BLACK&WHITE ◆KS.UfY2NoY
ルルーシュ・ランペルージ。
アッシュフォード学園に通う、ブリタニア人。
頭が切れ、端正な容貌の持ち主ではあるが運動能力にやや難有り。
クラブハウスに盲目の妹・ナナリーと二人暮らし。また学園では生徒会副会長を務める。
外面は良いが、秀才故かどこか斜に構えた態度をとりがちな、しかしそれでいて本質はお人好しな、高校生。
それが、彼の一般的なプロフィールだ。
だが、枢木スザクは知っている。
彼の「親友」だからこそ、彼の真実を知っている。
ランペルージという偽りの姓。学生という立場に隠した裏の顔。そして何より―――その何気ない立ち振る舞いの中に隠された、残酷な本性。
彼はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア―――帝国の第11皇子。
またブリタニアに反旗を翻すテロ組織、黒の騎士団のリーダー・ゼロ。
そして何より―――ギアスという人の心を操る武器で大切な人を殺めた、仇―――
アッシュフォード学園に通う、ブリタニア人。
頭が切れ、端正な容貌の持ち主ではあるが運動能力にやや難有り。
クラブハウスに盲目の妹・ナナリーと二人暮らし。また学園では生徒会副会長を務める。
外面は良いが、秀才故かどこか斜に構えた態度をとりがちな、しかしそれでいて本質はお人好しな、高校生。
それが、彼の一般的なプロフィールだ。
だが、枢木スザクは知っている。
彼の「親友」だからこそ、彼の真実を知っている。
ランペルージという偽りの姓。学生という立場に隠した裏の顔。そして何より―――その何気ない立ち振る舞いの中に隠された、残酷な本性。
彼はルルーシュ・ヴィ・ブリタニア―――帝国の第11皇子。
またブリタニアに反旗を翻すテロ組織、黒の騎士団のリーダー・ゼロ。
そして何より―――ギアスという人の心を操る武器で大切な人を殺めた、仇―――
※
「……っ」
スザクが目を覚ましたのは、森の中だった。
「……ここは、どこだ……?」
思考をすぐに正常に戻し、今の状況を把握する。
腕を持ち上げる。異常なし。立ち上がる。やはり、問題ない。
周囲には人間の声は聞こえない。
身に纏う服がナイトオブラウンズの衣装であることを確認し、スザクは自分がここに来るまで何をしていたのか思い出す。
―――そうだ、僕は……
思い出すと少し気分が重くなる。
―――シャーリーを、救えなかった……!
シャーリー・フェネット。
アッシュフォード学園での友人である、明るく快活な女の子。
彼女はルルーシュに好意を抱いていた。……たとえギアスによって記憶を消され、父親の命を奪われても。
自分の忠告に、しかし彼女は、ルルーシュを信じるのだと言っていた。赦す、とも。
その結果が、あれだ。
ただの一般人にすぎない彼女は死んだ。殺されたのだ。……『ゼロ』に。公式的には自殺となっているが、シャーリーがそんなことをするとは思えない。
そして、頭を現在に素早く切り変える。
―――V.V.……
スザクが目を覚ましたのは、森の中だった。
「……ここは、どこだ……?」
思考をすぐに正常に戻し、今の状況を把握する。
腕を持ち上げる。異常なし。立ち上がる。やはり、問題ない。
周囲には人間の声は聞こえない。
身に纏う服がナイトオブラウンズの衣装であることを確認し、スザクは自分がここに来るまで何をしていたのか思い出す。
―――そうだ、僕は……
思い出すと少し気分が重くなる。
―――シャーリーを、救えなかった……!
シャーリー・フェネット。
アッシュフォード学園での友人である、明るく快活な女の子。
彼女はルルーシュに好意を抱いていた。……たとえギアスによって記憶を消され、父親の命を奪われても。
自分の忠告に、しかし彼女は、ルルーシュを信じるのだと言っていた。赦す、とも。
その結果が、あれだ。
ただの一般人にすぎない彼女は死んだ。殺されたのだ。……『ゼロ』に。公式的には自殺となっているが、シャーリーがそんなことをするとは思えない。
そして、頭を現在に素早く切り変える。
―――V.V.……
自らにギアスのことを教えた張本人である、V.V.。その彼が殺し合いをしろなどと言い出し、目の前で女の子の首輪を爆発させて見せたのだ。
―――何のためにこんなことを?
―――何のためにこんなことを?
ギアスが関わることだろうか、そう考える。V.V.がスザクを何らかの形で巻き込むならば、その理由はギアスに違いない。
しかし、それなら疑問が残る。何せ、自分にギアスという能力の存在を教えたのはほかならぬV.V.本人なのだ。それの口封じ?……というのはさすがにおかしすぎる。
それならば、そのような理由でないなら何のために?
