悪役幻想奇譚第九話
『吉良吉影は手を汚さない』
『任務』について話す
だと?ふん、いいだろう。今のところわたし達を『殺す』つもりはないらしいからな。
抵抗せずに聞いてやる
「そうか、話してくれるなら聞こうじゃあないか。こちらに来てからは誰かに恨まれるようなことはしていないつもりなのだがね」
「いや、別にオレらだっておめーらを恨んでもねーし襲うつもりも全くねぇーよ」
「説得力のない言葉だな」
まぁたしかに『キラークイーン』も中に入っているからな。信用してもよさそうだ。
「皮肉か。まぁしょおがねぇだろ?」
ホルマジオが話しを続けようとした時
「リゾットを『許可』する」
リゾットが鏡の中に入ってきた
「あり?見回りはいいのか?」
「ああ、もう『来る』からな。ところでホルマジオ?」
リゾットが吉良と魔理沙を見て聞いた
「ん、ああ。捕まえといたぜ。今から『任務』について少し話すつもりだったが・・・別にかまわねぇよな?」
「ああ。『依頼主』もここにいることだしな。問題ないだろう。オレから話そう」
『依頼主』がここにいる・・・・・・・・・だと
誰だ?
パッショーネのやつらか?まさか魔理沙が?・・・いや違う。姿が見えないだけか?だとすると・・・まさか『幽霊』?いや、たしか姿を見えなくする能力を持ったやつもいたはずだ・・・それにリゾットだってなんらかの方法で姿を消す術は心得ていた・・・隠れているのか
なにやら深く考え込んでいる吉良をよそに、
リゾットはあっさりと話し出した
「端的に言うとだな、おまえたちが近づいたからだ」
「何に?」
「オレたちの依頼主は、ちょっとした目的があって今このすぐそばにいるのだが、人が入ってくると邪魔になるから、こうやって近づいてきたヤツを捕まえているわけだ。だから別におまえたちを狙っていたわけじゃあない。まぁだからオレたちの任務はただの人払いだ。魔理沙、悪かったな。帰宅途中に捕まえちまって。それから吉良、おまえがどうしてこんな時間にこんなところに来るのか・・・まぁ予想はつくが悪かったな」
そんな理由だったのか。しかし面倒ごとに巻き込んでくれる『依頼主』だな
「そうだったのか。わかったよ。ところで君たちの『任務』とやらはすぐに終わるのかい?わたしはわたしで用事があるからここまで来たのだがね」
「あたしはただ家に帰りたかっただけだぜ」
「吉良、おまえはある意味この『任務』に無関係じゃあないからな、最後まで見届けてやれ。それから魔理沙、おまえは本来完全に無関係だが・・・日本には『袖振り合うも他生の縁』という諺があることだ。おまえも見ていくといい」
(「『袖振り合うも多少の縁』って諺あるよなぁ?」「『多少』じゃあなくって『他生』だぜギアッチョ」「は?」「発音の問題だ」「・・・ッ!!クソックソックソックソ!!!最後まで言わせろよメローネッ!!」)
あいかわらずうるさいなギアッチョのやつ
「これからおまえらも一緒に鏡の外へ出すが、少しばかり守って欲しいことがある」
「なんだ?」
「まず、合図があるまでターゲットに気付かれないこと。『合図』はすぐにわかる。それから・・・というかそれだけだな。くれぐれも気付かれるなよ。いいな?」
「?了解だ」
「わかったぜ」
二人が頷いたのを確認してからリゾットはイルーゾォに声をかけた
「よし、イルーゾォ。やれ」
外に出ることを『許可』する
イルーゾォの声とともに、彼らは鏡の外へ出て行った
「(よし、全員隠れろ!来るぞ!)」
リゾットの小さな掛け声を合図に、みな一斉に木陰に身を隠した。
ギャングの世界から遠ざかっていてもさすがは元暗殺チームである。あのペッシでさえも気配をけしていた
張り詰めた空気が充満していくなか、魔理沙は気を紛らわせようと吉良に話かけた
「(あたし達って『任務』に巻き込まれたわけだから当然『報酬』貰えるよな?)」
「(ああ。無関係なわたし達まで巻き込んだのだ。『依頼主』から直接巻き上げてしまえ)」
「(へへへ)」
二人が話していると、彼らの後ろからリゾットの声が聞こえた
「(おい!喋るな!そこにいることがばればれだぞ)」
「「((ッ!))」」
「(そこにいたのか。あいかわらず便利なスタンドだな)」
「(なぁ?それってひょっとして『覗き』したくて発現した能力か?痛っ!)」
リゾットが魔理沙を小突いた
「(うるさい黙れ。そんなしょうもない理由で目覚める人間がいるか)」
と、そのとき吉良の耳に聞きなれた音が聞こえた
キュルキュルキュルキュル
この音は・・・
スッと、音の正体に気付かれないよう注意しながら吉良達は木陰から覗き込んだ
「(あれは『シアーハートアタック』ッ!!どういうことだ?一体何をしている?)」
「(まだわからないのか?おれがさっき言った『依頼主もいる』ってのはつまりこういうことだ)」
「(な・・・なんということだ・・・し、しかし一体何が目「(しッ!静かにしろ!ターゲットだ)」ターゲット?)」
