真夜中、紅魔館の地下にある図書館にフランと、チルノと、ナランチャの3人が一堂に会していた。
3人が座る机の上には、一冊の本。
「これが……俺たちを救う『トト神』……」
机の上に安置してある本を見て、ナランチャは生唾を飲んだ。
「この本があたい達を勝利へと導いてくれるのね……」
チルノは眼を剥いて予言の書を見つめる。
「そう。この『トト神』こそが私たちを恐怖から解放してくれる……頭突きの恐怖から」
フランは机の上の本を手に取って、開いた。
バラバラと音を立ててページはめくれていく。
ディスクブレイカー☆フラン 『かみさまの言うとおり』 OPテーマ Pay money To my Pain『Another day comes』
ttp://www.youtube.com/watch?v=6MlL4Tw_Fsw
事は昼の11時ごろに戻る。
3人はいつも通り寺子屋で慧音の授業を聞き流していた。
吸血鬼のフランにとっては昼は眠い。
慧音の言っている事がよくわからないチルノとナランチャは眠い。
なお、寺子屋には慧音の他にフーゴと岡崎夢見が先生として来ているが、フーゴの授業はフーゴが怖くて居眠りできない。
岡崎の授業に至っては実験やら何やらで面白すぎるので眠る暇がないのである。
よって、必然的に小難しいことをペラペラというだけの慧音の授業が一番居眠りに適しているのである。
「……また居眠りかぁ……」
目の前の子どもたちの醜態を前に、ため息をつく慧音。
教室を見渡すと、子どもたちの実に9割が机に伏している。
「時間ももうそろそろか。しょうがない、本当はやりたくなかったが……」
余りにも悲惨な教室の状況を見かねた慧音は、教壇を叩いて大きな音を出した。
静寂を破った大きな音に、居眠りをしていた子どもたちは一斉に目を覚まして教壇に立つ慧音をまじまじと見つめた。
「さて、みんながどれだけ授業を真面目に受けているか、試させてもらうぞ」
起き抜けの生徒たちに向けて慧音は処刑予告とも言える言葉を放った。
「テストは明日に行うッ! みんな、がんばって復習するんだぞ!」
明日はテスト。その残酷な言葉だけを残して慧音は教室から出て行った。
ざわめく教室。
「げーっ、どうするよ」
「ありえない、何かの間違いではないのか?」
「誰だよ居眠りしてた奴はよ! 居眠りしてたからこうなったんだぞー!」
「そんなことよりおなかがすいたよ」
生徒たちは動揺を隠せず、急いで教科書を取り出して読み始める者や頭を抱える者、他人に責任を押し付ける者に弁当を食べ始める者とさまざまな行動をとり始める。
その光景の中、フラン、チルノ、ナランチャの3人は顔を見合わせた。
「……やべぇ。俺慧音先生の授業全然わからねーわ」
額に汗を浮かべてガタガタ震えるナランチャ。
「あ、あたいはどうすれば……」
唖然とした表情であわあわするチルノ。
「完全に寝ていたわ……一体、どんな問題が出るのかな……」
慧音の授業の時だけ寝ていたことを後悔するフラン。
3人の周囲の空気が重くなった。
「と、とりあえず勉強だ。フランの家で勉強しよう! パチュリーのねーちゃんなら何か教えてくれそうだし!」
重くなった空気を破るためにナランチャは鞄を持って立ち上がった。
慌ててナランチャは窓から飛び出す。
「あ、ちょっと待ってよ!」
飛び出したナランチャを追ってフランも窓から飛び出し、チルノも続いて飛び出していった。
そうして飛び続けて紅魔館。
まだ春水晶争奪戦の際に魅魔から受けた損傷も残っている。
「ほらー! サボるなー!」
修繕中の紅魔館は慌ただしく、萃香が大声を張り上げていた。
その下ではツナギを来ていて、『罪』と書かれた袋を被った男たちが角材やレンガなどを運んでいる。
辛うじて残っている赤煉瓦の門には、美鈴が寄りかかって鼻提灯を作っている。
能天気に惰眠をむさぼる美鈴に忍び寄る影が3つ。
フランたち3人組である。
まず行動したのはナランチャ。
その手に持つのは棒状の物で、その先からは黒い液体が滴っている。
黒い液体をしたたらせる棒が、美鈴の額に押し当てられた。
次に動き出したのは、チルノ。
美鈴の長い髪を掴み、氷を使って背後のレンガに張り付けた。
最後に動き出したのは、フラン。
