物理学LOVE

◆無限井戸型ポテンシャルに置かれた波束の運動
古典力学と量子力学のシームレスなつながりを可視化

(note 2024.09.14) 無限井戸型ポテンシャルに波束を置くとどうなるか?―古典論と量子論のシームレスなつながり―

◆シュテルン=ゲルラッハ実験に絡むパラドックス的問題
シュテルン=ゲルラッハ実験について、量子力学初学者が勘違いしやすい問題。量子力学の理解度テストにも使えると思う。

(note 2024.07.30) スピン測定に関わるパラドックス的問題―シュテルン=ゲルラッハ実験 考―

◆ベルの不等式の直観的理解、隠れた変数のモデル
いわゆる局所実在論に基づく「隠れた変数」の考え方で、どう技巧的なモデルを仮定しても、ベルの不等式は破ることはできないのを、具体的に可視化した例。ベルの不等式を変形して、単純なスピン相関関数に対する不等式も導出。いずれも、この観点の考察はあまりないと思う。

(note 2024.06.24) ベルの不等式の直観的理解―隠れた変数のモデルを大真面目に考える―

◆ターンテーブル上を転がる球の不思議な運動
動く床の上を転がる球の運動では、床面の点を基準にした角運動量が常に保存する。

(note 2024.04.22) ターンテーブル上を転がる球の不思議な運動

◆一様加速する電荷は電磁波を放射しない
電した物体を一様重力下で自由落下させたら電磁波を放射するか?という問題。2年前ふと思いついた疑問だが、調べると、著名な物理学者が論争したほど奥深い問題だった。電磁気学と一般相対論を組み合わせた壮大なパラドックス。

(note 2024.03.19) 一様加速する電荷は電磁波を放射するか?―電磁気学の奥深すぎるパラドックス―

◆ガウスの法則の破綻?
一様加速する電荷が形成する電磁場では、ガウスの法則が一見破綻する。この問題が解決されたのは、実に2014年らしい。

(note 2024.01.23) 事象の地平面、ガウスの法則の破綻?—リンドラー座標つれづれ(3)―
(note 2024.02.11) 無限遠にある電荷がガウスの法則を取り戻す―リンドラー座標つれづれ(4)―

◆一般相対論的放物線
一様重力場の放物線を一般相対論で求める問題

(note 2023.12.23) 一般相対論的放物線—リンドラー座標つれづれ(2)—

◆双子のパラドックス
リンドラ―座標を用いた双子のパラドックスの解法

(note 2023.12.16) リンドラー座標系つれづれ(1)―双子のパラドックス―

◆リンドラ―座標
相対論的な等加速度運動を記述する座標系(リンドラ―座標)の導出

(note 2023.10.04) リンドラ―座標を自力で導出してみた―等加速度運動の相対論的記述―

◆ビリヤードπ計算機の熱力学的解法
下記、2つのボールをぶつけると円周率が分かる話の続編。同じ問題の熱力学に基づく新解法。おそらく自分オリジナル。

(note 2023.07.16) 「ビリヤードπ計算機」の熱力学的解法

◆記号論理学の思い出
学生時代、述語論理の完全性定理の意味がなかなか理解できずハマった話。

(note 2023.04.23) 記号論理学の思い出

◆考えてみると不思議な伊能忠敬の地図
あの時代にあそこまで高精度の地図が作れるものなのか、昔から疑問だったが、伊能が用いた測量器具に現実的な誤差を設定してシミュレーションすると、確かに精度が出る!

(note 2023.03.22) 伊能忠敬が用いたローテク測量器具で本当に正確な地図が作れるのか?シミュレーションしてみた

◆植物の葉の出方に現れるフィボナッチ数の話
植物の葉の出方を表す「葉序」にフィボナッチ数が現れるのは、生物の形態に現れる意外な数学的性質としてよく知られており、いろいろな所に解説があるが、その手の解説には、数学的にきちんとした証明がないものが多い。自分が気になったのは、葉序にフィボナッチ数が現れることが、葉の重なりが最小になることと同値であることの証明である。何とか自分で証明してみたが、もっと簡単な証明が絶対ある気がする。

(note 2023.02.09) 植物の葉序フィボナッチの件、自力で証明してみた

◆2つのボールをぶつけると円周率が分かる話
論文紹介。というか、論文を読まずに自力で計算して証明した。

(note 2023.01.14) 2つのボールをぶつけると円周率が分かる―論文を読まずに自力で計算してみた―

◆指と指の隙間に見える干渉縞の謎
ネットで検索すると「単スリット回折」による説明が出てくるが、そうではない。自分の理解では、半無限スクリーンによる回折である。

(note 2023.01.04) 指と指の隙間に見える干渉縞の謎―意外と難しいその発生原理―

英語版も作成した。
You can easily see an interference pattern by using your fingers. Make a very narrow gap between two fingers, and peep the room illumination or sunlight through the gap. Put the finger gap about 10 cm ahead of your eye, and keep focusing your eye at the illumination. If you narrow the gap to superimpose the blurred edges of the fingers, you will find a very fine interference pattern within the superimposed shadow area as shown below.