不死者の暇つぶしだろうか?だとしたらはた迷惑この上ない。
しかし、それなら疑問が残る。何せ、自分にギアスという能力の存在を教えたのはほかならぬV.V.本人なのだ。それの口封じ?……というのはさすがにおかしすぎる。
それならば、そのような理由でないなら何のために?
不死者の暇つぶしだろうか?だとしたらはた迷惑この上ない。
はあ、と息を吐いて自らの首筋に触れる。V.V.の言ったとおり、首輪がついているらしい。
だが、考えれば首輪というのもおかしい気がする。
「……何で頭使っているんだろう、僕の担当じゃないのに」
肩をすくめる。
そう、相手はV.V.だ。
どうして、不死身でギアスを人に分け与えられ、テレポートのようなことまで可能な彼がこんな首輪などという時代遅れの手段を用いるのだろう?
ここでルルーシュならば、あらゆる数の可能性を出せるかもしれない。だが本来頭を使うのは専門でないスザクには、少々難しい問題だった。
とりあえず、名簿に目を通さなければ始めらない、とそれを開き、ふうと小さく息を吐きだした。
負ける気はないものの、どうにも知り合いは自分に分の悪い連中ばかりだ。
ルルーシュの「弟」ロロ、ランペルージ兄妹の家政婦を務める篠崎咲世子、『魔女』C.C.―――そしてルルーシュ・ランペルージ。
唯一自分を敵とみなさずに済みそうなのがジェレミア・ゴットバルトだけだが、彼は純血派でかつてスザクを処刑しようとした男。協力できるかどうかは分からない。
「……」
上官シュナイゼルや同僚、更にはルルーシュ以外の生徒会メンバーやカレン、そしてナナリーの名前は見当たらない。そのことには素直に感謝するべきだろう。
そしてそうなれば、今から自分がやることは限られてくる。
首輪を爆発させられて死んだ、幼い女の子。
唇をかみしめる。
見たところ、あの女の子は日本人―――今はイレブン、と呼ばれているが―――、しかも何の変哲もない日常を送っていたであろう女の子だ。雰囲気で何となく分かる。
そう、例えば、シャーリーのような。
V.V.はそんな子の命をあっさりと奪った。
彼にはギアスについて教わったという恩がある。しかし、だからといってスザクはV.V.の行為を認められるはずがなかった。
間違っている、と思う。
弱者を一方的にいたぶり、こんな殺し合いに引っ張り出すのは間違っている。
そしてそんな人々を、孤独に突き落とし、絶望させることなど、正しいはずがない。
それは誰に聞くまでもなく明らかだった。
しかし、とスザクの頭に一瞬違う考えがよぎる。
自分が何よりもまず目指すべきことは、ここからの脱出だ。ラウンズは何人もいるとはいえ、セブンの座を開けっ放しにしておくのはまずい。皇帝の身に何か起こったとき、知らなかったでは済まされないのだ。
そして何より、自分には目標がある。中からこの国を変える、ユフィも望んだ世界を作るためには、こんなところで殺される訳にはいかない。死ぬならもっと、別の瞬間だ。
だから頭では理解している。早く脱出するには、皆を殺して回るのが一番早い。
自分のためではない、幸せな世界のために人を殺すのだ。褒められたやり方ではないが、仕方がないことかもしれない。ランスロットがあればもっと容易だろうが、なくても鍛えられた自分なら人を殺すことくらいそう難しくもないだろう。
しかし、―――スザクは、その考えを頭から追いやった。
「……それじゃあ……ルルーシュと同じだ」
その理由は、正義漢でも良心でもなく、親友『だった』男への嫌悪感から。
だが、考えれば首輪というのもおかしい気がする。
「……何で頭使っているんだろう、僕の担当じゃないのに」
肩をすくめる。
そう、相手はV.V.だ。
どうして、不死身でギアスを人に分け与えられ、テレポートのようなことまで可能な彼がこんな首輪などという時代遅れの手段を用いるのだろう?