その手には紅く光るレーヴァテイン握られている。
レーヴァテインの剣先が、美鈴の鼻提灯に向けられた。
どんどん近づいていく剣先。
ついにレーヴァテインはは鼻提灯に突き刺さった。
瞬間、鼻水でできた薄膜は形を失って、
『パン!』
という銃の発砲音にも似た音を出した。
「うひゃああああ! 咲夜さんごめんなさいぃぃぃぃぃっ!」
慌てて美鈴は飛び起きて、いる筈のない咲夜の名を叫ぶ。
「「「あーっはっはっは!」」」
その慌てぶりをフランたちは馬鹿笑いしながら見つめていた。
悪戯されたことに気付いた美鈴は、
「妹様に友達の皆さんですか……びっくりしましたよ」
ほっとため息をついた。
その様を見ながら、3人は笑いをこらえている。
無理もない。今美鈴自身は気付いていないだろうが、彼女は髪をレンガに張り付けられ、額に『肉』と書かれているのだから。
「紅魔館はまだ工事中ですから気を付けて下さいね」
美鈴は紅魔館に入っていく3人を見送る。
今自分の背後に誰がいるのかも知らずに……
紅魔館の正門を開くと、いつものエントランスホールが3人を出迎えた。
いくつもの扉と地下へと続く階段。
ホールの中央にはクリスタルガラスで作られたシャンデリアが吊られていて、3人の頭上にある紅いステンドグラスがホールの床に美しい光の芸術を投射している。
「うわぁ……もうこのあたりは直ってるんだ……」
以前より一層豪華になったエントランスホールをきょろきょろと見回すナランチャ。
「なんでも、お姉様が『金は全部向こうが出すからこの際自重しないわよ!』って言ってたわ」
そんなことを言うフランは以前よりもひとまわり大きくなったシャンデリアを見上げていた。
「そんなことよりもー! テストどうすんのさー!」
惚けた顔でエントランスホールを見渡す2人の横で、チルノが騒いだ。
その声を聴いて2人ははっとする。
「「今はテストをどうにかしないと……!」」
3人はすぐに階段を駆け下りた。
階段を下り、赤いロングカーペットが敷かれた地下廊下を走ると、図書館の扉がある。
「パチュリーッ!」
乱暴にドアを開いてフランはパチュリーの名を呼んだ。
この紅魔館で一番博識なのはパチュリー。
とりあえず困ったらパチュリーが解決してくれるとフランは考えたからだ。
しかし、返事は帰ってこなかった。
「あれ? パチュリーどうしたのかな?」
返事代わりの光ぐらい出てもおかしくないはずなのに、それすらも無いことに疑問を感じたフランは、
「パーチューリーッ!」
もう一回大声でパチュリーを呼ぶ。
パチュリーからの返事は来ない。
代わりに、図書館の奥から蓮見琢馬がやってきた。
「パチュリーさんなら、今紅魔館の修復作業を手伝ってるよ。俺は本の整理。この図書館、いつの間にか見知らぬ本が入り込んでいたりするんだ」
そんなことを言う琢馬の両手には、本が山のように積まれている。
「いったいどこから来るのかわからないし、どんな本なのか分からなくて困るよ。一応、小悪魔が分類してくれているから俺はそれを本棚に並べるだけなんだけどね」
そう言って琢馬は抱えた本を本棚に詰めはじめる。
今彼が本を詰めている棚は『魔導書』の棚。
とはいっても『読んだら気が狂う』とか『開いたら噛みついてくる』だの『手に取ったら手が溶ける』といった危険な部類ではない。
魔法の術式や薬の作り方が書いてあるだけの、いわゆる『魔法の参考書』に属する物。
ちなみに魔理沙による盗難被害が最もひどい種類の本でもある。
五十音順に本を並べていく琢馬。
本が並べられていく様をフランたち3人はじっと見つめる。
「……? どうしたんだ?」
3人の視線を気にした琢馬は、手を止めて3人を見る。
それぞれの視線がかち合い、変な沈黙が生まれる。
「い、いやあ……勉強しに来たんだけどな……明日、テストがあるんだ」
この沈黙をマズイと思ったナランチャが口を開いた。
「テスト……突然のテストと言えば抜き撃ちテストか。何が出るんだ?」
琢馬は再び本を本棚に押し込み始める。
「確か……慧音先生の授業だから国語とか、歴史だったはず」
うろ覚えなのか、ナランチャは自信なさげな表情で答えた。
「それで……どの部分が出そうなのか見当はついているのか?」
琢馬は全ての本を本棚に押し込み終えて振り向いた。
