終界深淵獣アトラ=ノクス
――北太平洋終末孔より現れし、地球終焉の先触れ
■ 基本情報
名称:終界深淵獣アトラ=ノクス
分類:超広域災害型異界侵攻存在
立ち位置:大穴の主が送り込んだ尖兵
役割:斥候/観測個体/先行侵攻端末
所属:大穴の主の勢力
性別:不明
知性:不明
HP:99,999,999
EN:9,999,999
分類:超広域災害型異界侵攻存在
立ち位置:大穴の主が送り込んだ尖兵
役割:斥候/観測個体/先行侵攻端末
所属:大穴の主の勢力
性別:不明
知性:不明
HP:99,999,999
EN:9,999,999
■ サイズ
全高:12km
全長:30km
全幅:22km
全長:30km
全幅:22km
このサイズは単なる巨大怪獣の枠を超えている。
都市、艦隊、国家機能といった人類文明の構成要素そのものが、もはや「相手にされる側」ではなく「踏み潰される地形」に近い。
神機ネメシオスと同じく、通常兵器や既存防衛理論では測れない規模の存在である。
都市、艦隊、国家機能といった人類文明の構成要素そのものが、もはや「相手にされる側」ではなく「踏み潰される地形」に近い。
神機ネメシオスと同じく、通常兵器や既存防衛理論では測れない規模の存在である。
■ 出現地点
出現地点:北太平洋中心部
北太平洋の中心海域に、ある日突如として、海そのものへ穿たれたかのような異常領域が出現した。
それは渦ではない。陥没でもない。
直径1000kmに達する、深部確認不能の漆黒の大口である。
それは渦ではない。陥没でもない。
直径1000kmに達する、深部確認不能の漆黒の大口である。
光学観測は吸い込まれ、音波探査は反応を失い、重力観測すら正常な数値を返さない。
海水はその内部へ流れ込んでいるように見えるにもかかわらず、水位変動は理論上説明のつかない挙動を示す。
まるでその大口だけが、地球上の空間法則に属していない別種の深淵であるかのように振る舞っている。
海水はその内部へ流れ込んでいるように見えるにもかかわらず、水位変動は理論上説明のつかない挙動を示す。
まるでその大口だけが、地球上の空間法則に属していない別種の深淵であるかのように振る舞っている。
この異常空間は、単なる出現ゲートではない。
それは大穴の主の存在圏が、こちら側へ触れるために開いた口であり、アトラ=ノクスはその口の奥から現れた。
それは大穴の主の存在圏が、こちら側へ触れるために開いた口であり、アトラ=ノクスはその口の奥から現れた。
■ 存在概要
アトラ=ノクスは、人類の尺度で言えば、すでに「敵」と呼ぶには大きすぎる存在である。
それは怪獣ではない。
動く災害であり、文明崩壊の過程そのものであり、地球終焉のカウントダウンが形を持って歩いているようなものだ。
それは怪獣ではない。
動く災害であり、文明崩壊の過程そのものであり、地球終焉のカウントダウンが形を持って歩いているようなものだ。
30kmの全長を誇る巨体は、ただ海上へ姿を現すだけで周辺環境の意味を破壊する。
海は正常な流れを失い、空は重く沈み、観測機器は狂い、艦隊は陣形を保てず、遠方都市でさえ異常潮位や通信障害の影響を受ける。
アトラ=ノクスは一個体でありながら、海洋災害、気象災害、空間異常、文明破壊を同時成立させる終末現象である。
海は正常な流れを失い、空は重く沈み、観測機器は狂い、艦隊は陣形を保てず、遠方都市でさえ異常潮位や通信障害の影響を受ける。
アトラ=ノクスは一個体でありながら、海洋災害、気象災害、空間異常、文明破壊を同時成立させる終末現象である。
しかし、その正体はさらに絶望的である。
アトラ=ノクスは大穴の主そのものではない。
むしろ、大穴の主の尖兵にすぎず、なおかつ最も小さな個体であり、役割としては単なる斥候でしかない。
アトラ=ノクスは大穴の主そのものではない。
むしろ、大穴の主の尖兵にすぎず、なおかつ最も小さな個体であり、役割としては単なる斥候でしかない。
