バチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチバチィッ!!!!
雷とは異なる、激しい電気の音が響いた。
雷とは異なる、激しい電気の音が響いた。
「おわあっ!! 何だ今の音は!?」
驚いたのは浅黒い肌と白い髭、それにターバンが印象的な男だ。
小太りの体系に似合わぬ身軽なステップで、音が聞こえた方向に走って行く。
彼は城の主であると同時に、8度の冒険を生き残った冒険者だ。
そしてどんな悪にも屈さぬ、正義の心を持つ船乗りでもある。
彼の勇姿は、未来の子供たちを何人も魅了して来た。
勿論、こんな殺し合いなど恐れたりはしない。
むしろこの殺し合いを開いた者達を全員倒し、故郷へ帰るつもりだ。
小太りの体系に似合わぬ身軽なステップで、音が聞こえた方向に走って行く。
彼は城の主であると同時に、8度の冒険を生き残った冒険者だ。
そしてどんな悪にも屈さぬ、正義の心を持つ船乗りでもある。
彼の勇姿は、未来の子供たちを何人も魅了して来た。
勿論、こんな殺し合いなど恐れたりはしない。
むしろこの殺し合いを開いた者達を全員倒し、故郷へ帰るつもりだ。
音のする方向に向かったのは、青い髪と青いスーツを着こなした少年だった。
だがそれ以上に印象的なのは、右目を隠している眼帯だ。
片目にケガをしているから付けているのではない。少年とは初対面だが、何となくそうだと男は感じた。
だがそれ以上に印象的なのは、右目を隠している眼帯だ。
片目にケガをしているから付けているのではない。少年とは初対面だが、何となくそうだと男は感じた。
「巻き戻し(リトライ)が使えなくなってる?どういうことだ?」
「さっきの音の原因はきみか?」
「……いえ、違いますよ?おれもここの音を聞いて、やってきた……」
「嘘をつくな。」
男はサーベルを少年に突き出した。やや大ぶりな剣だったが、そう感じさせぬほど男の動きは俊敏だった。
少年が少しでも動けば、彼の首に傷が出来るだろう。
男は冒険家で在った。当然何度も死に瀕しており、その倍、下手すれば10倍悪意ある者に騙されたこともあった。
少年が付いた嘘が見抜けるのも、亀の甲より年の劫と言った経験の賜物だ。
少年が少しでも動けば、彼の首に傷が出来るだろう。
男は冒険家で在った。当然何度も死に瀕しており、その倍、下手すれば10倍悪意ある者に騙されたこともあった。
少年が付いた嘘が見抜けるのも、亀の甲より年の劫と言った経験の賜物だ。
「仕方ないな…こうなればもう一度、巻き戻し(リトライ)!!」
少年は左手で眼帯を思いっ切り引っ張った。
何をしているのかと思ったが、そう感じる暇は無かった。
何をしているのかと思ったが、そう感じる暇は無かった。
★
時は遡り、いや、巻き戻される。
丁度眼帯の少年と男が出会う数十秒前だ。
丁度眼帯の少年と男が出会う数十秒前だ。
(巻き戻し(リトライ)は使えるみたいだが…あのオッサンとの出会いは避けられないみたいだな…)
青い髪の少年、クロノの眼帯は、アクセサリーや治療道具に非ず。
時間を簡易的に逆行させる道具(タイムマシン)であり、彼もただの少年ではない。
“巻戻士”と言われる時空警察特殊機動隊の一人だ。
不慮の事故、事件で亡くなった者を救おうとする彼は、殺し合いの始まりで犠牲になった者を救おうとしたが、それは作動しなかった。
会場に飛ばされた直後、それでも戻ろうとしたが、激しい電磁波が起こり、同じ結果に終わった。
時間を簡易的に逆行させる道具(タイムマシン)であり、彼もただの少年ではない。
“巻戻士”と言われる時空警察特殊機動隊の一人だ。
不慮の事故、事件で亡くなった者を救おうとする彼は、殺し合いの始まりで犠牲になった者を救おうとしたが、それは作動しなかった。
会場に飛ばされた直後、それでも戻ろうとしたが、激しい電磁波が起こり、同じ結果に終わった。
(変だな…故障したって訳じゃないみたいだが……)
その後、白ターバンの男と出会い、どうにか自分が巻戻士であることを隠そうとした。
だが、相手に見破られてしまった今、失敗する覚悟でもう一度リトライを試みた。
成功はしたが、戻れたのはほんの数十秒前。
既に向こうの方に、先程の男の姿が見えている。
こんな状況でも自分が巻戻士であることを、なるべくならば伝えたくはない。