その際に彼は見た。3人の表情を。
いかにも『何が出るのか分からない』と言った顔だった。
琢馬は、呆れた。一体何の為に学校に行っているんだ、と言いたげな表情だった。
「とにかく勉強するしかないな。俺が参考書とかを持ってくるよ」
そう言って琢馬は図書館の奥へと消えていく。
3人も琢馬のあとについていき、図書館にある机に座った。
「とりあえず国語は漢字の書き取りとか読みだけだろうから、歴史の勉強だけをしよう。参考書だ」
3人が座る机に、琢馬はドン、と音を立てて参考書の山を置いた。
『マンガで学ぶ平安時代』
『分かる! 文明開化』
『戦国BASRA』
どれも小学生向けの本であった。
「よーし! 勉強始めるわよ!」
フランは意気込んで『戦国BASARA』を手に取った。
それが史実を全く無視したスタイリッシュでクレイジーな物語だとは知らずに…………
数時間後、3人は勉強を全くせず、『戦国BASARA』を読みふけっていた
なぜこんな本を持ってきてしまったんだ。なぜこんなものが参考書の棚に入っていたんだと琢馬は頭を抱えた。
無理もない。琢馬の生きた1999年には『戦国BASARA』なんてまだ存在しなかったのだから。
「まあ、いっか。テストで赤点取るのは俺じゃないし」
楽しそうにマンガを読む3人に背中を向けて、小悪魔が分類した本を運び出す。
あっさりとした反応の琢馬を見て、小悪魔はため息をつく。
「皆様、ここ数時間、マンガ読んでばっかりじゃないのですか? もう10時ですよ」
事態を見ていられなくなった小悪魔が、フラン達が読んでいる『戦国BASARA』を取り上げた。
「これはコミックの方に分類しなおしておきましょう。妹様たちはちゃんと勉強するのですよ」
小悪魔はフランたちから取り上げた『戦国BASARA』をマンガの本の山に安置する。
「「「え~。返してよぉ~」」」
もちろん3人は大ブーイングをあげた。
「あのですね、皆様。マンガ読むためじゃなくて勉強しにここに座っているんですよ? でしたらちゃんと勉強してください」
小悪魔の正論に、3人はぐうの音も出なかった。
仕方がなしに小学生向けの参考書を手に取り出す3人。
「それでいいんです。それで」
真面目に勉強し始めた3人を見た小悪魔は、本の分類作業に戻る。
そして数分後、いびきの音が聞こえてきた。
「何で寝るんですか……」
余りにも早すぎる就寝に小悪魔は頭を抱える。
「皆様起きてください。勉強してるんですよ」
「Zzzz…………」
「むにゃむにゃ……あたいさいきょー」
「フーゴォ……いくらなんでもフォークはねーよ……」
小悪魔が3人の肩を揺らしても帰ってくるのは寝言ばかり。
相当眠りが深いようである。
「困りましたねぇ……」
小悪魔は腕を組んで唸る。
そんな彼女の背後に立つ影が一人。
「こりゃ荒療治しかないわね」
紅魔館修復の仕事にひと段落つけて図書館に帰ってきたばかりのパチュリー・ノーレッジであった。
「あっ、パチュリー様。妹様とその友人がですね、明日テストだからって勉強しに来たんですけれども……」
「それでごらんのありさまね」
パチュリーは、涎を垂らして眠る3人を見据えた。
そして、おもむろに自分の顔の横に垂れているヒモを引く。いつの間にそんなものがあったのか。
次の瞬間、眠る3人の頭にタライが落ちてきて、いい音を立てた。
突然の痛みに頭を抱える3人。
目はくっきりと覚めた。
「……私は何を……?」
フランは机に突っ伏したまま目をパチパチと閉じたり開いたりした。
「アンタら寝てたわよ。明日テストらしいのにどーゆーことよ」
パチュリーの声でフランはすぐに起き上がった。
「ああ! パチュリー! 教えてほしいことがあるの!」
パチュリーに土下座するフラン。
「俺もだー!」
「たすけてー!」
ナランチャとチルノが続けてパチュリーに土下座した。
この3人にとってテストで赤点を取ることはよほど恐ろしいことらしい。
3人の土下座を前に、パチュリーは頭を掻いて微妙な表情を浮かべた。
「あなたたちが何を教えてほしいかは小悪魔から聞いたわ。このことについて私から2つの提案があるわ」
パチュリーが椅子に座る。机の上の本が宙に浮かびあがる。