隠れていた木から少しだけ顔を出して覗いてみると、シアーハートアタックともう一体、可愛らしい小さな人形がいた
「(あの人形は・・・たしか・・・)」
「(アリスの人形だぜ)」
「(ああ、そうだったか。しかしなぜこんなところに?)」
「(おい、お前のスタンドなんだか様子がおかしいぜ)」
「(わかっている。わたしの左手もさっきからおかしい)」
「(おい2人とも、静かにしとけよ?)」
キュルキュルキュルキュル
彼らが見ているなか、シアーハートアタックは上海に近づいていった。
「コッチヲ見ロォ」
シアーハートアタックがどことなく緊張した口調で言った
「シャンハーイ?」
ごくり・・・
万屋パッショーネ達は固唾を飲み、緊張した面持ちでその光景を見ていた
シアーハートアタックはその存在に気付きながらも話を進めた
「コ、コッチヲ・・・見ロッテイッテルンダゼ」
「!!バ、バカジャネーノ///」
シアーハートアタックの言葉を聞いて上海は彼を叩き、背を向けた
「イデデデデデ」
「(これはひょっとして・・・)」
「(『愛の告白』?)」
キュルキュルキュルキュル
キュルキュルキュルキュルキュル
シアーハートアタックがその場で回っている
上海はうつむき、恥ずかしそうに何かを待っている様子であった
吉良たちはそれを興奮と緊張の入り混じった複雑な感情で見守っていた
「(お前のスタンド女々しいぜ)」
「(うるさい魔理沙!黙って見ていろ!何をもたついているのだ?『シアーハートアタック』!男の子だろ?ン?)」
「(やれ!やるんだ!オレたちはおめーを・・・見守っているぜ。おいペッシ、準備できたか?)」
「(ばっちしです兄貴!)」
ピタ・・・
シアーハートアタックは突如うごくのをやめた
そしてしばらく上海の後姿を見つめて、意を決したように言った
「・・・コッチヲ見ロォ・・・?」
「(言ったぜ!)」
「(のか?)」
「(理解できないが多分雰囲気的にそうなのだろう)」
わたしには・・・『シアーハートアタック』が緊張していることがわかる。感じるぞ。
『シアーハートアタック』!おまえは自由だ・・・
くるり・・・と、その言葉を聞いた上海が振り向いた
ごく・・・・・・
「シャン・・・・・・・・・
・・・・・・・・・ハーイ///」
「(今だッ!!)」
「(は?)」
「「「「「「「エンダァァアアアアイヤアア―――――will always love youウウウウウウウ!!オオウウウ!!」」」」」」」(BGMホイットニーヒューストン”I will always love you”合唱:パッショーネの皆さん)
「うおッ!」
シアーハートアタックの告白が成功したのを見て、リゾット達は一斉に飛び出して歌い始めた
「シャ!!シャンハーイ!!??」
「コッチヲ見ロォ」
突然の出来事に上海は戸惑っているようだったが、やがて落ち着きシアーハートアタックを抱きしめた
「「「「「「「will always love yooooouuuuuuウウウウウウウゥゥオオオオ!!!」」」」」」」
ぐっ・・・・・・
『ぽたり』と一筋の涙が吉良の頬をぬらした
このわたしが・・・『感動』しているのか・・・
『彼女』ならいままで腐るほどいたというのに・・・
わたしの・・・左手が・・・
「「「「「「「will always love youウウウウウウウゥウオオオオ!!!」」」」」」」
『シアーハートアタック』・・・これからおまえは本当に自由だ
吉良には周りの歌声がなぜかとても静かに聞こえた
吉良は自分の左手をジッと見つめ
「キラークイーン!」
おのれのスタンドを呼んだ
ふふふ・・・もとより丈助と戦った時から無いはずの『手』だったのだ
なくなる時期が少し遅くなっただけだ
左手がなくなったところで生活に支障はない
「さよならだ」
スッ・・・
キラークイーンは手を振り上げた
気のせいかいつも無表情なその顔が、泣いているように見えた
キラークイーンが手刀を振り下ろそうとした時
「やめときな」
魔理沙がそれを止めた
「おまえ・・・スタンドが見えるのか?」
「「「「「「「will always love youウウウウウウウゥゥオオオオ!!!」」」」」」」
「気合いれたらなんか見えた。そんなことより、きっとあいつもお前が傷ついたら悲しむぜ」
魔理沙が指差した先には、幸せそうに抱きしめあうシアーハートアタックと上海がいた。
「・・・・・・・・・そうだな。まさかこの吉良吉影がおまえのような小娘に助けられるとはな・・・」
「「「「「「「will always love youウウウウゥウゥオオオオ!!!!」」」」」」」
「『小娘』はよけーだぜ」
「ふん・・・・・・・・・ありがとう」ぼそり、と呟いた
心の底から誰かに礼を言うというのは・・・一体何年ぶりだろうかな・・・だが・・・悪くはない。
よしっ!