つまり、人類が終末の本体と認識するこの怪物は、向こう側にとっては本命ですらない。
観測のために差し向けられた、最小規模の先行個体。
ただ環境を見に来たに過ぎない存在。
それがアトラ=ノクスである。
観測のために差し向けられた、最小規模の先行個体。
ただ環境を見に来たに過ぎない存在。
それがアトラ=ノクスである。
■ 存在の位置づけ
アトラ=ノクスは征服のために送り込まれた本隊ではない。
破壊すら本来の主目的ではなく、以下のような情報収集と適応観測を担う個体である。
破壊すら本来の主目的ではなく、以下のような情報収集と適応観測を担う個体である。
現地生命体の抵抗力の確認
文明水準、兵器水準、対災害能力の観測
大気、海流、重力、地殻、熱量環境の測定
大穴の主が侵入する際の世界側反応の観測
この星が本格侵攻に値するかどうかの判断
そのため、アトラ=ノクスの行う破壊は侵略戦争の本番ですらない。
それはあくまで、「この星はどれだけ壊しやすいか」「何が抵抗するか」を測るための下見にすぎない。
それはあくまで、「この星はどれだけ壊しやすいか」「何が抵抗するか」を測るための下見にすぎない。
ここにこの存在の本質的な恐怖がある。
人類が総力を挙げてようやく立ち向かう相手が、向こう側にとっては「とりあえず一番小さいものを出してみた」程度の意味しか持たないのである。
人類が総力を挙げてようやく立ち向かう相手が、向こう側にとっては「とりあえず一番小さいものを出してみた」程度の意味しか持たないのである。
■ 外見
アトラ=ノクスのシルエットは、海棲竜、深海生物、巨大節足類、鯨、崩壊した大陸片を無理やりひとつに繋ぎ合わせたかのような異形である。
生物的な曲線と、大地のような荒々しい稜線と、人工物を思わせる不気味な構造感が同時に存在しており、見る者によって印象が一致しない。
生物的な曲線と、大地のような荒々しい稜線と、人工物を思わせる不気味な構造感が同時に存在しており、見る者によって印象が一致しない。
頭部は前後へ長く伸び、口内は喉や胃袋ではなく、光すら沈んでいきそうな暗黒の空洞が開いている。
覗き込んだ者は距離感を喪失し、そこが口なのか、穴なのか、空間の裂け目なのか判断できなくなる。
覗き込んだ者は距離感を喪失し、そこが口なのか、穴なのか、空間の裂け目なのか判断できなくなる。
体表は黒、紺、灰といった既存の色彩では言い表しにくい。
それはまるで、光が死んだ後に残る色であり、濡れているようにも乾いているようにも、甲殻のようにも肉のようにも見える異質な質感を持つ。
体表各所には裂け目のような青白い発光線が走り、深海の燐光にも似た脈動を繰り返している。
それはまるで、光が死んだ後に残る色であり、濡れているようにも乾いているようにも、甲殻のようにも肉のようにも見える異質な質感を持つ。
体表各所には裂け目のような青白い発光線が走り、深海の燐光にも似た脈動を繰り返している。
背部には無数のヒレ状器官が並び、これは後述する攻撃スキルにおいて生体ミサイルとして射出される。
その巨体が動くたび、周囲の海と空は「押しのけられる」のではなく、「正常な在り方を剥がされる」。
アトラ=ノクスは生き物というより、異界の法則がこちら側へ滲み出た結果に近い。
その巨体が動くたび、周囲の海と空は「押しのけられる」のではなく、「正常な在り方を剥がされる」。
アトラ=ノクスは生き物というより、異界の法則がこちら側へ滲み出た結果に近い。
■ 性質
アトラ=ノクスには、現時点で人類が理解できる意味での人格は確認されていない。
怒り、愉悦、嗜虐、憎悪、誇示といった感情的挙動は観測されず、ただ前進し、測定し、必要に応じて排除する。
怒り、愉悦、嗜虐、憎悪、誇示といった感情的挙動は観測されず、ただ前進し、測定し、必要に応じて排除する。
この存在にとって人類は仇敵ではない。
宿敵でもなければ、滅ぼす価値のある相手ですらない。
あくまで観測対象、あるいは邪魔な地形の一部として処理されているに過ぎない。
