◆◇◆
「まったく、めんどくせえことになった。」
エリアF-7 橋の傍に降り立ったドゴルドは無くなった左腕を抑えながら腹立たしいと毒づいた。
メラが強くなっていることは理解していたつもりだが、神将の強さはドゴルドの想像を数段超えている。
ムテキゲーマーは埒外としても、基礎スペックだけで見れば神将ライダーたちは”無制限のキョウリュウジャー”と同格かそれ以上。
おそらく同等の強さはあるであろうモビルスーツ軍団を丸々残していることを考えると、シロコも合わせて神将を三体落としたとて気休めにしかならないだろう。
メラが強くなっていることは理解していたつもりだが、神将の強さはドゴルドの想像を数段超えている。
ムテキゲーマーは埒外としても、基礎スペックだけで見れば神将ライダーたちは”無制限のキョウリュウジャー”と同格かそれ以上。
おそらく同等の強さはあるであろうモビルスーツ軍団を丸々残していることを考えると、シロコも合わせて神将を三体落としたとて気休めにしかならないだろう。
「アルジュナ・オルタを取り込まれた以上単独であいつに勝てる奴はいねえ。
それこそヒースクリフが出張れば話が変わるだろうが、だとしたらこの殺し合いはヒースクリフが勝っちまう。」
それこそヒースクリフが出張れば話が変わるだろうが、だとしたらこの殺し合いはヒースクリフが勝っちまう。」
ままならねえな。腹立たしい。
そうぶつくさ呟くドゴルドの足に何かがぶつかった。見下ろすと桃色の髪をした少女が地面に倒れ伏している。
アビドスの校章の入った学生服、ふわふわとした桃色の髪に小学生と見まごう体格。
そうぶつくさ呟くドゴルドの足に何かがぶつかった。見下ろすと桃色の髪をした少女が地面に倒れ伏している。
アビドスの校章の入った学生服、ふわふわとした桃色の髪に小学生と見まごう体格。
「成程、こいつだな。」
その全てが事前に来ていた情報と一致する。
呟くや否やドゴルドは少女の体を軽く蹴り転がし、喧嘩上刀の面の部分でぺちぺちと叩く。
多少荒っぽく扱っても大丈夫な存在だとドゴルドは知っていた。何せ彼女の後輩から直接聞いている。
呟くや否やドゴルドは少女の体を軽く蹴り転がし、喧嘩上刀の面の部分でぺちぺちと叩く。
多少荒っぽく扱っても大丈夫な存在だとドゴルドは知っていた。何せ彼女の後輩から直接聞いている。
「おいゴラ起きろクソガキ!」
「ん……。」
「ん……。」
目覚ましというには荒々しい雄たけびを受け、ホシノの意識が浮上する。
全身が悲鳴を上げ骨がきしむ中、ホシノの色が異なる双眸がドゴルドの姿を捉えた。
それが空蝉丸が常々話していた仇敵だと理解する余裕はホシノにはない。
知らない顔だ、だから敵だ。極限状態に陥ったホシノの思考はそんな短絡的な結論を導き出した。
全身が悲鳴を上げ骨がきしむ中、ホシノの色が異なる双眸がドゴルドの姿を捉えた。
それが空蝉丸が常々話していた仇敵だと理解する余裕はホシノにはない。
知らない顔だ、だから敵だ。極限状態に陥ったホシノの思考はそんな短絡的な結論を導き出した。
「お前ッ!!!」
「うぉっ!!」
「うぉっ!!」
ホシノが振りぬいたテガソードをドゴルドは阿修羅丸を出して防ぐ。
金属がぶつかり合う振動が木々の間に響き、汗だくのまま睨みつけるホシノにドゴルドは「へぇ……」と感心するように呟いた。
金属がぶつかり合う振動が木々の間に響き、汗だくのまま睨みつけるホシノにドゴルドは「へぇ……」と感心するように呟いた。
「おうおう威勢がいいじゃねえか!
あのクソガキにはぐうたらな先輩だって聞いてたがな!」
「……なんだって?」
あのクソガキにはぐうたらな先輩だって聞いてたがな!」
「……なんだって?」
「貴様……セリカちゃんに何を!!!」
聞き捨てならない言葉に苛立つホシノとは裏腹に、ドゴルドはわずかに首をかしげると、自分の言葉が勘違いさせたのだと気づいた。
「ん……ああ。これは俺の言い方が悪かったな。
俺は”砂狼シロコ”の使いだ。テメエがぶっ倒れてるから叩き起こせと、図々しいことを言いやがったあのクソガキへの義理を果たしに来ただけだ。」
「…………へぁ?」
俺は”砂狼シロコ”の使いだ。テメエがぶっ倒れてるから叩き起こせと、図々しいことを言いやがったあのクソガキへの義理を果たしに来ただけだ。」
「…………へぁ?」
――どうして今シロコちゃんの名前が出る?
参加者にはいないはずの名前に口を開けたまま固まるホシノだが、いつメラの追手がくるのか分からない今、事の仔細を説明する余裕はない。
ただドゴルドは、砂狼シロコとの約定を守っているに過ぎない。
『自分が逃げるまでメラと神将相手に時間を稼ぐこと。』そして行きがけにシロコが伝えたもう1つ――『倒れている小鳥遊ホシノを助ける事。』
参加者にはいないはずの名前に口を開けたまま固まるホシノだが、いつメラの追手がくるのか分からない今、事の仔細を説明する余裕はない。
ただドゴルドは、砂狼シロコとの約定を守っているに過ぎない。
『自分が逃げるまでメラと神将相手に時間を稼ぐこと。』そして行きがけにシロコが伝えたもう1つ――『倒れている小鳥遊ホシノを助ける事。』
数秒の逡巡の末、事情は分からないが――ホシノはルルーシュとナギサの放送を聞いていない――砂狼シロコがこの場に居るという異常事態に、ドゴルドの胸倉につかみかかってホシノは猛禽のような目で獅子を睨んだ。
「どこにいるの!!どうしてシロコちゃんがいるの!!
