
閲兵式からの帰りに市民に手を振る安東崔春国第12歩兵師団の兵士と複合小銃(画像出典:わが民族同士)

初登場時の複合小銃(画像出典:KCTV)
2017年4月15日に挙行された金日成主席生誕105周年慶祝閲兵式で初めて登場し、注目を浴びた複合小銃。アメリカや韓国などでかつて研究がされたOICWというコンセプトで、更に外観は韓国の大宇K11に類似している。このためネットでは非公式だがNK11と呼称されることがある。
外観はK11に寄せており擲弾発射器部分がボルトアクション式である点も同じだが、銃自体はAK-74を国内生産した88式を利用していると見られ、88式にK11似のガワを被せたスタイルと推測され、僅かに見えるバレルとグリップで88式が原型であることがわかる。大型の照準器も備わるが、K11やアメリカのXM29のような高度な照準器及び空中炸裂弾を使用出来る設計となっているかは不明。高画質画像を見る限り、ボルトなど各部が作動したと思われる痕跡が微かに見えるため、少なくとも誇示のためのハリボテではなく本物を登場させていると思われる。
複合小銃は翌年にも再登場したが、第12歩兵師団ではなく特殊作戦軍が携行した。グリップを見ると、形状に凹凸が入った握りやすい形状へ変更されている。


2018年2月8日の朝鮮人民軍創建70周年慶祝閲兵式で複合小銃を携行する特殊作戦軍閲兵縦隊(画像出典:KCNA)

2018年9月9日の朝鮮創建70周年慶祝閲兵式での複合小銃(画像出典:KCNA)
再び姿を現したのは2021年1月15日の朝鮮労働党第8回記念閲兵式で、この時の複合小銃は照準器の形状がやや変わっており、銃身も延伸しているようだ。また携行した部隊は第3軍団となっている。

再登場した複合小銃(画像出典:KCTV)
更に、同年10月11日~22日にかけて開催された国防発展展覧会「自衛-2021」にて展示されていた。北朝鮮がまだ複合小銃の開発を諦めていないことの証左ではあるが、他国が興味を失った複合小銃を今後進展させるか、または密かにお蔵入りとなるかは注目に値すべきであろう。

「自衛-2021」での複合小銃(画像出典:KCTV)
- スペック
口径:5.45mm、口径不明(擲弾)
銃身長:不明
使用弾薬:5.45×39mm弾、口径不明(擲弾)
作動方式:ガス圧作動
装弾数:30発+1(小銃)、不明(擲弾)
重量:不明
銃口初速:不明
発射速度:不明
有効射程:不明
設計年:2010年代半ば~後半?
配備期間:2017年~
生産数:800挺(2018年9月時点)
銃身長:不明
使用弾薬:5.45×39mm弾、口径不明(擲弾)
作動方式:ガス圧作動
装弾数:30発+1(小銃)、不明(擲弾)
重量:不明
銃口初速:不明
発射速度:不明
有効射程:不明
設計年:2010年代半ば~後半?
配備期間:2017年~
生産数:800挺(2018年9月時点)