「1つめは私に勉強を教えてもらうこと。よほど物忘れが激しくなかったら赤点は回避できるでしょう」
宙に浮かぶ本が整理され、机の上に並ぶ。
「ただし、徹夜は覚悟してもらうわよ。遅刻しても私は知らないから」
徹夜。その言葉に3人は息をのんだ。
寝れないのは嫌だ。それは3人ともそうであった。
「もう1つの方法は、上白沢慧音の家に言ってテストの答案を盗んでくること……言わばカンニングね」
カンニング。その言葉に3人は息をのんだ。
「「「か……カンニング……」」」
3人は、頭をあげてパチュリーを見る。
「そう。カンニング。カンニングの語源については民名書房が出版している『北宋の傑物、羹・壬虞』を呼んでちょうだいな」
パチュリーが持つ本には、『北宋の傑物、羹・壬虞』の本が握られている。
彼女はそれをすぐポイと捨てた。
捨てられた『北宋の傑物、羹・壬虞』は独りでに飛んでいき、『歴史書』の本棚に収まる。
「さて、3人はどうする? カンニングすれば、高い点数はとれるかもしれないけど、バレたら上白沢慧音に叱られちゃうかもしれないわよ?」
カンニング。
甘い言葉は3人の耳にするりと入り込み。真面目に勉強するという選択肢を上書きしてかき消してしまった。
「します。カンニング」
「するぜ。カンニング」
「あたいもするわ! カンニング!」
3人の脳内はもはやカンニングの文字で埋め尽くされていた。
「よろしい! ならばカンニングだ!」
3人の決意に応え、パチュリーは机の上に仁王立ちになる。
この異様な光景を、小悪魔は呆然とした表情で見つめていた。
「琢馬さん、止めなくていいんですか?」
最後の常識を求めて小悪魔は琢馬の方を見る。
「ばれなきゃ、いいんじゃないか? 俺も人の事は言えないし」
事を傍観する琢馬の表情は、少しにやけていた。
「さて、俺は本の整理に戻ることにするよ」
本を抱えて琢馬はまた本棚に向かっていく。
完全に小悪魔はこの異常なテンションの中に取り残されてしまった。
「カンニングに挑む3人の勇者の前途を祈り、いつの間にかこの本に挟まれていたこのスタンドDISCを与えよう!」
パチュリーは高らかに叫び、『北宋の傑物、羹・壬虞』のページを開いた。
ばらばらと音を立ててめくられるページ。
めくられていくページの中から一枚のDISCが飛び出した。
飛び出したDISCはフランの手の中におりてくる。
それを手で握るフラン。
「このDISCは『トト神』のスタンドが記録されたDISCよ。有効に使いなさい」
パチュリーに言われるままに、フランはそのDISCを頭に押し込む。
すると、DISCはフランの頭に吸い込まれ、彼女の手元に一冊の分厚い本が出てくる。
「あとは任せるわ。フフフ……」
一冊の本をまじまじと見つめる3人を見て、怪しく笑うパチュリー。
彼女はすぐに3人の座る机に背を向けて図書館の奥へと向かっていった。
そして図書館の机には3人が残る。
「これが……俺たちを救う『トト神』……」
机の上に安置してある本を見て、ナランチャは生唾を飲んだ。
「この本があたい達を勝利へと導いてくれるのね……」
チルノは眼を剥いて『トト神』を見つめる。
「そう。この『トト神』こそが私たちを恐怖から解放してくれる……頭突きの恐怖から」
フランは机の上の本を手に取って、開いた。
バラバラと音を立ててページはめくれていく。
まず真っ白なページが現れた。真っ白、とはいっても所々黄色く変色していて、中古のマンガ本みたいな感じになっている。
何も書かれていないページに、黒いインクが走り、下手くそなのか上手いのかよくわからない絵が描かれた。
「これは……? 琢馬かな?」
フランは味のある絵を見て、そうつぶやく。
グニャグニャの線で描かれた黒い服の男。この紅魔館でそれにあてはまる者は蓮見琢馬しかいない。
その奥には机についている3人の子供の絵。
どれもグニャグニャの線で描かれていて、背中についている羽の形でかろうじてフラン、チルノ、ナランチャだと推測できるほどの崩れた絵だ。
評価しがたい絵に続いて、やたら丁寧な文字がひとりでに浮かんでくる。
“フラン、チルノ、ナランチャは本を運ぶ琢馬を見ていました”
3人は突然現れた文字に釘付けになった。
“そうして3人が目を離している隙に……琢馬と小悪魔が衝突したァーッ!”