宿敵でもなければ、滅ぼす価値のある相手ですらない。
あくまで観測対象、あるいは邪魔な地形の一部として処理されているに過ぎない。
だからこそ恐ろしい。
アトラ=ノクスにとっての何気ない動作は、人類にとっての最悪な一手である。
腕を振るうだけで都市が消え、前進するだけで戦争の跡のような壊滅地帯が生まれ、尾を振るうだけで国家中枢が壊滅する。
それでも当の本人にとっては、本気の戦闘行為ですらない。
アトラ=ノクスにとっての何気ない動作は、人類にとっての最悪な一手である。
腕を振るうだけで都市が消え、前進するだけで戦争の跡のような壊滅地帯が生まれ、尾を振るうだけで国家中枢が壊滅する。
それでも当の本人にとっては、本気の戦闘行為ですらない。
■ 通常攻撃
アトラ=ノクスにとって特別な技や兵器は、必ずしも必要ではない。
その巨体が当たり前のように動くだけで、人類にとっては文明崩壊級の被害となる。
その巨体が当たり前のように動くだけで、人類にとっては文明崩壊級の被害となる。
1. 腕を振るう
アトラ=ノクスが腕を一度振るうだけで、その進路上に存在した街は原形を失う。
高層建築は押し潰され、道路網は断裂し、港湾施設、工業地帯、住宅区画はまとめて消し飛び、地表の地形そのものが塗り替えられる。
それは破壊というより、街という概念を別の形へ書き換えるに近い。
高層建築は押し潰され、道路網は断裂し、港湾施設、工業地帯、住宅区画はまとめて消し飛び、地表の地形そのものが塗り替えられる。
それは破壊というより、街という概念を別の形へ書き換えるに近い。
2. 前進する
アトラ=ノクスがただ前へ進む。
それだけで進路上には、まるで長期にわたる大規模戦争の戦後跡のような凄惨な光景が広がる。
建造物は崩れ、地盤は割れ、浸水、火災、圧壊、破断、瓦解が連鎖し、文明圏は一帯ごと死ぬ。
当人にとっては歩行でしかないが、人類側から見れば戦争と災害を同時に受けたような最悪の通過痕である。
それだけで進路上には、まるで長期にわたる大規模戦争の戦後跡のような凄惨な光景が広がる。
建造物は崩れ、地盤は割れ、浸水、火災、圧壊、破断、瓦解が連鎖し、文明圏は一帯ごと死ぬ。
当人にとっては歩行でしかないが、人類側から見れば戦争と災害を同時に受けたような最悪の通過痕である。
3. 尾を振るう
アトラ=ノクスが尾を一度薙ぐだけで、その一撃は国家の心臓部を壊滅へ追い込む。
司令部、軍港、発電施設、通信中枢、交通の要衝、金融中枢、政府機能など、国の核となる領域がまとめて消し飛ぶ規模の一撃である。
しかもこれは「必殺」ではない。
単なる体勢の調整、あるいは邪魔なものを払う程度の行為にすぎない。
司令部、軍港、発電施設、通信中枢、交通の要衝、金融中枢、政府機能など、国の核となる領域がまとめて消し飛ぶ規模の一撃である。
しかもこれは「必殺」ではない。
単なる体勢の調整、あるいは邪魔なものを払う程度の行為にすぎない。
■ 攻撃スキル
アトラ=ノクスは通常動作だけでも十分に終末的な破壊をもたらすが、それとは別に、明確な攻撃スキルも有している。
なお、スキル威力の序列は以下で確定している。
なお、スキル威力の序列は以下で確定している。
ボイスキャノン < アトラフレア < アトロニックレイ
1. ボイスキャノン
アトラ=ノクスが放つ、単なる大咆哮。
名称は砲撃を連想させるが、実態としてはただ声を張り上げているに過ぎない。
しかし、その影響は人類の兵器体系や災害想定をはるかに超えている。
名称は砲撃を連想させるが、実態としてはただ声を張り上げているに過ぎない。
しかし、その影響は人類の兵器体系や災害想定をはるかに超えている。
咆哮と同時に超広域へ凄まじい破壊波が放たれ、海面は抉れ、空気は震え、周辺空間そのものが悲鳴を上げるかのように軋む。
その威力は、小さな孤島程度なら一撃で粉砕できる規模に達しており、島は爆発するのではなく、砕かれ、裂かれ、崩され、もはや元の地形を留めない瓦礫と海没地帯へ変わる。
