この世からみーんないなくなれば、ちょっとは楽になるのかな。
そんな事を、思った事がある。
そんな事を、思った事がある。
でも。
ボクの方がいなくなれば全てが丸く収まるのか。
そんな事は、微塵も考えた事はなかった。
だから……。
ボクの方がいなくなれば全てが丸く収まるのか。
そんな事は、微塵も考えた事はなかった。
だから……。
「はぁっ、はぁっ……!」
誰もいない街並みを、出来る限りの全力で走る人影が1つ。
名前は暁山瑞希……不登校気味ではあるが、ある1点を除いてごく普通の高校生だ。
名前は暁山瑞希……不登校気味ではあるが、ある1点を除いてごく普通の高校生だ。
瑞希の後方には、左右を白と黒で分けたクマのような何か。
それが数体の群れを成して、瑞希に襲い掛からんとしている。
それが数体の群れを成して、瑞希に襲い掛からんとしている。
(何で、こんな事に……)
クマの群れから逃げつつ、瑞希は必死に自身の記憶を掘り返す。
最後に覚えているのは、夕暮れの屋上。
瑞希を“友達”だと言ってくれた少女に、どうしようもない“嘘”をついてしまったこと。
そこから紆余曲折あって、屋上から出ようとしたところで……記憶は途絶えていた。
瑞希を“友達”だと言ってくれた少女に、どうしようもない“嘘”をついてしまったこと。
そこから紆余曲折あって、屋上から出ようとしたところで……記憶は途絶えていた。
だとしたら。
いま自分が置かれている状況は、その“嘘”に対する罰なのだろうか。
いま自分が置かれている状況は、その“嘘”に対する罰なのだろうか。
普通なら、そんな話は「アニメや漫画じゃあるまいし」と一蹴出来るだろう。
だが……瑞希は違った。
だが……瑞希は違った。
(これも、セカイの一種だったりするのかな……)
セカイ。
『Untitled』と題された音楽ファイル──今はタイトルがついているそれを再生する事で、どういうワケか辿り着く場所。
ある“空っぽの少女”によって形作られ、バーチャルシンガーという存在が佇む摩訶不思議な空間。
『Untitled』と題された音楽ファイル──今はタイトルがついているそれを再生する事で、どういうワケか辿り着く場所。
ある“空っぽの少女”によって形作られ、バーチャルシンガーという存在が佇む摩訶不思議な空間。
そんなセカイに……既に、自分自身が入り浸っている。
だから、最悪な事に。
いま起きている現象を、セカイか、或いはそれに準ずる何かだと、すんなり飲み込めてしまっていた。
だから、最悪な事に。
いま起きている現象を、セカイか、或いはそれに準ずる何かだと、すんなり飲み込めてしまっていた。
「っ……!?」
まずい。
少しヒビの入ったアスファルトに、足を取られて転んでしまった。
すぐに起き上がるが、クマの怪物たちはすぐそこに迫っている。
少しヒビの入ったアスファルトに、足を取られて転んでしまった。
すぐに起き上がるが、クマの怪物たちはすぐそこに迫っている。
“仲間”たちの中では、瑞希はどちらかと言えば運動能力に自信がある方だった。
ただ、単純に怪物たちの足が速い。少しずつ距離を詰められていたところに、転んでしまったせいで大きな優位を与えてしまった。
ただ、単純に怪物たちの足が速い。少しずつ距離を詰められていたところに、転んでしまったせいで大きな優位を与えてしまった。
そして、怪物のうちの1体が飛び跳ね、両手のツメを見せつけながら瑞希に飛びかかる。
ああ、終わったかも知れない。
そんな事を思いながら、瑞希は目を閉じて──
ああ、終わったかも知れない。
そんな事を思いながら、瑞希は目を閉じて──
何かが……バイクが近づくような音。
何かがぶつかる音や、機械の部品が飛び散るような音。
手首を掴まれる感触。
何かがぶつかる音や、機械の部品が飛び散るような音。
手首を掴まれる感触。
「乗れ!」
そんな声と、手首を通じて身体を引っ張られる感触。
ワケの分からぬまま、ボクはそのバイクに乗り込んだ。
「それ、被っとけ」
「あ、うん……」
「あ、うん……」
ゴーストタウンを駆け抜けるバイク。
今時にしては珍しいリーゼント……完全に暴走族の風貌をした青年から、ボクはヘルメットを渡される。
今時にしては珍しいリーゼント……完全に暴走族の風貌をした青年から、ボクはヘルメットを渡される。
「えっと、ボク、暁山瑞希って言うけど……キミは」
「大和田紋土だ」
「大和田紋土だ」
そう名乗った彼は、少し苛ついているようだった。
荒唐無稽な状況下だし、無理もない。
荒唐無稽な状況下だし、無理もない。
「えっと……助けてくれてありがとう、大和田くん。よろしく、でいいのかな」
「ああ。一応、ヨロシクな」
「ああ。一応、ヨロシクな」
声をかけ辛い雰囲気ではあるけど……。
それでも、お礼はきちんと言っておくべきだよね。
それでも、お礼はきちんと言っておくべきだよね。
【暁山瑞希@プロジェクトセカイ】
状態:不安、疲労(小)、紋土にしがみつく形でバイクに乗っている
服装:普段着