その文章を読み終えたところで、3人の背後から大きな物音がした。
驚いて3人が背後を向くと、本をまき散らして小悪魔と琢馬がしりもちをついていた。
その光景を見てフランはまじまじと『トト神』を見つめる。
「そうか……この本は、『これから起きる出来事をマンガという形で予言する』力を秘めているのね!」
なんとなく『トト神』の力を理解したフランは、『トト神』を持ち上げる。
「つまり、これを使って未来を知り、カンニングする際に障害となる物を回避するんだな!」
ナランチャは期待に満ちた目で『トト神』を見る。
「これさえあれば、あたいたちは最強……」
フランが持つ『トト神』を見つめるチルノの目は、ぎらぎらとした『百点満点』への野望で燃え上がっていた。
3人はすぐに立ち上がった。
「さあ、行くわよ……慧音先生のお家へ!」
フランが先頭になり、走って図書館から飛び出した。
階段を駆け上り、扉をタックルでぶち壊して紅魔館から飛び立つ。
「こらフラーン! 扉ぶちこわすなー!」
屋上から怒鳴るレミリアを無視して、3人は夜空を切り裂いてゆく。
←To be continued... EDテーマ ふぉれすとぴれお『彼女が一番少女なのか?』
ttp://www.youtube.com/watch?v=C_AICYSs0qs&feature=related
3人が座る机の上には、一冊の本。
「これが……俺たちを救う『トト神』……」
机の上に安置してある本を見て、ナランチャは生唾を飲んだ。
「この本があたい達を勝利へと導いてくれるのね……」
チルノは眼を剥いて予言の書を見つめる。
「そう。この『トト神』こそが私たちを恐怖から解放してくれる……頭突きの恐怖から」
フランは机の上の本を手に取って、開いた。
バラバラと音を立ててページはめくれていく。
ディスクブレイカー☆フラン 『かみさまの言うとおり』 OPテーマ Pay money To my Pain『Another day comes』
ttp://www.youtube.com/watch?v=6MlL4Tw_Fsw
事は昼の11時ごろに戻る。
3人はいつも通り寺子屋で慧音の授業を聞き流していた。
吸血鬼のフランにとっては昼は眠い。
慧音の言っている事がよくわからないチルノとナランチャは眠い。
なお、寺子屋には慧音の他にフーゴと岡崎夢見が先生として来ているが、フーゴの授業はフーゴが怖くて居眠りできない。
岡崎の授業に至っては実験やら何やらで面白すぎるので眠る暇がないのである。
よって、必然的に小難しいことをペラペラというだけの慧音の授業が一番居眠りに適しているのである。
「……また居眠りかぁ……」
目の前の子どもたちの醜態を前に、ため息をつく慧音。
教室を見渡すと、子どもたちの実に9割が机に伏している。
「時間ももうそろそろか。しょうがない、本当はやりたくなかったが……」
余りにも悲惨な教室の状況を見かねた慧音は、教壇を叩いて大きな音を出した。
静寂を破った大きな音に、居眠りをしていた子どもたちは一斉に目を覚まして教壇に立つ慧音をまじまじと見つめた。
「さて、みんながどれだけ授業を真面目に受けているか、試させてもらうぞ」
起き抜けの生徒たちに向けて慧音は処刑予告とも言える言葉を放った。
「テストは明日に行うッ! みんな、がんばって復習するんだぞ!」
明日はテスト。その残酷な言葉だけを残して慧音は教室から出て行った。
ざわめく教室。
「げーっ、どうするよ」
「ありえない、何かの間違いではないのか?」
「誰だよ居眠りしてた奴はよ! 居眠りしてたからこうなったんだぞー!」
「そんなことよりおなかがすいたよ」
生徒たちは動揺を隠せず、急いで教科書を取り出して読み始める者や頭を抱える者、他人に責任を押し付ける者に弁当を食べ始める者とさまざまな行動をとり始める。
その光景の中、フラン、チルノ、ナランチャの3人は顔を見合わせた。
「……やべぇ。俺慧音先生の授業全然わからねーわ」
額に汗を浮かべてガタガタ震えるナランチャ。
「あ、あたいはどうすれば……」
唖然とした表情であわあわするチルノ。
「完全に寝ていたわ……一体、どんな問題が出るのかな……」
慧音の授業の時だけ寝ていたことを後悔するフラン。
3人の周囲の空気が重くなった。
「と、とりあえず勉強だ。フランの家で勉強しよう! パチュリーのねーちゃんなら何か教えてくれそうだし!」
重くなった空気を破るためにナランチャは鞄を持って立ち上がった。
慌ててナランチャは窓から飛び出す。
「あ、ちょっと待ってよ!」
飛び出したナランチャを追ってフランも窓から飛び出し、チルノも続いて飛び出していった。
そうして飛び続けて紅魔館。
まだ春水晶争奪戦の際に魅魔から受けた損傷も残っている。
「ほらー! サボるなー!」
修繕中の紅魔館は慌ただしく、萃香が大声を張り上げていた。