時間という重大な存在に干渉する職業で在る以上、出来るだけスマートに事を運びたい。
だが、相手に見破られてしまった今、失敗する覚悟でもう一度リトライを試みた。
成功はしたが、戻れたのはほんの数十秒前。
既に向こうの方に、先程の男の姿が見えている。
こんな状況でも自分が巻戻士であることを、なるべくならば伝えたくはない。
時間という重大な存在に干渉する職業で在る以上、出来るだけスマートに事を運びたい。
「さっきの音の原因はきみか?」
言葉どころか話の速さ、声色まで寸分違わず、戻る前と同じことを男が聞いてくる。
「はい。おれが持っている“道具”を試そうと思っていました。」
嘘は見破られていないと言うのなら、嘘を付かなければ良いだけだ。
タイムマシンのことは話さず、ただ道具と話した。
きっぱりとした口調は、嘘をついている様には聞こえない。
タイムマシンのことは話さず、ただ道具と話した。
きっぱりとした口調は、嘘をついている様には聞こえない。
「ふむ。そのふしぎな道具とは何だ?言えぬ物なのか?」
それでも、疑いの視線が消えることは無かった。
明らかに目の前の男は自分のことを警戒していると、クロノにもよく伝わった。
それにもう一つ気付いたことがあった。
男はなぜ、『“ふしぎな”道具とは何だと』聞いたということだ。
明らかに目の前の男は自分のことを警戒していると、クロノにもよく伝わった。
それにもう一つ気付いたことがあった。
男はなぜ、『“ふしぎな”道具とは何だと』聞いたということだ。
(このオッサン、何を分かっているんだ?)
リトライをしようと考えたが、いつ使えなくなるかの不安もあり、敢えて話を続けてみることにした。
先程は成功したが、巻き戻せる時間は大きく減っている。
巻き戻しに頼りすぎるのは危険だという判断だ。
先程は成功したが、巻き戻せる時間は大きく減っている。
巻き戻しに頼りすぎるのは危険だという判断だ。
「この眼帯のことです。これを使えば、もしかすれば殺し合いを無かったことに出来ると思いました!」
クロノは正直に話を続ける。
巻戻士のことは明かさずに、話を続けるだけだ。
その話を聞いて、男は何やら考えているような素振りを見せていた。
巻戻士のことは明かさずに、話を続けるだけだ。
その話を聞いて、男は何やら考えているような素振りを見せていた。
「…きみは、アブドーラ、いや、ドラえもんという人物を知ってるのかね?もしくは、タイム…トラ……ベラーとかいう未来から来た者でもいい。」
「知りませんが…もしかするとおじさん、巻戻士を知っているのですか!?」
自分達の役職については、隠しておこうと考えていたのだが、そのような質問をされると、聞かざるを得なくなる。
タイムという言葉を聞いて、クロノの頭に一つ疑問が生まれた。
この男は以前、巻戻士に助けられたのではないかということだ。
もし知っているならば、信頼できる味方になる可能性が高い。
タイムという言葉を聞いて、クロノの頭に一つ疑問が生まれた。
この男は以前、巻戻士に助けられたのではないかということだ。
もし知っているならば、信頼できる味方になる可能性が高い。
「マキモドシ?そのような名前は聞いたことは無いが、とにかく別の時代からやって来た、不思議な力を使う者達だった。」
「その時の話を、聞かせてくれませんか?」
「聞かせてもいいが、君がそのことを教えるに値する人間なのかね?」
「え?」
途端に男の顔が険しくなり、徐に剣を抜いた。
折角話が出来る相手だと思ったというのに、これにはクロノも驚くしかなかった。
もう一度リトライを行うか、それともこのまま戦って無力化どうするか悩む。
折角話が出来る相手だと思ったというのに、これにはクロノも驚くしかなかった。
もう一度リトライを行うか、それともこのまま戦って無力化どうするか悩む。
「ワハハハハハ。冗談だよ。」
「ええ!?」
険しい顔つきから一転、男は高笑いを始める。
今一つこの男の本性が掴めず、困惑するばかりである。
巻戻士として活躍する中、様々な人に会って来たクロノだが、彼のようなタイプには初めて出会った。
今一つこの男の本性が掴めず、困惑するばかりである。
巻戻士として活躍する中、様々な人に会って来たクロノだが、彼のようなタイプには初めて出会った。
「知らない人に会うとね、どうしてもからかってしまうのさ。一人暮らしの悲しいサガという奴だね。」
