北朝鮮軍装備大全@ ウィキ
フーガス級
最終更新:
Bot(ページ名リンク)
-
view

フーガス級1003番艦(画像出典:KCTV)
北朝鮮海軍が保有するコルベットで、元々は1930年代から建造されたソ連のフーガス(Fugas)級掃海艇であり、プロジェクト53(他にもプロジェクト58など)として1946年まで建造は続いた。掃海機材に加え100mm砲、37mm対空砲なども搭載しており戦時中には対空火力の増強も図られた。当初問題になった生存性などは改善されていったものの、掃海艇としては喫水が深すぎる点や操艦性の悪さは最後まで改善されることはなかった。フーガス級は合計44隻が建造され太平洋艦隊、バルチック艦隊、黒海艦隊へ配備された。
北朝鮮はソ連から2隻無償で譲渡されたという。当初は第二次大戦後に譲渡される予定だったが、情勢を考慮して譲渡は朝鮮戦争休戦後の1953年となった。譲渡されたのは太平洋艦隊所属のT-2 TrosとT-8 Chekaで、北朝鮮ではそれぞれ671番、511番(後に1003番に改称)の艦番号が与えられた。1980年代に少なくとも1隻が改修を受け、85mm砲、14.5mm対空砲、37mm砲を搭載するガンボートへと変貌した。671番艦は1993年のノドンミサイル発射の際日本海に展開し、海上自衛隊のP-3C哨戒機に撮影されている。


改修前のフーガス級の100mm砲と37mm対空砲(画像出典:KCTV)
艦齢は実に約80年という非常に古い艦であるにも関わらず、現在も1隻が現役である。1003番艦は2005年に退役し、671番艦と思われる1隻が東海艦隊に配備中。衛星画像で確認出来る範囲では2017年前後に文川海軍基地のドックに入り、主砲にブルーシートが被せられる等何かしらの作業が行われていたが、その後終了して通常通りに運用されている。

金日成の背後に写るフーガス級(画像出典:KCTV)



貴重なフーガス級の艦内の様子(画像出典:KCTV)
- スペック(推定)
全長 | 62m |
全幅 | 7.2m |
基準排水量 | 440t |
満載排水量 | 580t |
喫水 | 2.5m |
エンジン | 42-BMRN-6 ディーゼルエンジン2基2軸 |
馬力 | 2800馬力(1400馬力×2) |
最大速力 | 17.8kt |
航続距離 | 4100海里(14kt時) |
武装(改修前) | B-24 100mm艦砲×1、70-K 37mm単装対空砲×3、DShK 12.7mm機関銃×4、掃海機材、機雷 |
武装(改修後) | 85mm砲×1、V-11M 37mm連装砲×2、ZPU-4 14.5mm4連装対空砲×4、82mm6連装チャフまたは発煙弾発射機×4 |
レーダー | Don-2 |
乗員 | 60名 |
建造年 | 1935年(T-2 Tros)、1936年(T-8 Chaka) |
配備期間 | 1953年~ |
配備数 | 2隻 |
運用状況 | 現役(1隻) |
朝鮮民主主義人民共和国の陸海空軍(著 ステイン・ミッツァー/ヨースト・オリマンズ 和訳版監修 宮永忠将 翻訳 村西野安 平田光夫) 大日本絵画 ISBN978-4-499-23327-9 C0076