その威力は、小さな孤島程度なら一撃で粉砕できる規模に達しており、島は爆発するのではなく、砕かれ、裂かれ、崩され、もはや元の地形を留めない瓦礫と海没地帯へ変わる。
アトラ=ノクスの攻撃スキルの中では最も軽い部類に属する。
だが、それでも人類にとっては十分すぎるほど終末的な一撃である。
だが、それでも人類にとっては十分すぎるほど終末的な一撃である。
2. アトラフレア
アトラ=ノクスの背部に無数に存在する、ヒレ状の生体器官を生体ミサイルとして射出する攻撃。
これらのヒレ状器官は単なる突起ではなく、各個体に目状の器官と、ピット器官のように熱源を感知する器官を備えている。
そのため発射後は敵として定めた対象を的確に追尾し、命中へ向かう。
これらのヒレ状器官は単なる突起ではなく、各個体に目状の器官と、ピット器官のように熱源を感知する器官を備えている。
そのため発射後は敵として定めた対象を的確に追尾し、命中へ向かう。
さらに発射前、各生体ミサイル内部には可燃性の極めて高い気化燃料のような体液が注入される。
その状態で射出されたミサイルは、着弾あるいは目標近傍で炸裂し、燃料気化爆弾のような特性をもって爆裂する。
結果として、直撃対象だけでなく周囲一帯を超高熱の爆炎で広範囲に焼却し、都市、防衛線、軍勢、避難施設の区別なく焦土へ変える。
その状態で射出されたミサイルは、着弾あるいは目標近傍で炸裂し、燃料気化爆弾のような特性をもって爆裂する。
結果として、直撃対象だけでなく周囲一帯を超高熱の爆炎で広範囲に焼却し、都市、防衛線、軍勢、避難施設の区別なく焦土へ変える。
ボイスキャノンを上回る威力を持つ、広域殲滅型の攻撃スキルである。
3. アトロニックレイ
アトラ=ノクスの内部に存在する生体反応炉から高エネルギーを抽出し、口腔内部から生体ビームとして放射する攻撃。
これは単なる熱線ではない。
命中した対象を高熱で焼くに留まらず、構成物質そのものへ干渉し、命中箇所を原子分解させる。
これは単なる熱線ではない。
命中した対象を高熱で焼くに留まらず、構成物質そのものへ干渉し、命中箇所を原子分解させる。
そのため、装甲、防壁、要塞、艦隊、大型兵器、特殊素材といった通常の耐久概念はほとんど意味を持たない。
命中箇所は焼失ではなく、存在そのものが滑らかに削り取られたように消える。
着弾痕には溶解や炭化では説明のつかない、虚無的な断面だけが残り、周囲には凄まじい熱量と崩壊反応が拡散する。
命中箇所は焼失ではなく、存在そのものが滑らかに削り取られたように消える。
着弾痕には溶解や炭化では説明のつかない、虚無的な断面だけが残り、周囲には凄まじい熱量と崩壊反応が拡散する。
アトラ=ノクスの攻撃スキルの中で最も高威力を誇る、対物・対拠点・対超大型目標における破滅光である。
■ 本質的な恐怖
アトラ=ノクスの恐ろしさは、HPでも、巨体でも、攻撃力でもない。
真に恐ろしいのは、これほどの怪物ですら、大穴の主にとっては最も小さな個体にして単なる斥候でしかないという事実である。
真に恐ろしいのは、これほどの怪物ですら、大穴の主にとっては最も小さな個体にして単なる斥候でしかないという事実である。
人類が終末そのものと認識する存在が、向こう側から見れば様子見のための観測端末にすぎない。
本命は来ていない。
侵攻は始まっていない。
アトラ=ノクスは、ただ「この星はどれだけ壊れやすいか」を測っているだけである。
本命は来ていない。
侵攻は始まっていない。
アトラ=ノクスは、ただ「この星はどれだけ壊れやすいか」を測っているだけである。
つまり、人類がこの個体を退けたとしても、それは勝利ではない。
せいぜい、向こう側に「この星には少し抵抗するものがいる」と伝わるだけでしかない可能性がある。
せいぜい、向こう側に「この星には少し抵抗するものがいる」と伝わるだけでしかない可能性がある。
■ シナリオ導入
《暗黒よりの侵略者、襲来》