シロコちゃんに何をしたの!!!」
「おいおい聞いてた通り荒れてんな。よほどアビドスが大好きらしい。」
「茶化すな!質問に答えろ!!!」
「あとでな。今はここから離れるぞ。ここにとどまってちゃヤべえことが分からないわけじゃねえだろ?」
シロコちゃんに何をしたの!!!」
「おいおい聞いてた通り荒れてんな。よほどアビドスが大好きらしい。」
「茶化すな!質問に答えろ!!!」
「あとでな。今はここから離れるぞ。ここにとどまってちゃヤべえことが分からないわけじゃねえだろ?」
早口でそう言ってのけると、右腕でホシノを担ぎ上げて勢いよくドゴルドは駆け出した。
ホシノはわずかに抵抗を示していたが、ドゴルドの言葉の意味を理解するにつれ体から力が抜けていく。
ここは死地だ。自分はかろうじて助かったに過ぎないのだと。いやがおうにもホシノには理解させられた。
ホシノはわずかに抵抗を示していたが、ドゴルドの言葉の意味を理解するにつれ体から力が抜けていく。
ここは死地だ。自分はかろうじて助かったに過ぎないのだと。いやがおうにもホシノには理解させられた。
「アイツはどうなったの。
あのマゼンタの……バーコードみたいな仮面ライダー。」
「はぁ?見てねえが……十中八九メラの部下・・・”神将”だろうな。俺が知らねえならまだどこかにいるはずだ。
そいつがどうした?」
「……空蝉丸を。」
「……分かった。それ以上は良い。
これ以上その名前を出したら、砂狼シロコの義理とか関係なくテメエをブン殴りそうだ。」
あのマゼンタの……バーコードみたいな仮面ライダー。」
「はぁ?見てねえが……十中八九メラの部下・・・”神将”だろうな。俺が知らねえならまだどこかにいるはずだ。
そいつがどうした?」
「……空蝉丸を。」
「……分かった。それ以上は良い。
これ以上その名前を出したら、砂狼シロコの義理とか関係なくテメエをブン殴りそうだ。」
途切れ途切れの涙ぐんだ言葉に、心底忌々し気にドゴルドは言い放つ。
ディケイドの能力などドゴルドは知らない。傍観に徹していた不死鳥のごとき仮面ライダーが二段変身した姿であることも。そのライダーこそが、空蝉丸の命を踏みにじった神将であることも。
ただ、自分が空蝉丸の仇をあの場で潰し損ねたことだけははっきりと分かる。
ディケイドの能力などドゴルドは知らない。傍観に徹していた不死鳥のごとき仮面ライダーが二段変身した姿であることも。そのライダーこそが、空蝉丸の命を踏みにじった神将であることも。
ただ、自分が空蝉丸の仇をあの場で潰し損ねたことだけははっきりと分かる。
メラの神将はライダーだろうとモビルスーツだろうとそのスペックにほとんど制約が掛かっていない。
その気になれば消耗しているドゴルドとホシノを探り当て殺すことは難しくないだろうし、そんな奴らから離れるために説明も質問も必要最低限にとどめたつもりだ。
自分がシロコの協力者であり、ひいては小鳥遊ホシノにとって――現時点ではという枕詞が付くが――味方であること。伝える情報はそれだけでよかったはず。
その気になれば消耗しているドゴルドとホシノを探り当て殺すことは難しくないだろうし、そんな奴らから離れるために説明も質問も必要最低限にとどめたつもりだ。
自分がシロコの協力者であり、ひいては小鳥遊ホシノにとって――現時点ではという枕詞が付くが――味方であること。伝える情報はそれだけでよかったはず。
「オイ。クソガキ、一度だけ尋ねるぜ。」
それなのに気づけば、理性ではなく怒りが言葉を紡いでいた。
「空蝉丸の敵を討ちたいか?」
「討ちたい。」
「討ちたい。」
はち切れんばかりの怒りがこみ上げられた言葉に、小鳥遊ホシノの眼に炎がともる。
空蝉丸は強かった。優しかった。正しかった。そんな武人の誇りを奪い、体を壊し、それでも飽き足らず燃やし尽くしてカスのように消し去ったマゼンタのライダー。その背後に潜む神殺し。
空蝉丸は強かった。優しかった。正しかった。そんな武人の誇りを奪い、体を壊し、それでも飽き足らず燃やし尽くしてカスのように消し去ったマゼンタのライダー。その背後に潜む神殺し。
担がれて身じろぎも出来ない少女が歯を食いしばり、さっきまで自分がいた方角を睨みつける。
その全身から噴きあがる怒りが、空蝉丸の尊厳を骨も残さず踏みにじった仮面ライダーに対する憎悪と義憤が、ドゴルドの肌をひりつかせる。
その『怒り』に戦記は思わずニヤリとほくそ笑んだ。
砂狼シロコのぐうたら先輩と聞いたときはどんな腑抜け野郎かと思っていたが、中々どうして激情家だ。あの小娘が先輩と慕うだけの資質は確かに秘めている。
その全身から噴きあがる怒りが、空蝉丸の尊厳を骨も残さず踏みにじった仮面ライダーに対する憎悪と義憤が、ドゴルドの肌をひりつかせる。
その『怒り』に戦記は思わずニヤリとほくそ笑んだ。
砂狼シロコのぐうたら先輩と聞いたときはどんな腑抜け野郎かと思っていたが、中々どうして激情家だ。あの小娘が先輩と慕うだけの資質は確かに秘めている。
「小鳥遊ホシノ。そのまま聞け。
俺は今から砂狼シロコとの約定に従い貴様を助ける。つまりはメラのクソッタレのテリトリーから引きはがすが……。あのクソガキとの約束はそこまでだ。」
「可愛い後輩をクソガキ呼びされたくないんだけど。」
「そのまま聞けっつたろ!
……その後、俺が知ってる情報は全部伝えてやる。テメエの質問にも可能な限り答える。その上でだ。
俺と組んで、メラを潰さねえか?」
「メラ……それが空蝉丸を殺した仮面ライダーの正体?」
「厳密には、空蝉丸をブッ殺したであろうNPCのライダーを生み出した元凶の大馬鹿野郎だ。」
「……NPC?あれで?」
俺は今から砂狼シロコとの約定に従い貴様を助ける。つまりはメラのクソッタレのテリトリーから引きはがすが……。あのクソガキとの約束はそこまでだ。」
「可愛い後輩をクソガキ呼びされたくないんだけど。」
「そのまま聞けっつたろ!
……その後、俺が知ってる情報は全部伝えてやる。テメエの質問にも可能な限り答える。その上でだ。
俺と組んで、メラを潰さねえか?」
「メラ……それが空蝉丸を殺した仮面ライダーの正体?」
「厳密には、空蝉丸をブッ殺したであろうNPCのライダーを生み出した元凶の大馬鹿野郎だ。」
「……NPC?あれで?」
子供でも相手にするように空蝉丸を殺してのけた仮面ライダーが、凶悪な参加者ではなくただの手下の一体に過ぎないという事実。
もはや何度目か分からない絶望に思わず意識を失いそうになるが、光の消えた瞳の中になおも灯る炎が、ホシノの意識を引き上げている。
もはや何度目か分からない絶望に思わず意識を失いそうになるが、光の消えた瞳の中になおも灯る炎が、ホシノの意識を引き上げている。
「そう。へえ、そうなんだ。私や空蝉丸はNPCに殺されるレベルの……へえ。ははっ。」
うわごとのように呟いたホシノは、堰を切ったように笑いだす。
腹の中に溜まったもの。失いすぎて心を濁していったもの。その全部を吐き出すようにホシノは笑い。笑い。笑い。笑い。嗤い。嗤い。
腹の中に溜まったもの。失いすぎて心を濁していったもの。その全部を吐き出すようにホシノは笑い。笑い。笑い。笑い。嗤い。嗤い。
「ふざけやがって。」
純粋無垢な怒りだけが、最後に残った。
正しい人を傷つける者。後輩を傷つける者。人の尊厳を踏みにじるもの。自分たちを侮ったもの。
アビドスの件も。ディアッカの件も。アヤネの件も。空蝉丸の件も。ホシノにとってこの場で起きた全てが自分たちを愚弄する出来事に他ならない。
正しい人を傷つける者。後輩を傷つける者。人の尊厳を踏みにじるもの。自分たちを侮ったもの。
アビドスの件も。ディアッカの件も。アヤネの件も。空蝉丸の件も。ホシノにとってこの場で起きた全てが自分たちを愚弄する出来事に他ならない。
「いいよ乗った。メラを倒すってことなら、アンタと協力してもいい。
シロコちゃんのことも洗いざらい吐いてもらうから。そのつもりで。」
「いいじゃねえか。交渉成立だな。
アンタのことは色々聞いちゃあいたが、見て見ねえと分からねえもんだな。いい『怒り』だ。」
シロコちゃんのことも洗いざらい吐いてもらうから。そのつもりで。」
「いいじゃねえか。交渉成立だな。
アンタのことは色々聞いちゃあいたが、見て見ねえと分からねえもんだな。いい『怒り』だ。」
暁のホルス。キヴォトス最高の神秘。梔子ユメなきアビドスの長姉。お昼寝大好きなぐうたらなおじさん。
運営として把握していた、あるいは砂狼シロコから伝え聞く小鳥遊ホシノの情報が、肩に抱かれたまま静かにブチギレる少女の姿に矢継ぎ早に更新されていく。
想像以上に激情家で、想像以上に自分と相性がいい。柊真昼と出会う前であれば、彼女を取り込む選択肢もあったことだろう。
もっとも今の自分は殺し合いの趨勢などどうでもいい。メラさえくたばれば柊真昼を解放して死んでもいいくらいだが……そんなことは後で考えればいいだろうと、ふと浮かんだ未来図をドゴルドは吐き捨てた。
運営として把握していた、あるいは砂狼シロコから伝え聞く小鳥遊ホシノの情報が、肩に抱かれたまま静かにブチギレる少女の姿に矢継ぎ早に更新されていく。
想像以上に激情家で、想像以上に自分と相性がいい。柊真昼と出会う前であれば、彼女を取り込む選択肢もあったことだろう。
もっとも今の自分は殺し合いの趨勢などどうでもいい。メラさえくたばれば柊真昼を解放して死んでもいいくらいだが……そんなことは後で考えればいいだろうと、ふと浮かんだ未来図をドゴルドは吐き捨てた。
