アットウィキロゴ
ジョジョの奇妙な東方Project@Wiki
掲示板 掲示板 ページ検索 ページ検索 メニュー メニュー

ジョジョの奇妙な東方Project@Wiki

不死鳥は失敗を恐れない 第十六話

最終更新:

匿名ユーザー

- view
だれでも歓迎! 編集
「なんなんだ、アイツ!」
 妹紅は後ろを見ながら、驚いた。
 この闇の中、ものすごいスピードで迫ってくる影がある。
「ものすごいスピードで追ってきてるぞ!」
 ジョニィも望遠鏡越しに目を凝らして追跡者の影を見る。
「ブンブーン一家の他の2人は見えるか? どこにいる!」
 ジャイロは前を走りつつ、ブンブーン一家の姿を探す。
「全然見えないッ! 暗いし……さっきからアイツ1人だけだッ!」
 ジョニィは馬のスピードを緩めず、ずっと走っている
「アイツに追われ出して何時間になる!? アイツ全然へばってない!」
 疲労の影を見せつつも、妹紅は2人についていく。
「もうずっと3時間もあの調子だ! 全然ペース落ちてないぞ! もうお互い馬がつぶれるかもしれねーのに……」
 ジャイロも後ろを見て、徐々に距離を詰める影をにらむ。
 ジョニィは、深呼吸をして、再び望遠鏡を覗き込んだ。
「でも、妙だ。アイツは本当にブンブーン一家なのか?」
 落ち着きを取り戻したジョニィが、つぶやく。
「ブンブーン一家以外に追ってくる奴がいるっての?」
 目を凝らして、妹紅は背後から迫る影をにらむ。
「考えてみろ。ブンブーン一家があれほどの乗馬テクニックを持ってたか? それにあの帽子の形は、どこかで見たことあるぞ」
「おいおい、ブンブーン一家以外に誰が追ってくるって言うんだ? こんな夜中に!」
 ジャイロはムキになって反論する。
「とにかく、奴らを俺に近寄せたら『鉄の磁石』がまた始まるッ!何としても奴らより先に『水場』に到着しなくちゃ厄介なことになるぜ!」
 ジャイロは、馬を加速させる。
 その横を、妹紅が追い越した。
「おい、妹紅! そんなに急ぐと馬がつぶれるぞ!」
 ジャイロは声を荒らげた。
 その背後で、ひときわ大きく馬の足音が鳴った。
 ジョニィは、背後を見る。
 もうそこまで影は迫っていた。
「何なんだアイツッ! もう岩場を登り切ってるぞォーッ!」
 ジョニィは叫んだ。
 もう追いかけてくる人影はその姿が見えるほどに近づいていた。
「なんでアイツが夜通しでオレたちを追っかけてくるんだよ!」
 ジャイロは動揺した。
「おい、2人とも、スピードを落としてんじゃねーッ!」
 2人の先で、妹紅がジョニィとジャイロを呼ぶ。
 しかし、その声は二人の耳に入らなかった。
「なんで、なんでマウンテン・ティムが追いかけてきてるんだ……?」
 なぜなら、ジョニィは見たから。
 自分たちを追いかけているのが、ファーストステージ4位の優勝候補、マウンテン・ティムだったのだから。