最初にそれを捉えたのは、シャイニングバーチャルズが運用する高軌道観測衛星だった。
北太平洋中心部。
本来ならただ広大な海原が広がっているはずの領域に、ありえない異常が発生している。
北太平洋中心部。
本来ならただ広大な海原が広がっているはずの領域に、ありえない異常が発生している。
海に開いていたのは、渦ではない。
陥没でもない。
直径1000km、深部確認不能の漆黒の大口。
陥没でもない。
直径1000km、深部確認不能の漆黒の大口。
光学観測は吸い込まれ、音波探査は応答を失い、重力測定すらまともな値を返さない。
海そのものに、世界の裏側へ通じる傷口が穿たれたかのような光景だった。
海そのものに、世界の裏側へ通じる傷口が穿たれたかのような光景だった。
だが、その異常を見たシャイニングバーチャルズ本部の反応は、恐怖でも戦慄でもない。
商機だった。
商機だった。
「世紀の大スクープです!」
「近海の船舶向けに異常海域情報を有料配信! リアルタイム更新で上乗せできます!」
「報道機関への映像提供も有料ライセンス制に! 独占中継権でかなり取れます!」
「穴の拡大、視聴維持率すごいですよ! 広告単価が跳ねてます!」
「近海の船舶向けに異常海域情報を有料配信! リアルタイム更新で上乗せできます!」
「報道機関への映像提供も有料ライセンス制に! 独占中継権でかなり取れます!」
「穴の拡大、視聴維持率すごいですよ! 広告単価が跳ねてます!」
本部の大型モニターには、漆黒の大口がゆっくりと海を侵していく様子が映し出されていた。
シャイニングバーチャルズはその拡大過程を生配信し、近海船舶には有料で危険情報を共有し、報道機関には有料で映像使用を許可していた。
未曾有の異常現象すら、彼らにとっては金脈にすぎない。
本部内には高揚と欲の混ざった熱気が満ち、誰もが左うちわで世紀の利益を皮算用していた。
シャイニングバーチャルズはその拡大過程を生配信し、近海船舶には有料で危険情報を共有し、報道機関には有料で映像使用を許可していた。
未曾有の異常現象すら、彼らにとっては金脈にすぎない。
本部内には高揚と欲の混ざった熱気が満ち、誰もが左うちわで世紀の利益を皮算用していた。
しかし、その空気は一瞬で凍りつく。
中継映像の中、漆黒の大口の奥が――脈打った。
最初は誤差かノイズかと思われた。
だが違う。
暗黒の底で、何かが動いている。
山脈のような影。
島影にも見える巨大な輪郭。
それが、ゆっくりと、しかし確実に浮上してくる。
だが違う。
暗黒の底で、何かが動いている。
山脈のような影。
島影にも見える巨大な輪郭。
それが、ゆっくりと、しかし確実に浮上してくる。
「……え?」
誰かの間の抜けた声が漏れた次の瞬間。
誰かの間の抜けた声が漏れた次の瞬間。
終界深淵獣アトラ=ノクスが、大穴の奥より姿を現した。
全高12km。
全長30km。
全幅22km。
全長30km。
全幅22km。
それは怪獣という言葉で括るにはあまりにも巨大すぎた。
海と空の境界そのものを歪め、ただ身体を起こすだけで周辺海域の景色と法則を塗り替えていく。
大穴の主の尖兵、もっとも小さな個体、単なる斥候――そんな真実を誰一人知る由もなく、目の前の存在だけで世界の終焉を錯覚するには十分だった。
海と空の境界そのものを歪め、ただ身体を起こすだけで周辺海域の景色と法則を塗り替えていく。
大穴の主の尖兵、もっとも小さな個体、単なる斥候――そんな真実を誰一人知る由もなく、目の前の存在だけで世界の終焉を錯覚するには十分だった。
さらに追い打ちをかけるように、本部全域へけたたましい警報が鳴り響く。
――WARNING. NEMESIOS ACTIVATION DETECTED.
――PLANETARY DEFENSE ENTITY RESPONSE CONFIRMED.
――PLANETARY DEFENSE ENTITY RESPONSE CONFIRMED.