「名乗らせてもらうぜ、俺はドゴルド。
冥黒の五道化が一体、激怒戦騎だった男だ。」
「だった?それにその名前って……」
冥黒の五道化が一体、激怒戦騎だった男だ。」
「だった?それにその名前って……」
空蝉丸がずっと言っていた仇敵の名。思いがけない正体にホシノはわずかに身を震わせるも、聞いていたような悪辣さや残虐性は感じ取れない。
「……聞いてた話とだいぶ雰囲気が違うんだけど。」
「こっちも色々あったんだよ。詳しい話は後だ。
とりあえず手近なランドマークに駆け込むぞ。」
「こっちも色々あったんだよ。詳しい話は後だ。
とりあえず手近なランドマークに駆け込むぞ。」
そう言い切ってドゴルドは速度を上げて、森の中を駆けだした。
手近なランドマーク――F-7にある発電所に向けて走り出し。
手近なランドマーク――F-7にある発電所に向けて走り出し。
2人がそこに辿り着き一息ついた頃、放送を告げる音が響いた。
【エリアF-7/発電所/9月2日午後5時15分】
【小鳥遊ホシノ@ブルーアーカイブ】
状態:疲労(極大)、ダメージ(中)、ユメ先輩の死体を利用されている現状への怒り(極大)、
羂索、茅場、クルーゼへの殺意(極大)、宇蟲王と秀吉への怒り(極大)、仲間たちの安否に対する不安(極大)、メラへの怒り(極大)
服装:臨戦
装備:アタッシュショットガン@仮面ライダーアウトサイダーズ、折り畳み式の盾@ブルーアーカイブ、銀のテガソード@ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー、
センタイリング・パトレンジャー@ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー
令呪:残り三画
道具:サイレンストライカー@快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー、ホットライン(画面にヒビ有)、簡易救急キット@オリジナル、N・Sワッペン(S)@ドラえもん、
ネミネムーンケミーカード@仮面ライダーガッチャ―ド、ヨアケルベロスケミーカード@仮面ライダーガッチャ―ド
思考
基本:羂索たちを殺す
00:ドゴルドと共にメラを殺す
01:ディアッカを終わらせる。
参戦時期:対策委員会編第三章にて空崎ヒナと会敵するより前
備考
※ディアッカ、マシュ、立香、空蝉丸と情報交換しました。
しかし本人がいっぱいいっぱいなのでどの程度理解できてるか分かりません。
※ルルーシュの16時の放送は聞いていませんが、その内容をドゴルドから伝えられています。
また冥黒の五道化に『この世界のシロコ』が存在することも伝えられています。
状態:疲労(極大)、ダメージ(中)、ユメ先輩の死体を利用されている現状への怒り(極大)、
羂索、茅場、クルーゼへの殺意(極大)、宇蟲王と秀吉への怒り(極大)、仲間たちの安否に対する不安(極大)、メラへの怒り(極大)
服装:臨戦
装備:アタッシュショットガン@仮面ライダーアウトサイダーズ、折り畳み式の盾@ブルーアーカイブ、銀のテガソード@ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー、
センタイリング・パトレンジャー@ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー
令呪:残り三画
道具:サイレンストライカー@快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー、ホットライン(画面にヒビ有)、簡易救急キット@オリジナル、N・Sワッペン(S)@ドラえもん、
ネミネムーンケミーカード@仮面ライダーガッチャ―ド、ヨアケルベロスケミーカード@仮面ライダーガッチャ―ド
思考
基本:羂索たちを殺す
00:ドゴルドと共にメラを殺す
01:ディアッカを終わらせる。
参戦時期:対策委員会編第三章にて空崎ヒナと会敵するより前
備考
※ディアッカ、マシュ、立香、空蝉丸と情報交換しました。
しかし本人がいっぱいいっぱいなのでどの程度理解できてるか分かりません。
※ルルーシュの16時の放送は聞いていませんが、その内容をドゴルドから伝えられています。
また冥黒の五道化に『この世界のシロコ』が存在することも伝えられています。
【柊真昼@終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅】
状態:ドゴルドに乗っ取られ意識不明 左腕(肘から下)喪失
ダメージ(大)、疲労(大)、柊家への怒り(再燃)、益子薫への微かな期待
服装:普段の学生服
装備:
令呪:残り二画
道具:ドゴルドと同一
思考
基本:――――(ドゴルドの影響下にあるため意識不明)
01:――――
参戦時期:第一渋谷高校襲撃事件にて離反後、吸血鬼となる前の何処かから。
少なくとも漫画版7巻のInterlude~生きる意味~(第27話と第28話の間)よりは後。
備考
※ソロモンによる洗脳能力は一度に2体までかつ一度解除しないと新たな洗脳は不能、ライダー以外に使用可能か現状不明、相手の精神状態次第では無効、一度使うとインターバルが必要、真昼当人は変身前でも使える事を未把握となっています。詳細なインターバルは後続にお任せします。
※令呪行使時に使用可能な巨大カラドボルグをキングオブソロモンへと変形させ行使する能力や、巨大なる終末の書の投影はどちらもサイズ及び有効範囲が落ちています。
※冥黒うてなの影響で『獣電戦隊キョウリュウジャー』『トラぺジウム』『戦隊レッド異世界で冒険者になる』『クルーゼらが侵攻したのキヴォトス』の知識を得ました
※左腕の肘から先が消滅しました
状態:ドゴルドに乗っ取られ意識不明 左腕(肘から下)喪失
ダメージ(大)、疲労(大)、柊家への怒り(再燃)、益子薫への微かな期待
服装:普段の学生服
装備:
令呪:残り二画
道具:ドゴルドと同一
思考
基本:――――(ドゴルドの影響下にあるため意識不明)
01:――――
参戦時期:第一渋谷高校襲撃事件にて離反後、吸血鬼となる前の何処かから。
少なくとも漫画版7巻のInterlude~生きる意味~(第27話と第28話の間)よりは後。
備考
※ソロモンによる洗脳能力は一度に2体までかつ一度解除しないと新たな洗脳は不能、ライダー以外に使用可能か現状不明、相手の精神状態次第では無効、一度使うとインターバルが必要、真昼当人は変身前でも使える事を未把握となっています。詳細なインターバルは後続にお任せします。
※令呪行使時に使用可能な巨大カラドボルグをキングオブソロモンへと変形させ行使する能力や、巨大なる終末の書の投影はどちらもサイズ及び有効範囲が落ちています。
※冥黒うてなの影響で『獣電戦隊キョウリュウジャー』『トラぺジウム』『戦隊レッド異世界で冒険者になる』『クルーゼらが侵攻したのキヴォトス』の知識を得ました
※左腕の肘から先が消滅しました
【激怒戦騎のドゴルド@獣電戦隊キョウリュウジャー】
状態:ダメージ(極大)、怒り(大)、戦意(大)、左腕(肘から下)喪失
肉体:柊真昼@終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅
装備:喧嘩上刀@獣電戦隊キョウリュウジャー、Tの聖文字@BLEACH
令呪:NPCモンスター扱いの為無し
ドロップアイテム:????@????
道具:精神に作用する呪符×8@終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅(残り3枚)、ホットライン、どこだかドア@ドラえもん(午前2時半に使用、午後8時半まで使用不能)、クリスマスケーキに付属していたフォーク@仮面ライダーエグゼイド、フエルミラー@ドラえもん(午前9時55分に使用、午後3時55分まで使用不能)、ジャコーダー@仮面ライダーキバ
基本:俺は俺のやりたいようになる。とりあえずメラを殺してから考える
01:もう侮らねえ。全員確実に叩きのめしてやる
02:マイって女は殺し合いに乗ってるのか?
03:空蝉丸がNPCにやられるなんざ……メラのクソヤロウが!
04:エグゼイドを差し引いてもあのレベルのNPCがゴロゴロしてやがんのかよ!神将……ふざけた連中だ。
05:小鳥遊ホシノ。シロコからはぐうたら先輩と聞いていたがいい怒りだ。
※左腕の肘から先が消滅しました
※運営から離反しました
状態:ダメージ(極大)、怒り(大)、戦意(大)、左腕(肘から下)喪失
肉体:柊真昼@終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅
装備:喧嘩上刀@獣電戦隊キョウリュウジャー、Tの聖文字@BLEACH
令呪:NPCモンスター扱いの為無し
ドロップアイテム:????@????
道具:精神に作用する呪符×8@終わりのセラフ 一瀬グレン、16歳の破滅(残り3枚)、ホットライン、どこだかドア@ドラえもん(午前2時半に使用、午後8時半まで使用不能)、クリスマスケーキに付属していたフォーク@仮面ライダーエグゼイド、フエルミラー@ドラえもん(午前9時55分に使用、午後3時55分まで使用不能)、ジャコーダー@仮面ライダーキバ
基本:俺は俺のやりたいようになる。とりあえずメラを殺してから考える
01:もう侮らねえ。全員確実に叩きのめしてやる
02:マイって女は殺し合いに乗ってるのか?