そのまま笑いながら、何事も無かったかのように剣を鞘に収めた。
クロノはぽかんと口を開けたまま、呆気に取られている。
彼自身は知る由もないが、男は王宮に訪れた子供たちを、ライオンに変身して脅かすような、お茶目な性格の持ち主だ。
クロノはぽかんと口を開けたまま、呆気に取られている。
彼自身は知る由もないが、男は王宮に訪れた子供たちを、ライオンに変身して脅かすような、お茶目な性格の持ち主だ。
「え、えーと、信用してくれるのですか?」
「勿論だとも。二度もふしぎな力を持つ物に助けられたのだからね。
改めて名乗ろう。わしは8つの冒険を生き残った船乗りにして、黄金宮の主、シンドバッドというものです。」
改めて名乗ろう。わしは8つの冒険を生き残った船乗りにして、黄金宮の主、シンドバッドというものです。」
「…………クロノと言います!」
「ん? あまり凄い反応じゃないんだな?わしはどうやら、未来の子供たちに人気と聞いたが…」
「え、えーと、シンドバッドって、誰だっけ?」
こういう場合、いつものクロノならば巻戻士のナビゲーターである、スマホンが教えてくれる者だが、今回は彼は不在だ。
クロノは判断力や創造力こそ、巻戻士として目を見張るものがあるが、あまり知識そのものには優れない。
当のスマホンからも抜けている所があると言われるほどだ。
クロノは判断力や創造力こそ、巻戻士として目を見張るものがあるが、あまり知識そのものには優れない。
当のスマホンからも抜けている所があると言われるほどだ。
シンドバッドの言う通り、男は7度航海に出て、人跡未踏の島や国を訪れ、その度に死にそうな目に遭いながら、生還を遂げた。
その名は未来の人々に物語を通じて伝わり、彼の冒険は多くの子供たちを魅了した。
その名は未来の人々に物語を通じて伝わり、彼の冒険は多くの子供たちを魅了した。
「…まあいい。大方きみは、時間を巻き戻して、最初に死んだ人を助けようとした。だが出来なかった。間違いないな?」
「はい。」
「わしにはその失敗の原因に思い当たる。この世界は、“開けゴマ”の洞窟のような物だ。」
「ゴマの洞窟?」
シンドバッドが説明したのは広大な砂漠の真ん中にある、彼の城へ行く上で重要な場所だ。
彼の城に行くには、『地獄のナベ底』と呼ばれた砂漠を10日以上歩き続けねばならないが、その洞窟を通じて、すぐに行くことが出来る。
彼の城に行くには、『地獄のナベ底』と呼ばれた砂漠を10日以上歩き続けねばならないが、その洞窟を通じて、すぐに行くことが出来る。
「言ってしまえば特別な次元であり、時間の流れや空間が、外界とは異なっている場所だ。
まずは外に出なければ、この殺し合いを戻すことは出来ないだろう。」
まずは外に出なければ、この殺し合いを戻すことは出来ないだろう。」
「じゃ、じゃああの人を助けることは出来ないんですか?」
クロノはその言葉を聞き、焦りを覚えた。
何しろ任務中での彼の目標は、被害者のみならず、周りの人間、さらには空を何気なく飛ぶ鳥さえも救うことだ。
加害者も被害者も全員救うのが彼の目標だというのに、いきなりその前提を打ち砕かれたのだから、焦るのも無理はない。
何しろ任務中での彼の目標は、被害者のみならず、周りの人間、さらには空を何気なく飛ぶ鳥さえも救うことだ。
加害者も被害者も全員救うのが彼の目標だというのに、いきなりその前提を打ち砕かれたのだから、焦るのも無理はない。
「出来ないも何も、現に君が証明しているだろう。」
「おれは嫌だ!全員を助けたい!!」
彼の巻戻士としてのはじまりは、妹のトキネの死からだ。
だからこそ、1人も犠牲にすることなく助けると決意する。
そんな彼に、この世界はあまりにも残酷だった。
だからこそ、1人も犠牲にすることなく助けると決意する。
そんな彼に、この世界はあまりにも残酷だった。
「ならばまず、この世界から出ることが重要だろう。この世界は、タイムトラベラーには出来ないことが大きすぎる。」
「…………。」
今回は今までとは勝手が違い過ぎる。
リトライアイが使えなくなったことはあるが、今回はそれとも違う。
この世界が、外の時間とは全く関係なしに動いているということだ。
リトライアイが使えなくなったことはあるが、今回はそれとも違う。
この世界が、外の時間とは全く関係なしに動いているということだ。
「なら、諦めるか。」
