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東方魔蓮記 第六話

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  • ある日の昼過ぎ
ディアボロは出かけていた。
いつも本を読んでいて退屈だったため、どこかに出かけてみることにした。
ちなみに、どこに向かっているのかというと・・・

「(確かここらへんだったはずだ)」
紫の記憶にあった、ひまわりが沢山咲くところである『太陽の畑』を目指して道を進んでいた。

「(ここが太陽の畑・・・紫の記憶通り、ひまわりだらけだな)」
と、周囲を見渡していると誰かいることに気がつく。
「(ん?)」
・・・いや、訂正しよう。『誰か』と『スキマから身体を出している者』がいる、である。
「(あのスキマは・・・紫が開けたもの・・・だとすると、その隣にいるのは・・・)」
よくよくみれば、緑色の髪に手には傘。場所もあわせて、すぐにディアボロは気がついた。
「(四季のフラワーマスター、『風見幽香』・・・もし敵に回すと面倒だな)」
どちらかだけでも厄介なのに同時に相手にしたらさすがに今の自分でも苦戦する。
そう思ったディアボロはこっそり隠れた。が、ディアボロの視界から幽香も紫も見えなくなってしまった。
それと同時に、紫がディアボロに気づく。

・・・いや、もしかしたら最初から気づいていたのかもしれない。

「あら、久しぶりね」
「!!!」
聞き覚えがある声にディアボロが振り返ると、紫がスキマからディアボロを見ていた。
とっさの判断で、後ろに飛びのこうとするが、その構えに入った瞬間。
「(背後にも誰かいる・・・挟み撃ちにされたか)」
「ピンク色に斑点模様がついた長い髪の毛の男・・・」
「(すでに『素手での攻撃が命中する距離』まで詰められている!?)」
声と気配から距離を推測し、驚くディアボロ。
なんともう一人の妖怪も、いつの間にかディアボロの背後にいたのだ。
「私は『風見幽香』。紫からあなたのこといろいろと教えてもらったわ。その話を聞いていたら、あなたに興味がわいてきてね・・・」
「(興味・・・?)」
「あなたと戦ってみたくなってきたのよ。紫も苦戦したその力・・・『攻略しがい』があるわ」
そう言う幽香は、不敵な笑みを見せていた。
人間でありながら、紫を苦戦させた者と戦えることの楽しみからか。それとも『力』への関心からか。
「私は観戦しておくわ。・・・安心しなさいよ。『あの時』のことはもう気にしていないから」
「(・・・本当か?なんか信用できない。万が一紫も加勢すると、勝てる確率がなおさら低くなる)」
「(特に他の奴が見ていると、キングクリムゾンの能力もヘブンズドアーの能力も使いにくいしな・・・)」

「・・・・・」「・・・・」
紫はもう離れている。つまり、幽香と一対一なのだが・・・
二人ともその場から動こうとしない。ディアボロは振り返ってもいない。・・・下手に動けば攻撃される。
ディアボロの体格は承太郎やジョナサンに比べると、圧倒的に細身。
幽香の攻撃を一撃でもくらえば、それが大ダメージになりかねない。

―そして
「(・・・いまだ!)」
自分が振り返ると同時に、キングクリムゾンの回し蹴りで幽香を蹴り飛ばそうとする。
・・・・が。

なんと、幽香は傘でキングクリムゾンの回し蹴りを止めたのだ。
「(な・・・・!『スタンドが見えていないはず』なのに『傘で防御』しただと!?)」
驚きながらもディアボロは距離をとる。対する幽香は不敵な笑みを見せる。
「(幽香や紫ほどの妖怪になると、『迫りくる何か』を察知できるのか!?)」
「(いや、だとしたらあの時、何故紫はスタンドに反応できなかった?)」
「(・・・冷静に探れ。漫画のページ・・・他人の記憶・・・スタンドの特徴・・・何かヒントが・・・!)」
幽香が殴りかかるのをキングクリムゾンで防御する。反撃にキングクリムゾンで殴るも、避けられてしまう。
「(不可視のものを普通見ることはできない。紫がこっそり境界を操作したか、別の手段で察知しているとしか考えられない)」
「(境界操作を選択肢から外すとすると、一体どうやって・・・)」
ケースから一枚DISCを取り出してすぐに入れる。
ディアボロの入れたDISCはエコーズ。今はACT3の状態だ。すぐにキングクリムゾンを使ってエコーズACT3と会話する。
『ACT3、傘を重くしてすぐに解除するぞ』
『ソンナコトヤッテドウスルノデスカ?』
『なに、軽い検証をするだけだ』
『??・・・ワカリマシタ』
キングクリムゾンの攻撃にワンテンポ遅れてACT3が攻撃を仕掛ける。
幽香はキングクリムゾンの攻撃は簡単に避けるが、ACT3の攻撃を回避できないと判断したのか、傘で防御する。
が、その攻撃を防いだ瞬間、急に傘が重くなったかのような反応をする幽香。