ここでルルーシュならば、あらゆる数の可能性を出せるかもしれない。だが本来頭を使うのは専門でないスザクには、少々難しい問題だった。
とりあえず、名簿に目を通さなければ始めらない、とそれを開き、ふうと小さく息を吐きだした。
負ける気はないものの、どうにも知り合いは自分に分の悪い連中ばかりだ。
ルルーシュの「弟」ロロ、ランペルージ兄妹の家政婦を務める篠崎咲世子、『魔女』C.C.―――そしてルルーシュ・ランペルージ。
唯一自分を敵とみなさずに済みそうなのがジェレミア・ゴットバルトだけだが、彼は純血派でかつてスザクを処刑しようとした男。協力できるかどうかは分からない。
「……」
上官シュナイゼルや同僚、更にはルルーシュ以外の生徒会メンバーやカレン、そしてナナリーの名前は見当たらない。そのことには素直に感謝するべきだろう。
そしてそうなれば、今から自分がやることは限られてくる。
首輪を爆発させられて死んだ、幼い女の子。
唇をかみしめる。
見たところ、あの女の子は日本人―――今はイレブン、と呼ばれているが―――、しかも何の変哲もない日常を送っていたであろう女の子だ。雰囲気で何となく分かる。
そう、例えば、シャーリーのような。
V.V.はそんな子の命をあっさりと奪った。
彼にはギアスについて教わったという恩がある。しかし、だからといってスザクはV.V.の行為を認められるはずがなかった。
間違っている、と思う。
弱者を一方的にいたぶり、こんな殺し合いに引っ張り出すのは間違っている。
そしてそんな人々を、孤独に突き落とし、絶望させることなど、正しいはずがない。
それは誰に聞くまでもなく明らかだった。
しかし、とスザクの頭に一瞬違う考えがよぎる。
自分が何よりもまず目指すべきことは、ここからの脱出だ。ラウンズは何人もいるとはいえ、セブンの座を開けっ放しにしておくのはまずい。皇帝の身に何か起こったとき、知らなかったでは済まされないのだ。
そして何より、自分には目標がある。中からこの国を変える、ユフィも望んだ世界を作るためには、こんなところで殺される訳にはいかない。死ぬならもっと、別の瞬間だ。
だから頭では理解している。早く脱出するには、皆を殺して回るのが一番早い。
自分のためではない、幸せな世界のために人を殺すのだ。褒められたやり方ではないが、仕方がないことかもしれない。ランスロットがあればもっと容易だろうが、なくても鍛えられた自分なら人を殺すことくらいそう難しくもないだろう。
しかし、―――スザクは、その考えを頭から追いやった。
「……それじゃあ……ルルーシュと同じだ」
その理由は、正義漢でも良心でもなく、親友『だった』男への嫌悪感から。
ここに来るまでは確信が持てなかったが、今日あの場所でギアスを使ったことで、スザクははっきりと理解した。
やはりルルーシュは、記憶を取り戻しているのだと。また自分たちを欺いたのだということを。
ルルーシュは罪のない人々を殺した。殺し続けてきた。仲間も、妹も、友人でさえも。
もし自分がここで弱者をいたぶり殺せば、それはゼロと同じくらいの外道になってしまう。彼と同じ手段だけは、絶対にとりたくない。
やはりルルーシュは、記憶を取り戻しているのだと。また自分たちを欺いたのだということを。
ルルーシュは罪のない人々を殺した。殺し続けてきた。仲間も、妹も、友人でさえも。
もし自分がここで弱者をいたぶり殺せば、それはゼロと同じくらいの外道になってしまう。彼と同じ手段だけは、絶対にとりたくない。
だからスザクは、立ち上がった。
「……助けよう」
そして決意する。
ルルーシュにどこまでも反抗し、ユフィやシャーリーのようなひたむきで幸せで不幸な人々を死という恐怖から救い出そうと。
行くあてはないが、まずは人を探すべきだろう、そう思考する。
歩き出そうとディパックを抱えたスザクは、そこで人の姿をとらえた。
「……助けよう」
そして決意する。
ルルーシュにどこまでも反抗し、ユフィやシャーリーのようなひたむきで幸せで不幸な人々を死という恐怖から救い出そうと。
行くあてはないが、まずは人を探すべきだろう、そう思考する。
歩き出そうとディパックを抱えたスザクは、そこで人の姿をとらえた。
それは、桃色の柔らかそうな長髪。女性のものだ。
スザクには気づいていないらしく、真っ直ぐに北へと駆けていく。
自分とは反対方向に走り去るその姿は、まるで―――
「ユ、フィ……?」
思わず呟き、冷静な部分でそんな馬鹿な、と思う。
ユフィがこの場にいるはずがない。名簿に名前が乗っていなかったし、それ以前に―――ユフィは、既に死んでいるのだから。
自分が看取ったのだ、間違えようもない。
そう分かっているのに、反射的にスザクは駆け出していた。
そうしなければいけない気がした。
「君、待って!」
ごく普通の少女と並外れた身体能力を持つ軍人、比べるまでもなくあっと言う間にその距離は縮まる。
「えっ……いやっ……!」
少女が追いかけてくるスザクの姿を知覚し悲鳴を上げた時には既に、スザクは少女の細い腕を掴んでいた。
そして、少女の真っ青になった顔を見る。
スザクには気づいていないらしく、真っ直ぐに北へと駆けていく。
自分とは反対方向に走り去るその姿は、まるで―――
「ユ、フィ……?」
思わず呟き、冷静な部分でそんな馬鹿な、と思う。
ユフィがこの場にいるはずがない。名簿に名前が乗っていなかったし、それ以前に―――ユフィは、既に死んでいるのだから。
自分が看取ったのだ、間違えようもない。
そう分かっているのに、反射的にスザクは駆け出していた。
そうしなければいけない気がした。
「君、待って!」
ごく普通の少女と並外れた身体能力を持つ軍人、比べるまでもなくあっと言う間にその距離は縮まる。
「えっ……いやっ……!」
少女が追いかけてくるスザクの姿を知覚し悲鳴を上げた時には既に、スザクは少女の細い腕を掴んでいた。
そして、少女の真っ青になった顔を見る。
―――違う、……に決まってるじゃないか。
そして、自らどうしようもない後悔に襲われる。
少女は雰囲気こそ似ているが、ユフィはメガネをかけていないしセーラー服を着てもいない。別人以外の何者でも、ない。
「……お、お願いします……」
ふと見ると少女はかたかたと震え出していた。無理もないだろう。殺し合いの場で突然男から追いかけられ、腕を掴まれたら。
「……わ、私は殺しても構いませんから……わ、私の友達は……」
「……ごめん、そんなつもりじゃなかった」
怖がらせてどうするんだ。スザクは内心自嘲しつつ少女から手を離した。
『友達』、その言葉がひっかかる。
彼女も、ここに知り合いがいるのだろうか?