しばらくの沈黙の末に、クロノはきっぱりと言い放った。
もう少し反対するかと思ったシンドバッドだったが、素直に受け止めてくれたと安心した。
もう少し反対するかと思ったシンドバッドだったが、素直に受け止めてくれたと安心した。
「それが一番…「この世界で全員を救うことを諦める!!」
急に大きな声を出されて、今度は驚いたのはシンドバッドの方だった。
「まずはこの世界から出て、この殺し合いで時間を操っている奴を倒して、それで死んだ全員を助ける!」
如何なる逆境と言え度、決して全員救うことを諦めぬのが彼の強さだ。
時間の流れがおかしい世界というのなら、巻戻士の宿敵たるクロックハンズのような、時間を操る存在が黒幕にいるはず。
まずはシンドバッドの言う通りこの世界から脱出し、その黒幕を倒し、それから”この世界の”時間を巻き戻す。
それが彼の考えた全員救済ルートだ。
時間の流れがおかしい世界というのなら、巻戻士の宿敵たるクロックハンズのような、時間を操る存在が黒幕にいるはず。
まずはシンドバッドの言う通りこの世界から脱出し、その黒幕を倒し、それから”この世界の”時間を巻き戻す。
それが彼の考えた全員救済ルートだ。
「それは途方もなく難しいぞ。出来るのか?」
「おれはやるといったらやる!!シンドバッドさんも協力してくれ!!」
「仕方ないな。まあ、タイムトラベラーに助けてもらった恩返しということにするか。」
“CASE EXTRA” バトルロワイヤルの生還と、犠牲者の救済。
難易度はクロノの妹の事故と同じSS。もしかすればそれ以上だ。
だが彼のやることに変わりはない。目指すは主催者を倒したうえでの、全員救済のみだ。
難易度はクロノの妹の事故と同じSS。もしかすればそれ以上だ。
だが彼のやることに変わりはない。目指すは主催者を倒したうえでの、全員救済のみだ。
【クロノ@運命の巻戻士】
状態:正常
服装:巻戻士の服(スーツ姿)
装備:なし
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×1~3
思考
基本:まずはシンドバッドと共に、脱出を目指す
1. 主催者を無力化し、この殺し合いで犠牲者になった者を時間を戻すことで救う
参戦時期:少なくともスパイミッション編クリア後
備考
※リトライには制限がかかっています。長くとも1分までしか巻き戻せません。
また、使用回数の制限や、どうしても時間を戻せない場面があるかもしれません。
状態:正常
服装:巻戻士の服(スーツ姿)
装備:なし
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×1~3
思考
基本:まずはシンドバッドと共に、脱出を目指す
1. 主催者を無力化し、この殺し合いで犠牲者になった者を時間を戻すことで救う
参戦時期:少なくともスパイミッション編クリア後
備考
※リトライには制限がかかっています。長くとも1分までしか巻き戻せません。
また、使用回数の制限や、どうしても時間を戻せない場面があるかもしれません。
【シンドバッド@ドラえもん のび太のドラビアンナイト】
状態:正常
服装:いつもの服
装備:七宝のナイフ@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2
思考
基本:クロノと共に、この世界からの脱出を目指す
参戦時期:本編終了後
状態:正常
服装:いつもの服
装備:七宝のナイフ@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2
思考
基本:クロノと共に、この世界からの脱出を目指す
参戦時期:本編終了後
【支給品解説】
七宝のナイフ@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
七宝のナイフ@ゼルダの伝説 ブレスオブザワイルド
シンドバッドに支給された片手剣
ナイフというよりサーベルに近い形状を持つ。
ゲルド族の英傑、ウルボザの愛用品で在り、ダイヤモンドを使用しているからか、その切れ味は似たデザインのゲルドのナイフとも一線を画す。
ナイフというよりサーベルに近い形状を持つ。
ゲルド族の英傑、ウルボザの愛用品で在り、ダイヤモンドを使用しているからか、その切れ味は似たデザインのゲルドのナイフとも一線を画す。