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ディスクブレイカー☆フラン 第三十三話

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  ディスクブレイカー☆フラン 『紅魔館の謎(アトランチス的な意味で)中編』OP ふぉれすとぴれお『U.N.FLY』
                                      ttp://www.youtube.com/watch?v=jc6Bu8HU9BQ

「こんな所にいても時間の無駄だ。すぐに選んですぐ実行。これ迷宮で生き残る秘訣」
 ディアボロは迷わずに赤の『42』の扉を開く。
 ガチャリ。ドアノブをひねる音がした。
 そしてディアボロは扉を引いて開ける。
 次の瞬間、暴風が吹き荒れた。
「うおおおおおおおおおーッ!」
 開かれた扉の奥は暗闇。 
 その暗闇はまるで掃除機のようにディアボロを吸い込んで彼を暗闇の中へと消し去ってしまった。
 扉はまだ開いたままで、空気と共に琢馬を吸い込もうとする。
 琢馬はものすごい腕力でナイフを洞窟の壁に突き刺し、それにすがりつく。
 自分でも驚くぐらいすごい力だ。
 42の数字。
 どこに通じるかもわからない扉。
 琢馬は知っている。覚えている。
 昔友達とやった、ファミリーコンピュータのゲームを。
「畜生ッ! 悪い予感はしていたんだ……この扉は……ブラックホールだったんだッ!」
 吹き荒れる暴風に耐える琢馬。
 彼の目の前で開いているドアの先には暗闇が広がっている。
 ディアボロだけじゃ喰い足らず、まだ琢馬を求めて大口を開けている。
 このままだと空気をブラックホールに吸い尽くされて琢馬は死んでしまうだろう。
 暴風の中、琢馬は意を決して壁に突き立てたナイフを手放す。
「う、うおおおおおおおおおおおおお!」
 ものすごい勢いで扉へと向かってゆく琢馬。
 扉の奥のブラックホールに飛び込む直前、琢馬は扉の縁を掴み、扉の裏に隠れた。
 バタン、と大きな音を立てて扉は閉まり、暴風は止んだ。
「ハァ……ハァ……死んでたまるか……」
 息を荒らげて琢馬はナイフをとりだした。持っているナイフの中で、一番武骨で重いナイフだ。
 扉のドアノブにナイフをこれでもかと叩き付ける。
 叩き付ける。
 叩き付ける。
 叩き付ける。
 叩き付ける。
 叩き付ける。
 叩き付けル。
 バギッ、と音がしてドアノブは折れて地面に落ちた。
 肩で息をしながら琢馬はナイフを懐に戻す。
「これでもう開けられないな……」
 琢馬は背中を扉に預け、ずるずると床に座り込んだ。
「そういえば壁に突き立てたナイフ回収しないとな」
 溜息をついて琢馬は立ち上がり、壁に突き立てたナイフを引き抜こうとする。
 が、ナイフはびくともしない。
「……我ながらすごい力出したもんだ」
 とりあえずナイフは放置することとして、琢馬は残った2つの扉を眺める。
「あの白黒の扉はなんだか不気味だな……」
 琢馬は『98』の扉ではなく、『57』の扉を選んだ。
 扉に入ると、次は草原だった。
「まるでゲームの中の世界に入り込んだみたいだな……」
 琢馬は呆れて頭を抱えた。
 草原には、いくつかの岩が立っていて、緑一色の中にアクセントをつけている。
 少し歩いてみると、崖があった。
 とはいっても、断崖絶壁というわけではなく、家の2階程度の高さの崖だ。
「……飛び降りたらワープしたりとか?」
 半ば自暴自棄になった琢馬は、2階程度の高さの崖からジャンプしてみた。
 見事に着地してみると、辺りは薄暗くなっている。
 脇を見ると、本が並んでいた。
 どうやら元の図書館に戻って来れたらしい
「やれやれ……ひどい目にあった」
 溜息をついて琢馬は本棚についているプレートを確認する。
 図書館の本棚にはプレートがつけられている。
 本の分類を行うためのものだ。
 琢馬がいる本棚についているプレートは『C-13』。
「キッチン、洞窟ときて図書館……ますますアトランチスじみてきてるな……」
 汗をぬぐい、本棚から出る。
 と、琢馬が立ち入ったのは図書館の廊下ではなくエントランスホール。
「……勘弁してくれ」
 琢馬は頭が痛くなって、床に座り込んだ。
  
「むっきゅう!」
 ガン、と金属音を立ててパチュリーは床にぶつかった。
 すぐに立ち上がるが、あたりは真っ暗闇。
「うう……森の中かと思ったら今度は真っ暗闇……」
 パチュリーはすぐに明かりをつける魔法を唱えた。
 しかし暗闇は晴れない。
「う~ん、ここは手探りで行くしかなさそうね」
 ここでじっとしていても、らちが明かないのでパチュリーは歩くことにした。
 ガン、と金属音がしてパチュリーの額が壁みたいなものにぶつかる。
「うう……これは壁ね……手触りからしてどこかの建物の中かしら?」
 パチュリーは壁に手をつきながら、壁伝いに歩いてゆく。
 