「ただ、君の後ろ姿が知り合いに似てたから……ごめん」
まっすぐに頭を下げる。しかしこれだけでもまだ信用に値するとは思えないので、自分のディパックを彼女に差し出した。
「武器は入ってないし、もちろん持ってもいない。それでも気になるなら服を脱いでもいいけど、さすがに女の子の前ではね。……とにかく、僕はこの殺し合いに乗るつもりはない」
そして、もう一度深々と謝罪する。
「……怖がらせて、ごめん」
すると逆に少女は困ったように、おろおろと視線をさまよわせた。
「……い、いえ……あの、……そ、そのように言われると……私もどうすればよいのやら……あの……」
「……すまない」
「い、いえ、大丈夫、です」
みゆきは、申し訳なさそうに俯いた。
「そうか、それならよかった」
誤解が解け少し安心する。
スザクは少女に笑いかけようとしたが―――笑い方を忘れた彼は、どうすればいいのか分からず、口元をひきつらせるだけだった。
そして、自らどうしようもない後悔に襲われる。
少女は雰囲気こそ似ているが、ユフィはメガネをかけていないしセーラー服を着てもいない。別人以外の何者でも、ない。
「……お、お願いします……」
ふと見ると少女はかたかたと震え出していた。無理もないだろう。殺し合いの場で突然男から追いかけられ、腕を掴まれたら。
「……わ、私は殺しても構いませんから……わ、私の友達は……」
「……ごめん、そんなつもりじゃなかった」
怖がらせてどうするんだ。スザクは内心自嘲しつつ少女から手を離した。
『友達』、その言葉がひっかかる。
彼女も、ここに知り合いがいるのだろうか?
「ただ、君の後ろ姿が知り合いに似てたから……ごめん」
まっすぐに頭を下げる。しかしこれだけでもまだ信用に値するとは思えないので、自分のディパックを彼女に差し出した。
「武器は入ってないし、もちろん持ってもいない。それでも気になるなら服を脱いでもいいけど、さすがに女の子の前ではね。……とにかく、僕はこの殺し合いに乗るつもりはない」
そして、もう一度深々と謝罪する。
「……怖がらせて、ごめん」
すると逆に少女は困ったように、おろおろと視線をさまよわせた。
「……い、いえ……あの、……そ、そのように言われると……私もどうすればよいのやら……あの……」
「……すまない」
「い、いえ、大丈夫、です」
みゆきは、申し訳なさそうに俯いた。
「そうか、それならよかった」
誤解が解け少し安心する。
スザクは少女に笑いかけようとしたが―――笑い方を忘れた彼は、どうすればいいのか分からず、口元をひきつらせるだけだった。
少女は、高良みゆきと名乗った。
突然この場所に放り出され、不安のあまりパニックを起こし早く友達を見つけようとあてもなく走りだしたところだったらしい。
やはりスザクの予想通り、彼女は平凡な日常を送るごくごく普通の高校生だった。それどころか、ブリタニアの存在を知らないという。
自分の顔を見ても何も言わなかった時点でおかしいとは思っていた。
名誉ブリタニア人から皇族の騎士という、イレブンでも異例の大出世を遂げたスザクのことは、誰もが知っていると思い込んでいたのだ。……悪い意味で。
彼女が言うには日本はブリタニアに侵略されてなどいない、もちろんエリア11などと呼ばれてもいない、平和そのものだと言う。
どうしてそのようなことが起こるのか、今までなら説明できなかっただろう。しかし今のスザクには、おぼろげながらも理由にはだいたい察しが付いている。
これもギアス、もといV.V.の持つ能力の一つなのだろう。納得はしたくないが、そう思うしかなかった。
そして詳しい状況を知るために、今こうしてスザクはみゆきと情報交換を行っていた。
「友達がいるって言ってたね」
はい、とみゆきは頷く。
「友達の名前を教えてもらっていいかな?」
「はい。……泉こなたさん、柊かがみさんとつかささん、そして岩崎みなみさんです」
初めは精神的に動揺していたようだったが、本来は外見通り利発らしい。顔色は未だに悪いが、それでも言葉に乱れはなかった。
「……枢木さんのお知り合いはいらっしゃらないのですか?」
「……いや」
言葉に詰まる。……知り合いはいるのだが、口に出すのははばかられる。
「……いないよ」
だから、嘘を吐く。嘘を吐くことはしたくなかった。
ルルーシュと、ナナリーを欺き続けたゼロと同じになってしまうから。
しかし、この状況で『仲間』としてルルーシュ達の名前を出せば、自分と別行動をすることになった際にみゆきがルルーシュを信用してしまう。そして利用されるかもしれない。
「……ただ、この男には気をつけた方がいい」
とん、とルルーシュの名前を指差す。
