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不死鳥は失敗を恐れない 第十七話

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匿名ユーザー

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「ことが起こってから今までの出来事を全部伝えるぜ……」
 ジャイロは岩に足をかけるティムに、起こったことをありのままに話した。
 野営中にやってきたアンドレ・ブンブーンのこと。
 突然やってきたベンジャミン・ブンブーンとL・A・ブンブーンのこと。
 ジャイロの体が磁石と化して、ナイフや銃のパーツが引き寄せられたこと。
 逃げる際にジョニィもまたジャイロと同じ症状が現れたこと。
 そして、さっきまでマウンテン・ティムに追いかけられたこと。
「なるほど。犯人は『ブンブーン一家』で、『鉄を操る能力』を持っている。そのせいで俺はあんたらに近づくと死ぬって訳か」
 ジャイロの説明に得心したティムは、ロープを岩に投げた。
「さらに距離を取ろう」
 ティムの体はバラバラになり、体のパーツがロープを伝って2人から離れていく。
 その様を、ジャイロは顔をしかめて見つめる。
「お前も一体何なんだ!? 『ブンブーン一家』もだが、お前本当に人間なのか?」
 怪訝な表情でティムを見つめるジャイロ。
 彼を見て、ティムは静かに口を開いた。
「15年前の事だ。1875年、俺は当時16歳……軍に入隊していて、このアリゾナの砂漠でまだ地図に載ってない場所の探査任務に就いた。だが、俺のいた小隊26名は遭難し、水場を求めて何日もこの砂漠をさまよったんだ」
 
  不死鳥は失敗を恐れない 第17話『悪魔の掌』
 
 ティムの口から出てきた言葉に、ジョニィはセカンドステージ開始前の会話を思い出した。
「あの隊にいたのか……」
 唖然とした表情を浮かべるジョニィをよそに、ティムは話を続ける。
「俺たちが迷い込んだ砂漠は地元のインディアンからは『悪魔の手のひら』と呼ばれ、恐れられている場所だった。そこに俺たちの正体は踏み入ってしまったんだ……」
 話を続けるティムの脳裏には、白く輝く太陽や回り続ける方位磁石が浮かんできた。
「方位磁石が全く効かない場所だった……流砂のせいで地面が動いて、隊は迷ってしまった。あるはずの山が消えたり、無いはずの谷が現れたり……地形が変化し続けたんだ」
 ティムは、覚えている。
 砂を突き破って出てくる岩山。突然流砂でできた谷。身を焦がす熱風。
「『悪魔の手のひら』は1日に何キロも移動するらしい。先月あった場所に今月来ても砂しかなかったりした。インディアンの伝承によると、大昔流れ星が落下しすべてを破壊し、呪われているのだという。どんな広さなのか誰も知らず、どこにあるのかも出会わないとわからない……何万年もここのどこかを移動しているんだ」
 のどが渇いたのか、ティムは水筒の水を飲んだ。
「手持ちの水が尽きて、必死に水場を探したが、見つからなかった。馬が死んだ。死んだ馬を食べて生き延びた。小隊の仲間も倒れて行った……中には倒れた仲間に噛みついた奴もいた。そして、俺も力尽きて、谷に独り落ちて行って……文字通り焼け死んでいったんだ」
 水筒のふたを閉めて、ティムは眼を閉じる。
「だがな、そこは運命を選ぶ土地でもあったんだ……今でも鮮明に覚えているよ。何故か目を醒ました。夜中だった……夜、ごく僅かな夜露がロープにつく……それを俺の体は無意識の内に吸い取っていったんだ……ロープと俺の体が一体化してな。生き残ったのは俺だけだった」
 口元をぬぐって、目を開く。
「『引力』のせいなのか……『悪魔の手のひら』はその人間の眠っている未知の才能を引き出すんだ」
