ディスクブレイカー☆フラン
永遠亭は、完全に諦めムードだった。
「で、肝心のネズミをどう追い込むかよね……」
自分の能力である、『波長を操る程度の能力』を使い、ネズミを探している鈴仙がため息をついた。
「前にネズミを捕まえたときは、どーやったの?」
手回しオルガンのスタンド『ストレンジ・リレイション』を抱えたフランが、鈴仙の横に並んだ。
「てゐ軍団の人海戦術で永遠亭のネズミが入り込めそうなところの全てにパテを詰めて兵糧攻めにしたのよ」
「へぇ~大変だったでしょ」
「いや、ネズミは10時間何も食べないと死んじゃうから、待つのは割と楽だったわ。そんで、わざと一つだけ穴をあけてそこから出てきたところで、総力戦を仕掛けたわけ」
鈴仙は、遠くを見るような目で天井を見る。
しばらく目を閉じて、一か月前を思い出す。
苦労の思い出が次々と浮かんでくる。
溶けていく自分の服。
変な薬ひっかぶったせいで何故か自分に襲い掛かってくるてゐ。
それをにやにやと眺める輝夜。
育郎のせいで竹林に火がついて、大火事になりかけたり。
「我ながらひどい目にしか遭ってないわね……」
燃える竹林を思い出したところで、鈴仙は思い出すのをやめてため息をつく。
「で、どうやってネズミを追い込むの?」
フランが、鈴仙のブレザーを引っ張る。
「それについてだけど、前にやった時と同じ方法を取るわ」
答えたのは、永琳だった。
その答えに、輝夜と鈴仙と、スミレと、育郎の表情が苦虫を噛み潰したかのようなものに変わる。
「もしかして……てゐさん抜きでやるんですか?」
育郎が手を上げて質問した。
永琳は、笑顔でうなづいた。
「でも、以前パテで埋めたところが残っているから、そこはそのままにしといてパテが剥げていたり、新しい穴とかを埋めましょう」
そう言って、永琳はビンと金ヘラを人数分取り出した。
どうやら、これを使って永遠亭中の穴や隙間を埋めろということらしい。
「よーし! がんばろー!」
フランだけが金ヘラを高く掲げていた。
少年少女穴埋め中…………
ネズミが通れそうな穴の全てを埋め終えるころには、空に三日月が輝いていた。
「つかれたぁ……」
金ヘラを投げ出して、フランは廊下に座り込んだ。
「でも、これでネズミは出られないな」
パテが入っているビンの蓋をふさぎながら、育郎は壁を見る。
「ネズミのにおいは……都合よくこの辺りだな」
「では、手っ取り早くネズミをあぶり出しちゃいましょう。フラン」
永琳の言葉に、フランは黙ってうなづいて『ストレンジ・リレイション』を発動させる。
「それではお願いします」
そしてそれを鈴仙に手渡しする。
「よ~し……」
鈴仙がハンドルを握りしめ、思いっきり回す。
しかし、肝心の音は出ない。
しん、とした静寂が漂う。
これが、超音波。人の可聴音域を超えた音。
「鈴仙さん、危ない!」
いきなりスミレが叫んで、鈴仙を突き飛ばす。
「え?」
鈴仙とスミレは、床に倒れこむ。
床に何かが突き刺さる音がした。
すると床はどろどろと溶けてしまう。
「上よ!」
スミレはすぐに育郎の頭上を指差す。
全員がその方向を見ると、天井の梁を伝って動くネズミの姿が。
「追いましょう!」
永琳が弓を取り出して走り始めた。
一方、夜の竹林に足を踏み入れる者が一人。
「紫の話によると、今夜ここで竹の花が咲くらしいな……」
スケッチブックを抱えた人影は、風に揺れる竹を見る。
「その話が本当なら……フフフ、いいネタが得られそうだ……」
彼は薄笑いを浮かべ、夜の竹林へと足を踏み入れた。
←To be continued...
