Secret Wars(1984)

クロスオーバー及びタイトル、マーベル

出版:1984年5月〜1984年4月

概要

ユニバースを超越した存在ビヨンダーの戯れによって宇宙の果てのバトルワールドに召喚されたヒーローとヴィランが互いに戦いを強要される。
ビヨンダーは勝った方の望みをどんなことであろうと叶えると約束するが…

登場キャラクター

ヒーロー側

キャプテン・アメリカ(スティーブ・ロジャース):ヒーロー側をリーダーとしてまとめる。
ソー(ソー・オーディンサン)
キャプテン・マーベルモニカ・ランボー
ホークアイ(クリント・バートン)
シーハルク(ジェニファー・ウォルターズ)
ワスプ(ジャネット・ヴァン・ダイン):単独行動を取り瀕死の重傷を負う(実際、死亡したと思われていた)

ミスター・ファンタスティック
ヒューマン・トーチ
シング:なぜか能力を失い、ベン・グリムの姿に戻ってしまう

  • X-MENマグニートーを仲間として認めようとしない他のヒーローと意見が合わず、第3勢力のような立場に
コロッサス:戦いで傷つき治癒能力を持つ異星人ズサジと出会い恋に落ちるが、キティ・プライドへの想いもあり葛藤する。
サイクロップス
ナイトクロウラー
プロフェッサーX:このストーリー直前に両足が回復し車椅子なしで行動できるように。この戦いではX-MENの戦闘指揮を直に執るが、サイクロップスやストームからは懐疑的に見られる。
ローグ:ヴィランからX-MENに参加したばかりでまだ自分の立場に確信がなく、迷いながら行動する。
ストーム:X-MENのフィールドリーダーとして、突如直に戦闘指揮を執り始めたプロフェッサーに不満を持つ。
ウルヴァリン
ロッキード

  • その他
スパイダーマン(ピーター・パーカー):第8話では謎の装置から黒いコスチューム*1を手に入れる。
ハルク:ブルース・バナーとしての意識を保っている
アイアンマンジェームス・ローディ):トニー・スタークではない
マグニートー:彼がの存在がヒーロー側に混乱を招く
ズサジ(Zsaji):(第4話で登場)ビヨンダーがバトルワードを形成するため材料として集めた惑星の一部に紛れていた異星人。治癒能力を持つ。地球の言語では会話できない。
スパイダーウーマンジュリア・カーペンター):(第6話で追加)ビヨンダーがバトルワールドを形成したとき、デンバーから巻き込まれてきた。

ヴィラン側

ドクター・ドゥーム:ビヨンダーが約束する「どんなことでも叶える」という権利より、ビヨンダーの力そのものを望んで行動する。
ギャラクタス:宇宙的存在の彼にとっては他のヴィランやヒーローなど取るに足らない存在。彼も渇望を癒すための力をビヨンダーに求め接近するが、バリアに阻まれ機能を停止する。その後はバトルワールドの惑星を吸収するために行動し、ヒーロー側とヴィラン側双方の脅威となる。
アブソービングマン
ドクター・オクトパス
エンチャントレス
カーン・ザ・コンクエラー:ドゥームが操るウルトロンに殺害される。
モレキュールマン:すでに改心し、戦いなく過ごすことを望んでいるが…
ウルトロン:ギャラクタスに戦いを挑みエネルギーを吸収され、早々と機能停止。ドクター・ドゥームの手駒にされる。
  • 追加メンバー
ティターニア:(第3話で追加)ドクター・ドゥームの実験によって怪力を得た女性。初登場キャラクター
ヴォルカーナ:(第3話で追加)同じくドクター・ドゥームの実験によって火山のような力を得た女性。初登場。
ユリシーズ・クラウ:(第6話で追加)ギャラクタスの巨大な宇宙船に音波エネルギーとして吸収されてしまっていたのをドクター・ドゥームが抽出した。

その他

ビヨンダー:ユニバースを超越する存在

掲載誌


ストーリー

ヒーロー側はマグニートーが参加していることにアベンジャーズの面々が納得できず、分裂。マグニートーと和解したX-MENは第3勢力となる。またX-MENの内部でも足が治癒しリーダーとして指揮をとるプロフェッサーXに対し本来フィールドリーダーであったサイクロップスやストームが不満を持ち、足並みが揃わない。