それは、もう耐えられない。
このユフィに似ているようで似ていない少女だけではない、他の人間があの男の思うままに操られることには。
「この男は人を操る力を持っている。用心して」
「は、はい。……でも、……お辛いのではないですか?」
「……え?」
みゆきの言葉の意味が分からず、聞き返す。
「……い、いえ、お恥ずかしい……枢木さんは私よりずっと強いでしょうからそんな心配はいらないかもしれませんが……でも、こんなところに一人というのはお辛いのでは、と…………え、で、でも……
そうですね、このようなところに友達がいてほしいはずありませんよね……申し訳ありません……私、自分が何を言っているのかよく分からないです……」
最後の言葉は本当らしく、喋りながら頭を悩ませている。無理もないだろう、彼女は人死にに縁のない一般人、軍人で殺人者の自分とは違う。
みゆきからすれば、見知らぬ場所で一人っきりというのは辛いこと。しかし、仲間を巻き込みたくないというのもまた自然な感情。
突然この場所に放り出され、不安のあまりパニックを起こし早く友達を見つけようとあてもなく走りだしたところだったらしい。
やはりスザクの予想通り、彼女は平凡な日常を送るごくごく普通の高校生だった。それどころか、ブリタニアの存在を知らないという。
自分の顔を見ても何も言わなかった時点でおかしいとは思っていた。
名誉ブリタニア人から皇族の騎士という、イレブンでも異例の大出世を遂げたスザクのことは、誰もが知っていると思い込んでいたのだ。……悪い意味で。
彼女が言うには日本はブリタニアに侵略されてなどいない、もちろんエリア11などと呼ばれてもいない、平和そのものだと言う。
どうしてそのようなことが起こるのか、今までなら説明できなかっただろう。しかし今のスザクには、おぼろげながらも理由にはだいたい察しが付いている。
これもギアス、もといV.V.の持つ能力の一つなのだろう。納得はしたくないが、そう思うしかなかった。
そして詳しい状況を知るために、今こうしてスザクはみゆきと情報交換を行っていた。
「友達がいるって言ってたね」
はい、とみゆきは頷く。
「友達の名前を教えてもらっていいかな?」
「はい。……泉こなたさん、柊かがみさんとつかささん、そして岩崎みなみさんです」
初めは精神的に動揺していたようだったが、本来は外見通り利発らしい。顔色は未だに悪いが、それでも言葉に乱れはなかった。
「……枢木さんのお知り合いはいらっしゃらないのですか?」
「……いや」
言葉に詰まる。……知り合いはいるのだが、口に出すのははばかられる。
「……いないよ」
だから、嘘を吐く。嘘を吐くことはしたくなかった。
ルルーシュと、ナナリーを欺き続けたゼロと同じになってしまうから。
しかし、この状況で『仲間』としてルルーシュ達の名前を出せば、自分と別行動をすることになった際にみゆきがルルーシュを信用してしまう。そして利用されるかもしれない。
「……ただ、この男には気をつけた方がいい」
とん、とルルーシュの名前を指差す。
それは、もう耐えられない。
このユフィに似ているようで似ていない少女だけではない、他の人間があの男の思うままに操られることには。
「この男は人を操る力を持っている。用心して」
「は、はい。……でも、……お辛いのではないですか?」
「……え?」
みゆきの言葉の意味が分からず、聞き返す。
「……い、いえ、お恥ずかしい……枢木さんは私よりずっと強いでしょうからそんな心配はいらないかもしれませんが……でも、こんなところに一人というのはお辛いのでは、と…………え、で、でも……
そうですね、このようなところに友達がいてほしいはずありませんよね……申し訳ありません……私、自分が何を言っているのかよく分からないです……」
最後の言葉は本当らしく、喋りながら頭を悩ませている。無理もないだろう、彼女は人死にに縁のない一般人、軍人で殺人者の自分とは違う。
みゆきからすれば、見知らぬ場所で一人っきりというのは辛いこと。しかし、仲間を巻き込みたくないというのもまた自然な感情。
―――友達、か
みゆきが自然にそう呟いた言葉。
普通の人間なら、意識一つせず流してしまうその単語を、スザクは見逃すことができない。
「……高良さん、君のその友達は、『親友』?」
何故そんな言葉が漏れたのか、分からない。
ただスザクは、そうみゆきに尋ねていた。
自覚はしていた。自分が明らかにおかしなことを聞いていることは。
「……え?は、はい……親友、です」
みゆきの言葉に、スザクは自分の表情が硬くなるのを感じた。
普通の人間なら、意識一つせず流してしまうその単語を、スザクは見逃すことができない。