永遠亭は、完全に諦めムードだった。
「で、肝心のネズミをどう追い込むかよね……」
自分の能力である、『波長を操る程度の能力』を使い、ネズミを探している鈴仙がため息をついた。
「前にネズミを捕まえたときは、どーやったの?」
手回しオルガンのスタンド『ストレンジ・リレイション』を抱えたフランが、鈴仙の横に並んだ。
「てゐ軍団の人海戦術で永遠亭のネズミが入り込めそうなところの全てにパテを詰めて兵糧攻めにしたのよ」
「へぇ~大変だったでしょ」
「いや、ネズミは10時間何も食べないと死んじゃうから、待つのは割と楽だったわ。そんで、わざと一つだけ穴をあけてそこから出てきたところで、総力戦を仕掛けたわけ」
鈴仙は、遠くを見るような目で天井を見る。
しばらく目を閉じて、一か月前を思い出す。
苦労の思い出が次々と浮かんでくる。
溶けていく自分の服。
変な薬ひっかぶったせいで何故か自分に襲い掛かってくるてゐ。
それをにやにやと眺める輝夜。
育郎のせいで竹林に火がついて、大火事になりかけたり。
「我ながらひどい目にしか遭ってないわね……」
燃える竹林を思い出したところで、鈴仙は思い出すのをやめてため息をつく。
「で、どうやってネズミを追い込むの?」
フランが、鈴仙のブレザーを引っ張る。
「それについてだけど、前にやった時と同じ方法を取るわ」
答えたのは、永琳だった。
その答えに、輝夜と鈴仙と、スミレと、育郎の表情が苦虫を噛み潰したかのようなものに変わる。
「もしかして……てゐさん抜きでやるんですか?」
育郎が手を上げて質問した。
永琳は、笑顔でうなづいた。
「でも、以前パテで埋めたところが残っているから、そこはそのままにしといてパテが剥げていたり、新しい穴とかを埋めましょう」
そう言って、永琳はビンと金ヘラを人数分取り出した。
どうやら、これを使って永遠亭中の穴や隙間を埋めろということらしい。
「よーし! がんばろー!」
フランだけが金ヘラを高く掲げていた。
少年少女穴埋め中…………
ネズミが通れそうな穴の全てを埋め終えるころには、空に三日月が輝いていた。
「つかれたぁ……」
金ヘラを投げ出して、フランは廊下に座り込んだ。
「でも、これでネズミは出られないな」
パテが入っているビンの蓋をふさぎながら、育郎は壁を見る。
「ネズミのにおいは……都合よくこの辺りだな」
「では、手っ取り早くネズミをあぶり出しちゃいましょう。フラン」
永琳の言葉に、フランは黙ってうなづいて『ストレンジ・リレイション』を発動させる。
「それではお願いします」
そしてそれを鈴仙に手渡しする。
「よ~し……」
鈴仙がハンドルを握りしめ、思いっきり回す。
しかし、肝心の音は出ない。
しん、とした静寂が漂う。
これが、超音波。人の可聴音域を超えた音。
「鈴仙さん、危ない!」
いきなりスミレが叫んで、鈴仙を突き飛ばす。
「え?」
鈴仙とスミレは、床に倒れこむ。
床に何かが突き刺さる音がした。
すると床はどろどろと溶けてしまう。
「上よ!」
スミレはすぐに育郎の頭上を指差す。
全員がその方向を見ると、天井の梁を伝って動くネズミの姿が。
「追いましょう!」
永琳が弓を取り出して走り始めた。
一方、夜の竹林に足を踏み入れる者が一人。
「紫の話によると、今夜ここで竹の花が咲くらしいな……」
スケッチブックを抱えた人影は、風に揺れる竹を見る。
「その話が本当なら……フフフ、いいネタが得られそうだ……」
彼は薄笑いを浮かべ、夜の竹林へと足を踏み入れた。
←To be continued...