「魔理沙!わたし達も歌うぞ!」
「はぁ?・・・わかったぜ!!」
吉良たちは力いっぱい歌い出した
「「「「「「「「「エンダァァアアアアイヤアア―――――will always love youウウウウウウウ!!オオウウウ!!」」」」」」」」」
ああ
そうだ
わたしにできることは
『祝福』することだったのか
今は・・・歌おう
明日のどが枯れようと気にするものか
「「「「「「「「「will always love youウウウウウウゥウゥゥオオオオオ!!!」」」」」」」」」
「シャンハーイ♪」
「イデデデデデ♪」
I will always love you
I will always love you
I will always love you
I will
I will always love you
You, darling, I love you
I’ll always
I’ll always
Love
You
その日
幻想郷では
朝まで歌声が絶えることはなかったという
「シャンハーイ♪」
「コッチヲ見ロォ♪」
次回予告
無事シアーハートアタックも見つかり、朝まで歌い続けた吉良たち
その後日談が語られる
次回 悪役幻想奇譚第十話
『吉良吉影は子守唄を歌わない~What A Wonderful World~』
お見逃しなく!
『吉良吉影は手を汚さない』
『任務』について話す
だと?ふん、いいだろう。今のところわたし達を『殺す』つもりはないらしいからな。
抵抗せずに聞いてやる
「そうか、話してくれるなら聞こうじゃあないか。こちらに来てからは誰かに恨まれるようなことはしていないつもりなのだがね」
「いや、別にオレらだっておめーらを恨んでもねーし襲うつもりも全くねぇーよ」
「説得力のない言葉だな」
まぁたしかに『キラークイーン』も中に入っているからな。信用してもよさそうだ。
「皮肉か。まぁしょおがねぇだろ?」
ホルマジオが話しを続けようとした時
「リゾットを『許可』する」
リゾットが鏡の中に入ってきた
「あり?見回りはいいのか?」
「ああ、もう『来る』からな。ところでホルマジオ?」
リゾットが吉良と魔理沙を見て聞いた
「ん、ああ。捕まえといたぜ。今から『任務』について少し話すつもりだったが・・・別にかまわねぇよな?」
「ああ。『依頼主』もここにいることだしな。問題ないだろう。オレから話そう」
『依頼主』がここにいる・・・・・・・・・だと
誰だ?
