで頂戴。」

三人を代表してアリスが言う。
あの後、何とか泣き止んだにとりから最近の魔理沙の目撃情報を聞いてみたのだが、彼女自身も魔理沙の情報を持っていなかった。
結局無駄足かと思われたが、にとりの知り合いの河童が博麗神社で白黒の魔法使いを見たという情報を受け、ここまでやってきたというわけである。
ちなみににとりは夢で見た事は喋ってはいない。余計な混乱を招くだろうということもあったが、何より自分が信じられなかったからである。

「魔理沙なら来てないわよ?というかアンタ達、用事があるならお賽銭入れてきなさい。」

まさに霊夢である。何か文句でも言ってやろうと思った三人だったが、あまりの霊夢の迫力(主に飢餓状態によるイライラが原因)に大人しく賽銭を入れる事にする。
チャリーンと博麗神社におよそ似つかわしくない澄んだ音が響き、霊夢の機嫌がとたんに良くなる。

「で、何の用事?さっきも言ったけどゴh・・・魔理沙ならここ一週間くらい来てないわよ?」

「まぁそれはいいんだけど。魔理沙の行きそうなところにどこか心当たりってないかな?」

「私たちのところにも全然来てないのよ・・・」

口々に言う魔理沙親衛隊(霊夢命名)。
にしても魔法使いに人形遣い、果ては河童とどれだけ広範囲に人気があるのだあの黒白は・・・
一度でいいからその人気をこちらにわけて欲しい、と半ば本気で考える霊夢だった。

「知るわけないじゃないの。貴方達みたいに魔理沙の行動を逐一観察してるワケじゃあないんだし・・・」

霊夢の言葉にうっ、という呻き声をあげる3人。3人とも何らかの手段で魔理沙の交友範囲だの家の特定だのを行った前科があるのだ。人形だったりGPSだったり魔力辿ってみたりただ単に後つけてみたり・・・。どう考えても単なる犯罪者共である。

「だ・・・だけどね?心配じゃない?ほら、私たちここ二週間近く魔理沙に会ってないのよ。そんなこと滅多にないから・・・ね?」

パチュリーの焦ったような言葉にふむ、と考える霊夢。
実は霊夢は、ここ最近魔理沙が何をしているかは【知っている】。だが、彼女達に話す気はなかった。本人が話す気になれば話すだろうし、霊夢自身話すような事ではないと思っているからだ。
だけど、と続ける。確かに二週間も行方が知れなければ確かに心配にもなるだろうし、何よりこの三人には賽銭を入れてもらっている。真相を話す気は無いが、いつも気ままにトラブルを巻き起こしている魔理沙に少々オシオキをするのも悪くは無いだろう・・・。どうせヒマだったし。
そこまで考えた霊夢はニヤリ、と意地の悪い笑みをこぼしながら彼女達に話した。

「そうねぇ・・・なら妖怪の山・・・じゃなくて今は人里か。とにかく早苗も呼んできなさいな。そしたら魔理沙の探し方教えてあげるわ。」

夕暮れ。西に沈んでいく太陽とそれを遮る竹林のコントラストは何時見ても本当に幻想的だ、と妹紅は思った。
となりにいる重ちーも目を輝かせて沈む夕日を目に焼き付けている。そしてその更に隣にいるのは。

「はぁ・・・一体どこにいるのやら・・・」

重ちーの報告を聞いた魔理沙が項垂れていた。ここ最近、魔理沙は重ちーと幻想郷中を飛びまわっている。何でも探していた人の目撃報告があったとかでモノ探しの達人である重ちーを誘拐同然に連れて行き、場所を指定してそこを探し回っているのだという。
最初は憮然としていた(誘拐されたのだから当然だが)重ちーだが、魔理沙の熱意と礼金(主に後者だが)に負け、一緒になって探している。しかし、二週間経った今でも全く見つかっていないらしく、竹林に詳しい妹紅も引っ張ってきて探させているという次第である。

「にしても魔理沙。お前の言う幽霊だか悪霊だか・・・霊なら普通冥界にいるんじゃあないのか?」

「真っ先に探したよ。だけどいなかった。妖夢に見つけたら知らせて貰うようになっちゃいるが・・・」

連絡はナシだ、と言わんばかりに肩を竦める。いつも飄々として人を小ばかにしたような態度を取る魔理沙だが、この時ばかりは妹紅には歳相応の少女に見えた。

「大事な人・・・だったっけ。その悪霊。」

「あぁ。急にいなくなっちゃったんだよなぁ・・・何でかなぁ・・・私の事嫌って消えちゃったのか・・・」

「元気だすど、魔理沙!」

それまで夕日に気をとられて会話に参加していなかった重ちーが声を上げる。

「オラのハーヴェストは最強だど!戦闘はモチロン、モノ探しは得意中の得意だど。今日はたまたま見つからなかっただども、明日、また明日って探せばいつか見つかるど!ダイジなのは諦めないことだど!」