その下ではツナギを来ていて、『罪』と書かれた袋を被った男たちが角材やレンガなどを運んでいる。
辛うじて残っている赤煉瓦の門には、美鈴が寄りかかって鼻提灯を作っている。
能天気に惰眠をむさぼる美鈴に忍び寄る影が3つ。
フランたち3人組である。
まず行動したのはナランチャ。
その手に持つのは棒状の物で、その先からは黒い液体が滴っている。
黒い液体をしたたらせる棒が、美鈴の額に押し当てられた。
次に動き出したのは、チルノ。
美鈴の長い髪を掴み、氷を使って背後のレンガに張り付けた。
最後に動き出したのは、フラン。
その手には紅く光るレーヴァテイン握られている。
レーヴァテインの剣先が、美鈴の鼻提灯に向けられた。
どんどん近づいていく剣先。
ついにレーヴァテインはは鼻提灯に突き刺さった。
瞬間、鼻水でできた薄膜は形を失って、
『パン!』
という銃の発砲音にも似た音を出した。
「うひゃああああ! 咲夜さんごめんなさいぃぃぃぃぃっ!」
慌てて美鈴は飛び起きて、いる筈のない咲夜の名を叫ぶ。
「「「あーっはっはっは!」」」
その慌てぶりをフランたちは馬鹿笑いしながら見つめていた。
悪戯されたことに気付いた美鈴は、
「妹様に友達の皆さんですか……びっくりしましたよ」
ほっとため息をついた。
その様を見ながら、3人は笑いをこらえている。
無理もない。今美鈴自身は気付いていないだろうが、彼女は髪をレンガに張り付けられ、額に『肉』と書かれているのだから。
「紅魔館はまだ工事中ですから気を付けて下さいね」
美鈴は紅魔館に入っていく3人を見送る。
今自分の背後に誰がいるのかも知らずに……
紅魔館の正門を開くと、いつものエントランスホールが3人を出迎えた。
いくつもの扉と地下へと続く階段。
ホールの中央にはクリスタルガラスで作られたシャンデリアが吊られていて、3人の頭上にある紅いステンドグラスがホールの床に美しい光の芸術を投射している。
「うわぁ……もうこのあたりは直ってるんだ……」
以前より一層豪華になったエントランスホールをきょろきょろと見回すナランチャ。
「なんでも、お姉様が『金は全部向こうが出すからこの際自重しないわよ!』って言ってたわ」
そんなことを言うフランは以前よりもひとまわり大きくなったシャンデリアを見上げていた。
「そんなことよりもー! テストどうすんのさー!」
惚けた顔でエントランスホールを見渡す2人の横で、チルノが騒いだ。
その声を聴いて2人ははっとする。
「「今はテストをどうにかしないと……!」」
3人はすぐに階段を駆け下りた。
階段を下り、赤いロングカーペットが敷かれた地下廊下を走ると、図書館の扉がある。
「パチュリーッ!」
乱暴にドアを開いてフランはパチュリーの名を呼んだ。
この紅魔館で一番博識なのはパチュリー。
とりあえず困ったらパチュリーが解決してくれるとフランは考えたからだ。
しかし、返事は帰ってこなかった。
「あれ? パチュリーどうしたのかな?」
返事代わりの光ぐらい出てもおかしくないはずなのに、それすらも無いことに疑問を感じたフランは、
「パーチューリーッ!」
もう一回大声でパチュリーを呼ぶ。
パチュリーからの返事は来ない。
代わりに、図書館の奥から蓮見琢馬がやってきた。
「パチュリーさんなら、今紅魔館の修復作業を手伝ってるよ。俺は本の整理。この図書館、いつの間にか見知らぬ本が入り込んでいたりするんだ」
そんなことを言う琢馬の両手には、本が山のように積まれている。
「いったいどこから来るのかわからないし、どんな本なのか分からなくて困るよ。一応、小悪魔が分類してくれているから俺はそれを本棚に並べるだけなんだけどね」
そう言って琢馬は抱えた本を本棚に詰めはじめる。
今彼が本を詰めている棚は『魔導書』の棚。
とはいっても『読んだら気が狂う』とか『開いたら噛みついてくる』だの『手に取ったら手が溶ける』といった危険な部類ではない。
魔法の術式や薬の作り方が書いてあるだけの、いわゆる『魔法の参考書』に属する物。
ちなみに魔理沙による盗難被害が最もひどい種類の本でもある。
五十音順に本を並べていく琢馬。
本が並べられていく様をフランたち3人はじっと見つめる。
「……? どうしたんだ?」
3人の視線を気にした琢馬は、手を止めて3人を見る。
それぞれの視線がかち合い、変な沈黙が生まれる。
「い、いやあ……勉強しに来たんだけどな……明日、テストがあるんだ」
この沈黙をマズイと思ったナランチャが口を開いた。
「テスト……突然のテストと言えば抜き撃ちテストか。何が出るんだ?」
琢馬は再び本を本棚に押し込み始める。
「確か……慧音先生の授業だから国語とか、歴史だったはず」
うろ覚えなのか、ナランチャは自信なさげな表情で答えた。
「それで……どの部分が出そうなのか見当はついているのか?」
琢馬は全ての本を本棚に押し込み終えて振り向いた。