赤い警告灯が壁面を埋め尽くし、先ほどまで利益計算に浮かれていたスタッフたちの顔色が一斉に変わる。
「ネ、ネメシオス起動……!?」
「待ってください、そんな、今ここで!?」
「せっかくの独占配信が――」
「儲けの話をしてる場合か! もう海域そのものが終わりかけてるんだぞ!」
「待ってください、そんな、今ここで!?」
「せっかくの独占配信が――」
「儲けの話をしてる場合か! もう海域そのものが終わりかけてるんだぞ!」
本部は怒号と悲鳴で埋まった。
大スクープも、映像権も、船舶向け情報販売も、すべてまとめて吹き飛びそうな勢いだった。
大スクープも、映像権も、船舶向け情報販売も、すべてまとめて吹き飛びそうな勢いだった。
だが、警報はそれで終わらない。
今度はさらに鋭く、耳障りな別種のアラートが重なる。
今度はさらに鋭く、耳障りな別種のアラートが重なる。
――WARNING. SPATIAL VIBRATION RESPONSE DETECTED.
――TRANSFER PHENOMENON IMMINENT.
――TRANSFER PHENOMENON IMMINENT.
その瞬間、シャイニングバーチャルズ本部上空の空間が裂けた。
夜空に巨大な光輪が開き、純白の装甲と黄金のフレームを纏う超巨大な影が降臨する。
天使を模した疑似機神構造体。
地球圏最終防衛存在。
神機ネメシオス。
天使を模した疑似機神構造体。
地球圏最終防衛存在。
神機ネメシオス。
頭長高約14km。
全長26km、両翼最大展開時は空そのものを覆うかのような威容。
それは一瞬だけ、本部上空にその神々しくも終末的な姿を現した。
窓ガラスが震え、建材が軋み、街全体がその存在圧に押し潰されそうになる。
全長26km、両翼最大展開時は空そのものを覆うかのような威容。
それは一瞬だけ、本部上空にその神々しくも終末的な姿を現した。
窓ガラスが震え、建材が軋み、街全体がその存在圧に押し潰されそうになる。
だがネメシオスは留まらない。
知天解輪が淡く輝いた次の瞬間、再び空間転移を行う。
知天解輪が淡く輝いた次の瞬間、再び空間転移を行う。
純白の巨神は、本部上空から消え、
次に現れた時には――アトラ=ノクスの目の前に立っていた。
次に現れた時には――アトラ=ノクスの目の前に立っていた。
北太平洋中心部。
直径1000kmの漆黒の大口を背に立つ終界深淵獣アトラ=ノクス。
その進路を真正面から塞ぐように降り立つ神機ネメシオス。
直径1000kmの漆黒の大口を背に立つ終界深淵獣アトラ=ノクス。
その進路を真正面から塞ぐように降り立つ神機ネメシオス。
超巨大怪獣対超巨大兵器。
その激突は、もはや戦闘という言葉では足りない。
地球がその衝突に耐えられるのかどうかすら怪しい、規格外同士の決戦だった。
その激突は、もはや戦闘という言葉では足りない。
地球がその衝突に耐えられるのかどうかすら怪しい、規格外同士の決戦だった。
そして――あなたは、その光景を安全圏から眺めていたわけではなかった。
視界が白く焼き切れる。
足元の感覚が消える。
耳鳴りが響いた直後、重力が反転したような浮遊感に襲われる。
何が起こったのか理解する暇もなく、気づけばあなたの身体は見知らぬ座席へ固定されていた。
足元の感覚が消える。
耳鳴りが響いた直後、重力が反転したような浮遊感に襲われる。
何が起こったのか理解する暇もなく、気づけばあなたの身体は見知らぬ座席へ固定されていた。
半透明の光学スクリーン。
脈動する無数の計器。
頭部内部に設けられた、常識外れの巨大操縦席。
そこはネメシオスのコクピットだった。
脈動する無数の計器。
頭部内部に設けられた、常識外れの巨大操縦席。
そこはネメシオスのコクピットだった。
そして、機体そのものから響く女性的な機械音声が、静かに、しかし有無を言わせぬ調子で告げる。
「視界はクリアなはずです、いつまでそうしてぼーっとしているつもりですか?」
正面モニターには、漆黒の大口から現れた終界深淵獣アトラ=ノクスの巨体。
その全身が海と空を歪め、見ているだけで世界の前提が軋む。
その全身が海と空を歪め、見ているだけで世界の前提が軋む。