  不死鳥は失敗を恐れない 第16話『追跡者』

「クソッ! 登り坂なのに加速してやがるぞ……どうかしてるッ!」
 ジャイロは必死に馬を急がせる。
「違う……ジャイロ、わかりかけてきたが、この状況はそういう事じゃあないんだ……」
 ジョニィは、右の頬を押さえはじめた。
「どうした? ジョニィ」
 2人の先を走る妹紅も減速し、ジョニィの横に並ぶ。
「彼は加速している……でも、それだけじゃあない! 走っているからわからなかったんだ!」
 ジョニィは、右手を顔から放した。
 妹紅は、にわかにのけぞった。
「これって……ジャイロと同じ……!」
「ああ。そうだ。僕の体が後方へ引っ張られて行ってる……!」
 ジョニィの頬には、手綱の金具がめり込んでいた。
「馬具の『鉄』が壊れて飛んできている! ジャイロと同じ状態だッ!」
 馬具についているビスや、ネジ。
 ベルトの金具などが一斉にジョニィへと突進していく。
 支えを失った馬具は、馬の体を滑り、ジョニィを落馬させた。
「ジョニィ!」
 ジャイロがジョニィの名を呼ぶ。
 しかしすでに『磁石』の症状が再発しており、彼の体に馬具の『鉄』がめり込み、彼を落馬させる。
 ジャイロも、落馬した。
「ジョニィも『磁石』体になってやがる……」
 妹紅は思わず馬の足を止めた。
「いつの間にか……僕も『鉄』の『磁石』の体になってしまってる!」
 ジョニィは受け身を取り、地面に着地する。
「ジョニィ! お前どこで奴らに触られた? どっかで触られたはずだッ!」
 ジャイロも上手に着地し、立ち上がる。
「弾丸かもしれない! 最後にベンジャミンが撃ってきた弾丸に何かついていたのかも……!
 ジョニィは推測を立てて、ティムの走りこむ方を見る。
「妹紅! 奴らを探せッ! どこか近くで『磁石』を操っている筈だ!」
「わかった!」
 妹紅は馬の方向を変え、走り出す。
 だが、ジョニィはずっとティムが来る方向を見ていた。
「いや……ブンブーン一家はもう関係ないのかもしれない」
 ジョニィの言葉に、妹紅は足を止めた。
「それって一体……」
「何で僕らを追ってきているのか知らないが、彼が近づいてきてからこうなった……」
 ティムの影が大きくなるにつれて、二人の体はずるずると動いていく。
 ジョニィは地に爪を立て、引っ張る力に抵抗しようとする。
「おい、ジョニィ! 何をやってるんだ!」
「引きずられている……さっきから、後方に……アンタもだ、ジャイロ!」
 ジャイロも、しがみついている岩ごと動き出す。
「妹紅! ティムを止めてこい!」
 ジャイロは叫んだ。
「ブンブーンの次はティムかよ……忙しい奴だな!」
 妹紅は愚痴りながら、2人の間を走って抜ける。
「おい、そこの騎手、止まりなさい!」
 妹紅は馬から飛び出し、ティムに組みつく。
「何をするッ!」
 妹紅に組み付かれ、落馬するティム。
「いいからあの二人から離れろッ! 大変なことになるぞッ!」
 妹紅はティムの頭をひっつかんで、走り出す。
「うぎぎ……重い!」
「なんなんだお前は!」
 ティムは、妹紅の腕をひっつかむ。
「なにすんだよ!」
「それはこっちのセリフだ! 公務執行妨害でしょっ引くぞ!」
「いいから! アンタが近づくと あの二人もアンタも死んじまうんだよ! 手前の腕見てみろよ!」
 妹紅に言われて、ティムは自分の腕を見た。
「おれの『拳銃』が地面を落ちずに、腕に張り付いている! それに、この『引っ張り込むような力』は……!」
 妹紅が続けてティムを引っ張って離れようとすると、ティムの体が浮かんだ。
 それを見たジョニィは、目を見開いた。
「駄目だッ……僕らは既に近づきすぎていたんだ!」
 ティムにつられて、妹紅の体が引っ張られる。
「マウンテン・ティムの体が空中を引きずられてくるぞッ!」
 宙に浮かぶティムの体が、妹紅を引きずって2人に突進する。
 3人の磁力が急激に強まり、3人の皮膚が裂けて血が噴き出てくる。
「血管が破裂するッ! ぶつかるぞォォ!」
 ジョニィは岩陰に隠れようとして動いた。
 しかし体は思うように動かない。
 その時、ティムの体がバラバラになった。
 腕や、胴、脚や手などが切り落とされたかのように別れている。
 妹紅の体が振り落とされ、砂地に落ちた。
 バラバラになって宙に浮かぶティムを見て、ジャイロは驚いた。
「なんだこりゃあ……?」
 よく見ると、バラバラのティムの体は一本のロープで繋がっていた。
 ロープはとがった岩に巻かれており、ロープと一体化した彼の体はロープの上を滑りながら2人から離れていく。
「ロープを投げた……『ロープの距離だけは肉体をバラバラにして移動できる』……そこのお嬢さんの言うとおり、3人とも近づくとヤバいことが起こるようだな」
 岩のてっぺんにまで体が到達すると、ティムはジョニィを見た。
「どうやらオレは追跡の相手を誤解していたようだ。ジョニィ・ジョースター。今俺たちを引っ張っている『磁力』のような力は誰の能力なんだ?」
 ジョニィと、ジャイロは立ち上がった。
 ティムは、それを見ながら岩に足をかけた。
「詳しく教えてもらおう。何が起こっているのかを!」

  次回予告
吉良「地底は駄目だ。喧嘩と弾幕が名物なんて江戸じゃあるまいし」
霖之助「……おや? こんなところに人が来るなんて珍しいな」
吉良「お前は誰だ?」
霖之助「僕の名前は霖之助。で、ここは無縁塚だ」
吉良「無縁塚だと! 話に聞いていたが、ここがそうなのか! これでついに平穏な生活が送れるッ!」
霖之助「残念だが、今の無縁塚は昔ほど静かな所じゃないよ」
吉良「なんだとッ!」
  次回ッ 不死鳥は失敗を恐れない 第17話『悪魔の掌』 お楽しみにッ!
霖之助「今の無縁塚は『過去の記録』が形を持って歩きまわる文字通りの危険地帯だ。歩いてお帰り。出口まで案内するよ」
吉良「私の平穏は、いつになったら手に入るんだ……」

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最近更新されたスレッド
ウィキ募集バナー