その際に彼は見た。3人の表情を。
いかにも『何が出るのか分からない』と言った顔だった。
琢馬は、呆れた。一体何の為に学校に行っているんだ、と言いたげな表情だった。
「とにかく勉強するしかないな。俺が参考書とかを持ってくるよ」
そう言って琢馬は図書館の奥へと消えていく。
3人も琢馬のあとについていき、図書館にある机に座った。
「とりあえず国語は漢字の書き取りとか読みだけだろうから、歴史の勉強だけをしよう。参考書だ」
3人が座る机に、琢馬はドン、と音を立てて参考書の山を置いた。
『マンガで学ぶ平安時代』
『分かる! 文明開化』
『戦国BASRA』
どれも小学生向けの本であった。
「よーし! 勉強始めるわよ!」
フランは意気込んで『戦国BASARA』を手に取った。
それが史実を全く無視したスタイリッシュでクレイジーな物語だとは知らずに…………
数時間後、3人は勉強を全くせず、『戦国BASARA』を読みふけっていた
なぜこんな本を持ってきてしまったんだ。なぜこんなものが参考書の棚に入っていたんだと琢馬は頭を抱えた。
無理もない。琢馬の生きた1999年には『戦国BASARA』なんてまだ存在しなかったのだから。
「まあ、いっか。テストで赤点取るのは俺じゃないし」
楽しそうにマンガを読む3人に背中を向けて、小悪魔が分類した本を運び出す。
あっさりとした反応の琢馬を見て、小悪魔はため息をつく。
「皆様、ここ数時間、マンガ読んでばっかりじゃないのですか? もう10時ですよ」
事態を見ていられなくなった小悪魔が、フラン達が読んでいる『戦国BASARA』を取り上げた。
「これはコミックの方に分類しなおしておきましょう。妹様たちはちゃんと勉強するのですよ」
小悪魔はフランたちから取り上げた『戦国BASARA』をマンガの本の山に安置する。
「「「え~。返してよぉ~」」」
もちろん3人は大ブーイングをあげた。
「あのですね、皆様。マンガ読むためじゃなくて勉強しにここに座っているんですよ? でしたらちゃんと勉強してください」
小悪魔の正論に、3人はぐうの音も出なかった。
仕方がなしに小学生向けの参考書を手に取り出す3人。
「それでいいんです。それで」
真面目に勉強し始めた3人を見た小悪魔は、本の分類作業に戻る。
そして数分後、いびきの音が聞こえてきた。
「何で寝るんですか……」
余りにも早すぎる就寝に小悪魔は頭を抱える。
「皆様起きてください。勉強してるんですよ」
「Zzzz…………」
「むにゃむにゃ……あたいさいきょー」
「フーゴォ……いくらなんでもフォークはねーよ……」
小悪魔が3人の肩を揺らしても帰ってくるのは寝言ばかり。
相当眠りが深いようである。
「困りましたねぇ……」
小悪魔は腕を組んで唸る。
そんな彼女の背後に立つ影が一人。
「こりゃ荒療治しかないわね」
紅魔館修復の仕事にひと段落つけて図書館に帰ってきたばかりのパチュリー・ノーレッジであった。
「あっ、パチュリー様。妹様とその友人がですね、明日テストだからって勉強しに来たんですけれども……」
「それでごらんのありさまね」
パチュリーは、涎を垂らして眠る3人を見据えた。
そして、おもむろに自分の顔の横に垂れているヒモを引く。いつの間にそんなものがあったのか。
次の瞬間、眠る3人の頭にタライが落ちてきて、いい音を立てた。
突然の痛みに頭を抱える3人。
目はくっきりと覚めた。
「……私は何を……?」
フランは机に突っ伏したまま目をパチパチと閉じたり開いたりした。
「アンタら寝てたわよ。明日テストらしいのにどーゆーことよ」
パチュリーの声でフランはすぐに起き上がった。
「ああ! パチュリー! 教えてほしいことがあるの!」
パチュリーに土下座するフラン。
「俺もだー!」
「たすけてー!」
ナランチャとチルノが続けてパチュリーに土下座した。
この3人にとってテストで赤点を取ることはよほど恐ろしいことらしい。
3人の土下座を前に、パチュリーは頭を掻いて微妙な表情を浮かべた。
「あなたたちが何を教えてほしいかは小悪魔から聞いたわ。このことについて私から2つの提案があるわ」
パチュリーが椅子に座る。机の上の本が宙に浮かびあがる。
「1つめは私に勉強を教えてもらうこと。よほど物忘れが激しくなかったら赤点は回避できるでしょう」
宙に浮かぶ本が整理され、机の上に並ぶ。
「ただし、徹夜は覚悟してもらうわよ。遅刻しても私は知らないから」
徹夜。その言葉に3人は息をのんだ。
寝れないのは嫌だ。それは3人ともそうであった。
「もう1つの方法は、上白沢慧音の家に言ってテストの答案を盗んでくること……言わばカンニングね」
カンニング。その言葉に3人は息をのんだ。
「「「か……カンニング……」」」
3人は、頭をあげてパチュリーを見る。
「そう。カンニング。カンニングの語源については民名書房が出版している『北宋の傑物、羹・壬虞』を呼んでちょうだいな」