As far as what I've understood, this phenomenon is not single slit diffraction. It is diffraction by a semi-infinite screen.
Refer to the following link for its explanation.
(note 2024.01.20) Interference Pattern Formed in a Finger Gap is NOT Single Slit Diffraction

◆潮干狩りはなぜ春にやる?
そもそも、潮汐に年周期が現れること自体、ちゃんとした解説はあまり出てこない。「日潮不等」という現象が深く関係しているが、そう単純ではないという話。

(note 2022.11.24) 潮干狩りはなぜ春にやる?―潮汐に年周期が現れる理由―


古典電磁気学の意外性のある問題
古典電磁気学は100年以上前に基礎理論が完成しているが、個別の問題を考えると、一見パラドックスに見えるような意外性のある帰結が導かれるものがある。しかも、理論の綻びはなかなか現れず、つくづくよくできていると感心させられるものが多い。量子論が絡まない古典物理学の奥深さを堪能できる。

◆電気回路のエネルギーは周辺の空間を伝わる
初めて聞いたときはトンデモ理論かと思ったが、ステップを踏んで考えると確かに認めざるを得ない。直流回路が形成する静的な電磁場とポインティングベクトルが示すエネルギーの流れが関係する興味深い問題。
自分の考察の詳細はこちら↓
(note 2022.09.24) 電気回路のエネルギーは周辺の空間を伝わる??―奥が深い古典電磁気学―
電気回路のエネルギーは周辺の空間を伝わる??(上記noteに移行済み)

◆磁気双極子モデルと「隠れた運動量」
遠藤雅守, 2012. 古典電磁気学における磁気双極子モデルと「隠れた運動量」に関する一考察. Proceedings of the School of Science of Tokai University, 47: 49--66.
ループ電流のモデルとして、導線中を流れる荷電粒子の運動を相対論的に考えるか否かで結果が変わるというパラドックス。ループ電流を外部の静電場中に置くと、ループ電流全体では電気的に中性のため、電流に正味の力は働かないはず。非相対論的に単純に考えると、電流を担う荷電粒子の運動量の総和は確かにゼロになる。ところが、相対論的に考えると非ゼロの正味の運動量が残ってしまう。これは何と、外部電場とループ電流の磁場による「静的な電磁場の運動量の積分値」と正確に相殺する。静的な電磁場によるポインティングベクトルの意味に一石を投じる問題である。
自分の考察の詳細はこちら↓
(note 2022.09.24) 「隠れた運動量」考―奥が深い古典電磁気学―
「隠れた運動量」考(上記noteに移行済み)

◆定常電流は電磁波を放射しない
斎藤吉彦, 2014. 電荷が加速しても定常電流は電磁波を放射しない. 大阪市立科学館研究報告, (24).
一般に、荷電粒子が加速度運動すると電磁波が放射されるが、荷電粒子単体ではなく、定常電流として加速度運動をする場合は電磁波を放射しない。点電荷が円運動をする場合は電磁波を放射するが、円形の導線を流れる定常電流は放射をしない。運動する点電荷が形成する電磁場の式を出発点として、点電荷の高密度分布の極限をとると、電磁場の式がよく知られた静的な電磁場に確かに収束することを愚直な計算で示している。式を追うと確かにそうなるのだが、例え定常電流であっても、それを形成する個々の点電荷は加速度運動をしているわけで、なぜ放射がなくなるのか直観的に理解するのが少々難しい。ちょっと考えると、個々の点電荷は実は放射しているが位相がバラバラのため、多くの点電荷の放射を合成すると結果的に相殺して静的な場に見えるのでは?と考えたくなるが、そうではない。
自分の考察の詳細はこちら↓
(note) 定常電流は電磁波を放射しない―奥が深い古典電磁気学―

◆半直線電流による電磁場の厳密解
斎藤吉彦, 2014. 半直線電流による電磁場の厳密解. 物理教育, 62(3): 155--162.
https://www.jstage.jst.go.jp/article/pesj/62/3/62_KJ00009468732/_article/-char/ja/
物理教育学会でちょっとした論争になったらしい、おもしろい問題。無限遠方から流れて端点で電荷が溜まっていく半直線電流を考えると、端点周囲には球対称に時間的に増大する電場(変位電流)が形成されるが、回転磁場は形成されないため、アンペール・マクスウェルの法則(マクスウェル方程式の1つ)を破るのではないか?というもの。端点における電荷の加速によって生じる放射を見落としていたのが原因で、それを考慮した厳密な計算を行うと、法則は成り立つ。見事な計算!

◆古典電磁気学における静電流系エネルギーの演繹的導出法
遠藤雅守, 2013. 古典電磁気学における静電流系エネルギーの演繹的導出法. Proceedings of the School of Science of Tokai University, 48: 49--59.

最終更新:2024年09月14日 12:03