Ceratosticha属微小ミノガに寄生するハネマダラアシブトコバチ

南足柄市で採集したCeratosticha属のミノガのミノ(おそらくオオヒロズミノガC. sp)から、ハネマダラアシブトコバチHockeria bifasciata Walker, 1834が羽化してきた。コバチ類の個別の種の寄主が判明した例として、神奈川虫報に報告 (齋藤, 2020h)。本種の寄主としては、これまでナシヒメシンクイとアカマエアオリンガが知られており、おそらく、発生時期の異なる複数種の蛾を寄主として、季節によって寄主を変えていると思われる。ミノに入っている蛹とそうでない蛹の両方に産卵できるのがすごいが、寄生蜂の世界では特に珍しい生態ではないらしい。



蛾が羽化しなかったミノの中を調べたら、虫の死骸がすっぽり入っている蛹の殻が入っていた。殻の中からは、羽化不全のコバチの死骸が。。



ハネマダラアシブトコバチ♀。土生先生による日本産アシブトコバチ科ChalcididaeのレビジョンHabu1960を参照し、本種と同定。特徴あるので、合ってるでしょう。Habu1960では体長3~4 mmとなっているが、この個体は微小なミノガに寄生したためか、体長は2 mmしかなかった。

最終更新:2021年09月17日 09:04