03:空蝉丸がNPCにやられるなんざ……メラのクソヤロウが!
04:エグゼイドを差し引いてもあのレベルのNPCがゴロゴロしてやがんのかよ!神将……ふざけた連中だ。
05:小鳥遊ホシノ。シロコからはぐうたら先輩と聞いていたがいい怒りだ。
※左腕の肘から先が消滅しました
※運営から離反しました
◆◇◆
ターボ円陣で離れたキリトたちの姿は、小さな喫茶店の中にあった。
はるかの汚れた服は隣の店に置かれていた学生服――シロコによるとゲヘナ学園の制服らしい――に交換することになり、待っている間にキリトと小夜はソファ席にもたれ掛かってただただ茫然としていた。
はるかの汚れた服は隣の店に置かれていた学生服――シロコによるとゲヘナ学園の制服らしい――に交換することになり、待っている間にキリトと小夜はソファ席にもたれ掛かってただただ茫然としていた。
目の前で起きた事態を、キリトも小夜も飲み込み切れていないのだ。
チェイスもジークも紛れもなく実力者だったし、千佳だってゼインを前に一歩も臆さず挑んだ勇敢な少女だった。
そんな彼らが虫でも掃うかのように瞬殺された事実も、その下手人たる神将と名付けられたNPCを無数に従える魔王の存在も、悪い夢のように思えてならない。
チェイスもジークも紛れもなく実力者だったし、千佳だってゼインを前に一歩も臆さず挑んだ勇敢な少女だった。
そんな彼らが虫でも掃うかのように瞬殺された事実も、その下手人たる神将と名付けられたNPCを無数に従える魔王の存在も、悪い夢のように思えてならない。
「キリトさん。私達生きてますよね?」
「……俺も今、同じことを聞こうとしてたよ。」
「……俺も今、同じことを聞こうとしてたよ。」
シロコとドゴルド。レジスターの無い彼らもまたNPC……それも冥黒の五道化なる運営直下の存在だ。
そんな彼らに助けられたことも、そもそもメラ相手に逃げ切れたことも、2人には現実感のないものだ。
九死に一生を得たとか、命からがら逃げだしたとか。そんな経験をした時の達成感と敗北感さえ今のキリトたちにはない。
体が綿にでも変わってしまったかのように感覚がなく。ただふわふわとした靄に包まれているような、悪夢の中にいるようなぼんやりとした非現実感が意識を覆い隠していた。
無気力な顔でただそこにいる若者が、人々の平和を守る青の魔法少女と数多のゲームで修羅場を潜り抜けた黒の剣士だと気づくものはいないだろう。
そんな抜け殻のような顔をした2人の耳にかつかつと足音が近づいてくる。
そんな彼らに助けられたことも、そもそもメラ相手に逃げ切れたことも、2人には現実感のないものだ。
九死に一生を得たとか、命からがら逃げだしたとか。そんな経験をした時の達成感と敗北感さえ今のキリトたちにはない。
体が綿にでも変わってしまったかのように感覚がなく。ただふわふわとした靄に包まれているような、悪夢の中にいるようなぼんやりとした非現実感が意識を覆い隠していた。
無気力な顔でただそこにいる若者が、人々の平和を守る青の魔法少女と数多のゲームで修羅場を潜り抜けた黒の剣士だと気づくものはいないだろう。
そんな抜け殻のような顔をした2人の耳にかつかつと足音が近づいてくる。
「……限界なのは分かるけど、こっちも時間がない。」
冷たく言い放つシロコの手元には、目の前のテーブルに4人分の水と袋に入ったクッキーが乗ったトレイが握られていた。
トレイが置かれ、向かいの席に腰掛けたシロコがコップを口付ける。
2人はそれをただ見ていた。喉は乾いている気がしたが、彼らの体にはその実感がまるでない。
メラとの出会いで死を確信し、敵のはずの五道化に助けられた。
生きる屍のように活力を失った2人。そんな彼らにとって。
トレイが置かれ、向かいの席に腰掛けたシロコがコップを口付ける。
2人はそれをただ見ていた。喉は乾いている気がしたが、彼らの体にはその実感がまるでない。
メラとの出会いで死を確信し、敵のはずの五道化に助けられた。
生きる屍のように活力を失った2人。そんな彼らにとって。
「単刀直入に言う。
キリトには私と一緒に、ヒースクリフと戦ってもらう。」
キリトには私と一緒に、ヒースクリフと戦ってもらう。」
ナイフのように尖れたシロコの言葉は、屍を叩き起こすのには十分なものだった。
「……なんだと?」
「ヒースクリフ……キリトの言う茅場晶彦!運営を!?」
「ヒースクリフ……キリトの言う茅場晶彦!運営を!?」
いずれは刃を交えるつもりだった男。闘志も活力も失った今のキリトの眼に火がともる。
この殺し合いのラスボスをこんな中盤に討つというのは渡りに船だ。提案したのが運営側の存在というのも説得力がある。
この殺し合いのラスボスをこんな中盤に討つというのは渡りに船だ。提案したのが運営側の存在というのも説得力がある。
「……だとしたら、俺たちにとっても願ってもない話だが。あいつは自分のことを『ラスボスの1人』と言ってのけた。
あの男のことはそれなりに知ってるつもりだ。メラやお前たち五道化のように先に戦うべき相手が何人もいる状態で、俺たちが戦える場所に姿を晒したりするほど、自分の役割を軽視するやつじゃない。」
「そうね。クルーゼや羂索ならまだしも、ゲームマスターという立場を重んじるヒースクリフがこの会場に姿を見せることはあり得ない。
――余程のイレギュラーが起きない限りは」
「メラのことか。」
あの男のことはそれなりに知ってるつもりだ。メラやお前たち五道化のように先に戦うべき相手が何人もいる状態で、俺たちが戦える場所に姿を晒したりするほど、自分の役割を軽視するやつじゃない。」
「そうね。クルーゼや羂索ならまだしも、ゲームマスターという立場を重んじるヒースクリフがこの会場に姿を見せることはあり得ない。
――余程のイレギュラーが起きない限りは」
「メラのことか。」
”余程のイレギュラー”の名前に、小夜の体がびくりと震えた。キリトだって口にしただけで冷汗が止まらない。
曲がりなりにも『二刀流スキル』を与えていた”想定されていたイレギュラー”たるキリトより、はるかに凶悪ではるかに危険な新たなる魔王。
そう、魔王。神戸しおが手にしていた”既定路線の魔王の力”でも、アルジュナ・オルタが持ち合わせていた”単独では意味のない魔王の力”でもない。
完成し進化した魔王の力を取り込んだ野生のラスボス。それが今のメラ。
曲がりなりにも『二刀流スキル』を与えていた”想定されていたイレギュラー”たるキリトより、はるかに凶悪ではるかに危険な新たなる魔王。
そう、魔王。神戸しおが手にしていた”既定路線の魔王の力”でも、アルジュナ・オルタが持ち合わせていた”単独では意味のない魔王の力”でもない。
完成し進化した魔王の力を取り込んだ野生のラスボス。それが今のメラ。
「ただでさえメラやアルジュナ・オルタはあの男にとって異常(イレギュラー)。その片方が同格の神を取り込んだ怪物(バグ)をあの男は受け入れられない。
――ヒースクリフは”メラを処理するため”に会場に出てくる。」
――ヒースクリフは”メラを処理するため”に会場に出てくる。」
そんな男を”ゲームマスター”が受け入れるか。答えは考えるまでもなくNOだ。
どうやって?などという疑問はキリトにも小夜にも浮かばない。 須藤健やニーナ・アインシュタインの末路を知っている彼らの答えは1つしかないのだ。
だから、キリトが疑念を抱いたのは動機でも方法でもなかった。なぜわざわざ会場に出てくる必要があるのか。その一点だ。
どうやって?などという疑問はキリトにも小夜にも浮かばない。 須藤健やニーナ・アインシュタインの末路を知っている彼らの答えは1つしかないのだ。
だから、キリトが疑念を抱いたのは動機でも方法でもなかった。なぜわざわざ会場に出てくる必要があるのか。その一点だ。
「……意外だな、運営はその気になればいつでもこっちを殺せるもんだと思っていたが。」
「羂索の言葉を借りるなら。『”殺すことができる”と”殺す可能性がある”には天と地ほどの違いがある。』らしい。
あいつらにとっても、この殺し合いを成立させることはそれなりに意味がある。