 ティムの話を、ジャイロも、ジョニィも、妹紅も口を開けたまま聞いていた。
「この『未知の才能』を俺は『立ち向かう者』――『スタンド』と呼んでいる。間違いない! ブンブーン一家も『悪魔の手のひら』に踏み入った奴らなんだ」
「『スタンド』……『立ち向かう者』……」
 ジョニィは、ティムの言葉を静かに口にした。
 呆然とするジョニィの前で、ティムはロープを投げて更に離れる。
「どこかに隠れている奴らを探し出して倒すしか旅を続ける方法はなさそうか?」
 ジャイロはジョニィと妹紅に意見を聞こうとする。
 その背後から、砂を踏む音がした。
「その必要はないと思うよ……」
 ずりずりという音と共に少年の声が聞こえてきた。
 もう一つ、馬の足音と一緒に砂を踏む音が聞こえてきた。
 ハッとしてジョニィは振り返る。
 ベンジャミンが馬から降りて近づこうとしていた。
 ジャイロはゆっくりと少年の声がしてきた方を向く。 
 L・Aが地面に何かを描いていた。
「探すこともないし離れる必要も無いよ。君たちが行けるのは……近づく方だけだ……ね? 父さん? 父さんがそう言った……」
 ぶつぶつとL・Aはつぶやきながら、砂に何かを描いている。
「手伝うかL・A。ひとりでロープ切れるか? マウンテン・ティムのロープをよォ~」
「え~? できるような、自信ないような……」
 ベンジャミンの言葉に、L・Aは自信なさげに答える。
「自信ねーなら俺がやってやってもいいんだぜ……痛てて……き、傷がぁ……」
 L・Aの後ろでは馬に乗ったアンドレが彼のことを囃し立てている。
「も~兄ちゃんは静かにしといてよ。重傷人なんだからさ」
「ちぇ~」
 L・Aに諭されて、アンドレは馬を下がらせる。
 続けて彼は砂に何かを描き続けようとする。
 その姿を見てジャイロはすぐにホルスターから鉄球を取り出して、L・Aに向ける。
 途端、地面から黒い塊が湧き出てきて、ジャイロの体を固める。
 それと同時に黒い塊は触手を伸ばしてジョニィの腕を捉え、妹紅の足を縛り、ティムがしがみつく岩へと向かっていく。
「うっ……うおっ」
 黒い塊はジャイロの体にまとわりつき、彼の首を絞める。
黒い触手が鉄球にまで上ると、ジャイロとジョニィの体がくっつき、黒い塊に縛られた。
 ブヂブヂと自分の肩を削られるのを見て、ジャイロは黒い塊の正体に気付く。
「これは『砂鉄』かッ! 地面の中の『鉄』を集めて形にしているッ!」
 ジョニィはあがいて何とか脱出しようとするが、体はおろか指すら動かない。
「吸い付いて来ているぞ……重い」
 2人が砂鉄に固められている内に、砂鉄の一部がティムを捉えた。
 このまま妹紅とティムの4人でがんじがらめにするつもりらしい。
 対抗して妹紅は足に絡みつく砂鉄を炎で蒸発させて、ティムはロープで体を分解し、分離した手で拳銃を連射する。
 ぎょっとして固まるL・A。
 襲い掛かる6発の銃弾と、走って向かってくる妹紅。
 とっさにベンジャミンはL・Aに寄り添って砂鉄の塊を前に出す。
 銃弾は砂鉄の塊にはじかれてしまった。だが、2人の前には拳に炎をともした妹紅が躍り出る。
「その『砂鉄』ッ! 焼き固めてやるッ!」
 高熱の拳を砂鉄に押し付けようとする妹紅。
「お前もぶっ潰してやるッ!」
 ベンジャミンが手を差し向けると砂鉄は広がって、妹紅を包み込もうとする。
「うおっ! 危ねっ!」
 妹紅は急いで炎を前面に噴射。後方へ飛んで距離を取る。
 その隙を見て、砂鉄はティムのロープを切った。
 ティムの体が、投げ出されて砂に落ちる。
「オメェらはもうこの磁界の中じゃ何をやっても無駄なんだよォオオオオ!」
 ベンジャミンの歓喜の叫びが、夜の砂漠に響いた。
「こんの野郎が!」
 妹紅は強烈な熱気を発して、炎をベンジャミンたちに噴射した。
「うわああああ!」
 L・Aは驚いてしりもちをついた。