「(これでわかったことが一つある。風見幽香は『スタンドの種類を判別できていない』)」
エコーズACT3の能力をすぐに解除すると、今度はキングクリムゾンとACT3で同時に攻撃する。
ディアボロの予想通り、今度は二つとも避ける。
「(これでスタンドが見えているという可能性はなくなった。だとしたら、あいつはどうやってスタンドの攻撃を・・・)」
そう考えている間も、幽香はディアボロに攻撃をしてくる。
その攻撃を防ぎ、回避する。そしてそのたびに反撃をするが、避けられる。
「(そういえば、風見幽香がこっちの攻撃を避けたり防御したりするタイミングはギリギリだ)」
「(後もう少しでこっちの攻撃があたる、というところで毎回避けられたり防御される)」
幽香の蹴りをキングクリムゾンで防ぎ、エコーズをACT2に切り替える。
そして後ろに跳躍して距離をとり、能力を発動する。
「(これでどうだ・・・)」
ACT2の能力は尻尾を文字として飛ばして効果を発動する。相手に攻撃をする必要がないため、有効だと判断したのだ。
とりあえず、『あの場所』でも使っていた『ドビュウの尻尾文字』を飛ばす。
この尻尾文字には、相手を吹き飛ばす効果がある。距離を取るのも兼ねてこの尻尾文字を飛ばした。

「(これも避けるか・・・?)」
そう思っていたディアボロだったが、なんと幽香に『ドビュウの尻尾文字』が命中した。
すごい勢いで幽香は吹き飛ばされる。それに驚く幽香だが、なんとか体勢を整えて着地した。
「(なんなのかしら、今のは・・・まったくわからなかったわ)」
そう思う幽香に対して、ディアボロはある結論を出した。
「(もしかしてこいつ・・・『攻撃のときに発生する空気の動き』を察知して避けているのか?)」
「(もしそうなら、尻尾文字が避けられなかったことも説明がつく)」
「(それだけとも考えにくいが、それはもしかしたら長く生きたことによってついた『勘』なのかも知れない)」
そしてディアボロが軽いため息をついて思ったことは・・・
「(やれやれ・・・紫や風見幽香のような強さをもつ妖怪との勝負は今後避けるようにしよう・・・)」
そう思いながら、もう距離を詰めてた幽香の回し蹴りを避けるディアボロ。
「こっちの攻撃を見破られるとは、な」
「あなたも人間なのにやるわね。紫が話していたこと、嘘じゃないようね」
そういって幽香は殴りかかってくる。
今度はキングクリムゾンにその腕をつかませて、顔へ殴りかかる。
幽香は殴りかかってきた手を下から素早くもう片方の手で掴む。
「(今、風見幽香もキングクリムゾンも両腕を掴みあって動きにくい状態・・・)」
一枚のDISCをケースから取り出し、すぐに入れる。
「(チャンスだ!)」
すぐにそのスタンドを出して、幽香のわき腹を殴る。その攻撃に思わず目を見開き、手の力が抜ける。
その隙にキングクリムゾンを戻し、荒くなっている呼吸を整える。
幽香を殴ったスタンドは『スタープラチナ』。
高い攻撃力に加え、かなり精密な行動も取れる。そしてザ・ワールドと比べると短い時間だが、時を止めることもできる。

今度はそのスタープラチナのパンチを幽香は受け流す。
直後の幽香の蹴りを回避すると同時に、ディアボロは勝負に出た。
「(あまりやりたくないが、やるしかない・・・! スタープラチナ ザ・ワールド!)」
その瞬間世界が灰色に染まり、やがて元の色を取り戻す。が、何もかもがまったく動かなかった。
『あの時』と同様、時間が停止したのだ。
頭の中で残り時間を数える。残り3秒を切り、その3秒が経過すれば時は再び動き出す。
後は狙いを定め、そこにパンチを叩き込めばいいだけだった。

『オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラアッ!』
スタープラチナのラッシュが、幽香の腹部に連続で命中する。
後一秒。ディアボロが後ろに跳躍するのと同時に、『時間切れ』になる。

  • そして時は動き出す-

「がはっ!?(今のは一体・・・!?)」
再び驚きながら、今度はぶっ飛ぶ幽香。
何とか体勢を整えて着地するも、その口からは血が垂れていた。
「(まさかここまでやるなんて・・・)」
口の血を手でふき取りながら幽香はそう思い。

「(時間をこっちに来てから初めて止めた。気づかれていないといいが・・・)」
ディアボロは時間停止によって咲夜に気づかれていないか心配した。

幽香は無言で走ってディアボロに接近してくる。その手には、先ほどとは違って傘を持っていた。
「(怒らせたか?・・・・仕方ない、カウンターを狙う!)」
幽香は無言で傘を振りかぶる。それを見て、ディアボロもスタープラチナを攻撃の構えに入らせる。
横に振られた傘をキングクリムゾンが掴むと同時にスタープラチナが幽香目掛けて殴りかかる。
スタープラチナのパンチは幽香の顔に直撃し、その勢いで幽香は再びぶっ飛んで地面に倒れる。
傘は、ギリギリでディアボロに届かなかった。
「怒るといいことないぞ。常に冷静でいられるのも重要だ」
地面に倒れる幽香を見て、ディアボロはそういった。彼とて信頼した者を裏切るようなことはしない。もっとも、組織の頂点にいたときでは信頼した者自体が少なかったのだが。
だからこそ彼は、自分が信じた者を裏切るような真似はしなかったといえる。

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