逆に言えば、メラが殺し合いに乗っている限り羂索もクルーゼもメラを直接排除しようとはしない。」
「羂索の言葉を借りるなら。『”殺すことができる”と”殺す可能性がある”には天と地ほどの違いがある。』らしい。
あいつらにとっても、この殺し合いを成立させることはそれなりに意味がある。
逆に言えば、メラが殺し合いに乗っている限り羂索もクルーゼもメラを直接排除しようとはしない。」
静観するほど大人な連中ではないだろうけどとシロコは吐き捨てる。齧っていたクッキーを飲み込むとキリトは「成程な」と小さく頷いた。
「正規の手順で排除しようとしても羂索かクルーゼに止められる。だから単身会場に降りてでも”暗殺”しにきたってわけか。
そう聞くと、茅場だけ随分俗っぽいというか。アイツだけ我儘言ってるみたいでちょっと笑えるかもな。」
「呪術師や軍人と、ゲームクリエイターを同じ土俵で考えるのがそもそも間違い。」
「そう言われたらそうだな。」
そう聞くと、茅場だけ随分俗っぽいというか。アイツだけ我儘言ってるみたいでちょっと笑えるかもな。」
「呪術師や軍人と、ゲームクリエイターを同じ土俵で考えるのがそもそも間違い。」
「そう言われたらそうだな。」
コップの中の水道水を一気に飲み干したキリトが、どこか嬉しそうに息を吐きだした。
呪術もコズミック・イラもまるで理解の範囲外だが、茅場のことは多少は理解できる。それゆえの安心感なのか、今のキリトには少し余裕が戻ってきていた。
呪術もコズミック・イラもまるで理解の範囲外だが、茅場のことは多少は理解できる。それゆえの安心感なのか、今のキリトには少し余裕が戻ってきていた。
血の通いだした頭を回したキリトの結論は『ヒースクリフならシロコの言ったことをマジでやる』である。
わざわざアインクラッドで自分に最強のスキルとシステム的プロテクトをかけたうえでプレイヤーの土俵に立ち。血盟騎士団の団長にして最強のプレイヤーというカバーストーリーを使ってまで、ラスボスになる自分を倒せる連中を育成していた男だ。
ヒースクリフという男が関わっている以上、この殺し合いには何かしら『ヒースクリフの望む展開』があるに違いなく。
間違いなくその渦中にいるのは自分だという自負がキリトにはあるものの。そんな彼が今まで頭角を現せていたかと言えば否な時点で(自分でも歯痒いが、活躍という意味ではデクやチェイスの方がずっとしている。)破綻寸前だっただろうヒースクリフのシナリオは、メラの登場で完膚なきまでに崩壊したはずだ。
わざわざアインクラッドで自分に最強のスキルとシステム的プロテクトをかけたうえでプレイヤーの土俵に立ち。血盟騎士団の団長にして最強のプレイヤーというカバーストーリーを使ってまで、ラスボスになる自分を倒せる連中を育成していた男だ。
ヒースクリフという男が関わっている以上、この殺し合いには何かしら『ヒースクリフの望む展開』があるに違いなく。
間違いなくその渦中にいるのは自分だという自負がキリトにはあるものの。そんな彼が今まで頭角を現せていたかと言えば否な時点で(自分でも歯痒いが、活躍という意味ではデクやチェイスの方がずっとしている。)破綻寸前だっただろうヒースクリフのシナリオは、メラの登場で完膚なきまでに崩壊したはずだ。
ヒースクリフーー茅場晶彦がそんな状況を良しとするか?しないだろうとキリトには分かる。
ヒースクリフは、動く。そしてシロコは今から、そのヒースクリフを狩る。だから手を貸せ。要はそういう共闘の話だ。
メラに出会う前のキリトであれば間違いなく即座に受諾していただろう話を前に、キリトは眉間に皺を寄せていた。
ヒースクリフは、動く。そしてシロコは今から、そのヒースクリフを狩る。だから手を貸せ。要はそういう共闘の話だ。
メラに出会う前のキリトであれば間違いなく即座に受諾していただろう話を前に、キリトは眉間に皺を寄せていた。
「言いたいことは分かった。要は俺たちと一緒にのこのことメラを消しにやってきたヒースクリフを強襲しようってことだろ。
……なんで俺が選ばれたとか。色々聞きたいことはあるが、まず1つだけアンタに言わなきゃいけないことがある。」
「なに?」
「それは……」
……なんで俺が選ばれたとか。色々聞きたいことはあるが、まず1つだけアンタに言わなきゃいけないことがある。」
「なに?」
「それは……」
「私達がその話に乗って……何の意味があるんですか?」
キリトが言いかけた言葉を引き継ぐように、花菱はるかはシロコの後ろで攻めるような声を震わせた。
ゲヘナ学園の黒を基調とした制服に身を包んだ少女の眼は、正義の魔法少女としての風格など欠片もない。小動物のように怯えた。
ゲヘナ学園の黒を基調とした制服に身を包んだ少女の眼は、正義の魔法少女としての風格など欠片もない。小動物のように怯えた。
「ヒースクリフは、メラを倒してくれるんだよね。
……じゃあいいじゃん。それで、あの人のせいで何人死んだか知ってるんでしょ?
チェイスさんもジークさんも千佳ちゃんも!手も足も出ずに死んだんだよ!」
「はるか……」
……じゃあいいじゃん。それで、あの人のせいで何人死んだか知ってるんでしょ?
チェイスさんもジークさんも千佳ちゃんも!手も足も出ずに死んだんだよ!」
「はるか……」
花菱はるからしからぬ弱音だが。小夜もキリトも彼女の言葉を否定できない。
メラの恐怖は数分の休憩で抜けるような温いトラウマとは程遠い。一度は生を諦め、助かった後も自分の生を実感できないほど。あの場で自分は死んでいた。
キリトや小夜がわずかにも平静を保っているのは、誰よりも心を折られ怯え切った顔色を浮かべているはるかの姿にわずかに冷静さを取り戻しているからに他ならない。
メラの恐怖は数分の休憩で抜けるような温いトラウマとは程遠い。一度は生を諦め、助かった後も自分の生を実感できないほど。あの場で自分は死んでいた。
キリトや小夜がわずかにも平静を保っているのは、誰よりも心を折られ怯え切った顔色を浮かべているはるかの姿にわずかに冷静さを取り戻しているからに他ならない。
「NPCの貴方に分からないかもしれないけどさ!!勝てないんだよメラには!!!
ヒースクリフが出てくるってことはおかしなことなんだよね!だったら消して貰ったらいいじゃん!!」
ヒースクリフが出てくるってことはおかしなことなんだよね!だったら消して貰ったらいいじゃん!!」
喉を裂くような叫びは紛れもない花菱はるかの本心だ。
誰かの死を望むような言葉も、自ら希望を踏みにじるような言葉も。普段の彼女なら決して口にしない負け犬の嘆きが吐しゃ物のように溢れ出る。
そして彼女の言ったことは、キリトが詰めようとした部分でもある。
・・・・・・・
ヒースクリフの討伐は確かに必要だ。だが今じゃない。
ヒースクリフがメラを排除してくれるなら、キリトやはるかにとってその方が好都合。運営を討つ千載一遇と天秤をかけてでも、あの災害のような男は消しておくべきだ。
その訴えはシロコをしても正当性があるものだ。
キリトは言いよどんだのは、シロコがこのことに対する回答を持っていると思っていたし、シロコにも当然反論はある。
誰かの死を望むような言葉も、自ら希望を踏みにじるような言葉も。普段の彼女なら決して口にしない負け犬の嘆きが吐しゃ物のように溢れ出る。
そして彼女の言ったことは、キリトが詰めようとした部分でもある。
・・・・・・・
ヒースクリフの討伐は確かに必要だ。だが今じゃない。
ヒースクリフがメラを排除してくれるなら、キリトやはるかにとってその方が好都合。運営を討つ千載一遇と天秤をかけてでも、あの災害のような男は消しておくべきだ。
その訴えはシロコをしても正当性があるものだ。
キリトは言いよどんだのは、シロコがこのことに対する回答を持っていると思っていたし、シロコにも当然反論はある。
問題は、反論とは相手が話を聞くつもりだからこそ有効な手段であり。泣き叫ぶ少女に届くものではないということだ。
「あなたはいいよね!五道化だか何だか知らないけどさ、あの神将を簡単にやっつけちゃうんだもん!!