 炎はもう目の前に迫ってきている。
「何をぼさっとしているL・A!」
 ベンジャミンは再び手を動かして砂鉄の壁を作った。
「砂鉄の『耐火壁』だっ! 今の内に奴らを始末するぞッ!」
 炎は砂鉄の耐火壁をどろどろと溶かしていく。
「ジョニィ! お前の手が空いているッ! お前がやれ……お前が『回転』を使って奴らをやるんだッ! そこに『1発』落ちているッ! 拾うんだッ!」
 ジャイロは叫びをあげた。
 ジョニィは、ジャイロの見る方向に視線を向けた。
「『1発』って……これか? マウンテン・ティムが撃った弾丸か?」
「ああそうだ!『鉛』ならこの磁界の中でも影響なく使えるッ! お前がその弾丸を『回転』させるんだッ!」
 ジョニィは、弾丸に手を伸ばした。
 その際、ジョニィは見てしまった。ティムの体が、浮き上がるを。
「駄目だッ! 来るッ! マウンテン・ティムの体が浮いたッ!」
 ガシッ、と3人の体がくっついてしまう。

 それを見たベンジャミンは、愉悦の表情を浮かべた。
「合体したぁーッ! 内臓何メートル飛び出るかな!? ハラワタ新記録出るかなー!」
 L・Aは裏返った声をあげてはしゃぎまわる。
「幸せだ……これで俺たちはまた一歩幸せに近づけるッ!」
 馬の上からことを見つめるアンドレもその表情は笑っている。
「いけるぜ……完全にハメてやった……ワシらの勝利だッ!」
 ベンジャミンは鬨の声をあげ、両手を振り上げた。その時、
「マヌケ全開の面晒してんじゃねぇよ」
 空中から飛んできた妹紅の手がベンジャミンの顔を掴んだ。
「壁作って全部防いだ気になってんじゃねぇよ」
 そのまま『てこの原理』を利用して、ベンジャミンの体を持ち上げて地面に叩き付ける。 
「ドッゲェ~ッ!」
 砂の上を転げまわるベンジャミン。
「起きろコラ」
 妹紅はベンジャミンを蹴って浮かし、鉄の顎を掴む。
 ドジュウゥゥゥ、という音が辺りに鳴り渡る。ベンジャミンの顎が赤く光る。
「このまま焼け死にたくなかったらあの3人を解放しろ」
 顎のあたりを炙られたベンジャミンは、手を動かす。
 その手は妹紅の腕に向かうのではなく、自分自身の懐へと向かった。
 懐から出てきたのは、武骨なナイフ。
「なっ……!」
 ナイフを見た妹紅は手を放そうとした。
 離した瞬間、彼女の鳩尾にナイフが突き立てられた。
「はぁ……はぁ……このアマ……なんて奴だ……」
 息を荒らげながら、ベンジャミンは顎のあたりに水をかける。
 もくもくと白い蒸気が辺りに撒かれた。
 彼の足元では妹紅がうつぶせに倒れていて、血を砂にしみ込ませている。
「首元抑えられたから相手の腕を掴むってことは必ず起こることじゃないんだよ」
 ニヤリと笑って、ベンジャミンは妹紅の死体を蹴とばして、ジャイロたちの方へ向かってくる。
 一部始終を見ていたジャイロは、ジョニィの方を向く。
「ジョニィ! やるしかねぇッ! 『LESSON2』だッ! お前キャンプの時回転させたって言ってただろ! 弾丸も同じようにして飛ばせッ!」
 ジョニィは、弾丸を掴んだ。だが、ジョニィの顔には自信の色はない。
「あのコルクは……たまたま出来ただけだッ!」
「もうお前しかいないんだッ! 回転を信じろッ! 回転は無限の力だッ! それを信じるんだッ!」
 3人を包み込む砂鉄から、血が噴水のように噴出した。
「ジョニィやれえェェェ! やるしかねぇ!」
 ジャイロの悲痛な叫びを聞いて、ジョニィは弾丸をつまんだ。
(ボクにできるのだろうか? コルクが回ったのは一度だけだった……でも、僕はこのために……このレースに来たんだ。『回転』の秘密を知るために……『回転』自分の物にするために……)
「やるんだッ! やらなきゃあここで終わるッ! 体が破裂するぞッ! ジョニィィィ!」
 もはやジャイロの叫びは、ジョニィには聞こえなかった。
 ジョニィは自分の全てを、親指を動かす一瞬に費やした。