「……高良さん、君のその友達は、『親友』?」
何故そんな言葉が漏れたのか、分からない。
ただスザクは、そうみゆきに尋ねていた。
自覚はしていた。自分が明らかにおかしなことを聞いていることは。
「……え?は、はい……親友、です」
みゆきの言葉に、スザクは自分の表情が硬くなるのを感じた。
『親友』。実に、便利な言葉だ。
『友達』という言葉では踏み込みにくい領域にも、『親友』なら踏み込める。
『友達』なら信じられない言葉も、『親友』なら信じてしまえる。
特に理由もないのだが、そういう感じが『する』、魔法の言葉。
だから、だからこそ、その裏切りは尋常ではない。
「……高良さん」
そしてスザクは、口にする。
後になったら、彼もおそらく何故あの時あんな言い方をしたのだろう、と思うだろう。
その場の感情、というのは思うとなかなかに恐ろしい。
「……君は、『親友』が大切な人を殺さないって信じられるかい?」
「……し、信じられます!」
みゆきは何を言うのか、と言わんばかりにすぐさま反論した。怒りこそ見えないが、どこか訝しげな様子だった。
「本当に?そうかな?」
しかし、スザクは止まらない。これも彼女を思ってのことのつもりだった。
「……こんな状況だ。何をやってもおかしくない。特にあの殺された子は、君たちの知り合いなんだろう?」
いくら日常を生きる少女でも、このような場所に来れば理性が吹き飛び精神的におかしくなりかねない。
冷静な判断力を失い、人を殺める可能性もある。
それどころか―――ルルーシュに利用されている可能性だってあるのだ。
『親友』、そんな言葉に惑わされる犠牲者をもう出したくない。
「……絶対なんてことはないんだ。覚悟は―――」
そこまで言って、スザクはみゆきが今にも泣き出しそうな顔をしているのにようやく気付いた。
さすがにまずかったか。わずかに罪悪感が湧く。しかし、撤回するつもりはなかった。
「……ごめん、そんなに困らせるつもりじゃなかった。……ただ、覚悟しておけってことを言いたかったんだ」
自分でも驚くくらいそっけなく謝罪し、みゆきから視線をそらす。
『友達』という言葉では踏み込みにくい領域にも、『親友』なら踏み込める。
『友達』なら信じられない言葉も、『親友』なら信じてしまえる。
特に理由もないのだが、そういう感じが『する』、魔法の言葉。
だから、だからこそ、その裏切りは尋常ではない。
「……高良さん」
そしてスザクは、口にする。
後になったら、彼もおそらく何故あの時あんな言い方をしたのだろう、と思うだろう。
その場の感情、というのは思うとなかなかに恐ろしい。
「……君は、『親友』が大切な人を殺さないって信じられるかい?」
「……し、信じられます!」
みゆきは何を言うのか、と言わんばかりにすぐさま反論した。怒りこそ見えないが、どこか訝しげな様子だった。
「本当に?そうかな?」
しかし、スザクは止まらない。これも彼女を思ってのことのつもりだった。
「……こんな状況だ。何をやってもおかしくない。特にあの殺された子は、君たちの知り合いなんだろう?」
いくら日常を生きる少女でも、このような場所に来れば理性が吹き飛び精神的におかしくなりかねない。
冷静な判断力を失い、人を殺める可能性もある。
それどころか―――ルルーシュに利用されている可能性だってあるのだ。
『親友』、そんな言葉に惑わされる犠牲者をもう出したくない。
「……絶対なんてことはないんだ。覚悟は―――」
そこまで言って、スザクはみゆきが今にも泣き出しそうな顔をしているのにようやく気付いた。
さすがにまずかったか。わずかに罪悪感が湧く。しかし、撤回するつもりはなかった。
「……ごめん、そんなに困らせるつもりじゃなかった。……ただ、覚悟しておけってことを言いたかったんだ」
自分でも驚くくらいそっけなく謝罪し、みゆきから視線をそらす。
「……親友だと思っているのは、自分だけかもしれないんだから」
その言葉は、自分にしか聞こえないように呟いて。
その言葉は、自分にしか聞こえないように呟いて。
少なくともスザクは、他人を好んで殺すつもりは全くない。
少し前の自分なら、殺人なんて間違った手段で願いを叶えるなんて間違っている、とV.V.に憤り、彼を倒そうとしていただろう。
しかし1年の歳月は、根本的な理想こそ変えなかったが、彼によりシビアな人間観と決意を与えた。
理想を行使するためには、多少の犠牲はやむをえない。
手段を間違っては意味がないことは分かっていても、時には間違った手段をとってでもなさなければならないことがある、と。