私達と違って”ズル”してる人に!何も言われたくないよ!!」
「……ズル?」
私達と違って”ズル”してる人に!何も言われたくないよ!!」
「……ズル?」
ピクリとシロコの眉が動き。薄氷が割れたような肌寒さが空気に混ざる。
堕ちた魔法少女の言葉が、取り返しのつかないところに踏み入りだしている。
ただ一人だけ、桃色の髪をぐしゃぐしゃにした少女だけがそのことに気づかず、ボロボロと大粒の涙を流して喚き続けた。
堕ちた魔法少女の言葉が、取り返しのつかないところに踏み入りだしている。
ただ一人だけ、桃色の髪をぐしゃぐしゃにした少女だけがそのことに気づかず、ボロボロと大粒の涙を流して喚き続けた。
「ズルじゃん!!!
ドゴルドと同じ五道化なんでしょ!?羂索やヒースクリフに好きなだけパワーアップしてもらってるんでしょ!!!」
「そんなんじゃ……私は……」
ドゴルドと同じ五道化なんでしょ!?羂索やヒースクリフに好きなだけパワーアップしてもらってるんでしょ!!!」
「そんなんじゃ……私は……」
言いよどむシロコの態度がはるかの心をざわつかせる。
強いくせに、ドゴルドと同じ五道化のくせに。
メラと戦わないどころかメラを倒せるチャンスを身勝手に潰すような女を今のはるかは認められない。
強いくせに、ドゴルドと同じ五道化のくせに。
メラと戦わないどころかメラを倒せるチャンスを身勝手に潰すような女を今のはるかは認められない。
「そもそもさ、NPCの貴方と違って私たちは死んだら終わりなの!!貴方達みたい『つくりもの』じゃないの!!
みんなみんなもういない!!死んだ人は生き返らないの!!NPCの貴方には分からないだろうけど、貴方と違って私達は――」
「はるか!!!」
みんなみんなもういない!!死んだ人は生き返らないの!!NPCの貴方には分からないだろうけど、貴方と違って私達は――」
「はるか!!!」
小夜は叫んだ。はるかの言葉は間違いなく一線を超えている。そこから先を言ってしまえば、花菱はるかは戻れないという確信があった。
「それ以上は、それ以上は言っちゃダメ!」
「なんでよ!この人はNPCなんでしょ。だったら――」
「なんでよ!この人はNPCなんでしょ。だったら――」
死んでも復活するだろう。死んでも問題ないだろう。
恐怖と絶望で理性が吹き飛んだはるかの言葉を、小夜は確固たる意志と共に否定する。
恐怖と絶望で理性が吹き飛んだはるかの言葉を、小夜は確固たる意志と共に否定する。
「何を言おうとしてたかは分かるわ。でも違う。この人たちは生きている。
私達と同じように死んでいい命じゃないし、私達と同じように懸命に抗っている。きっと好き好んで五道化になんてなってない。」
「なんでそんなことがわかるの!!」
「この人が……シロコさんが、今の貴方と同じ顔をしてるから。」
私達と同じように死んでいい命じゃないし、私達と同じように懸命に抗っている。きっと好き好んで五道化になんてなってない。」
「なんでそんなことがわかるの!!」
「この人が……シロコさんが、今の貴方と同じ顔をしてるから。」
小夜の言葉にはるかははっと動きを止め。ここで初めて目の前の女――シロコが泣いていることに気づいた。
虚ろな目。そこにあったはずの何かを失ったようなシロコの眼は、今のはるかと全く同じものだ。かつての小夜ともきっと同じだった。
小夜はその目をまっすぐ見つめ、穏やかに言葉を紡ぐ。
『ヒロインとしての矜持を持ちなさい』。そんな言葉が心の片隅に聞こえた気がした。
虚ろな目。そこにあったはずの何かを失ったようなシロコの眼は、今のはるかと全く同じものだ。かつての小夜ともきっと同じだった。
小夜はその目をまっすぐ見つめ、穏やかに言葉を紡ぐ。
『ヒロインとしての矜持を持ちなさい』。そんな言葉が心の片隅に聞こえた気がした。
「……シロコさん。私からも1つ尋ねます。」
水神小夜はルルーシュの放送を聞いていない。自分たちがいるのが起動兵器が滅ぼした学園都市の末路だと知らない。
水神小夜は接木の庭園の資料を見ていない。数多の生徒の屍の果てに殺し合いが積み重なっていることを知らない。
それでも小夜には確信があった。この会場で最も五道化と出会った少女は、彼女はザラサリキエルやエケラレンキスのように心まで売り渡した道化ではないと。
残虐だがどこか悲壮感を漂わせる怒りの戦騎と同じく。己の願いを抱いている。
水神小夜は接木の庭園の資料を見ていない。数多の生徒の屍の果てに殺し合いが積み重なっていることを知らない。
それでも小夜には確信があった。この会場で最も五道化と出会った少女は、彼女はザラサリキエルやエケラレンキスのように心まで売り渡した道化ではないと。
残虐だがどこか悲壮感を漂わせる怒りの戦騎と同じく。己の願いを抱いている。
「貴方の目的は……五道化になってまで叶えたいことは何ですか。」
キリトのように因縁を突き付けられた疑わし気なものでもなく。
はるかのように恐怖に呑まれた否定を突き付けるだけの眼でもなく。
1人の少女を相手に向けられた宝石のようなまなざしは、既にいない誰かに似ている気がした。
はるかのように恐怖に呑まれた否定を突き付けるだけの眼でもなく。
1人の少女を相手に向けられた宝石のようなまなざしは、既にいない誰かに似ている気がした。
「……私は。」
しばしの静寂。重い空気の中唇をかみしめたシロコが涙を拭う。その時だ。
「……その話、私も混ぜてもらっていいかな。」
ドアがカランカランと軽快な音色を立て、気まずそうな声が入り口から差し込まれた。
全員が入り口に視線を向ける。角を生やした鋭い目つきの少女に、シロコは息を呑んだ。
全員が入り口に視線を向ける。角を生やした鋭い目つきの少女に、シロコは息を呑んだ。
「なんでアンタがここにいるのか。そこも含めて聞かせてもらうよ。砂狼シロコ。」
「鬼方カヨコ……」
「鬼方カヨコ……」
懐かしい姿を前に立ちすくむシロコに、カヨコの背後で同行者たちは状況を理解できずに顔を見合わせる。
カヨコの後ろでは東ゆうが「……え?え?何この空気。どういう状況??」とあたりを見渡していて。
カヨコの後ろでは東ゆうが「……え?え?何この空気。どういう状況??」とあたりを見渡していて。
『私はゼロ。参加者名簿には二代目ゼロと記載されている者だ。
元の世界では反ブリタニアを掲げる超合衆国直属の軍事組織・黒の騎士団のCEOを、そしてこの場においては参加者間で結成されたゲームの打破及び元の世界への帰還を目指すグループ、鉄華兵団の代表をさせてもらっている』
元の世界では反ブリタニアを掲げる超合衆国直属の軍事組織・黒の騎士団のCEOを、そしてこの場においては参加者間で結成されたゲームの打破及び元の世界への帰還を目指すグループ、鉄華兵団の代表をさせてもらっている』
そんな空気に割って入るように、全員のホットラインが同じ映像を映しだした。
◆◇◆
テレビ局を目指していたカヨコたちが4時15分になってもF-8の橋を超えていないことには、なんと言ってもルルーシュの存在が大きい。
テレビ局で歌を放送し殺し合いに抗う勇気と希望を届ける。東ゆうたちの提示したプランは少女の夢物語としては微笑ましいし、一生に伏すには惜しいものではある。
問題は、テレビ局を管理するルルーシュがその話を聞いたとして、『いいね!やってみよう!』などと返事が返ってくる可能性は絶無だということ。
失笑されるのは確定。その後はよくて洗脳能力で配下にさせられ、最悪の場合支給品を根こそぎ奪われて殺されてもおかしくないだろう。
問題は、テレビ局を管理するルルーシュがその話を聞いたとして、『いいね!やってみよう!』などと返事が返ってくる可能性は絶無だということ。
失笑されるのは確定。その後はよくて洗脳能力で配下にさせられ、最悪の場合支給品を根こそぎ奪われて殺されてもおかしくないだろう。
理想を叶えるためには、ルルーシュを説得できるだけの何かがいる。
そのための要素として一時は風都タワーまで足を運んだり(氷漬けになった建物とボロボロになった周辺地区を見て捜索は断念した)、NPCの群れを相手どったり。
そんな紆余曲折があって、エリアH-8の北部にまで戻ってきて、今に至る。
そのための要素として一時は風都タワーまで足を運んだり(氷漬けになった建物とボロボロになった周辺地区を見て捜索は断念した)、NPCの群れを相手どったり。
そんな紆余曲折があって、エリアH-8の北部にまで戻ってきて、今に至る。
「えーと。キリトさん……だっけ?