パッショーネのやつらか?まさか魔理沙が?・・・いや違う。姿が見えないだけか?だとすると・・・まさか『幽霊』?いや、たしか姿を見えなくする能力を持ったやつもいたはずだ・・・それにリゾットだってなんらかの方法で姿を消す術は心得ていた・・・隠れているのか
なにやら深く考え込んでいる吉良をよそに、
リゾットはあっさりと話し出した
「端的に言うとだな、おまえたちが近づいたからだ」
「何に?」
「オレたちの依頼主は、ちょっとした目的があって今このすぐそばにいるのだが、人が入ってくると邪魔になるから、こうやって近づいてきたヤツを捕まえているわけだ。だから別におまえたちを狙っていたわけじゃあない。まぁだからオレたちの任務はただの人払いだ。魔理沙、悪かったな。帰宅途中に捕まえちまって。それから吉良、おまえがどうしてこんな時間にこんなところに来るのか・・・まぁ予想はつくが悪かったな」
そんな理由だったのか。しかし面倒ごとに巻き込んでくれる『依頼主』だな
「そうだったのか。わかったよ。ところで君たちの『任務』とやらはすぐに終わるのかい?わたしはわたしで用事があるからここまで来たのだがね」
「あたしはただ家に帰りたかっただけだぜ」
「吉良、おまえはある意味この『任務』に無関係じゃあないからな、最後まで見届けてやれ。それから魔理沙、おまえは本来完全に無関係だが・・・日本には『袖振り合うも他生の縁』という諺があることだ。おまえも見ていくといい」
(「『袖振り合うも多少の縁』って諺あるよなぁ?」「『多少』じゃあなくって『他生』だぜギアッチョ」「は?」「発音の問題だ」「・・・ッ!!クソックソックソックソ!!!最後まで言わせろよメローネッ!!」)
あいかわらずうるさいなギアッチョのやつ
「これからおまえらも一緒に鏡の外へ出すが、少しばかり守って欲しいことがある」
「なんだ?」
「まず、合図があるまでターゲットに気付かれないこと。『合図』はすぐにわかる。それから・・・というかそれだけだな。くれぐれも気付かれるなよ。いいな?」
「?了解だ」
「わかったぜ」
二人が頷いたのを確認してからリゾットはイルーゾォに声をかけた
「よし、イルーゾォ。やれ」
外に出ることを『許可』する
イルーゾォの声とともに、彼らは鏡の外へ出て行った
「(よし、全員隠れろ!来るぞ!)」
リゾットの小さな掛け声を合図に、みな一斉に木陰に身を隠した。
ギャングの世界から遠ざかっていてもさすがは元暗殺チームである。あのペッシでさえも気配をけしていた
張り詰めた空気が充満していくなか、魔理沙は気を紛らわせようと吉良に話かけた
「(あたし達って『任務』に巻き込まれたわけだから当然『報酬』貰えるよな?)」
「(ああ。無関係なわたし達まで巻き込んだのだ。『依頼主』から直接巻き上げてしまえ)」
「(へへへ)」
二人が話していると、彼らの後ろからリゾットの声が聞こえた
「(おい!喋るな!そこにいることがばればれだぞ)」
「「((ッ!))」」
「(そこにいたのか。あいかわらず便利なスタンドだな)」
「(なぁ?それってひょっとして『覗き』したくて発現した能力か?痛っ!)」
リゾットが魔理沙を小突いた
「(うるさい黙れ。そんなしょうもない理由で目覚める人間がいるか)」
と、そのとき吉良の耳に聞きなれた音が聞こえた
キュルキュルキュルキュル
この音は・・・
スッと、音の正体に気付かれないよう注意しながら吉良達は木陰から覗き込んだ
「(あれは『シアーハートアタック』ッ!!どういうことだ?一体何をしている?)」
「(まだわからないのか?おれがさっき言った『依頼主もいる』ってのはつまりこういうことだ)」
「(な・・・なんということだ・・・し、しかし一体何が目「(しッ!静かにしろ!ターゲットだ)」ターゲット?)」
隠れていた木から少しだけ顔を出して覗いてみると、シアーハートアタックともう一体、可愛らしい小さな人形がいた
「(あの人形は・・・たしか・・・)」
「(アリスの人形だぜ)」
「(ああ、そうだったか。しかしなぜこんなところに?)」
「(おい、お前のスタンドなんだか様子がおかしいぜ)」
「(わかっている。わたしの左手もさっきからおかしい)」
「(おい2人とも、静かにしとけよ?)」
キュルキュルキュルキュル
彼らが見ているなか、シアーハートアタックは上海に近づいていった。
「コッチヲ見ロォ」
シアーハートアタックがどことなく緊張した口調で言った
「シャンハーイ?」
ごくり・・・
万屋パッショーネ達は固唾を飲み、緊張した面持ちでその光景を見ていた
シアーハートアタックはその存在に気付きながらも話を進めた
「コ、コッチヲ・・・見ロッテイッテルンダゼ」
「!!バ、バカジャネーノ///」
シアーハートアタックの言葉を聞いて上海は彼を叩き、背を向けた
「イデデデデデ」
「(これはひょっとして・・・)」
「(『愛の告白』?)」
キュルキュルキュルキュル
キュルキュルキュルキュルキュル
シアーハートアタックがその場で回っている