 親指が、人差し指の上にある弾丸を掠めた。
 弾丸は、くるくると竜巻のように『回転』を始めた。
「ま……回った……回ったぞッ! ジャイロ!」
 ジョニィは眼を大きく見開いて手のひらの小さな竜巻を見る。
 感激に震えるジョニィの腕。それをベンジャミンの足が踏みつけた。
「…………」
 冷たい砂の上を転がる弾丸を見て、ジョニィは何も言うことができなかった。
「もっと後ろ下がってろよL・A。最後まで気を抜くんじゃねぇ……死に際のあがきには気ぃつけるんだよ」
 ジョニィの腕を踏みにじりながら、ベンジャミンはニタニタ笑う。
 ジョニィの腕を蹴って彼から距離を取るベンジャミン。
「ああ……ああ、あ。ぼ、僕には……できなかった……」
 ジョニィの手は、氷にも似た温度の砂の上に落ちる。
 夜の砂漠特有の寒い風が辺りを吹き抜ける。
 巻き上がる砂。満点の星空。辺りの岩山。
 静かな砂漠に、澄んだ、かん高い音が響き始める。
 その音に気付いたティムは、音のする方向を向く。
「ジョ……ジョニィ・ジョースター……」
 ティムはその音を出している者がジョニィということに気付いた。
 ジャイロも、ジョニィの方を向く。
「おいジョニィ! 何だその手は!」
 ジャイロに言われて、ジョニィは自分の手を見つめた。
 砂の上に力なく投げ出された指先。
 その指先の周囲の砂が波打っている。
「こ、これは……」
 ジョニィは指に顔を近づけた。
 シルシルシル……という、何かが回転する音が聞こえてくる。
 手のひらをゆっくりと裏返してみた。
 そうしてジョニィは『何かが回転する音』の源を突き止めた。
「ぼ、僕の手……爪が……な、何だこれ……!? ジャイロ、僕の爪が回転している!」
 ジョニィはまるで奇病に罹った者を見るかのような目つきで自分の爪を見た。
 爪が指の上に浮かび、高速で回転している。
 ティムはそれを見て、
「これは……スタンド……」
 まさか、と言いたそうな表情を浮かべた。
「どういう事だこれは……何の影響だ? 鉄球の回転にそんなのはねぇッ!」
 ジャイロは全身を圧迫される痛みを忘れ、回転するジョニィの爪をひたすら見つめる。
「こ、コイツは危険だッ! 離れるぞL・A!」
 ジョニィの変化に気付いたベンジャミンは、L・Aの手を引いて3人から離れた。
 次の瞬間、ベンジャミンの背後にあった岩山が両断された。
 ジョニィは、信じられないと言いたげに自分の指を見つめた。
「これはッ! 僕の手がっ!? 一体どうなってるんだジャイロ! これは何なんだ!? 僕の指の爪がッ! もう止まっているけど……」
 さっきまで回転していた爪は止まって、ただの指先に戻っている。
「どういう事なのか見当もつかないぜ……そんなの鉄球の技術じゃねぇッ!」
 爪の回転のことは、ジャイロにとっては全く理解できなかった。
 しかし、ティムには一つ心当たりがあった。
「ジョニィ・ジョースター……まさかそれは……」
「うわああああ!」
 ティムの声を遮るように、L・Aは絶叫した。
「父さん! 逃げようッ! さっきの見たでしょ! 岩山が真っ二つだッ! 殺されるッ!」
 L・Aは動揺して、自分の馬の方へと走り出す。
「バカヤロウ! ここで逃げてどうするんだ! 今ここで始末しねーと……うおっ!」
 ベンジャミンは自分の手を振り切って走ったL・Aを追いかけようとした。
 だがベンジャミンの足は砂に沈み始める。
「こ、これは……流砂だとッ!」
 ベンジャミンの足はずんずんと砂の中へと沈み始める。
「父ちゃん! 今助けに行くよ!」
 父の危機を察したアンドレは、馬を走らせてベンジャミンを助けようとするが、
「わあぁぁぁ! 流砂がッ! こんな所にまでッ!」
 アンドレの馬も足を流砂にとられて、彼の体が空中へ投げ出される。
 砂に溺れる2人を見て、L・Aは足がすくみあがった。
