北朝鮮軍装備大全@ ウィキ
ノンゴ級
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- 概要
表面効果船(SES)とされている国産高速戦闘艦艇。1990年代から南浦で建造が開始され、これまでに3隻が確認されており3隻ともそれぞれ仕様が異なっている。ここでは3隻の概要を個別に述べる。
- 初期型(SESⅠ)

SESⅠを視察する金正日(画像出典:KCTV)

30mmガトリング砲と遠隔操作式らしき107mm多連装ロケット砲(画像出典:KCTV)
最初に建造されたノンゴ級はSESⅠと識別されており、SESを運用する上での技術実証や評価を行う試験艦の要素が強いと思われる。武装も後に建造されていく残りのノンゴ級、へサム級と比較して統一感に欠け、対艦ミサイルは旧式のP-15系(ソ連製、または中国や北朝鮮で生産された派生型)を2発搭載。更に対艦ミサイルを搭載しながら遠隔操作式多連装ロケット砲まで備えるなどちぐはぐな印象を受ける。艦中央部分を跨いでP-15発射機を繋ぐように設けられたプラットフォームがこの艦のみの特徴で、艦前後の[[30mmガトリング砲操作用の手動照準器が備わっているようだ。
南浦で建造された同艦は2005年~2006年に海上公試を経て、琵琶串(ピパゴッ)海軍基地の第189部隊に配備されたと思われる。時期は不明ながら、金正日と高英姫の視察を受けている。衛星画像で見ると、琵琶串海軍基地の配備でありながら基地から離れた陸上に陸揚げされているか、南浦港に係留されていることがほとんどであることがわかる。
南浦で建造された同艦は2005年~2006年に海上公試を経て、琵琶串(ピパゴッ)海軍基地の第189部隊に配備されたと思われる。時期は不明ながら、金正日と高英姫の視察を受けている。衛星画像で見ると、琵琶串海軍基地の配備でありながら基地から離れた陸上に陸揚げされているか、南浦港に係留されていることがほとんどであることがわかる。
- 要目
全長 | 約37m |
全幅 | 約12m |
喫水 | 不明 |
満載排水量 | 約300t |
エンジン | 不明 |
最大出力 | 不明 |
最大速力 | 48ノット |
航続距離 | 不明 |
武装 | P-15テルミートル対艦ミサイル×2、30mmガトリング砲×2、107mm多連装ロケット砲×2 |
レーダー | フルノ製対水上レーダー×1、MR-331(またはその派生型)火器管制レーダー×1 |
乗員 | 数十名 |
建造年 | 1990年代 |
建造数 | 1隻 |
配備期間 | 2006年~ |
運用状況 | 現役 |
- 2番艦(SESⅡa)

SESⅡaと分類されるノンゴ級2番艦(画像出典:KCTV)
続いて1990年代末に建造された2番艦は、オート・メラーラ76/62のコピーと見られる76mm砲、新型対艦ミサイルの金星-3、火器管制レーダーで制御可能な30mmガトリング砲にSAM発射機といった当時の北朝鮮では贅沢の限りを尽くした新鋭装備が惜しみなく導入された。このことから、ノンゴ級はこの艦で一応の成熟は一旦迎えたと言える。完成後は琵琶串海軍基地に部隊配備されたようだが、SESⅠと同様に基地に留まらず南浦を中心に活動している。
- 要目
全長 | 約37m |
全幅 | 約12m |
喫水 | 不明 |
満載排水量 | 約300t |
エンジン | 武装 |
最大速力 | 48ノット |
航続距離 | 不明 |
武装 | 金星-3対艦ミサイル×8、76mm艦載砲×1、30mmガトリング砲×1、SAM発射機×1 |
レーダー | MR-104火器管制レーダー×1、362型レーダー×1 |
乗員 | 数十名 |
建造年 | 1990年代末期 |
建造数 | 1隻 |
配備期間 | 2000年代~ |
運用中状況 | 現役 |
- 3番艦(SESⅡb)

南浦港のSESⅡb。砲塔と金星-3発射機が外されている(画像出典:グーグルアース)
2番艦とほぼ同一ながら、恐らく強化されたレーダー類を白いレドーム内部に収めた派生型で2000年代後半に建造された。白いレドームは衛星画像でもはっきり分かるため識別しやすい。諸元については割愛する。
朝鮮民主主義人民共和国の陸海空軍(著 ステイン・ミッツァー/ヨースト・オリマンズ 和訳版監修 宮永忠将 翻訳 村西野安 平田光夫) 大日本絵画 ISBN978-4-499-23327-9 C0076