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323式装甲兵員輸送車
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平壌の科学技術殿堂に展示されている模型(画像出典:わが民族同士)

323式は主力APCとして大量に普及した(画像出典:KCTV)
- 概要
1973年に初めて確認されたため、M-1973のコードネームが付与された装甲兵員輸送車(APC)。VTT-323と呼ばれることが多いが、323式という呼称が正確と見られる。中国から輸入した63式装甲兵員輸送車をベースに改良を加え、車体を延伸化している。車内構造は車体前方から操縦室、エンジン、兵員室と推測され、北朝鮮の消息筋によれば12名の兵員を輸送可能。兵員は後方の左右開きドアから出入りできる。兵員室左右には2箇所ずつ銃眼が備わる他、兵員室上方にハッチがあり身を乗り出して個人火器を使用できる。確認できる範囲では、ここから火炎放射器やMANPADSを構える事例がある。特徴の一つに水陸両用でウォータージェットを搭載している点で、履帯で推力を得ていた63式と比べ、ウォータージェットの採用でより速く水上航行できる。
- 武装
主武装は小型銃塔に備わる照準器付きの14.5mm連装機関銃。北朝鮮で広く運用される14.5×114mm弾を発射できるこの武装は、歩兵などのソフトスキンに対して有効である。長年生産と改良を重ねる段階で武装のバリエーションはかなり増えており、代表的なものは砲塔後方にMANPADSを4基も備えた武装強化型がある。これは貧弱な対空戦闘能力を少しでも上げようとする試行の一つだが、位置的に使い勝手は悪く非効率的と思われる。中には潔く砲塔を撤去、MANPADS発射機を中央に据えたタイプも開発されたが、前述のタイプと同じく運用面の問題なのか、少数のみに留まった。


追加でMANPADS発射機を4基も備えた323式と、4連装発射機架台を備えた323式の珍しいカット(画像出典:KCTV)
これ以外ではMANPADSを2基、同時に9M14マリュートカ対戦車ミサイルを搭載した珍しいタイプが確認されているようだが詳細は不明。近年では砲塔に30mmグレネードランチャーを追加した例もある。また、砲塔が最初から未装備で、車体前方の操縦手ハッチにKPV 14.5mm重機関銃を装備したタイプがあり主に他の派生型のベースとして利用される。
- 防御力
具体的な防御力は不明だが、シンプルな圧延溶接装甲が採用されていると考えられる。最大でも10mmクラスの小銃弾や砲弾片には耐えうる厚さ程度だろう。後付けの爆発反応装甲などの装備例は確認されていない。
- 配備と輸出
国産化された最初の本格的な装甲兵員輸送車であり、生産数は不明ながら量産と配備が広がったのは確実である。現在こそM-2010などの新型が登場しているが、今日においても多数が現役である。また、通常タイプが1984年にジンバブエとエチオピアに輸出された。
- 要目
全長:6.5m
全幅:2.97m
高さ:2.5m
重量:15t
エンジン:ディーゼルエンジン
馬力:320馬力
最高速度:60km/h(路上)、10km/h(水上)
航続距離:400km
武装:14.5mm連装機関銃×1
装甲厚:最大14mm
乗員:3名または4名+歩兵12名
運用状況:現役
生産数:不明
全幅:2.97m
高さ:2.5m
重量:15t
エンジン:ディーゼルエンジン
馬力:320馬力
最高速度:60km/h(路上)、10km/h(水上)
航続距離:400km
武装:14.5mm連装機関銃×1
装甲厚:最大14mm
乗員:3名または4名+歩兵12名
運用状況:現役
生産数:不明
朝鮮民主主義人民共和国の陸海空軍(著 ステイン・ミッツァー/ヨースト・オリマンズ 和訳版監修 宮永忠将 翻訳 村西野安 平田光夫) 大日本絵画 ISBN978-4-499-23327-9 C0076