あえて……あえてね、言わせてもらうんだけど……話盛ってない?」
あえて……あえてね、言わせてもらうんだけど……話盛ってない?」
ひと際大きなテーブルを囲んで、テレビ局に向かっていた一団とキリトが一通り情報交換を終えた上で、東ゆうはどこか呆れたような顔ではっきり言いきった。
曰く、グリオンなる参加者はアビドスの生徒を模した怪物を従えているとか。
曰く、マイ先生なる参加者には人の記憶を弄る力があるとか。
曰く、やみのせんしを名乗る参加者が実力ある二人の参加者をあっというまに殺してのけたとか。
曰く、ルルーシュも言っていたゼインとかいう仮面ライダーは他の人を乗っ取るとか。
曰く、その全てが些事に思えるほど危険なメラとかいう参加者が、NPCを山ほど召喚して一瞬で3人の参加者を殺してのけたとか。
曰く、運営を裏切ったこのシロコとかいう女は、メラを消すためにやってくるヒースクリフを襲って殺すつもりでいるだとか。
曰く、マイ先生なる参加者には人の記憶を弄る力があるとか。
曰く、やみのせんしを名乗る参加者が実力ある二人の参加者をあっというまに殺してのけたとか。
曰く、ルルーシュも言っていたゼインとかいう仮面ライダーは他の人を乗っ取るとか。
曰く、その全てが些事に思えるほど危険なメラとかいう参加者が、NPCを山ほど召喚して一瞬で3人の参加者を殺してのけたとか。
曰く、運営を裏切ったこのシロコとかいう女は、メラを消すためにやってくるヒースクリフを襲って殺すつもりでいるだとか。
枢木スザクが変身した仮面ライダーや包丁を持った野比玉子くらいにしかまともに遭遇していないゆうにとっては、何の冗談だとしか言えない話がゴロゴロと出てきて頭がパンクしそうになる。
情報量の差に混乱する段階を超えて、温い環境で生き延びてきたことを責められているようにさえ思えてしまう。
周りを見渡せば、戦いに不慣れな自分ほどではないが同行者は大なり小なり同じ気持ちのようで、一人残らず神妙な顔つきで眉間に皺を寄せていた。
情報量の差に混乱する段階を超えて、温い環境で生き延びてきたことを責められているようにさえ思えてしまう。
周りを見渡せば、戦いに不慣れな自分ほどではないが同行者は大なり小なり同じ気持ちのようで、一人残らず神妙な顔つきで眉間に皺を寄せていた。
「俺だって1つくらい誇張であってほしいがな。残念ながら全部事実だ。」
「あっ……うん。ゴメン。」
「あっ……うん。ゴメン。」
苦虫を嚙み潰したように答えるキリトに、ゆうもわずかに口ごもる。
ゆうだって馬鹿ではない、キリトの言葉を信じていないわけでは決してなく。あまりの情報に信じたくなかったという方が適切だった。
ゆうだって馬鹿ではない、キリトの言葉を信じていないわけでは決してなく。あまりの情報に信じたくなかったという方が適切だった。
「……出遅れている自覚はありましたが、ここまで事態が進んでいるとは。」
「全くだ。あのザギや覇王とかいう奴らも危険(ヤバ)い手合いだってのに、そのレベルが何人も居るどころか、量産(よ)べる奴さえいるんだからな。」
「全くだ。あのザギや覇王とかいう奴らも危険(ヤバ)い手合いだってのに、そのレベルが何人も居るどころか、量産(よ)べる奴さえいるんだからな。」
セレブロやザギ、覇王十代の存在も相当厄介なものではあるのだが。他の怪物――特にメラ――の話を聞いた後では、ゴロゴロいるしいくらでも増やせるレベルの危険人物との戦いを吹聴する気にはとてもなれない。
誰かが深くため息をついた。聞けば聞くほどいい情報は1つも出てこない。陰鬱な空気の中、カヨコはテーブルに地図を広げると申し訳なさげに声を上げた。
誰かが深くため息をついた。聞けば聞くほどいい情報は1つも出てこない。陰鬱な空気の中、カヨコはテーブルに地図を広げると申し訳なさげに声を上げた。
「とりあえずさ。今の私たちにとって一番ヤバいのは。
テレビ局に向かうとなると、確実にメラとかち合うってことだよね。」
テレビ局に向かうとなると、確実にメラとかち合うってことだよね。」
そう言ってホットラインの一角――キリトたちがメラと遭遇したエリアG-8をカヨコは指で軽く叩く。
自分たちのいるエリアよりすぐ北であり、10を超える神将を従えていることを考慮に入れれば無視して北上するのは不可能だ。
メラの存在は期せずして、彼女たちの目論見を頓挫させてしまっていた。
自分たちのいるエリアよりすぐ北であり、10を超える神将を従えていることを考慮に入れれば無視して北上するのは不可能だ。
メラの存在は期せずして、彼女たちの目論見を頓挫させてしまっていた。
「だな。メラとかいう怪物(チート)が近くのエリアに陣取った以上その目論見(プラン)は破算(ナシ)だ。
少なくとも薫子っちと同格だろうはるかや小夜の嬢ちゃんがここまで恐怖(ビビ)らせる強さ。とてもじゃねえが、歌姫(ドル)の嬢ちゃん達に突っ込めとは言えねえよ。」
「ルルーシュのことです、遅かれ早かれメラの存在に気づくでしょうし。
その場合テレビ局が厳戒態勢になり近づくことが困難になるか、メラとルルーシュの戦いに巻き込まれるか。
テレビ局に向かった場合、このどちらかの展開になるでしょうね。」
「絶対死ぬ奴じゃん……。」
少なくとも薫子っちと同格だろうはるかや小夜の嬢ちゃんがここまで恐怖(ビビ)らせる強さ。とてもじゃねえが、歌姫(ドル)の嬢ちゃん達に突っ込めとは言えねえよ。」
「ルルーシュのことです、遅かれ早かれメラの存在に気づくでしょうし。
その場合テレビ局が厳戒態勢になり近づくことが困難になるか、メラとルルーシュの戦いに巻き込まれるか。
テレビ局に向かった場合、このどちらかの展開になるでしょうね。」
「絶対死ぬ奴じゃん……。」
右龍とラクスの言葉にゆうは眉を顰めるが、同時にその予想は一片の余地もなく確実なものだとも断言できる。
なにせ4凶――この単語でさえカヨコやゆうたちには初耳だ。――の一角が他の4凶を喰らった規格外の怪物であり。自分たちより実力のある一団を半壊(半分殺されたという意味)させた怪物だ。
テレビ局へ向かうという選択肢は、既に全員の中から消えていた。
なにせ4凶――この単語でさえカヨコやゆうたちには初耳だ。――の一角が他の4凶を喰らった規格外の怪物であり。自分たちより実力のある一団を半壊(半分殺されたという意味)させた怪物だ。
テレビ局へ向かうという選択肢は、既に全員の中から消えていた。
あるとすれば、この全参加者にとって降って湧いた厄災のような男を排除する手立てが見つかった時。
その場合――。
その場合――。
「というか、メラがそれだけヤバいんなら。ヒースクリフにメラを倒してもらったほうがいいんじゃない?」
「まあ。そうなるよね。」
「まあ。そうなるよね。」
参加者の意見はその一点に帰結するのは必然とさえいえた。
殺し合いの首謀者に頼るという点は一人残らず不本意極まりない話だが、運営の介入以上にメラを確実かつノーリスクで倒す手段がないというのも事実である。
何よりその可能性を提示したのが、運営側だった砂狼シロコというのが信憑性に拍車をかけている。
同時に彼女はメラを倒しに行くヒースクリフを強襲するというこれまた出鱈目な計画を立てているのだが、参加者にしてみれば将来的に戦うヒースクリフより目先のメラの方が危険だろう。
殺し合いの首謀者に頼るという点は一人残らず不本意極まりない話だが、運営の介入以上にメラを確実かつノーリスクで倒す手段がないというのも事実である。
何よりその可能性を提示したのが、運営側だった砂狼シロコというのが信憑性に拍車をかけている。
同時に彼女はメラを倒しに行くヒースクリフを強襲するというこれまた出鱈目な計画を立てているのだが、参加者にしてみれば将来的に戦うヒースクリフより目先のメラの方が危険だろう。
そこのところどうなんだ。そう言いたげな視線を机を囲んでいる全員がシロコに向ける。
視線に気づいたシロコは、向かいで俯くはるかとその背中をさする小夜に軽く会釈してから顔を突き合わせる面々に向き直った。