 そのすくみ上った足もやがて砂に沈み始める。
 L・Aの体が沈み始めると共に、ジョニィたちを縛る砂鉄がほどけて、ただの砂鉄に戻った。
「やった! まとわりついていた砂鉄がとれたぜ! 奴らの鉄の能力ッ! 磁界が消えたッ!」
 ジャイロは喜んで立ち上がる。
 ジョニィは、体を起こして自分の指をまじまじと見つめる。
「ジャイロ、もう一度聞く。何が起こっているんだッ!? 僕の指はッ!」
 ジョニィは砂を払いながら、ジャイロを見る。
「誓って言う。俺にはさっぱりわからねぇ! 俺の知らない『回転の力』だッ! 俺の方がどうなっているのか聞きてぇッ!」
 ジョニィの質問にジャイロは困惑しながら答えた。
「ちょっと待ってくれジョニィ・ジョースター。それが技術以上の物だというなら、間違いない……」
 的を得た答えが出ないジャイロに代わって、ティムがジョニィの前に出る。
「これは『スタンド』だッ! アンタは影響を受けたんだよ……」
 影響。その言葉にジョニィはティムの話を思い出した。
「まさか……」
「そのまさかだ。『悪魔の手のひら』の影響を受けたんだ……恐らくこの砂漠はそのエリア内だ……
オレたちは知らず知らずのうちに踏み込んでいた!」
 ティムはすぐに振り向いて、馬に向かう。
「走って行った馬を呼び戻せッ! ここが『悪魔の手のひら』なら一刻も早くここから出なくてはならないッ!」
 ティムに言われて、ジャイロは指笛を鳴らし、馬を呼ぶ。
「ス、『スタンド』……この僕が!?」
 ジョニィはいまだに信じられないといった表情で自分の指を見つめる。
「なぜ『悪魔の手のひら』がここにあるのか……偶然かもしれないし、『土地』の方が俺たちを引っ張ったのかもしれん。恐らく後者だろう……早く馬に乗れ。地面が動いて地形が変わり始めている! すぐに脱出しないと迷いはじめて、水場なんてどこにあるか分からなくなる」
 ティムは馬に乗り、2人に早く馬に乗るように急がせる。
 ジャイロは急いで荷物を拾って馬に飛び乗る。
 ジョニィも立ち上がって馬の鞍に手をかけて、
「……あれ?」
 しりもちをついた。
「バ……バカな……い、今さっき動かないはずの僕の足が……」
 ジョニィは呆然と自分の足を見つめた。
 今はその足は動かない。
 すぐにジョニィはいつもの方法で馬に乗り、手綱を握りしめる。
「ところで、あの銀髪の女の子はどうした?」
 ティムは、一匹だけ取り残されている馬を指差す。
 それを見たジャイロは、黙り込んだ。
「アイツ、俺たちを助けようとして、刺されちまった……」
 視線を伏せ、手綱を握りしめる。
 3人は、何も言わずに馬を動かした。


「いっ、嫌だ! たすけて! 誰かたすけて!」
 流砂に流されながら、L・Aは必死にもがいた。
 だが、もがけばもがくほど砂は手を捉え、足を掴んで砂の中に引きこもうとする。
「L・A! こっちだッ! 助けてくれえぇ!」
 アンドレも、手を振り上げてL・Aに助けを乞う。
 その声はL・Aには届かない。
 アンドレはパニックに陥り、過呼吸で意識を失いそうになりながらも手足をばたつかせて流砂から逃げようとする。
「動くな。流砂に飲まれたくないなら動かない方がいい」
 砂を噛みながら喘ぐアンドレの口を、白い手が塞いだ。
←To be continued...
 
  次回予告
魔理沙「魔理沙だぜ。ようやく出番がやってきたぜ」
紫「作者がやっと実家からSBRを持ってきたからね」
魔理沙「モタモタしすぎだぜ」
紫「社会人は忙しいのよ」
  次回ッ! 不死鳥は失敗を恐れない第十八話 『砂の海の真ん中で』お楽しみにッ!
魔理沙「次回も見てくれなきゃマスパだぜ」
紫「あえてオーレリーズサンで取り囲むのもありよ」

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