少し前の自分なら、殺人なんて間違った手段で願いを叶えるなんて間違っている、とV.V.に憤り、彼を倒そうとしていただろう。
しかし1年の歳月は、根本的な理想こそ変えなかったが、彼によりシビアな人間観と決意を与えた。
理想を行使するためには、多少の犠牲はやむをえない。
手段を間違っては意味がないことは分かっていても、時には間違った手段をとってでもなさなければならないことがある、と。
……もし、ルルーシュがこの場所においてもギアスを弱者に使うのならば。
そして、他人を操り、自分のために利用し殺す―――シャーリーやユフィのように―――ならば。
そして、他人を操り、自分のために利用し殺す―――シャーリーやユフィのように―――ならば。
―――僕が、君をこの手で殺す。
許しは請いはしない。ルルーシュの間違った手段は、自分がこの手で終わらせる。
そして彼以外にも、弱者の心を操り利用する人間がいるならば、……殺すことも覚悟する必要がある。
―――僕は君のような悪にはならない!絶対に、絶対にだ!
その思考が己の理想と相反するものであるとは気づかずに、スザクは一人誓いを固める。
そして彼以外にも、弱者の心を操り利用する人間がいるならば、……殺すことも覚悟する必要がある。
―――僕は君のような悪にはならない!絶対に、絶対にだ!
その思考が己の理想と相反するものであるとは気づかずに、スザクは一人誓いを固める。
「……あ、あの……」
「……さあ、もうそろそろ行こうか。同じ場所にとどまるのは危ない」
そして不安そうな顔のみゆきに手を差し出す。
「危なくなったら僕が守るから。いいかな?」
「……は、はい」
少し不安そうな顔をしていた少女は、しかしそれでもスザクの手をとった。
そして不安そうな顔のみゆきに手を差し出す。
「危なくなったら僕が守るから。いいかな?」
「……は、はい」
少し不安そうな顔をしていた少女は、しかしそれでもスザクの手をとった。
※
―――どうすればいいのでしょうか……
みゆきは、自分を守ってくれると言った青年を、計りかねていた。
元より優秀で博識な彼女のこと、今の状況の理解は一般人にしては早かった。
しかしそれでも、未だにショックは拭えない。今も尚、ゆたかの首が脳内で繰り越しフラッシュバックし、倒れそうになる。吐き気もする。早く休みたい、というのが本音だった。
それを繋ぎ止めていたのは、他の知り合いに会いたいという強い願望。
『君は、『親友』が大切な人を殺さないって信じられるかい?』
先ほどのスザクの言葉が甦り、ありえません、と小さく呟く。
ありえない。そんなことはしない。絶対に。
そう力強く主張したかった。だが、スザクの表情に気圧され、言葉が出て来ずじまいだった。
正直に言うなら―――みゆきは、スザクが怖かった。
日本人と名乗った割に外見も服装も自分たちとはてんで違い、世界観も違うらしい少年。
少々愛想がないのが難点だが、考え方そのものはここから脱出したい、という自分と同じもので、みゆきを守るというその言葉に嘘偽りは感じられなかった。
みゆきは、自分を守ってくれると言った青年を、計りかねていた。
元より優秀で博識な彼女のこと、今の状況の理解は一般人にしては早かった。
しかしそれでも、未だにショックは拭えない。今も尚、ゆたかの首が脳内で繰り越しフラッシュバックし、倒れそうになる。吐き気もする。早く休みたい、というのが本音だった。
それを繋ぎ止めていたのは、他の知り合いに会いたいという強い願望。
『君は、『親友』が大切な人を殺さないって信じられるかい?』
先ほどのスザクの言葉が甦り、ありえません、と小さく呟く。
ありえない。そんなことはしない。絶対に。
そう力強く主張したかった。だが、スザクの表情に気圧され、言葉が出て来ずじまいだった。
正直に言うなら―――みゆきは、スザクが怖かった。
日本人と名乗った割に外見も服装も自分たちとはてんで違い、世界観も違うらしい少年。
少々愛想がないのが難点だが、考え方そのものはここから脱出したい、という自分と同じもので、みゆきを守るというその言葉に嘘偽りは感じられなかった。
しかし、スザクはどこか危うい。
親友のことを問い詰めて来た時の表情は、みゆきに質問とは別のことを聞いていた気がした。
『君の親友が人を殺したとして―――君は、彼女を許せるか?』
そんな、ことを。
そんなことを彼が口にした訳ではない。気のせいならいい。しかし―――
『親友だと思っているのは、自分だけかもしれないんだから』
スザクの言葉は、みゆきにちゃんと届いていた。
そして、その言葉が、心臓を揺さぶる。
そんなこと、ありません。
そう言い聞かせるが、心の中に残る一抹の不安。
もし、本当に自分だけだったら?