視線に気づいたシロコは、向かいで俯くはるかとその背中をさする小夜に軽く会釈してから顔を突き合わせる面々に向き直った。
「ん。何?」
「さっきの話に戻るんだが。やはり俺たちにとってはヒースクリフにメラを倒してもらったほうがいいように思う。
さっきのはるかの意見もだが、俺たちがアンタの策にのるメリットはあるのか?」
「……貴方達が殺し合いに乗らないというのなら。ヒースクリフを放置することには大きなリスクがある。」
「というと?」
「今のメラは、『メラ個人の能力』に『アルジュナ・オルタの能力』『複数の令呪』という要素が組み合わさった結果、『召喚能力を持つ支給品』が生成・変質されて生まれたイレギュラー。
恐らくメラ以外の参加者が手にしても十全には使えないだろう特級呪物(オーダーメイド)にはなっている。だけど相手が主催者なら、話が変わる。」
「さっきの話に戻るんだが。やはり俺たちにとってはヒースクリフにメラを倒してもらったほうがいいように思う。
さっきのはるかの意見もだが、俺たちがアンタの策にのるメリットはあるのか?」
「……貴方達が殺し合いに乗らないというのなら。ヒースクリフを放置することには大きなリスクがある。」
「というと?」
「今のメラは、『メラ個人の能力』に『アルジュナ・オルタの能力』『複数の令呪』という要素が組み合わさった結果、『召喚能力を持つ支給品』が生成・変質されて生まれたイレギュラー。
恐らくメラ以外の参加者が手にしても十全には使えないだろう特級呪物(オーダーメイド)にはなっている。だけど相手が主催者なら、話が変わる。」
「ヒースクリフが”処理”した場合、メラの能力は出力をそのままにヒースクリフの手に渡る可能性が高い。」
「……あ。」
そう答えたのは誰だったか。少なくとも全員の顔が青ざめたのは確かだ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
運営の調整で事態が落ち着いても、誰も勝てない中ボスが誰も勝てないラスボスに変わる。
考えてみれば当たり前の話である。参加者だって他人の支給品やドロップ品を平気で使っているのに、運営ができない保証はない。
殺し合い上等で生き残る気満々の殺人鬼(マーダー)ならまだしも、それは主催打倒を掲げる面々にとって無視できない問題である。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
運営の調整で事態が落ち着いても、誰も勝てない中ボスが誰も勝てないラスボスに変わる。
考えてみれば当たり前の話である。参加者だって他人の支給品やドロップ品を平気で使っているのに、運営ができない保証はない。
殺し合い上等で生き残る気満々の殺人鬼(マーダー)ならまだしも、それは主催打倒を掲げる面々にとって無視できない問題である。
「……とするとだ。どういう形であっても誰かがヒースクリフの相手をする必要があるってことだよな。」
気を引き締めなおしたキリトがはっきりと言いはなつ。自分が行くべきだという決断がその一言からひしひしと伝わってきた。
命の恩人たるシロコからの共闘宣戦をフイにするには、救われた恩義が大きいという事実もあるし、ヒースクリフの性格上抱えているだろう撃破報酬を取りに行きたいという我欲もあるが。
何よりも閃光の名を持つ女剣士ともども、あの男と最も因縁を持つ自分が向かうのは必然のように思えてならない。
命の恩人たるシロコからの共闘宣戦をフイにするには、救われた恩義が大きいという事実もあるし、ヒースクリフの性格上抱えているだろう撃破報酬を取りに行きたいという我欲もあるが。
何よりも閃光の名を持つ女剣士ともども、あの男と最も因縁を持つ自分が向かうのは必然のように思えてならない。
「キリトとシロコ、あとは俺が行くかどうかって話だが。
そのあたりでヒースクリフに強襲(カチ)こんで、残りのメンバーは速やかにこの場を離脱(はな)れるのが安牌(まる)いかな。」
「そうですね。メラのように無数に戦力があるならいざ知らず、1人が相手なら少数精鋭の方が都合がいいかもしれません。」
そのあたりでヒースクリフに強襲(カチ)こんで、残りのメンバーは速やかにこの場を離脱(はな)れるのが安牌(まる)いかな。」
「そうですね。メラのように無数に戦力があるならいざ知らず、1人が相手なら少数精鋭の方が都合がいいかもしれません。」
黒の剣士の決断は、偶然出会っただけのゆうたちにとっても行動指針を決める要因となりうるものだ。
何せテレビ局に向かルートは既に頓挫した。メラを真正面から打ち倒すにはこの面子では不足も不足。
確認するまでもない前提に、メラに挑むという選択肢は全員の中から切り捨てられる。
何せテレビ局に向かルートは既に頓挫した。メラを真正面から打ち倒すにはこの面子では不足も不足。
確認するまでもない前提に、メラに挑むという選択肢は全員の中から切り捨てられる。
「それなんだけどさ……1つ提案があるんだけど。」
とはいえ。メラのことを放置するという選択もありえない。
矛盾する現実を前に大きく手を上げた東ゆうは、視線が集まる中ホットラインの画面に一本の動画……2代目ゼロが全参加者に発信した映像を映しだして。
矛盾する現実を前に大きく手を上げた東ゆうは、視線が集まる中ホットラインの画面に一本の動画……2代目ゼロが全参加者に発信した映像を映しだして。
「ヒースクリフに行かないメンバーで、この映像の場所に向かってみない?」
逡巡の末、意を決して告げられたゆうの言葉を、自分より戦いに成れた面々が感心したような目を向けた。
「映像の場所といいますと。確か、ひみつ道具博物館でしたよね?」
「そうそう。
こんな映像が撮れるってことは、この場所には放送施設があるってことでしょ。
テレビ局に行くのが難しくなったし、次の目的地にはもってこいかなって。」
「成程な。
テレビ局でできなくなった公演(ライブ)を、ここで熱唱(カマ)そうってことか。いいじゃねえか。」
「そうそう。
こんな映像が撮れるってことは、この場所には放送施設があるってことでしょ。
テレビ局に行くのが難しくなったし、次の目的地にはもってこいかなって。」
「成程な。
テレビ局でできなくなった公演(ライブ)を、ここで熱唱(カマ)そうってことか。いいじゃねえか。」
意図を察した右龍がニヤリとした笑みを浮かべた。感心したような笑みにゆうの自尊心がぐんぐんと満たされていくのが自分でも分かる。
だけどそれは、ゆうの思い付きの7割程度だ。
だけどそれは、ゆうの思い付きの7割程度だ。
「それもあるけど……。 ・・・・・・・・・・・
ここからならさ、メラのヤバさを参加者全員に訴えられると思うんだよね。」
ここからならさ、メラのヤバさを参加者全員に訴えられると思うんだよね。」
めらめらと燃え上がるメラへの苛立ちを燃料に、東ゆうは自慢げに残り3割の思い付きを言ってのける。
メラは強い。この場の人間ではNPCを含めても強さは足りないし、運営の介入も頼れない。
数名の実力者で徒党を組んでも、あっさりと打ち倒されて無惨に心を折られるだけだ。
メラは強い。この場の人間ではNPCを含めても強さは足りないし、運営の介入も頼れない。
数名の実力者で徒党を組んでも、あっさりと打ち倒されて無惨に心を折られるだけだ。
「生き残ってる全参加者にとってメラは敵でしょ?だったら」
「全参加者でメラを囲んで神将ごと飽和攻撃(タコなぐり)か。いいじゃねえか!」
「それはまた、豪快な発想ですね。素晴らしいと思います。」
「全参加者でメラを囲んで神将ごと飽和攻撃(タコなぐり)か。いいじゃねえか!」
「それはまた、豪快な発想ですね。素晴らしいと思います。」
目を丸くして混じりけなしの賞賛を向ける大人たちに、ゆうは嬉しそうにはにかんだ。
| 152:使命Ⅰ:もしもこの世が舞台でも 私は私の道を行く | 投下順 | 152:私命Ⅲ:限界まで足掻いた人生は |
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