「な……何とか紅魔館に戻ってこれたわ……」
 息を切らして、レミリアは紅魔館のエントランスホールに行きついた。
「なんだ、レミリアか。ボロボロだな」
 エントランスホールには先客がいた。
 蓮見琢馬だ。
 琢馬が言うとおり、レミリアはボロボロだった。
 土がついた服、焦げ付いた羽の先、擦り傷のついた頬。
「……ドアから廊下へ出たら真っ暗な所だったり、狭くて汚い所だったり、いきなり咲夜の部屋だったりしたのよ。さっきも何処かも知らない森の中から帰ってきたのよ」
 レミリアは溜息をついてハンカチで擦り傷や羽の焦げつきをぬぐう。
 すると、擦り傷のついた肌はすべすべの肌に戻り、焦げ付いた羽は元の黒い、つやのある羽に戻る。
 吸血鬼の持つ能力の一つ、再生能力である。
「普段は図書館にいるあなたがこんな所にいるなんて、あなたも私と同じでいろんな場所にワープしたりしてたのかしら?」
「当たりだ。さっきブラックホールに吸い込まれかけた」
「ブラックホールが何かは知らないけど、あなたも相当苦労したのね……」
 2人そろって苦い顔を浮かべる。
 ふと、奥からカン、という金属がぶつかる音がしてきた。
 2人は音がしてきた方を振り向く。
「レミィ~! どこにいるのレミィ~! 声は聞こえど姿は見えず……」
 パチュリーがふらふらと歩いている。
 真鍮でできたバケツを被ったパチュリーが。
「パチェも結構古典的なギャグをかましたりするのね」
 すたすたパチュリーのもとへ歩いていき、バケツを取るレミリア。
 暗闇の世界から解放されたパチュリーは、眩しそうに目を細める。
「ここは……エントランスホールじゃない。レミィが明かりつけてくれたの?」 
「いや、パチェったらバケツ被っちゃってたわよ」
 レミリアはパチュリーにバケツを差し出す。
「う……我ながらなんと古典的な」
 バケツを受け取り、顔を伏せるパチュリー。
 とりあえずバケツを置く。
 いつまでもバケツを持っていても仕方がない。
「とりあえずは状況を把握しましょう」
 パチュリーは呪文を唱え、椅子を3つ出して座る。
 立っているだけもなんなのでレミリアは座り、地べたに座り続けるのは行儀が悪いので琢馬も椅子に座る。
「まずは、この紅魔館がどういう状況に陥っているか、ね。」
 パチュリーは続けて呪文でテーブルとティーセットを出した。
「そういえばパチュリーさっき言っていたわよね。紅魔館の空間を管理する咲夜が体調を崩したから紅魔館の空間が乱れて、4次元空間になったって」
 レミリアは自分のティーカップに紅茶を注ぐ。
 心に落ち着きをもたらすベルガモットの香りがエントランスホールに広がった。
「となると、咲夜さんが体調を立て直せばこの異常は元に戻るというわけか……」
 琢馬はアツアツの紅茶には手を付けない。どうやら少し冷ましてからのむらしい。
「そういうことになるわね。薬を作るにしても、咲夜の状態がどういう状態なのかを診ないと始まらないわ」
 パチュリーは早くも2杯目の紅茶を注いでいる。
「咲夜のところに行ったときは……確か自分で飲み水取りに行って――」
 自分のここまでの経緯を口にして思い出すレミリア。
 琢馬の表情が、一瞬険しくなった。
 レミリアは怪訝な表情を浮かべる琢馬を、不審に思って見つめた。
「どうしたの? そんな表情浮かべて」
「いや、少し気にかかることがあってな。まずドアを開いたら、どことも知れないキラキラした場所が見えたんだよな?」
 琢馬は少し冷めてちょうどいい温度になった紅茶を一口飲んだ。
 レミリアも紅茶を一口飲んで、うなづく。
「それでちょっと怖くなって、ドアを閉じたのよ。それでもう一回ドアを開けたら、元の紅魔館の廊下だったってわけ」
「ふむ……2回目にドアを開けば紅魔館……咲夜さんの部屋に来る前に来た、薄汚い場所ではネズミが2匹いた……」
 琢馬の顔はさらに険しくなる。
 琢馬はどうやら考え事をしているらしい。
「何か、手掛かりがあるのかしら?」
 パチュリーも琢馬に視線を向ける。
「いや、ただの考察だが、ケースが圧倒的に足りない。パチュリーはどういう経緯でここへ?」
 琢馬に質問されて、パチュリーは紅茶を一口飲んだ。
「そうね……私の場合読んでた3冊の魔道書を本棚に戻して、それから小説を4冊取って本棚から出たら森の中だったわね」
 パチュリーの答えを聞いて、琢馬はさらに考え込む。
「もう少しだ……もう少しで答えに行きつきそうなんだ……」
 琢馬は手を額に当てて深く息を吸い込んだ。
 息を吐くと同時に『The・Book』を出し、ページを開く。
「俺が本棚からキッチンに来たとき、抱えていた本の数は23冊……あのソリッド・ナーゾという男が持っていた『スタンドDISC』は7枚……そして彼は『42』の扉のブラックホールに吸い込まれて、俺は『57』の扉で紅魔館に戻ってきた……」
『The・Book』のページを凝視する琢馬の表情は、異常なまでに恐ろしい表情だった。
「『57』の扉の次は草原……草原には岩が19個あって……19個…………まさか……まさか!」
 バン、と大きな音を立てて『The・Book』は閉じられた。
 突然大声を上げて『The・Book』を閉じるものだからは、レミリアとパチュリーはぎょっとして琢馬を凝視する。
「ど、どうしたのよ突然大声出して……」
 ティーカップを持ったままレミリアは琢馬に聞く。
「わかったんだ……この異変の謎が……紅魔館の謎が!」
←To Be continued... ED 岸田教団&THE明星ロケッツ『LITERAL WORLD』
              ttp://www.youtube.com/watch?v=tsh6Q8UgADA

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