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ディスクブレイカー☆フラン 第十八話

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匿名ユーザー

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  ディスクブレイカー☆フラン 『暴虐の嵐』
OPテーマ ペルソナ3より『全ての人の魂の戦い』
 風見幽香を前に、大妖精は手を後ろに回した。
 手の中には、一枚のスタンドDISC。
「残っている『フー・ファイターズのDISC』は5発分か……咲夜さんの治療でだいぶ使っちゃったなぁ……」
 そっと後頭部にDISCを当てて、装備する。
 目の前には、歩いてこちらに来る幽香。
 その後ろには虫の息のディアボロ。
「接近戦は絶対に避けなければならないわ……かといって弾幕も防がれてしまう……」
 幽香は大妖精から50メートル手前の所で止まる。
「うふふ……あなたの言うとおり止まってあげたわよ」
 微笑みを崩さない幽香に対して、大妖精は手のひらを向ける。
「まずは視界を塞ぐのが先ッ!」
 大妖精は弾幕を展開。
 幽香は傘を盾にして、弾幕を防ぐ。
「う~ん、弾幕は無駄だってわからないかなぁ?」
 弾幕を防ぎきった幽香が傘を挙げると、
「……あら? 逃げたのかしら?」
 弾幕を放っていた大妖精の姿が消えていた。
 幽香の後ろで、銃声がした。
 振り向くと、倒れているディアボロに指を向ける大妖精の姿が。
「何をしているのかしら? 仲間に弾幕なんて放って」
「あなたには関係の無い話です」
 大妖精は幽香の方を見ると同時に『ペット・ショップのDISC』を頭に当てて姿を消す。
「ちっ……逃げたわね……」
 姿を消した大妖精を前に幽香は歯噛みする。
「ま、いっか♪」
 気を取り直し、幽香は振り返って歩き始める。
 と、足元に数発の光弾が突き刺さる。
「!? まだ誰かいるわね……」
 幽香は一瞬で警戒態勢を取る。
 次は、数発のレーザーが飛んでくる。
 幽香はすぐに傘でレーザーを防ぎ、廊下の奥を見る。
「このッ! 離れなさいよ!」
 両の手のひらと胴体を縛られ、壁に張り付けにされたフランがあがいているだけだ。
「目の前の吸血鬼が弾幕を放てるわけないわよね」
 幽香は息を吐いて、廊下を歩きはじめる。
 廊下の曲がり角を曲がったところで、ディアボロは立ち上がった。
「さて、あらかじめチルノからくすねていた無線機を大妖精に渡したが、心配だな」
 目を回すナランチャの懐から、無線機を取るディアボロ。
 折れた両腕が、ずきずきと痛む。
「『ストーン・フリー』があれば骨を縫い合わせることができるんだがな……大妖精、聞こえるか? 今から作戦の内容を伝えるぞ」
「作戦、ですね。まずはフランちゃんを助けるんですよね」
「フランを助けることは合っている。だがそれは後回しだ」
「それって、どういう……?」
「フランだけでは奴に勝てない。フランを勝たせるためにも、幽香にあることをしなければならない」
「あること……?」
「お前はさっきと同様に風見幽香の気を引き付けていろ。俺が幽香に仕掛ける」
「はい。では、御武運を」
 大妖精との通信が切れた。
 ディアボロは懐から『メタリカのDISC』と『ゴールド・エクスペリエンスのDISC』を取り出す。
「他にあるDISCは『エコーズact3』と『ホルス神』が20発ぶんか……厳しいな」
 廊下の奥から飛んでくるレーザーを傘で防ぐ。
 なんてことないただの作業だ。
「曲がるレーザーって厄介よね」
 多角的に飛んでくる光弾とレーザーを傘で防ぎ、ステップで避け、時には霊撃で吹き飛ばす。
 幽香はこの一連の動作の中で、ある一つの法則を見つけた。
「うん……変な角度で飛んでくる光弾とレーザーの仕掛け、見抜いたわ」
 幽香は、廊下に並ぶ燭台の1つを撃ち抜く。
 すると、燭台に向かっていたレーザーは軌道を曲げず、壁に焦げ目を作る。
「光弾とレーザーはいわゆる光の一種。燭台が発する熱は廊下の空気との温度差で屈折現象を起こすわ。それを利用して弾を撃ちこむなんて、あなた本当に妖精?」
 幽香は、次々と燭台を破壊していく。
「げっ……」
 廊下の角に隠れる大妖精は、冷や汗を浮かべた。
「多分、そこね」
 幽香は廊下の角へ向けて傘を向ける。
 角の壁ごと大妖精を撃ち抜くつもりらしい。
「いちか……バチか!」
 大妖精は、曲がり角から躍り出て弾幕を放つ。
「いい決意ね!」
 幽香は傘の向きを変え、極太ビームを大妖精へ向けて発射する。
 光の奔流は大妖精が放った弾幕を飲み込み、大妖精をも飲み込まんとする。
 壁が破壊され、夕焼けの光が入ってくる。
「ちょっとやりすぎちゃったかしら?」
 傘を畳んだ幽香は、それを肩に担ぐ。
「遅いですね」
 その背後に、大妖精は姿を現す。