上海はうつむき、恥ずかしそうに何かを待っている様子であった
吉良たちはそれを興奮と緊張の入り混じった複雑な感情で見守っていた
「(お前のスタンド女々しいぜ)」
「(うるさい魔理沙!黙って見ていろ!何をもたついているのだ?『シアーハートアタック』!男の子だろ?ン?)」
「(やれ!やるんだ!オレたちはおめーを・・・見守っているぜ。おいペッシ、準備できたか?)」
「(ばっちしです兄貴!)」
ピタ・・・
シアーハートアタックは突如うごくのをやめた
そしてしばらく上海の後姿を見つめて、意を決したように言った
「・・・コッチヲ見ロォ・・・?」
「(言ったぜ!)」
「(のか?)」
「(理解できないが多分雰囲気的にそうなのだろう)」
わたしには・・・『シアーハートアタック』が緊張していることがわかる。感じるぞ。
『シアーハートアタック』!おまえは自由だ・・・
くるり・・・と、その言葉を聞いた上海が振り向いた
ごく・・・・・・
「シャン・・・・・・・・・
・・・・・・・・・ハーイ///」
「(今だッ!!)」
「(は?)」
「「「「「「「エンダァァアアアアイヤアア―――――will always love youウウウウウウウ!!オオウウウ!!」」」」」」」(BGMホイットニーヒューストン”I will always love you”合唱:パッショーネの皆さん)
「うおッ!」
シアーハートアタックの告白が成功したのを見て、リゾット達は一斉に飛び出して歌い始めた
「シャ!!シャンハーイ!!??」
「コッチヲ見ロォ」
突然の出来事に上海は戸惑っているようだったが、やがて落ち着きシアーハートアタックを抱きしめた
「「「「「「「will always love yooooouuuuuuウウウウウウウゥゥオオオオ!!!」」」」」」」
ぐっ・・・・・・
『ぽたり』と一筋の涙が吉良の頬をぬらした
このわたしが・・・『感動』しているのか・・・
『彼女』ならいままで腐るほどいたというのに・・・
わたしの・・・左手が・・・
「「「「「「「will always love youウウウウウウウゥウオオオオ!!!」」」」」」」
『シアーハートアタック』・・・これからおまえは本当に自由だ
吉良には周りの歌声がなぜかとても静かに聞こえた
吉良は自分の左手をジッと見つめ
「キラークイーン!」
おのれのスタンドを呼んだ
ふふふ・・・もとより丈助と戦った時から無いはずの『手』だったのだ
なくなる時期が少し遅くなっただけだ
左手がなくなったところで生活に支障はない
「さよならだ」
スッ・・・
キラークイーンは手を振り上げた
気のせいかいつも無表情なその顔が、泣いているように見えた
キラークイーンが手刀を振り下ろそうとした時
「やめときな」
魔理沙がそれを止めた
「おまえ・・・スタンドが見えるのか?」
「「「「「「「will always love youウウウウウウウゥゥオオオオ!!!」」」」」」」
「気合いれたらなんか見えた。そんなことより、きっとあいつもお前が傷ついたら悲しむぜ」
魔理沙が指差した先には、幸せそうに抱きしめあうシアーハートアタックと上海がいた。
「・・・・・・・・・そうだな。まさかこの吉良吉影がおまえのような小娘に助けられるとはな・・・」
「「「「「「「will always love youウウウウゥウゥオオオオ!!!!」」」」」」」
「『小娘』はよけーだぜ」
「ふん・・・・・・・・・ありがとう」ぼそり、と呟いた
心の底から誰かに礼を言うというのは・・・一体何年ぶりだろうかな・・・だが・・・悪くはない。
よしっ!
「魔理沙!わたし達も歌うぞ!」
「はぁ?・・・わかったぜ!!」
吉良たちは力いっぱい歌い出した
「「「「「「「「「エンダァァアアアアイヤアア―――――will always love youウウウウウウウ!!オオウウウ!!」」」」」」」」」
ああ
そうだ
わたしにできることは
『祝福』することだったのか
今は・・・歌おう
明日のどが枯れようと気にするものか
「「「「「「「「「will always love youウウウウウウゥウゥゥオオオオオ!!!」」」」」」」」」
「シャンハーイ♪」
「イデデデデデ♪」
I will always love you
I will always love you
I will always love you
I will
I will always love you
You, darling, I love you
I’ll always
I’ll always
Love
You
その日
幻想郷では
朝まで歌声が絶えることはなかったという
「シャンハーイ♪」
「コッチヲ見ロォ♪」
次回予告
無事シアーハートアタックも見つかり、朝まで歌い続けた吉良たち
その後日談が語られる
次回 悪役幻想奇譚第十話
『吉良吉影は子守唄を歌わない~What A Wonderful World~』
お見逃しなく!