Seret War『シークレット・ウォー』

マーベル、シリーズタイトル)

出版:2004年2月〜2005年12月、全五話
ライター:Brian Michael Bendis
アーティスト:Gabriele Dell'Otto

※1980年代のクロスオーバー"Secret Wars"や"Secret WarsII"、また2015年の"Secret Wars"とも無関係のストーリーなので注意

概要

全五話のショートストーリーながらキャプテン・アメリカスパイダーマンウルヴァリンニック・フューリーなど大型クロスオーバー並みのヒーローを集め、完結までに2年を要した。
ストーリーは"New Avengers"や"Secret Invasion"へと続き、"Avengers vs. X-MEN"へと8年に渡る大きな流れの前日譚にもあたる。

ニック・フューリーはテクノロジー系ヴィラン(肉体的には普通の人間だが、特殊な装備でパワーを得たヴィラン)の装備にかかるコストと悪事を働くことで得る金銭が全く見合っていないことに気づく。
捜査により彼らの多くはある国から援助を受けていることが分かり、単なる犯罪ではなくテロであると定義したニック・フューリーだったが、アメリカ政府は外交努力を続けることを告げ、S.H.I.E.L.D.の関与を許さなかった。
独断での対処を決めたニック・フューリーは極秘任務に適したヒーローを集め、テクノロジー系ヴィランたちに援助を続けている国、すなわちラトベリアの転覆作戦を敢行する。

登場人物

  • ヒーロー
ニック・フューリーS.H.I.E.L.D.長官。
マリア・ヒル:フューリーの部下
キャプテン・アメリカルーク・ケイジスパイダーマンデアデビルブラックウィドウウルヴァリン:ラトベリア強襲のためにフューリーが集めたヒーローたち
デイジー・ジョンソン(初登場):S.H.E.I.L.D.の一員で、ラトベリア強襲のために選ばれた謎の女性。後のクエイク

  • ヴィラン
ルシア・フォン・バルダスドクター・ドゥームが失脚した後のラトベリアで、アメリカ政府の援助を得て総理大臣になった女性。

ストーリー


# 1
現在:ルーク・ケイジが自宅で何者かに襲撃され、重傷を負う。それを知ったニック・フューリーは1年前の出来事を回想する。
1年前:テクノロジー系ヴィランの装備にかかるコストと悪事を働くことで得る金銭が全く見合っていないことに気づいたフューリーは彼らの装備を作る職人ティンカラーを追跡させ、ラトヴェリアの総理大臣ルシア・フォン・バルダスから援助を受けていることが分かる。もはや単なる犯罪ではなくテロであると定義したニック・フューリーだったが、アメリカ政府は外交努力を続けることを告げ、S.H.I.E.L.D.の関与を許さなかった。

# 2
一年前:ニック・フューリーは7人のヒーローたちを集めラトヴェリアに到着する。そのメンバーとじゃキャプテン・アメリカルーク・ケイジスパイダーマンデアデビルブラックウィドウウルヴァリン、そして謎の女性だった。フューリーはそこでテクノロジー系ヴィランにラトヴェリア政府が資金提供をしていることを明らかにすると、政府の転覆作戦を実行すると告げるのだった。
現在:入院中のルーク・ケイジを見舞うフューリーのもとにキャプテン・アメリカが現れ、彼を殴ると「だからこうなると言っただろう!」と強く非難するのだった。

# 3~5
ヴィランの集団がヒーローたちを襲撃。
ヒーローたちはニック・フューリーにより記憶を消されていたのだが、ラトヴェリアを襲撃し、ルシア・フォン・バルダスを暗殺。その居城を崩壊させていたのだった。
半身をサイボーグ化させて生き残っていたルシアはヴィランを引き連れて復讐を期し、ニューヨークを襲撃。砂漠化するレベルの大爆発を引き起こそうとする。

結末と影響

ルシアは策略により大爆発を起こそうとするが、すんでのところでデイジー・ジョンソンによって食い止められた。
しかし、ニック・フューリーの行動はヒーローたちの反発を生み、またアメリカ政府に無断で他国を攻撃したことにより、フューリーは姿を消し、潜伏生活に入る。(実は既にライフモデルデコイのダミーだった)
デイジー・ジョンソンは無期謹慎を言い渡されるが現役高校生だったらしく、高校卒業の準備に取り掛かるだけだった。しかしヘリキャリアから退出するとき、何者かから電話で指示を受けるシーンでこのストーリーは終わる。
ルシアに従っていたヴィランの1人スコーチャーは足を洗ってS.H.I.E.L.D.に協力することを誓う。(しかし実際にはすぐに犯罪生活に戻る)
フューリーの失脚によりマリア・ヒルS.H.I.E.L.D.長官に昇格。
大統領はマリアにスーパーヒーローに協力しないことを言い渡す。
これらの出来事が"Break Out"後も正規のアベンジャーズが再編されなかったことにつながるが、実質的にはキャプテン・アメリカスパイダーウーマンが持つ権限が大きかったため大きな影響は起きなかったとされる。




最終更新:2025年05月07日 17:59