一方ヴィラン側は人智を超越した存在のギャラクタスが単独行動をとるが、他のメンバーをドクター・ドゥームが早々とまとめあげる。

それぞれの勢力がぶつかり合う中、ギャラクタスは巨大な宇宙船を呼び寄せバトルワールドの惑星を吸収しようとし、それぞれの勢力にとって脅威となっていく。

そんな中、ドクター・ドゥームはビヨンダーの約束する報酬ではなく、ビヨンダーの力そのものを得ようと画策する。

タイイン

Thor #383

結末と影響

全てはビヨンダーがこの世界の「欲望」に興味を持ったのが始まりだった。
ビヨンダーは欲望に2種類あり、「自分のための欲望」を持つものと「他者のための欲望」を持つものがいて、それぞれの強い者たちを集めて戦わせたらどちらが勝つのかを確かめたかったのだ。
マグニート―はヴィランではあったが、私利私欲のためではなくプロフェッサーXと手段は違えどミュータントという種族全体のために行動していたため「他者のための欲望」側に加えられたのだった。

ドクター・ドゥームはビヨンダーの力を吸収することに成功。一度は思うだけで何でも実現できる全知全能の力を得てヒーローたちを全滅させる。しかしユリシーズ・クロウ曰く「心の奥底でヒーローたちの復活を願っていたため」ヒーローたちは復活してしまう。さらに復讐を狙うビヨンダーにより再び力を奪われ、いずこかへ消え去った。

モレキュールマンは強化されてヴォルカーナの自宅の土地ごと宇宙船に変えるとヴィランたちを乗せて地球を目指す。
ギャラクタスは宇宙に放逐されるが、再び渇望を満たすためヘラルドを得て放浪を始める。
カーン・ザ・コンクエラーは一度殺害されるが、最後に復活させられた。

最終的にドクター・ドゥームが倒されたことによってバトルワールドに願望を実現する力が働いていく。
リザードはこの宇宙船からエンチャントレスのテレポートでバトルワールドに戻されるが、願望実現の力によりコナーズ博士に戻り、スパイダーマンとともに帰還する。
スパイダーマンは黒いコスチュームを得る。これは後に危険なシンビオートだと判明するが、この時点では気づいていない。

新キャラクターとしてヴィランのヴォルカーナとティターニアが登場。ヒーローには新スパイダーウーマン(ジュリア・カーペンター)が登場した。
またユリシーズ・クロウが復活。

コロッサスは異星人のヒーラー、ズサジを本気で愛してしまいうが彼女はヒーローたちを救うために死亡する。これが後のシリーズに影響しキティ・プライドとの関係が終わりに向かっていく。

ロッキードはしばらく行方不明だったが、もう1匹のドラゴン(メス)を連れて舞い戻り、ともに地球に帰還した。

シングは人間ベン・グリムの姿に自在に戻る能力を得るが、これはバトルワールドでしか作用しないと考え、地球には戻らないことを決意。ファンタスティック・フォーには代わりにシーハルクが参加することになった。

シング以外のヒーローたちは全員地球に帰還。リード・リチャーズの提案により、宇宙を超越した存在が関わるこの闘いは「秘密の戦争」としてそれぞれの胸に秘めたまま封印されることになった。

後日談

このストーリーは各キャラクターやチームの後のシリーズに大きく影響を与えた。
ただしこれらのレギュラーシリーズと"Marvel Super Heroes Secret Wars"は並行して刊行されたため、「"Secret Wars"で何が起きてそうなったのか」は後で明かされることになった。
"Amazing Spider-Man"#251:黒いコスチュームを地球に持ち帰ったスパイダーマン。
"Avengers"#243:アベンジャーズ失踪をきっかけにメンバーを再編。ヴィジョンが新リーダーに。
"Uncanny X-Men#181:帰還したX-MENはなぜか日本の神奈川県ヤマト市の校外に降り立つ。ロッキードが連れてきたメスドラゴンが巨大化、カイジュウのように大暴れ。
など
"Fantastic Four" #265:主人不在のバクスター・ビルディングに潜入するトラップスターのストーリーと、チームの帰還を待つスーザンの短編ストーリーの短編2本。ファンタスティック・フォーが帰還するがその中にシングはおらず、シーハルクがコスチュームをまとって現れる。
"Thing" #11:バトルワールドの惑星にただ1人残ったシングのストーリー。
など




最終更新:2024年03月13日 08:12

*1 これがシンビオート、後のヴェノム初登場である

*2 マーベルのオフィシャルサイトでは"Secret Wars"のタイトルに分類されているので注意