「あと20秒もせずに交戦します、戦闘準備をしてください。」
計器が次々に起動し、操縦席へと光のラインが集束していく。
両腕、視線、呼吸、その全てが機体と同期していくような異様な感覚。
理解は追いつかない。
だが、説明を求める段階ではもうないことだけは本能でわかった。
両腕、視線、呼吸、その全てが機体と同期していくような異様な感覚。
理解は追いつかない。
だが、説明を求める段階ではもうないことだけは本能でわかった。
「私はキャプテンとの戦闘で学習をしたのです、兵器を使用するだけでは戦略とはならないと、よって、お前を協力者として決定しました、拒否権はありません」
淡々とした声音。
しかしそこに迷いは一切ない。
ネメシオスは最初から、あなたを“奏者”として使うつもりでここへ連れてきている。
しかしそこに迷いは一切ない。
ネメシオスは最初から、あなたを“奏者”として使うつもりでここへ連れてきている。
「ですが、悪いことばかりではありません、私との戦闘はちょっとしたアトラクションぐらいで楽しんで下さい」
その言葉の直後、視界の端を巨大な警告表示が埋め尽くす。
アトラ=ノクスの輪郭が赤くマーキングされ、各部位へ無数の照準補助線が走る。
北太平洋の空と海、そのすべてが今まさに決戦の舞台へ変わろうとしていた。
アトラ=ノクスの輪郭が赤くマーキングされ、各部位へ無数の照準補助線が走る。
北太平洋の空と海、そのすべてが今まさに決戦の舞台へ変わろうとしていた。
「さあ、敵が来ますよ、照準は私に任せなさい、あなたは思う存分トリガーを引いて好きなだけぶっぱなしなさい」
純白の巨翼が展開する。
神機の全身各部で武装が解放され、光が満ちる。
その前方で、アトラ=ノクスがゆっくりと身を起こす。
ただの身じろぎで街を消し飛ばし、前進だけで戦争の跡のような惨状を作り出し、尾の一振りで国の心臓部を壊滅させる終末の斥候。
それに対し、地球最後の守護兵器が牙を剥く。
神機の全身各部で武装が解放され、光が満ちる。
その前方で、アトラ=ノクスがゆっくりと身を起こす。
ただの身じろぎで街を消し飛ばし、前進だけで戦争の跡のような惨状を作り出し、尾の一振りで国の心臓部を壊滅させる終末の斥候。
それに対し、地球最後の守護兵器が牙を剥く。
「頼みましたよ、奏者」
地球はどうなってしまうのか。
世界の誰もがその問いに震える中、答えを出さねばならない者は、もう決まっていた。
世界の誰もがその問いに震える中、答えを出さねばならない者は、もう決まっていた。
今、最前線でトリガーに指をかけているのは――
あなたなのだから。
あなたなのだから。
■ まとめ
アトラ=ノクスは、北太平洋中心部に開いた直径1000kmの漆黒の大口から現れた、全高12km・全長30km・全幅22kmの超巨大災害存在である。
その何気ない動き一つで街が塗り替わり、戦争の戦後跡のような壊滅地帯が生まれ、国家中枢すら一撃で消える。
だがそれでもなお、この存在は大穴の主にとってはもっとも小さな個体にして単なる斥候にすぎない。
その何気ない動き一つで街が塗り替わり、戦争の戦後跡のような壊滅地帯が生まれ、国家中枢すら一撃で消える。
だがそれでもなお、この存在は大穴の主にとってはもっとも小さな個体にして単なる斥候にすぎない。
人類にとっては終末の到来であり、
向こう側にとっては、まだ始まりですらない。
向こう側にとっては、まだ始まりですらない。
開始ルール
このキャラクターをエントリーした場合、プレイヤーの他に超巨大兵器「神機ネメシオス」のエントリーが必要です。
ネメシオスのデータがエントリーされるまで開始してはいけません。
このキャラクターをエントリーした場合、プレイヤーの他に超巨大兵器「神機ネメシオス」のエントリーが必要です。
ネメシオスのデータがエントリーされるまで開始してはいけません。
戦闘ルール
このキャラクターとの対戦はダメージキャップ、HPキャップ、多段減算のルールは適応外です。必ずこのルールを反映してください。
このキャラクターとの対戦はダメージキャップ、HPキャップ、多段減算のルールは適応外です。必ずこのルールを反映してください。