踏ん反り返って言う重ちー。言葉こそ⑨と大差ないが、魔理沙を案じているということはよく判る。重ちーは重ちーなりに魔理沙の事が心配なのだろう。

「・・・そうだな!今日がダメでも明日がある!明日がダメでも明後日があるッ!負けない事投げ出さない事逃げ出さない事信じぬく事が一番大事ってどっかの誰かも言ってるしな!」

すっくと立ち上がって拳を握り締める魔理沙。がんばるどー!と一緒になってバンザイしている重ちーを見て、妹紅は苦笑した。
重ちーといい、ツェペリ男爵といい、どうして外来人というのは底抜けに明るい連中ばかりなのだろうか。見ていてすごく気持ちがいい。彼等なら、決して間違った道を歩かないようなそんな気すらしてくる。
それが眩しく見えるのは自分の僻みだろうか、と柄にもなく思う妹紅だった。
と、

「びぇっくしょっ!」

魔理沙がおおよそ女性に似つかわしくない巨大なくしゃみをした。当然、近くにいた重ちーと妹紅はその影響をモロに受け、ヨダレとハナミズでべとべとになる。

「・・・ひどいど、魔理沙・・・」

「あぁ。手伝ってもらってる相手にこれは酷いんじゃあないか?」

「悪い悪い。しかし、この悪寒・・・誰かウワサしてんのかなぁ・・・」

鼻を啜りながら言う魔理沙。
どうせ、アリスかパチュリー辺りが悪口を言っているのだろう。そう言えばここ二週間くらいあいつ等の所へ行ってなかったな・・・明日辺り襲撃にいくかな~、と暢気な事を考えていた。
しかし、次の日。彼女はそんな暢気な事を考えていた事を自ら呪うハメになるとはこの時、全く考えていなかったのであった。

夜。博麗神社に集った魔理沙親衛隊・・・もといパチュリー、アリス、にとり、早苗の四人は、ニヤニヤとしている霊夢を見て(来なきゃ良かった・・・)と同時に思っていた。特に仕事終わりに疲れている早苗など、ツェペリの特性御飯にありつけなかったため半泣きである。
無論、当の霊夢はそんな事を思われていることなど露ほどにも気付いていない。

「魔理沙はハッキリ言って素早いわ。普通に追いかけるのはモチロン、罠張っても罠が発動する前に逃げられるわ。更に勘も鋭い。待ち伏せしてもそこを迂回して移動する危険性が高いわ。」

どこから持ってきたのか黒板など持ち出してカリカリと書き出す霊夢。もはや当初の【魔理沙探し】などどこかへ飛んでいってしまい、【魔理沙狩り】と化してしまっている。
ここにいる誰もがそれに気付いていたが、霊夢の暴走は止まらない。

「ならば取るべき手段は何か。はい!アリス!」

「え、わ、私!?えっと・・・・・・人形を幻想郷中に広げて逐一行動を報告さ・・・」

「NON。気付かれるわ。アイツは貴方の人形をいくつか持ってる。たとえ偽装してもわかるでしょうね。はい!パチュリー!」

「え!?じゃ、じゃあ・・・魔理沙は人間・・・だから人間の里に大型の魔方陣を仕掛け・・・」

「NON。【協定】に違反するわ。それに人間の里程度の広さなら魔理沙はものの数秒で突破してしまう。よほどタイミングを合わせないと無駄足に終わるわ。次、にとり!」

「ひゅい!?えー、あー、文とかに頼んで・・・」

「NON。文はこういうことがあったら当事者になろうとは絶対しないわ。他の妖怪は文や魔理沙程のスピードを持つヤツはそうそういない。いたとしても頼むだけ無駄でしょうね。次、早苗!」

「え、私も!?な、なら神奈子様や諏訪子様みたいなそれぞれの場所の偉い人に協力を・・・」

「NON。確かに協力はしてくれるでしょうけど、一人残らず一度以上は魔理沙に負けているわ。確率は今までで一番高いでしょうけどそれでも不十分。必要なのは、」

そこまで言うとカツン、とチョークを置く。黒板には魔理沙の似顔絵が描かれていた。以外に上手く特徴を捉えているのが腹立たしい。

「必要なのは、弾幕も魔力も、支配者の力も借りずにかつ魔理沙に気付かず、更に魔理沙を発見したら即束縛する・・・そんな罠(ルール)よ。」

気のせいだろうか、四人には霊夢の背後に真っ赤な男がスタンドの如く佇んでいるような光景が目に飛び込んだ。

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