パチュリーが持つ本には、『北宋の傑物、羹・壬虞』の本が握られている。
彼女はそれをすぐポイと捨てた。
捨てられた『北宋の傑物、羹・壬虞』は独りでに飛んでいき、『歴史書』の本棚に収まる。
「さて、3人はどうする? カンニングすれば、高い点数はとれるかもしれないけど、バレたら上白沢慧音に叱られちゃうかもしれないわよ?」
カンニング。
甘い言葉は3人の耳にするりと入り込み。真面目に勉強するという選択肢を上書きしてかき消してしまった。
「します。カンニング」
「するぜ。カンニング」
「あたいもするわ! カンニング!」
3人の脳内はもはやカンニングの文字で埋め尽くされていた。
「よろしい! ならばカンニングだ!」
3人の決意に応え、パチュリーは机の上に仁王立ちになる。
この異様な光景を、小悪魔は呆然とした表情で見つめていた。
「琢馬さん、止めなくていいんですか?」
最後の常識を求めて小悪魔は琢馬の方を見る。
「ばれなきゃ、いいんじゃないか? 俺も人の事は言えないし」
事を傍観する琢馬の表情は、少しにやけていた。
「さて、俺は本の整理に戻ることにするよ」
本を抱えて琢馬はまた本棚に向かっていく。
完全に小悪魔はこの異常なテンションの中に取り残されてしまった。
「カンニングに挑む3人の勇者の前途を祈り、いつの間にかこの本に挟まれていたこのスタンドDISCを与えよう!」
パチュリーは高らかに叫び、『北宋の傑物、羹・壬虞』のページを開いた。
ばらばらと音を立ててめくられるページ。
めくられていくページの中から一枚のDISCが飛び出した。
飛び出したDISCはフランの手の中におりてくる。
それを手で握るフラン。
「このDISCは『トト神』のスタンドが記録されたDISCよ。有効に使いなさい」
パチュリーに言われるままに、フランはそのDISCを頭に押し込む。
すると、DISCはフランの頭に吸い込まれ、彼女の手元に一冊の分厚い本が出てくる。
「あとは任せるわ。フフフ……」
一冊の本をまじまじと見つめる3人を見て、怪しく笑うパチュリー。
彼女はすぐに3人の座る机に背を向けて図書館の奥へと向かっていった。
そして図書館の机には3人が残る。
「これが……俺たちを救う『トト神』……」
机の上に安置してある本を見て、ナランチャは生唾を飲んだ。
「この本があたい達を勝利へと導いてくれるのね……」
チルノは眼を剥いて『トト神』を見つめる。
「そう。この『トト神』こそが私たちを恐怖から解放してくれる……頭突きの恐怖から」
フランは机の上の本を手に取って、開いた。
バラバラと音を立ててページはめくれていく。
まず真っ白なページが現れた。真っ白、とはいっても所々黄色く変色していて、中古のマンガ本みたいな感じになっている。
何も書かれていないページに、黒いインクが走り、下手くそなのか上手いのかよくわからない絵が描かれた。
「これは……? 琢馬かな?」
フランは味のある絵を見て、そうつぶやく。
グニャグニャの線で描かれた黒い服の男。この紅魔館でそれにあてはまる者は蓮見琢馬しかいない。
その奥には机についている3人の子供の絵。
どれもグニャグニャの線で描かれていて、背中についている羽の形でかろうじてフラン、チルノ、ナランチャだと推測できるほどの崩れた絵だ。
評価しがたい絵に続いて、やたら丁寧な文字がひとりでに浮かんでくる。
“フラン、チルノ、ナランチャは本を運ぶ琢馬を見ていました”
3人は突然現れた文字に釘付けになった。
“そうして3人が目を離している隙に……琢馬と小悪魔が衝突したァーッ!”
その文章を読み終えたところで、3人の背後から大きな物音がした。
驚いて3人が背後を向くと、本をまき散らして小悪魔と琢馬がしりもちをついていた。
その光景を見てフランはまじまじと『トト神』を見つめる。
「そうか……この本は、『これから起きる出来事をマンガという形で予言する』力を秘めているのね!」
なんとなく『トト神』の力を理解したフランは、『トト神』を持ち上げる。
「つまり、これを使って未来を知り、カンニングする際に障害となる物を回避するんだな!」
ナランチャは期待に満ちた目で『トト神』を見る。
「これさえあれば、あたいたちは最強……」
フランが持つ『トト神』を見つめるチルノの目は、ぎらぎらとした『百点満点』への野望で燃え上がっていた。
3人はすぐに立ち上がった。
「さあ、行くわよ……慧音先生のお家へ!」
フランが先頭になり、走って図書館から飛び出した。
階段を駆け上り、扉をタックルでぶち壊して紅魔館から飛び立つ。
「こらフラーン! 扉ぶちこわすなー!」
屋上から怒鳴るレミリアを無視して、3人は夜空を切り裂いてゆく。
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