「あら、いつの間に背後に回り込んだのかしら?」
 幽香は、振り返らない。
「足の速さには自信があるんです」
「それっていわゆる超スピードってやつ? あなたのはそんなチャチな代物じゃないでしょう?」
 幽香の言葉に、大妖精は汗を流す。
「動体視力が悪いだけじゃないんですか?」
「あら、レーザーが発射されて見切るだけの動体視力はあるわよ」
「時を止めて動いているとか」
「さっきのメイドじゃあるまいし」
 幽香は振り返ると共に、傘を振るう。
 傘は、宙を切り裂いた。
「あぶない、あぶない。近づくのは厳禁でしたね」
 大妖精は幽香の背後から25メートルの所に姿を現し、クナイの弾幕を放つ。
「今もして見せたけど、それってワープでしょ?」
 幽香の質問に、大妖精は黙ったままクナイと光弾の混じった弾幕を放つ。
「今度はクナイの光の反射でレーザーを曲げるつもり?」
 あっさりと大妖精の意図を見切った幽香は、クナイを弾幕でたたき落とす。
「さ~て、お遊びはおしまいにしますか」
 幽香はレーザーを傘で防ぐと、指を鳴らした。
「背後を取られた気分は、どう?」
 大妖精は、自分の背後から幽香の声を聴いた。
「え?」
 大妖精はあっけにとられた。
「ど、どういうこと……?」
 目の前には幽香がいる。
 しかし、背後からも幽香の声と気配がする。
 そっと大妖精は振り向いた。
 幽香がいた。
「びっくりした? びっくりしたでしょ」
 幽香は悪戯が成功した妖精のような笑みを浮かべて、傘の先を大妖精に向ける。
 極太レーザーが2本、大妖精に襲い掛かる。
 大妖精は姿を消した。
「ここは目の前の幽香を盾にしてレーザーを防ぐッ!」
 大妖精は、分身ではない幽香、つまり彼女の正面25メートル先に立つ幽香の背後に姿を現した。
 姿を現した途端、あっかんべーをしている幽香と目が合った。
「残念ね♪」
 盾にしたはずの幽香は、消えた。
 防ぐ物失った大妖精は、幽香の極太レーザーを全身に浴びてしまう。
 強力無比な光の洪水を浴び、大妖精はその場に倒れこむ。
 幽香は分身を消して、大妖精の前まで歩いてくる。
「ただの妖精なのに、ここまでやれたのは流石ね」
 傘をさし、完全な勝利ムードを醸し出していた。
 大妖精は、黙って幽香を見つめる――正確には、幽香の背後を。
「その視線……何か考えているわね!」
 大妖精の視線に気づいた幽香は、振り向いた。
「もう遅いッ! 『メタリカのDISC』の効果でそっと近づかせてもらった!」
 背後には、ディアボロが立っていた。
 ディアボロは、折れた腕を振るって、手に持つ『ゴールド・エクスペリエンスのDISC』を幽香の頭に押し付ける。
「お前は……! まだ気絶していなかったのね!」
 幽香は再び分身。
 分身幽香がディアボロを思いっきり殴り飛ばす。
「ぐうッ!」
 ディアボロはバットでたたかれたボールのように吹き飛び、壁に叩き付けられる。
「走れ! 準備はできた! 後はフランを開放するだけだッ!」
 ディアボロは『キング・クリムゾン』で幽香に足払いをかける。
 幽香はマンガのように転倒する。
 が、もう一人の幽香が走って大妖精を追いかけようとする。
「逃さん!」
 走る幽香に向かって、ディアボロは『ホルス神のDISC』から氷弾を放つ。
「くッ! しつこい男は嫌われるわよ?」
 足元を凍らされた幽香は、その姿を変化させる。
「とっておきよ。霊魂化なんて希少なスキルなんだから」
 光の玉と化した幽香は、ものすごいスピードで大妖精を追い始める。
「霊魂化がどうした! 凍らせてやるッ!」
 ディアボロは幽香に狙いを定め、氷弾を撃ちこむが、氷弾は幽香に命中しない。
「無駄よ。今の私に物理攻撃はおろか、魔法や精神攻撃の類も効かないわ」
 立ち上がった分身幽香はディアボロをあざ笑いながら、ディアボロに向けて足を振るう。
「ぐッ……仕方がない。ここは防御を捨てるしかないッ!」
 ディアボロは、防御用に装備している『スパイス・ガールのDISC』を取り出す。
 DISCが崩れて消えると、ディアボロの体は一瞬で柔らかくなり、幽香の蹴りを受け止める。
「何かの魔法を使ったのかしら? 干されたシーツを蹴ったような心地がするんだけど」
「教えるわけがない。俺の役目は幽香の分身であるお前を倒すことだ」
 ディアボロは『キング・クリムゾンのDISC』をあろうことか攻撃用から防御用に付け替えた。
←To be continued...  EDテーマ 岸田教団『YU-MU』

 
  次回予告
 強力無比なレーザー、分身、霊魂化などの強力無比な力で持って大妖精を追い詰める幽香。
 幽香の追撃をかわし、大妖精はツタに捕えられたフランを助けることができるのか?
 次回、ディスクブレイカー☆フラン 『とっておきの裏ワザ』
 

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