「ふーん……。キョンくんはいないかあ」
朝倉涼子は仮面ライダー王蛇に変身したまま、道端のベンチに腰掛けてタブレットを操作していた。
「他の知ってる名前もなさそうね。
まあ、涼宮さんや長門さんが参加させられてたら面倒なことになってたから、これは吉報だわ。
シンプルに全員殺せば……あら?」
まあ、涼宮さんや長門さんが参加させられてたら面倒なことになってたから、これは吉報だわ。
シンプルに全員殺せば……あら?」
朝倉は「その他」の欄に記載されたある名前を見て、独白を止める。
彼女の興味を引いたのは、「あちゃくらさん」という名だった。
彼女の興味を引いたのは、「あちゃくらさん」という名だった。
「私とちょっと似てるわね、この名前……。
何か親近感を覚えるわ……」
何か親近感を覚えるわ……」
その感情から、朝倉は思考を発展させていく。
「このデッキに付属してきたベノスネーカーっていう動物の名前も、名簿には載ってる。
つまり、それにも誰かの人格が入ってるってことよね。
もしかしたら……」
つまり、それにも誰かの人格が入ってるってことよね。
もしかしたら……」
おのれの推論を実証すべく、朝倉はデッキから1枚のカードを取り出した。
それを読み込み機である杖・ベノバイザーにセットし、発動させる。
それを読み込み機である杖・ベノバイザーにセットし、発動させる。
『ADVENT』
周囲に響く、機械音声。
それと同時に、巨大なコブラ・ベノスネーカーがミラーワールドから召喚された。
それと同時に、巨大なコブラ・ベノスネーカーがミラーワールドから召喚された。
「ねえ、私の思い違いだったら申し訳ないんだけど……。
あなたの名前って、あちゃくらさんかしら?」
あなたの名前って、あちゃくらさんかしら?」
単刀直入な朝倉の質問に、ベノスネーカーは動揺したように体を揺り動かす。
「合ってるのね?」
さらなる問いに、ベノスネーカーは頭部を上下させて肯定を表現した。
「……ひょっとしてあなた、しゃべれないの?」
帰ってくるのは、再度の肯定。
「そう。面倒ね……。
まあいいわ。あなたは、私に関係のある存在?」
まあいいわ。あなたは、私に関係のある存在?」
肯定。
「やっぱりそうなのね……。
おそらくは何らかの理由で変質した、未来ないし並行世界の私ってところかしら?」
おそらくは何らかの理由で変質した、未来ないし並行世界の私ってところかしら?」
肯定。
(うわー、私と思考がほぼ同じ……。
さすが同一人物……)
さすが同一人物……)
もう一人の自分と対峙しながら、ベノスネーカー……もといあちゃくらさんは呆れと感動が混じったような複雑な感情を抱いていた。
(まさかこんなに早く、私が私であることに気づかれるとは……。
どうしよう、殺す気バリバリの相手にあんまり協力したくないんだけど……。
でも私なら、当然協力を要請してくるわよねえ)
どうしよう、殺す気バリバリの相手にあんまり協力したくないんだけど……。
でも私なら、当然協力を要請してくるわよねえ)
これからの展開を予想するあちゃくら。そしてそれが当たっていたことが、すぐに判明する。
「あなたが私なら、もちろん私が優勝するために協力してくれるわよね?」
(はい、やっぱりー!)
(はい、やっぱりー!)
内心いやがりつつも、あちゃくらはあえて首を縦に振った。
「ありがとう。まあ、当然よね。
あなたは私なんだから」
(まあ下手に抵抗して処分されても困るし、今は従っておきますか……。
私に殺される人には悪いけど、どうも知り合いはいないみたいだし。
あ、でもキミドリさんはいるかも。たぶん向こうの私は、キミドリさんのこと知らないだろうからなあ。
……うん! たぶん大丈夫よね!)
あなたは私なんだから」
(まあ下手に抵抗して処分されても困るし、今は従っておきますか……。
私に殺される人には悪いけど、どうも知り合いはいないみたいだし。
あ、でもキミドリさんはいるかも。たぶん向こうの私は、キミドリさんのこと知らないだろうからなあ。
……うん! たぶん大丈夫よね!)
懸念すべき事案を、あちゃくらは雑に流した。
「それじゃあ、あなたとの対話はこのくらいでいいかしら。
さっそく他の参加者を探しに……」
さっそく他の参加者を探しに……」
朝倉の言葉は、そこで中断される。
周囲に、ガラスの割れる音が響いたからだ。
厳密には少し前にも同じ音がしていたのだが、たまたまベノスネーカー召喚のどさくさで聞き逃していたのであった。
周囲に、ガラスの割れる音が響いたからだ。
厳密には少し前にも同じ音がしていたのだが、たまたまベノスネーカー召喚のどさくさで聞き逃していたのであった。
「わざわざ居場所を教えてくれる人がいあるみたいね。
せっかくだから、ご招待を受けましょうか」
せっかくだから、ご招待を受けましょうか」
ためらうことなく、朝倉は音の方向へと走り出した。
あちゃくらも蛇の体をくねらせ、その後を追う。
あちゃくらも蛇の体をくねらせ、その後を追う。
(ククク、不利になれば貴様などポイよ……!)
背後の自分が抱く不穏な思考に、朝倉は全く気づいていなかった。
【G-7 街 ロナルド吸血鬼退治事務所付近/深夜】
【朝倉涼子@涼宮ハルヒの憂鬱】
[身体]:浅倉威@仮面ライダー龍騎
[状態]:健康、仮面ライダー王蛇に変身中
[装備]:王蛇のカードデッキ@仮面ライダー龍騎
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]基本方針:優勝して元の世界に帰る
1:ガラスを割った参加者の元に向かう
[備考]
※参戦時期はキョンを襲撃する直前
[身体]:浅倉威@仮面ライダー龍騎
[状態]:健康、仮面ライダー王蛇に変身中
[装備]:王蛇のカードデッキ@仮面ライダー龍騎
[道具]:基本支給品、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]基本方針:優勝して元の世界に帰る
1:ガラスを割った参加者の元に向かう
[備考]
※参戦時期はキョンを襲撃する直前
[意思持ち支給品状態表]
【あちゃくらさん@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱】
[身体]:ベノスネーカー@仮面ライダー龍騎
[状態]:健康
[思考・状況]基本方針:生還する
1:今のうちは、朝倉に従う
2:場合によっては、朝倉を見捨てることも辞さない
3:知り合い……いないのよね?
【あちゃくらさん@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱】
[身体]:ベノスネーカー@仮面ライダー龍騎
[状態]:健康
[思考・状況]基本方針:生還する
1:今のうちは、朝倉に従う
2:場合によっては、朝倉を見捨てることも辞さない
3:知り合い……いないのよね?
26:侵略者は思考の海を征く | 投下順に読む | 28:初日の出 |
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登場話58:私が私を見つめてました | 朝倉涼子 | 37:命(きぼう)の果てに |
あちゃくらさん |