自分のことを萌え要素、などとよく分からない言葉で褒めてくれるこなたが、そしてかがみやつかさが、本当は自分に対して遠慮しているだけだとすれば?
―――違います、そんなこと……
とにかく休みたい。
こんなことを考えてしまうのは、きっと今精神的に参っているからだ。
親友のことを問い詰めて来た時の表情は、みゆきに質問とは別のことを聞いていた気がした。
『君の親友が人を殺したとして―――君は、彼女を許せるか?』
そんな、ことを。
そんなことを彼が口にした訳ではない。気のせいならいい。しかし―――
『親友だと思っているのは、自分だけかもしれないんだから』
スザクの言葉は、みゆきにちゃんと届いていた。
そして、その言葉が、心臓を揺さぶる。
そんなこと、ありません。
そう言い聞かせるが、心の中に残る一抹の不安。
もし、本当に自分だけだったら?
自分のことを萌え要素、などとよく分からない言葉で褒めてくれるこなたが、そしてかがみやつかさが、本当は自分に対して遠慮しているだけだとすれば?
―――違います、そんなこと……
とにかく休みたい。
こんなことを考えてしまうのは、きっと今精神的に参っているからだ。
―――泉さん、つかささん、かがみさん、岩崎さん……無事でいて下さい。
無力なみゆきは、ただ仲間の無事を祈るのだった。
無力なみゆきは、ただ仲間の無事を祈るのだった。
ここで、みゆきが知りえるはずがなく、スザクも未だ対処できずにいる事実がある。
それは、正義を遂行すべく進む白き騎士にかけられた一つのギアス。
『親友』が彼を救いたいあまりにかけた、後にフレイヤ被弾の引金となったはずの、
――『生きろ』という絶対遵守の命令。
それは、正義を遂行すべく進む白き騎士にかけられた一つのギアス。
『親友』が彼を救いたいあまりにかけた、後にフレイヤ被弾の引金となったはずの、
――『生きろ』という絶対遵守の命令。
それが白き騎士、否白き悪魔に何をもたらすのか―――それはまだ、神以外誰にも分からない。
【一日目深夜/D-8 山道】
【枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[装備]なし
[所持品]支給品一式、ランダム支給品2~3
[状態]健康、『生きろ』ギアス継続中
[思考・行動]
基本思考:一刻も早く元の世界に帰る
1: 弱者は保護。ルルーシュなどの危険人物は殺すしか―――。
2:みゆきと行動する。みゆきの『親友』に不審
【枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[装備]なし
[所持品]支給品一式、ランダム支給品2~3
[状態]健康、『生きろ』ギアス継続中
[思考・行動]
基本思考:一刻も早く元の世界に帰る
1: 弱者は保護。ルルーシュなどの危険人物は殺すしか―――。
2:みゆきと行動する。みゆきの『親友』に不審
※参戦時期はシャーリー死亡直後です。
※オープニングのルルーシュを見て、ルルーシュが記憶を取り戻したと確信しました。
※『生きろ』ギアスがかかっています。主にスザクが死を覚悟した時に発動し、生きるためにあらゆる行動を起こします。
※オープニングのルルーシュを見て、ルルーシュが記憶を取り戻したと確信しました。
※『生きろ』ギアスがかかっています。主にスザクが死を覚悟した時に発動し、生きるためにあらゆる行動を起こします。
【高良みゆき@らき☆すた(漫画)】
[装備]なし
[所持品]支給品一式、ランダム支給品2~3
[状態]健康
[思考・行動]
基本思考:仲間に会う。皆で元の世界に帰りたい。
1:スザクと行動するが、不安
2:こなた達にわずかな疑念
[装備]なし
[所持品]支給品一式、ランダム支給品2~3
[状態]健康
[思考・行動]
基本思考:仲間に会う。皆で元の世界に帰りたい。
1:スザクと行動するが、不安
2:こなた達にわずかな疑念
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高良みゆき |