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ヘイル
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ヘイルと金正恩総書記(画像出典:KCNA)
ヘイルと金正恩総書記(画像出典:KCNA)
- 概要
2023年3月に北朝鮮が公開した新型の兵器である。「核無人水中攻撃艇」と呼称される。ヘイル(해일)は「海溢」という意味で、すなわち津波のこと(国営メディアでも津波と訳している)。
3月24日、国営メディアは「重要兵器実験と戦略的目的の発射訓練」というタイトルで21日~23日にかけて金正恩総書記指導の下に水中核戦略兵器、すなわちヘイルの試験が行われたと報道した。報道によると、
「水中核戦略兵器の使命は、隠密に作戦水域へ潜航し、水中爆発で超強力な放射能の津波を起こして敵の艦船集団と主要作戦港を破壊、掃滅することである。」
「この核無人水中攻撃艇は、任意の海岸や港で、または水上船舶が曳航して作戦に投入することができる。」
「この核無人水中攻撃艇は、任意の海岸や港で、または水上船舶が曳航して作戦に投入することができる。」
とあり、ヘイルが核爆発の強力なエネルギーを利用して津波を引き起こす兵器と説明している。これはポセイドンの名称で知られるロシアのステータス6と同じであり、事実上の核魚雷と見なされている。また国営メディアは、2012年から開発が始まり、2021年の国防発展展覧会「自衛-2021」で非公開で報告されたことや党大会以降の2年間で既に50余回の試験を行ったこと、その内の29回は金正恩総書記が直接指導したことも明かしている。
- 試験
3月21日、日本海(朝鮮東海)側の咸鏡南道利原郡の海岸で試験導入されたヘイルは、
「設定された楕円(だえん)および「8」字形針路を80~150メートルの深度で59時間12分を潜航して3月23日午後、敵の港を想定した洪原湾水域の目標点に到達したし、実験用戦闘部が水中爆発した。」
として、2日間以上に渡って航行したようである。公開された画像では、魚雷のシルエットを持つヘイルが海面近くを航行し、目標の海域で爆発を起こし巨大な水柱を上げる様子が写っている。また、工場らしき施設内で金正恩総書記がヘイルを視察する画像もあるが、全体は写されず背後のボードもはっきり写っていない。
- ヘイル-1型
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ヘイル-1型の試験(画像出典:KCTV)
ヘイル-1型の試験(画像出典:KCTV)
3月25~27日に元山沖で試験されたヘイル-1型は、前述のものとは異なり白と赤のカラーが特徴。
「朝鮮東海に設定された600キロ辺りの距離を模擬したのこぎり型および楕円形(だえんけい)の針路を41時間27分潜航して3月27日午前、予定の目標水域である咸鏡北道花台郡沖合いに到達し、試験用戦闘部が正確に水中起爆した。」
- ヘイル-2型

公開されたヘイル-2型(画像出典:KCNA)
4月4日~7日に試験された改良型と見られるヘイル-2型は黒に塗装され、実戦配備を意識した外観になっている。
「4月4日午後、咸鏡南道金野郡加進港で試験に投入された核無人水中攻撃艇「ヘイル(津波)2」型は1000キロメートルの距離を模擬して朝鮮東海に設定された楕円(だえん)および「8」字形の針路を71時間6分潜航して4月7日午後、目標仮想水域である咸鏡南道端川市龍台港の沖合いに到達し、試験用の戦闘部が正確に水中起爆した。」
航行時間が71時間6分とこれまでで最長の時間となっており、射程距離の延長が計られている。
- 評価
韓国の合同参謀本部は「現在までに韓米の分析と専門家の意見を総合した結果、その主張が誇張され、操作された可能性に重きを置いている」「北朝鮮が無人潜水艇を開発する動向はあったが、まだ初期段階と評価している」と発表した。
また、アメリカのシンクタンクであるランド研究所のブルース・ベネット先任研究員も合同参謀本部の見解に賛同し、「既存の小型潜水艦に遠隔操縦装置を備えたものにすぎない」「ディーゼル機関を使用するため韓米に容易に探知される」とした。