装備:ヘルメット
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×1~3、SA・ホットライン
思考
基本:少なくとも、ボクは消えたくはない
01:ありがとね、大和田くん
02:大和田くんと話がしたい
状態:不安、疲労(小)、紋土にしがみつく形でバイクに乗っている
服装:普段着
装備:ヘルメット
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×1~3、SA・ホットライン
思考
基本:少なくとも、ボクは消えたくはない
01:ありがとね、大和田くん
02:大和田くんと話がしたい
備考:
参戦時期は「ボクのあしあと、キミのゆくさき」以降
参戦時期は「ボクのあしあと、キミのゆくさき」以降
(ったく、何がどうなってやがる……)
瑞希を自身にしがみつかせながら、大和田紋土は心中で疑問符を浮かべる。
瑞希に襲い掛かっていた怪物が何か、紋土は良く知っていた。
瑞希に襲い掛かっていた怪物が何か、紋土は良く知っていた。
モノクマ。希望ヶ峰学園の学園長を名乗る謎のロボットだ。
超高校級の暴走族と呼ばれる紋土はモノクマによって希望ヶ峰学園に閉じ込められ、
他の超高校級たちと共に、コロシアイを強いられていた。
胸糞悪い殺人事件と、学級裁判などという胸糞悪い催しを終えて、寄宿舎で休んでいた筈だった。
他の超高校級たちと共に、コロシアイを強いられていた。
胸糞悪い殺人事件と、学級裁判などという胸糞悪い催しを終えて、寄宿舎で休んでいた筈だった。
気付いた時には、舞台がコロシアイから殺し合いへと変貌していた。
理解が追い付かないまま、紋土はどこかの建物の中で目が覚めた。
そして、窓の向こうにモノクマに襲われている瑞希を発見。
いつも乗り回しているものとは違うけれど、偶然停められていたバイクを見つけ、今に至るというわけだ。
そして、窓の向こうにモノクマに襲われている瑞希を発見。
いつも乗り回しているものとは違うけれど、偶然停められていたバイクを見つけ、今に至るというわけだ。
紋土は暴走族という、反社会的な存在ではある。
だが、目の前で人が襲われているのを助けないような薄情な人間ではない。
だが、目の前で人が襲われているのを助けないような薄情な人間ではない。
それに……何故だか、暁山瑞希という“少女”の事が、放っておけないような気がした。
瑞希を襲っていたのが、モノクマという見知った邪悪だったせいなのだろうか。
瑞希を襲っていたのが、モノクマという見知った邪悪だったせいなのだろうか。
そんな事を考えながら、紋土はバイクを走らせる。
ある“勘違い”を抱えたまま。
ある“勘違い”を抱えたまま。
【大和田紋土@ダンガンロンパ 希望の学園と絶望の高校生】
状態:苛立ち、バイクに乗っている
服装:普段着
装備:特になし
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×1~3、SA・ホットライン
思考
基本:胸糞悪い催しはぶっ潰したい
01:なんでモノクマが……
02:どこか一旦落ち着ける場所を探したい
03:瑞希の事が気がかり
状態:苛立ち、バイクに乗っている
服装:普段着
装備:特になし
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×1~3、SA・ホットライン
思考
基本:胸糞悪い催しはぶっ潰したい
01:なんでモノクマが……
02:どこか一旦落ち着ける場所を探したい
03:瑞希の事が気がかり
備考:
参戦時期:Chapter1終了後
また、市街地でバイクを拾いました。
参戦時期:Chapter1終了後
また、市街地でバイクを拾いました。
暁山瑞希は、ある秘密を抱えている。
カワイイが大好きな瑞希は、普段から少女のような恰好をしているが。
瑞希の周辺に立っているある“ウワサ”が、今も瑞希を苦しめている。
カワイイが大好きな瑞希は、普段から少女のような恰好をしているが。
瑞希の周辺に立っているある“ウワサ”が、今も瑞希を苦しめている。
大和田紋土もまた、ある秘密を抱えている。
彼には、大和田大亜という2つ上の兄がいた。
兄と交わしたある“約束”が、今も紋土を縛りつけている。
彼には、大和田大亜という2つ上の兄がいた。
兄と交わしたある“約束”が、今も紋土を縛りつけている。
バイクは走る。
シークレット・ディスタンスを保ったまま。
シークレット・ディスタンスを保ったまま。
バイクは走る。
致命的な秘密を抱えたまま。
致命的な秘密を抱えたまま。
【NPCモンスター解説】
モノクマ@ダンガンロンパシリーズ
身体の左右を白と黒で分けた、クマのようなロボット。
ツメによる攻撃を主としており、自爆機能を備えた個体も。
モノクマ@ダンガンロンパシリーズ
身体の左右を白と黒で分けた、クマのようなロボット。
ツメによる攻撃を主としており、自爆機能を備えた個体も。